「公然わいせつをしてしまったときに示談をする意味とは?」
「公然わいせつ罪で示談をするとどのようなメリットがある?」
「公然わいせつ罪で被害者がいない場合、他にどのようなことができる?」
公然わいせつ罪は、性秩序・健全な性風俗を保護法益とする犯罪ですので、特定の被害者を観念することができません。
しかし、わいせつ行為を目撃した人は、見たくないものを見せられたことで精神的苦痛を被っていますので、目撃者を実質的な被害者とみなして示談することも可能です。
また、目撃者がいないまたは目撃者と示談ができないような場合でも、それ以外の方法により逮捕や起訴を回避できる可能性もあります。
本記事では、
・公然わいせつ罪で示談をする意味とは?
・公然わいせつ罪で示談をすることによる4つのメリット
・公然わいせつ罪で示談以外にできる4つのこと
などについてわかりやすく解説します。
示談やそれ以外の対策を講じる際には、専門家である弁護士のサポートが不可欠となりますので、公然わいせつ罪を犯してしまったときは、すぐに刑事事件に強い弁護士に相談するようにしましょう。
目次
公然わいせつ罪で示談をする意味とは?
公然わいせつ罪の示談は、誰との間で行えばよいのでしょうか。また、公然わいせつ罪で示談をするとどのような意味があるのでしょうか。以下で詳しくみていきましょう。
公然わいせつ罪は厳密にいえば被害者は存在しない
公然わいせつ罪は、性秩序・健全な性風俗を保護法益とする犯罪ですので、特定の被害者を観念することができません。不同意わいせつ罪や不同意性交等罪であれば、被害者と示談をすることにより、逮捕や起訴を回避できる可能性が高いですが、特定の被害者のいない犯罪である公然わいせつ罪では、示談をする相手がいないということになります。
そうすると公然わいせつ罪では、被害者と示談をするということは不可能なのでしょうか。
目撃者を事実上の被害者とみなして示談することができる
公然わいせつ事件の多くは、公然わいせつ事件の現場を目撃した人からの通報によって発覚するケースが多いです。
公然わいせつ事件の現場に偶然居合わせた目撃者は、見たくないものを見せられたことで精神的な苦痛を被りますので、加害者には民事上の賠償責任が発生します。そのため、刑事事件においても目撃者を事実上の被害者と評価して、示談をすることが可能です。
その際の示談金としては、精神的苦痛に対する慰謝料が中心となりますので、事案によって多少異なりますが、10~50万円程度が相場といえるでしょう。
このような事実上の被害者と示談をすることができれば、後述するようなメリットが得られますので、早期に示談交渉に着手することが重要になります。
ただし、行為者本人では被害者と示談を成立させるのは困難ですので、示談成立の可能性を高めるためにも早めに弁護士に相談するようにしてください。
公然わいせつ罪で示談が意味をなさないようなケース
以下のようなケースでは、被害者との示談が意味をなしませんので、示談以外の方法を考えていかなければなりません。
ピンサロでの公然わいせつ罪
ピンサロにおいて、壁の無いボックス席において周りから見えるような状態で、女性キャストも客も全裸で性的なサービスを受けていたという事案では、公然わいせつ罪が成立します。
しかし、ピンサロの店内には客や従業員などがいますが、自ら望んでその場所にいますので、公然わいせつ罪の被害者とはいえません。そのため、ピンサロでの公然わいせつ罪では、目撃者がいても被害者とは観念できず、示談が意味をなしません。
ハプニングバーでの公然わいせつ罪
ハプニングバーには、不特定多数の人が集まりますのでそのような場所で性行為をすれば、公然わいせつ罪が成立します。
しかし、ハプニングバーを訪れた客は、全員そのようなわいせつな行為をすることを目的として集まっていますので、わいせつ行為を目撃したとしても被害者とはいえません。そのため、ハプニングバーでの公然わいせつ罪でも被害者との示談は意味をなしません。
AV出演での公然わいせつ罪
屋外でAV撮影をする行為は、公然わいせつ罪に問われる可能性があります。
AVの撮影現場をたまたま目撃した人がいれば被害者になりますので、示談をすることができますが、そうでない場合は、主演者やスタッフは共犯者ですので、示談をすべき被害者にはあたりません。
公然わいせつ罪で示談をすることによる4つのメリット
公然わいせつ罪で現場を目撃した人と示談をすると、以下のようなメリットが得られます。
逮捕を回避できる
一般的な犯罪における示談と同様に公然わいせつ罪の示談においても、示談成立により逮捕を回避できるという効果が期待できます。
事件化するまえに被害者との間で示談ができれば、警察に通報されることがありませんので、事件が捜査機関に発覚するのを回避できます。また、通報後であっても早期に示談をまとめることができれば、逃亡のおそれや証拠隠滅のおそれが消滅したとして、逮捕を回避できる可能性が高くなります。
逮捕されてしまうと最長で23日間にも及ぶ身柄拘束を受けますので、そのような不利益を回避するためにも早期に示談を成立させるようにしましょう。
逮捕されたとしても早期の身柄解放が実現できる
公然わいせつ罪で示談が成立すれば、逮捕されたとしても早期の身柄解放の実現が期待できます。
公然わいせつ罪は、目撃者による通報で駆け付けた警察官により現行犯逮捕されるケースも少なくありません。また、防犯カメラなどから犯人が特定され後日逮捕に至るケースもあります。このように公然わいせつ罪で逮捕されてしまったとしても、勾留を阻止することができれば、最大でも72時間の身柄拘束で済ますことができます。
勾留されるかどうかによって身柄拘束期間は大きく変わってきますので、逮捕されてしまったときはすぐに示談交渉に着手するようにしましょう。
不起訴処分を獲得できる
公然わいせつ罪の被害者との間で示談が成立すれば、不起訴処分を獲得できる可能性があります。
公然わいせつ事件を起訴するかどうかは検察官の判断に委ねられていますが、公然わいせつ罪を犯したことが証拠上明らかであっても、その他の事情を考慮して不起訴にすることも可能です。これを「起訴猶予」といいます。
被害者との示談が成立しているかどうかは、検察官が不起訴の判断に傾く事情の一つになりますので、検察官による処分が決定するまでに示談をまとめることができれば、不起訴処分を獲得できる可能性が高くなるでしょう。
民事上のトラブルも一括解決できる
行為者は、公然わいせつ事件の現場を目撃した人に対して、民事上の損害賠償責任を負います。
しかし、刑事事件において被害者と示談が成立し、それによりすべて解決済みとの合意ができれば、民事上の損害賠償責任も含めて一括解決することができます。
このように被害者との示談には、刑事事件および民事事件を解決するという大きな役割があります。
公然わいせつ罪の示談金相場は10~50万円程度
公然わいせつ罪で示談をするには、被害者に対して示談金の支払いが必要になります。
公然わいせつ罪の示談金の額は、事案によってケースバイケースになりますが、一般的には10~50万円程度が相場になります。
被害者と示談をする際には、示談金相場を踏まえた金額を提示する必要がありますので、まずは弁護士に相談して、ご自身の事案においてどの程度の金額が相場になるのか判断してもらうとよいでしょう。
公然わいせつ罪で示談以外にできる4つのことを
公然わいせつ罪を犯してしまった場合、示談以外にも以下のような方法により、逮捕や起訴を回避できる可能性があります。
贖罪寄付
公然わいせつ事件の現場を目撃した人がいない、または被害者が示談に応じてくれないときは、贖罪寄付も有効な手段です。
贖罪寄付とは、贖罪寄付とは、罪を犯した人が反省の気持ちを示すために、弁護士会や被害者支援団体などに対して寄付をすることをいいます。
贖罪寄付は、直接被害者に対して、示談金が支払われるわけではないため、被害者と示談が成立した場合に比べると効果は低いといえます。しかし、被疑者にとって有利な情状であることには変わりありませんので、贖罪寄付をすることで不起訴処分を獲得できる可能性を高めることができます。
再犯防止のための治療
常習的に公然わいせつ行為をしている人は、性依存症などの疾患を抱えている可能性があります。そのような疾患を抱えている可能性のある方は、専門の医療機関で治療を受けることをおすすめします。
専門の医療機関で治療をすることで自身の特性と向き合い、今後の行動を自制できる可能性が高くなります。また、適切な治療により再犯の可能性が低いということを示すことができれば、不起訴処分の可能性も高くなります。
家族による監督
再犯防止のためには同居の家族による監督も重要な要素となります。
家族による適切な監督が期待できれば、今後、同様の犯罪が繰り返される可能性は低くなります。有利な処分の獲得を希望するなら、家族による今後の監督を誓う誓約書を提出するとともに、具体的な監督の方法を提示するとよいでしょう。
自首
公然わいせつ事件が捜査機関に発覚するまでであれば、自首も有効な手段となります。
自首をすることにより、起訴されたときの刑が任意的に減軽されるという法的効果が生じます。また、そのような法的効果だけでなく反省の態度を示すことで逮捕や起訴を回避できるという事実上の効果も期待できます。
公然わいせつ罪の示談交渉はグラディアトル法律事務所にお任せください
公然わいせつ罪の示談交渉をお考えの方は、ご自身で対応するのではなくグラディアトル法律事務所にお任せください。
経験と実績豊富な弁護士による示談交渉
公然わいせつ罪の示談交渉は、本人が被害者と直接交渉するのは困難です。なぜなら、公然わいせつ事件の現場を目撃した人は、行為者に対して不快感や嫌悪感を抱いていますので、直接話をしたくても拒否されることが多いためです。
しかし、弁護士が示談交渉を担当すれば、被害者は直接行為者と話をする必要がないため、スムーズに示談交渉を進めることができます。グラディアトル法律事務所では、被害者との示談交渉を得意としており、示談交渉に関する豊富な経験と実績がありますので、どうぞ安心してお任せください。早期に被害者との示談をまとめて、逮捕や起訴を回避できるよう全力でサポートいたします。
複数弁護士在籍の強みを活かした迅速な対応
刑事事件はスピード勝負と言われるように、迅速な対応が重要になります。
グラディアトル法律事務所では、複数の弁護士が在籍していますので、いつでも迅速に対応できる体制を整えております。早ければ即日対応も可能ですので、迅速な対応を希望される方は、当事務所までお問い合わせください。
初回相談料無料・24時間365日相談受付
当事務所では、相談は24時間365日受け付けておりますので、早朝・夜間や土日祝日であっても関係なく、お困りのことがありましたらお気軽にご連絡ください。
また、初回法律相談料は無料で対応していますので、まずは相談だけでも結構です。刑事事件は、スピード勝負と言われるように迅速な対応が重要になりますので、少しでも早く弁護活動に着手するためにもまずは当事務所までお問い合わせください。
まとめ
公然わいせつ罪は、性秩序・健全な性風俗を保護法益とする犯罪ですが、公然わいせつ事件の現場を目撃した人を被害者とみなして示談をすることも可能です。
ただし、被害者との示談にあたっては、専門家である弁護士のサポートが不可欠となりますので、早めに弁護士に相談することがおすすめです。
公然わいせつ事件の被害者との示談をお考えの方は、グラディアトル法律事務所までお気軽にご相談ください。