「弁護プラン: 強制性交等(強姦)」について
強姦(強制性交)というと、無理矢理女性を襲うというイメージが強いですし、現にそのような事件もありますが、女性の同意なく(同意があると勘違いをして)性交をして同意の有無が争われるケースも多いです。
当初は合意があるように見えても、合意していないとして後に事件化されてしまえば、強制性交等罪で逮捕されてしまう可能性があります。
また、女性に酒を飲ませて泥酔状態にするなど、女性の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じて性交をすると準強制性交等罪が成立します。
刑法177条の改正(強姦から強制性交等罪へ)
刑法177条が改正され,強姦罪から強制性交等罪に変わりました。
《改正のポイント》
・処罰対象の拡大
改正前の強姦罪では,「女子を姦淫」と定められており,被害者が女性に限定されておりました。改正後の強制性交等罪では,被害者が女性に限定されておらず,男性も被害者になり得ます。
また,処罰対象の行為についても,改正前の強姦罪では性交のみが処罰対象であったのに対して,改正後の強制性交等罪では,性交のほか,肛門性交,口腔性交も処罰対象となっています。
・親告罪ではなくなった
改正前の強姦罪では,親告罪であったため,被害者の告訴がなければ起訴できませんでした。
しかし,改正後の強制性交等罪では,親告罪ではなくなったため,被害者の告訴がなくとも起訴ができるようになりました。
・重罰化
改正前の強姦罪では,3年以上の有期懲役でした。
改正後の強制性交等罪では,5年以上の有期懲役となりました。
執行猶予は,3年以下の懲役刑が言い渡された場合につけることができるので,
5年の懲役刑の場合には執行猶予はつけられません。
酌量減軽等の減刑がなされない限り,執行猶予がつかない重い刑になりました。
強制性交等・強制わいせつ不成立の主張
強制性交等・強制わいせつ事件として警察が捜査を始めても、実際にはわいせつ行為や性行為をしていない、あるいは同意の上での行為であった場合など、強制性交等罪・強制わいせつ罪に当たらないにもかかわらず捜査対象となり、取調べや逮捕が行われる場合があります。
そのような場合、弁護士は、捜査機関に対して強制性交等罪・強制わいせつ罪の成立を否定する客観的な証拠を提出したり、捜査機関の見解が十分な証拠に基づくものではないことを主張したりして、不起訴処分・無罪判決を勝ち取るように尽力します。
また、依頼者の方に対しては取調べ対応などについての的確なアドバイスをして、捜査機関により思いがけず不利な証拠を作られてしまわないようにします。
強姦罪特有の弁護活動
自白している場合
強姦罪は、被害女性に与える精神的な苦痛が大きいため、相当金額の賠償をする必要があります。女性の被害感情も激しくなっているので、第三者である弁護士を付けて示談交渉をすることは必須です。また、女性の連絡先を知らない場合には、いずれにしても弁護士でなければ連絡や示談をすることはできないので、その場合にも同様です。
否認している場合
よくある否認のケースが当事者間の合意があったというものです。この場合には、それ以前のメール、SNSでのやり取り、当時の状況を記憶の鮮明な状態の時に証拠化しておき、必要に応じて当時の状況の関係者などの供述を得るなど、早期にこちらに有利な証拠を集めておく必要があります。
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