迷惑防止条例で定めるストーカー(つきまとい)行為の8つの成立要件とは?

惑防止条例で定めるストーカー(つきまとい)行為の8つの成立要件とは?
弁護士 若林翔
2024年12月06日更新

「ストーカー行為をしてしまったが、迷惑防止条例違反で罰せられるのだろうか」

「ストーカー規制法違反や軽犯罪法違反との違いは?」

ストーカー(つきまとい)行為を行った場合、迷惑防止条例違反で罰せられることになります。

ただし、犯行態様や状況よってはストーカー規制法違反や軽犯罪法違反が適用されたりと、その“境目”が難しいのも特徴の一つです。

各犯罪における罰則は、以下をご覧ください。

犯罪名罰則該当する行為(感情)
迷惑防止条例違反1年以下の懲役または100万円以下の罰金(東京都の場合)恨みや妬み、悪意をもって、反復してストーカーする(つきまとう)行為
ストーカー規制法違反1年以下の懲役または100万円以下の罰金(※)恋愛(好意の)感情やそれが満たされなかったことに対する怨恨の感情をもって、反復してストーカー(つきまとう)行為
軽犯罪法違反拘留(1~30日未満の身柄拘束)または科料(1,000~10,000円以下の罰金)常習的ではない(1回限り)のストーカー(つきまとい)行為

※禁止命令を違反した場合は、2年以下の懲役または200万円以下の罰金

各犯罪の成立要件が明確に定められているわけではありませんが、

  • ◎ストーカー行為を繰り返して行った場合→迷惑防止条例違反
  • ◎ストーカー行為を繰り返して行った場合(恋愛感情が起因)→ストーカー規制法違反
  • ◎ストーカー行為が常習的ではない場合→軽犯罪法違反

このような分類分けがあることは覚えておきましょう。

また、ストーカー(つきまとい)行為といっても、どこまでがストーカー行為でどこまでが犯罪未満なのかの線引きが難しいのも特徴の一つとしてあります。
「自分のこれまでの行動はストーカー(つきまとい)行為になるのか」と悩む方もいるのではないでしょうか。

下記の表をご覧ください。

ストーカー行為に該当する行為(東京都迷惑防止条例)
ストーカー行為に該当する行為(東京都迷惑防止条例)

上記は東京都の迷惑防止条例から抜粋していますが、この8つのどれかに該当する行為がストーカー(つきまとい)行為になります。

自分はストーカー(つきまとい)行為をしていないと思っていても、被害者の捉え方次第ではストーカー行為に認定され、逮捕されてしまう可能性もあるのです。
「こんなことでストーカー(つきまとい)行為に?」と呆気にとられることもあるかもしれません。

ですので、少しでも不安に感じた方は、今すぐ弁護士に相談することをおすすめします。

早期に弁護士へ依頼することで、今後自分がどのように動けばいいのかが明確になり、逮捕回避だけでなく、被害者との円満な解決策を模索することが可能になります。

そこで当記事では、それぞれの犯罪の特徴やストーカー(つきまとい)行為の8つの成立要件について深掘りし、逮捕の可能性がある場合にはすぐに弁護士を見つけられるようサポートしていきます。

あなたが、「逮捕されるかもしれない」という不安から解放され、平穏な日常生活を取り戻せることを願っています。

目次

迷惑防止条例とストーカー規制法、軽犯罪法の違いについて

ストーカー行為を行った場合、「迷惑防止条例」「ストーカー規制法」「軽犯罪法」のいずれかで罰せられることになります。
どの犯罪で罰せられるかは、犯行態様や状況によっても変わるので一概に言えませんが、以下の表を参考にお考えいただければと思います。

犯罪名罰則該当する行為(感情)
迷惑防止条例違反1年以下の懲役または100万円以下の罰金(東京都の場合)恨みや妬み、悪意をもって、反復してストーカーする(つきまとう)行為
ストーカー規制法違反1年以下の懲役または100万円以下の罰金(※)恋愛(好意の)感情やそれが満たされなかったことに対する怨恨の感情をもって、反復してストーカー(つきまとう)行為
軽犯罪法違反拘留(1~30日未満の身柄拘束)または科料(1,000~10,000円以下の罰金)常習的ではない(1回限り)のストーカー(つきまとい)行為

上記3つの犯罪について、ストーカー行為の定義は共通していますが、単一もしくは反復した行為なのか、どのような感情(恨みなのか恋愛感情なのか)で行ったのかで該当する犯罪が変わってくるということです。

それぞれの犯罪について、以下で深掘りしていきます。

迷惑防止条例|妬みや恨みなどの悪意の感情に基づく行為

犯罪名罰則該当する行為(感情)
迷惑防止条例違反1年以下の懲役または100万円以下の罰金(東京都の場合)恨みや妬み、悪意をもって、反復してストーカーする(つきまとう)行為

※東京都の場合

恨みや妬み、悪意の感情をもとに反復してストーカー行為を行った場合は迷惑防止条例違反となります。

具体例として、

  • ・相手の自宅を特定しようと、何日にもわたって後方から後をつけた
  • ・自宅に押し掛け、何日にもわたってドアを叩いたり蹴ったりした
  • ・会社の部下が気に食わないからと何度も無言電話をかけた

といった行為が当てはまります。

ポイントは、反復してストーカー行為を行っているという点で、これが単一(1回)の行為であった場合は軽犯罪法に該当する可能性があります。

  • ◇反復したストーカー行為・・・迷惑防止条例違反
  • ◇単一のストーカー行為・・・軽犯罪法違反

ただし、反復した行為=迷惑防止条例違反というわけではなく、各都道府県の条例の違いや行為態様、警察や検察官の判断でも違ってきますので、あくまでも目安として覚えておきましょう。

ストーカー規制法|恋愛感情や好意の感情に基づく行為

犯罪名罰則該当する行為(感情)
ストーカー規制法違反1年以下の懲役または100万円以下の罰金(※)恋愛(好意の)感情やそれが満たされなかったことに対する怨恨の感情をもって、反復してストーカー(つきまとう)行為

恋愛感情やそれが満たされなかったことに対する怨恨の感情をもとに、反復してストーカー行為を行った場合はストーカー規制法違反になります。

具体例として、

  • ・好意を持っている同僚(女性)を繰り返し後をつけた
  • ・相手の女性に「LINE(連絡)してこないで」と拒否されたにもかかわらず、継続して連絡した
  • ・告白を断られた腹いせに、自宅のポストに汚物を入れた

といった行為が当てはまります。

ストーカー行為自体は迷惑防止条例違反と変わりませんが、恋愛感情が絡んだ行為についてはストーカー規制法にて罰せられることになります。

刑罰は「1年以下の懲役または100万円以下の罰金」が科されますが、禁止命令が下されているにもかかわらず違反した場合には、「2年以下の罰金または200万円以下の罰金」と罪が重くなりますので注意しましょう。

軽犯罪法|常習性がないストーカー行為

犯罪名罰則該当する行為(感情)
軽犯罪法違反拘留(1~30日未満の身柄拘束)または科料(1,000~10,000円以下の罰金)常習的ではない(1回限り)のストーカー(つきまとい)行為

「1-1.迷惑防止条例|妬みや恨みなどの悪意の感情に基づく行為」でもお話しした通り、迷惑防止条例の要件には該当するものの、常習性がない(1回限り)ストーカー行為だった場合は軽犯罪法違反が成立します。

迷惑防止条例でお話しした具体例に当てはめると、以下のようになります。

  • ・相手の自宅を特定しようと、後方から後をつけた
  • ・自宅に押し掛け、ドアを叩いたり蹴ったりした
  • ・会社の部下が気に食わないからと無言電話をかけた

常習性がなく、行為態様が軽微だった場合は軽犯罪法で処される可能性が高いということです。

罰則についても、「拘留(1~30日未満の身柄拘束)または科料(1,000~10,000円以下の罰金)」と比較的に軽い罰になっています。

ストーカー行為は迷惑防止条例が成立し得る|成立要件は8つ

ストーカー行為における迷惑防止条例とストーカー規制法、軽犯罪法との違いについてお分かりいただけたのではないでしょうか。

では、次にどういった行為がストーカー行為に該当するのかについてお話ししていきます。 警視庁が定めるストーカー行為の成立要件は、以下の8項目が挙げられます。

迷惑防止条例のつきまとい行為における8つの成立要件

上記の8項目の行為に加え、反復して行為に及んだ場合は迷惑防止条例違反やストーカー規制法違反として罰せられる可能性が高くなります。

各項目について、以下で深掘りしていきます。

【成立要件1】つきまといや待ち伏せ、住居などに押し掛ける

正当な理由なく相手をつきまとったり、待ち伏せ、住居への押し掛けは迷惑防止条例におけるストーカー行為に該当します。

具体的には、以下の通りです。

  • ・相手方の後方から後をつける(追随する)
  • ・相手方の自宅や職場、学校に押し掛ける
  • ・相手方の自宅や職場、学校などの付近で見張る、みだりにうろつく

“正当な理由なく”という点が重要で、例えば「学校を休んだ友人が心配で家の前まで来たが、突然行ったら迷惑かも…という葛藤で家の前でうろついた」というケースにおいては、“友人を心配して”という点で正当性がある(ストーカー行為にならない)と判断できます。

【成立要件2】行動を監視していると思わせる言動

行動を監視していると思わせる言動はストーカー行為に該当します。

具体的には、以下の通りです。

  • ・相手方の帰宅に合わせて「お帰り」とメール送信する
  • ・相手方を隠し撮りした写真を送りつける
  • ・「昨日一緒に帰ってた男は誰?」と問い詰める

特に3つめの問い詰める行為について、同僚や友人間でも起こり得るケースです。

好意を抱いていた女性(男性)に嫉妬して思わず言ってしまうこともあると思いますが、それで相手方が不快に感じた場合はストーカー行為になる可能性がありますので、注意しましょう。

【成立要件3】著しく粗野または乱暴な言動

著しく粗野または乱暴な言動は、ストーカー行為に抵触します。

具体的には、以下の通りです。

  • ・相手方の家のドアを蹴ったり、叩いたりする
  • ・相手方に「バカヤロー出てこい」などと粗野な言葉で怒鳴ったり、罵声を浴びせたりする

正当な理由なく上記のような行為を行った場合は当然ですが、例えば酔った勢いで見知らぬ人の家のドアを蹴った、といった行為も軽犯罪法違反に抵触する可能性がありますので注意しましょう。

乱暴な行為が人体に及んだ場合は、暴行罪や傷害罪が成立する可能性もあり、より罪が重くなりますので注意が必要です。

詳しく記載しているコラムもありますので、併せてご覧ください。

【暴行罪】3つの成立要件と罰則が重くなる4つのパターン

傷害罪の成立要件とは?傷害罪が成立する具体的なケースを解説

 

【成立要件4】拒否されているにもかかわらず連続して電話やFAX、電子メールを送信する

相手方に拒否されているにもかかわらず連続電話やFAX、電子メール、文書などを送付(送信)する行為はストーカー行為に該当します。

具体的には、以下の通りです。

  • ・相手方に無言電話をかけ続ける
  • ・相手方が拒否しているにもかかわらず、何度もLINEやSNS等のメッセージを送信する
  • ・相手方が拒否しているにもかかわらず、何度も手紙を送りつける

“相手方が拒否している”という点は重要ですが、たとえ相手方が明確な拒否行動を取っていなくても、恐怖や不快に思わせてしまった場合は、ストーカー行為に該当する可能性があります。

「拒否していないから大丈夫」と誤った解釈はしないようにしましょう。

【成立要件5】汚物を送りつける

相手方の自宅や職場に汚物等を送付する行為は、ストーカー行為に該当します。

具体的には、以下の通りです。

  • ・汚物や動物の死体など、不快や嫌悪の情を与えるものを相手方の自宅や職場に送りつける
  • ・相手方の自宅前や敷地内に、汚物や動物の死体を置く
  • ・相手方に動物の死体などの写真を送りつける

汚物の定義というのはありませんが、一見汚物に見えないようなものであっても、不快や嫌悪の情を与えるものであった場合は迷惑防止条例に抵触する可能性がありますので、注意しましょう。

【成立要件6】相手の名誉を害する旨を告げる

相手の名誉を害する旨を告げた場合、ストーカー行為に抵触する可能性があります。

具体的には、以下の通りです。

  • ・相手方に「お前といるとバカがうつる」等と言って中傷する
  • ・「○○はバカだ」とSNSや掲示板などに掲載する

上記の行為に加え犯行態様や悪質性によっては、侮辱罪や名誉棄損罪にも抵触し、罪が重くなる可能性がありますので、注意しましょう。

侮辱罪と名誉毀損罪の違いとは?成立要件や判例を踏まえて解説!

【成立要件7】相手の性的羞恥心を害する旨を告げたり文書や画像・データを送付する

性的羞恥心を害する事項を告げる行為は、ストーカー行為に該当します。

具体的には、以下の通りです。

  • ・相手方にわいせつな写真・画像を送りつける
  • ・相手が望んでもいないのに、性的な言葉を告げる
  • ・相手が望んでもいないのに、卑わいな文章を電子メールで送信する

上記のポイントは“相手が望んでいないのに”という点です。

仮に、お互い気心の知れた仲で卑わいな言動に理解がある間柄なら、迷惑防止条例には該当しません。

ただし、片方がエスカレートして相手方は不快に感じた場合は迷惑防止条例に抵触する可能性もあります。

このように、相手方の感じ方次第で如何様にも変化してしまうため、「気心の知れた同僚・友人だから大丈夫」という固定概念を持たないことが大切です。

また、犯行態様や悪質性によっては不同意わいせつ罪が成立し、罪が重くなる場合もありますので、注意しましょう。

下記のコラムには不同意わいせつ罪について記載していますので、ご覧ください。

不同意わいせつ罪となる痴漢とは?迷惑防止条例との違いも解説

痴漢は迷惑防止条例違反?不同意わいせつ罪との違いや示談を解説

 

【成立要件8】相手方の承諾なく、GPS機器等を取り付ける・位置情報を取得する行為

相手方の承諾なしに、GPS機器等を取り付ける・位置情報を取得する行為は、ストーカー行為に該当します。

具体的には、以下の通りです。

  • ・相手方のスマートフォン等を勝手に操作し、記録されている位置情報を画面上に表示させて盗み見る
  • ・相手方の所有物(車やカバンなど)にGPS機器を取り付け、相手方の位置情報を把握できる状態にする

上記8つの成立要件について、常習的に行われた場合はストーカー行為に該当し、迷惑防止条例に抵触する可能性があります。

一方で、1回限りの犯行であった場合は軽犯罪法違反に抵触する可能性があり、逆に常習性かつ悪質性が認められた場合は、さらに重い罰が下される場合もありますので、ケースバイケースであることは覚えておきましょう。

ストーカー行為により迷惑防止条例の疑いで逮捕された場合の流れ

ストーカー行為で迷惑防止条例違反やその他犯罪(ストーカー規制法違反・軽犯罪法違反など)で逮捕された場合、警察の取り調べを受けることになります。

以下の表をご覧ください。

ストーカー行為で逮捕された後の流れ

逮捕後はスピード感をもって進行し、長期間拘束されてしまうだけでなく、有罪となれば前科がついて社会的信用が低下します。

会社の解雇や学校からの停学(退学)処分、就職が困難になる、家族や友人が離れていくなど、最悪の場合一生苦しむことになってしまうでしょう。

上記のようなリスクを回避するためには、一刻も早く弁護士に依頼して早期釈放を目指す必要があります。

※弁護士に依頼するメリットについては5章で詳しくお話しします。

まずは逮捕されたらどのような流れで進んでいくのかについて、以下で深掘りしていきます。

【24~48時間】逮捕されて取り調べを受ける

迷惑防止条例違反で逮捕された場合、まず警察の取り調べを受けます。

ストーカー行為の事実確認や悪質性といった犯行態様以外にも、家族関係や連絡先、職業、趣味嗜好など根掘り葉掘り聞かれます。

自分の行った行為について反省していて、被害者も罰しないと意思表示している場合は、この時点で釈放される場合もあります。(=微罪処分)

ただあくまで例外的な措置であって、原則48時間以内に検察官に引き継ぐことが法律で定められています。

そうでなくても、この期間は被害者はおろか家族とも面会をすることはできませんので、被疑者の早期釈放には、家族の協力が不可欠であるといえるでしょう。

【24時間以内】捜査が検察官に引き継がれ(送致)10日間の拘束(勾留)されるか釈放されるかが決まる

警察から検察官に捜査が切り替わり、引き続き取り調べを受けます。

(この期間も弁護士以外は面会が禁止されています)

検察官は24時間以内に、10日間の拘束(勾留)か釈放かを判断することになります。

勾留が決定となれば、そのまま留置場にて長期間拘束されますので、いかに釈放への道を模索するかが非常に重要になってきます。

検察官が裁判官に勾留請求をかけるケースは、以下の通りです。

  • ・逃亡や証拠隠滅の恐れがある
  • ・身元引受人がいない
  • ・住所不定
  • ・反省の色が見えない
  • ・被害者と和解できていない

ネット情報で「黙秘していれば有利に働く」という誤った情報が散見していますが、冤罪事件を除き、完全黙秘(否認)についても勾留請求の要因になりますので、覚えておきましょう。

【10日~20日間】拘束され続け起訴か不起訴かが決まる

勾留決定となれば、留置場で10日間拘束されます。

ただし10日間の拘束を経て釈放されるわけではなく、捜査状況によってはさらに10日間(合計20日間)の勾留延長となり、最終的に起訴か不起訴かを決定します。

ここまでで、逮捕から起算して最大23日間拘束されることになりますので、会社や学校へのごまかしもきかなくなります。

仮に起訴となれば、さらに数ヶ月間の拘束だけでなく前科が確定しますので、いかに不起訴を獲得するかが重要です。

【起訴後】裁判までの数ヶ月間拘束され続け、有罪となれば前科がつく

起訴後の流れ

起訴には大きく分けて、「略式起訴」と「正式起訴(公判請求)」の2種類が存在します。

基本的に、迷惑防止条例違反で逮捕された場合、初犯であれば裁判なしの罰金刑(略式起訴)で済むケースが大半です。

とはいえ、略式起訴であっても前科がつくことに変わりませんので、社会に復帰できても、前科のレッテルに苦しむことになります。

一方、悪質かつ常習的な犯行であった場合は正式起訴で裁判を経て有罪・無罪の判決を受けることになります。

「無罪の可能性もあるなら正式起訴の方が良いのでは?」と思うかもしれませんが、日本の有罪率は99.9%ですので、よっぽどのことがない限り有罪になると思った方がいいでしょう。

ストーカー行為で逮捕回避を目指すには弁護士に依頼して示談を進めよう

ストーカー行為で逮捕回避を目指すには弁護士に依頼して示談を進めよう

前項でお話しした通り、迷惑防止条例違反で逮捕された場合、何もしなければ、高確率で起訴され前科がついてしまう事態に陥ってしまいます。

早期釈放や不起訴を獲得するにあたって重要なのは、速やかに被害者と示談することです。

示談の結果和解することができれば、検察官や裁判官は「勾留や起訴の必要はなし」と判断するため、釈放となり逮捕前の平穏な日常を取り戻すことができます。

とはいえ、被疑者として逮捕されている以上、自力で被害者と示談を進めることはできません(そもそも面会が禁止されている)ので、弁護士に依頼して示談交渉を進めてもらうことになります。

「接見禁止期間において唯一弁護士だけが面会できる」だけでも、弁護士に依頼するメリットはあるのですが、他のメリットについても以下で深掘りしていきます。

被害者と迅速に示談交渉を行い、被害届の取り下げをしてくれるから

逮捕後、最大72時間は家族であっても面会することができません。

その期間において、唯一面会が許されているのは弁護士だけです。

逮捕後速やかにご依頼いただければ、被害者と迅速に示談交渉を行い、和解に向けた弁護活動が可能になります。

被害者から被害届を取り下げてもらうことで早期釈放にも繋がりますし、勾留期間であっても和解書や意見書などを提出することで、不起訴にしてもらうよう働きかけることもできます。

ご依頼が遅れて起訴されてしまった場合にもおいても、執行猶予を勝ち取り実刑判決を回避できるよう戦いますので、どのタイミングにおいても弁護士に依頼することが解決の糸口になるでしょう。

自力交渉による交渉の難航・トラブルを回避してくれるから

法律で自力交渉が禁止されているわけではありませんので、被害者が示談に応じれば、弁護士を介さず自力交渉を進めることは可能です。

ですが、被害者の心情として「許せない」「罪を償ってほしい」と思っていることが大半で、和解するどころか交渉が難航・悪化するリスクの方が高いと言わざるを得ません。

また被害者に法外な示談金を求められたとしても、罪の意識から要求を吞まざるを得ない状況になり、仮に釈放されたとしても資金繰りで大変な思いをするケースが予想できます。

法律のプロで交渉に長けた弁護士が間に入ることで、被害者も安心して示談交渉に応じれくれるようになり、仮に法外な示談金を要求されても、過去の経験をもとに適切な示談金を模索することも可能になります。

逮捕された場合でも不起訴になるように尽力してくれるから

迷惑防止条例違反での逮捕の場合、適切な対応が取れれば早期釈放・不起訴獲得できる可能性の方が高いです。

ただあくまで“適切な対応”が取れることが前提で、何もしなければ拘束は続き、最終的には起訴され前科がついてしまうことになるでしょう。

前科がつけば、社会的信用は低下し会社は解雇、学校からの処分、就職(再就職)が困難になる等、百害あって一利なしです。

弁護士にご依頼いただければ、弁護士費用はかかるものの、最悪の事態は回避できる可能性が非常に高くなります。

「4.ストーカー行為により迷惑防止条例の疑いで逮捕された場合の流れ」でもお話しした通り、逮捕後はスピード感を持って進行していきます。

いかに迅速に弁護士に依頼できるかが早期釈放・不起訴獲得のカギになりますので、逮捕された家族を救うためにも、一刻も早く弁護士に依頼することをおすすめします。

ストーカー行為による逮捕を回避するために「グラディアトル法律事務所」が全力で闘います

痴漢の示談金を抑えて成立を目指すならグラディアトル法律事務所にお任せください

逮捕された家族を救うためにも、実績豊富な「グラディアトル法律事務所」にお任せください。私たちが当事務所を強くおすすめする理由は、以下の通りです。

  • ①迷惑防止条例違反において、逮捕回避に導いた実績が豊富にある
  • ②24時間365日・全国対応でスピーディーに解決できるノウハウがある
  • ③初回無料相談サービスを実施している

上記3つのポイントについて詳しく説明していきますので、ぜひ弁護士事務所選びの参考にしてください。

逮捕回避に導いた実績が豊富ある

当事務所はストーカー行為で逮捕された事案において、数々の事件を解決に導いた実績があります。

何度もお話ししている通り、早期釈放・不起訴獲得には被害者との示談交渉が重要です。

被害者はもちろん、被害者の家族や担当弁護士とも円滑なコミュニケーションを図り、ストーカー被害にあってしまった心情をしっかりくみ取りながらも、依頼者の未来のために怯まず闘っていきます。

実績豊富で私たちだからこそ、ストーカー事件で被疑者となってしまったあなたやあなたの家族へのダメージを、最小限に抑えることができるのです。

24時間365日・全国対応でスピーディーに解決できるノウハウがある

当事務所は、いつどこで起こるか分からないストーカー事件に対応するため、24時間365日全国対応できるノウハウを持っています。

逮捕後の72時間をいかに有効活用するかが重要になってきますので、「弁護士に依頼したいのに電話が繋がらなかった…」という事態は絶対に避けなければなりません。

相談から解決までスピーディーに対応できるノウハウを持っている私たちなら、ある時突然被疑者や被疑者の家族になってしまったあなたのために、いつでも相談を受け付ける体制を整えています。

初回無料相談サービスを実施している

弁護士に依頼するのが最善だとは理解していても、高額な費用を前に依頼をためらってしまうこともあるかもしれません。

また、相談するにも相談料が発生してしまうので、絶対に失敗したくないご家族の気持ちとしては、中々行動に移せない気持ちも理解できます。

そのような悩みを払拭するために、当事務所は「初回相談料無料サービス」を実施しております。

ですので、まずはお気軽に私たちにご相談ください。

あなたやあなたの家族を円満解決に導くお手伝いをさせていただきます。

よくある質問

ストーカー行為に関するよくある質問

無言電話やSNS等によるストーカー(つきまとい)行為は迷惑防止条例に違反しますか?

無言電話やSNS等によるストーカー行為は迷惑防止条例に該当します。

ただ犯行態様によっては軽犯罪法違反が成立する可能性がありますし、悪質性が認められればさらに罪が重くなる可能性もありますので、一概にこうなる、というものはございません。

「もしかしたらストーカー行為してしまったかも」「後日逮捕される可能性はあるのだろうか」と悩んでいる場合は、当事務所にご相談ください。

どこからがストーカー行為として成立しますか?

迷惑防止条例で定めるストーカー行為は、主に8つの成立要件に分類されます。

「2.ストーカー行為は迷惑防止条例が成立し得る|成立要件は8つ」でも説明していますが、

  • ①つきまといや待ち伏せ、住居などに押し掛ける
  • ②行動を監視していると思わせる言動
  • ③著しく粗野または乱暴な言動
  • ④拒否されているにもかかわらず連続して電話やFAX、電子メールを送信する
  • ⑤汚物を送りつける
  • ⑥相手の名誉を害する旨を告げる
  • ⑦相手の性的羞恥心を害する旨を告げたり文書や画像・データを送付する
  • ⑧相手方の承諾なく、GPS機器等を取り付ける・位置情報を取得する行為

上記8つに当てはまる行為は、ストーカー行為になります。

迷惑防止条例とストーカー規制法の違いは何ですか?

迷惑防止条例とストーカー規制法について、成立要件は一緒です。

ただ、恋愛(好意の)感情やそれが満たされなかったことに対する怨恨の感情をもって、反復してストーカー(つきまとう)行為についてはストーカー規制法が適用されます。

また、迷惑防止条例の要件は満たしているもの、常習性がなく1回限りの犯行については軽犯罪法が適用される場合もありますので、ケースバイケースといえるでしょう。

まとめ

いかがでしたか?

迷惑防止条例における8つの成立要件と、ストーカー規制法・軽犯罪法との違い、逮捕後の流れなどについて詳しく説明してきました。

最後にこの記事をまとめましょう。

◎迷惑防止条例・ストーカー規制法・軽犯罪法の違いは次の通り

犯罪名罰則該当する行為(感情)
迷惑防止条例違反1年以下の懲役または100万円以下の罰金(東京都の場合)恨みや妬み、悪意をもって、反復してストーカーする(つきまとう)行為
ストーカー規制法違反1年以下の懲役または100万円以下の罰金(※)恋愛(好意の)感情やそれが満たされなかったことに対する怨恨の感情をもって、反復してストーカー(つきまとう)行為
軽犯罪法違反拘留(1~30日未満の身柄拘束)または科料(1,000~10,000円以下の罰金)常習的ではない(1回限り)のストーカー(つきまとい)行為

※禁止命令を違反した場合は、2年以下の懲役または200万円以下の罰金

◎迷惑防止条例で定めるストーカー行為は8つ

以下に、ストーカー行為や迷惑防止条例違反に該当する行為を簡潔にまとめました。

成立要件内容具体例
1. つきまといや待ち伏せ、住居などに押し掛ける正当な理由なくつきまとい、待ち伏せ、住居などに押し掛ける行為・後をつける
・自宅や職場に押し掛ける
・付近で見張る
2. 行動を監視していると思わせる言動相手を監視していると感じさせる言動・「お帰り」とメール
・隠し撮りの写真を送りつける
・「誰と一緒にいた?」と問い詰める
3. 著しく粗野または乱暴な言動粗野な言葉や行動で相手を威圧する行為・家のドアを蹴る
・怒鳴る、罵声を浴びせる
4. 拒否されているにもかかわらず連続して電話やメールを送信する相手が拒否しているのに電話やメッセージを送り続ける行為・無言電話
・拒否されてもLINEや手紙を送る
5. 汚物を送りつける汚物や不快な物を送付または置く行為・汚物や動物の死体を送る
・敷地内に不快な物を置く
6. 相手の名誉を害する旨を告げる名誉を傷つける言葉や行為・「お前といるとバカがうつる」と言う
・SNSで誹謗中傷を投稿
7. 相手の性的羞恥心を害する言動性的羞恥心を傷つける行為や内容の送付・わいせつな写真を送る
・性的な発言や卑わいなメールを送る
8. 相手方の承諾なくGPS機器等を取り付けるGPS機器で位置情報を無断取得する行為・スマホを操作して位置情報を盗み見る
・車やカバンにGPS機器を取り付ける

注意点:

  • 常習性がある場合は迷惑防止条例違反やストーカー規制法違反となる可能性が高い。
  • 1回限りでも軽犯罪法違反に該当する場合がある。
  • 悪質性や常習性が認められれば、より重い罰則を受ける可能性がある。

◎ストーカー行為で逮捕された後の流れは次の通り

  • ①逮捕
  • ②検察官送致
  • ③勾留or釈放
  • ④起訴or不起訴
  • ⑤裁判で判決か略式起訴で罰金

◎ストーカー行為で逮捕されたら一刻も早く弁護士に依頼するべき理由3つ

  • ①被害者と迅速に示談交渉を行い、被害届の取り下げをしてくれるから
  • ②自力交渉による交渉の難航・トラブルを回避してくれるから
  • ③逮捕された場合でも不起訴になるように尽力してくれるから

以上になります。

大切な家族に前科がつかないようにするためにも、一刻も早く弁護士に依頼することが必要です。

あなたがこの記事を読み終わったらすぐに弁護士に依頼し、あなたの大切な家族に前科がつかず、事件前のような平穏な日々を取り戻せることを願っています。

弁護士 若林翔

弁護士法人グラディアトル法律事務所代表弁護士。 東京弁護士会所属(登録番号:50133) 男女トラブルや詐欺、消費者被害、誹謗中傷など多岐にわたる分野を手掛けるとともに、顧問弁護士として風俗やキャバクラ、ホストクラブなど、ナイトビジネスの健全化に助力している。

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