パパ活で不同意性交等罪が成立する?犯罪になるケースや対処法を解説

パパ活で不同意性交等罪が成立する?犯罪になるケースや対処法を解説
弁護士 若林翔
2024年12月23日更新

金銭的なやりとりのうえに成り立つ「パパ活」においては、不同意性交等罪のリスクが比較的高いと考えられます。

実際にパパ活の相手から「性行為には同意していなかった」「示談金を支払ってくれないと訴える」などと言われ、自分が犯罪者になってしまうのではないかと不安に感じている方もいるのではないでしょうか。

パパ活の一環として性行為に及んだ場合でも、一定の要件を満たしていれば、不同意性交等罪が成立する可能性は十分あります。

そのため、パパ活相手とトラブルが生じた場合は、速やかに弁護士へ相談し、今後の対応についてアドバイスを受けるようにしてください。

本記事では、パパ活で不同意性交等罪が成立するケースや、美人局・示談金ビジネスのリスクなどについて解説します。

パパ活で不同意性交等罪に問われたときの対処法も記載しているので、少しでも逮捕や起訴の可能性を下げたい方は参考にしてみてください。

パパ活での性行為は不同意性交等罪になる可能性がある

パパ活での性行為は、経緯や相手の年齢次第で不同意性交等罪になる可能性があります。

不同意性交等罪の成否に関して、当事者同士がパパ活でつながっていたかどうかは基本的に関係しません。

たとえパパ活の延長線上で性行為に及んだとしても、相手が嫌がっていた場合や子どもだった場合などは、不同意性交等罪で逮捕・起訴されるおそれがあります。

実際に「お金を渡しているのだから性行為をするのも当然」と勘違いした男性が、パパ活相手から訴えられるようなケースは少なくありません。

パパ活での性行為は、買春などに該当する可能性もあるので絶対にやめてください。

パパ活相手との性行為で不同意性交等罪が成立するケース

次に、パパ活相手との性行為で不同意性交等罪が成立するケースを紹介します。

パパ活相手との性行為で不同意性交等罪が成立するケース

相手の同意を得ることなく性行為に及んだ場合

パパ活相手の同意を得ることなく性行為に及んだ場合は、不同意性交等罪に問われる可能性が高いといえるでしょう。

刑法では、相手が「同意しない意思を形成、表明、全うすることが難しい状態」での性行為を不同意性交等罪の適用対象としています。

そして、「同意しない意思を形成、表明、全うすることが難しい状態」を引き起こす手段は以下のとおり条文に明記されています。

  1. 1.暴行や脅迫を用いること
  2. 2.心身の障害を生じさせること
  3. 3.アルコールや薬物を摂取させること
  4. 4.睡眠その他の意識が明瞭でない状態にさせること
  5. 5.同意しない意思を形成し、表明し、またはそのいとまがないこと
  6. 6.予想と異なる事態に直面させて恐怖させ、もしくは驚愕させること
  7. 7.虐待に起因する心理的反応を生じさせること
  8. 8.経済的または社会的関係上の地位に基づく影響力によって受ける不利益を憂慮させること

たとえば、相手が拒否しているのに無理やり性行為をした場合や、酒を飲ませ、酩酊状態にさせたうえで性行為をした場合などは、不同意性交等罪に該当する可能性があります。

ただし、同意の有無に関しては一律の判断基準があるわけではないので、当事者間で主張が食い違うケースも少なくありません。

同意の有無をめぐって言い争いになった場合は、速やかに弁護士に相談し、客観的な視点に立った意見を求めるようにしてください。

13歳未満のこども・5歳以上離れた16歳未満の子どもと性行為に及んだ場合

パパ活で性行為をした相手が13歳未満、または、5歳以上離れた16歳未満の子どもだった場合も不同意性交等罪が成立します。

注意すべきは、たとえ相手の同意があっても、不同意性交等罪が成立するということです。

13歳未満の子どもは、そもそも性行為の意味を十分に理解していません。

また、13歳以上16歳未満の子どもは、相手との対等な関係がなければ、性行為に対する自由な意思決定ができないと考えられています。

以上のような観点から、子どもとの性行為は同意の有無に関わらず、不同意性交等罪が成立するのです。

たとえば、20歳の大学生が15歳の中学生と真剣に交際し、合意のうえで性行為をおこなった場合でも、親が通報すれば不同意性交等罪で逮捕される可能性があります。

パパ活で不同意性交等罪の疑いをかけられるきっかけ

次に、パパ活で不同意性交等罪の疑いをかけられるきっかけを紹介します。

パパ活相手が成人だった場合と未成年だった場合に分けて、詳しくみていきましょう。

パパ活相手との性行為で不同意性交等罪が成立するケース

パパ活で性行為をした相手が成人だった場合

パパ活で性行為をした相手が成人だった場合は、以下のようなきっかけで不同意性交等罪を疑われるケースが多いといえます。

    • ・パパ活相手が自ら警察に通報する

    • ・話を聞いた友人が本人に代わって通報する

    • ・パパ活相手が受診した病院から警察に通報がいく

なお、不同意性交等罪は非親告罪です。

被害者自身が告訴しなくても、警察による捜査は始まり、逮捕・起訴に至る可能性があります。

パパ活で性行為をした相手が未成年だった場合

パパ活で性行為をした相手が未成年だった場合は、以下のような出来事がきっかけで、不同意性交等罪を疑われることがあります。

    • ・未成年が自ら警察に通報する

    • ・未成年の保護者がパパ活に気づいて通報する

    • ・未成年が警察に補導されてパパ活が発覚する

    • ・未成年とのパパ活を怪しんだ目撃者が通報する

    • ・ほかの男性とパパ活していたことがバレて、芋づる式に発覚する

上記のように、相手が未成年の場合は周囲にいる人物の関与によって、事件が発覚するケースも多くみられます。

パパ活では美人局や示談金ビジネスとして不同意性交等罪が利用されるリスクがある!

パパ活では美人局や示談金ビジネスとして、不同意性交等罪が利用されるケースも少なくありません

本来であれば、嫌がる相手と無理やり性行為をしない限り、不同意性交等罪に問われる可能性は低いといえます。

しかし、もともとの信頼関係が存在しないパパ活においては、そうともいえません。

行為の際には同意しているように見せて、あとから「食事するだけのつもりだった。性行為には同意していない」などと主張してくる事例が数多くあるのです。

そして、問題を大きくしたくない一心で、示談金を支払ってしまう人が後を絶ちません。

パパ活をするにしても、大きなリスクがあることを踏まえたうえで、危ない橋はわたらないようにしましょう。

【冤罪!?】職場の部下(愛人)への不同意性交等罪で逮捕されるも10日間で釈放・不起訴!

パパ活での不同意性交等罪で逮捕されたあとの流れ

パパ活での不同意性交等罪で逮捕されたあとの流れは以下のとおりです。

パパ活での不同意性交等罪で逮捕されたあとの流れ

まず、逮捕後は警察の取り調べを受け、48時間以内に検察へ送致されます。

その後は、24時間以内に勾留され、身柄拘束を受けた状態で捜査に協力していくケースが一般的です。

なお、勾留期間は原則10日間、延長された場合は最大20日間にわたります。

捜査が終了すると、検察官が起訴・不起訴を判断します。

不同意性交等罪の刑罰は「5年以上の有期拘禁刑」とされており、罰金刑のない重大な犯罪なので略式起訴はありません。

起訴された場合は、公開法廷で裁判が開かれることになります。

パパ活で不同意性交等罪に問われたときの対処法

次に、パパ活で不同意性交等罪に問われたときの対処法を解説します。

パパ活で不同意性交等罪に問われたときの対処法

適切な対応がとれるかどうかでその後の処遇が大きく変わってくるので、迅速な行動を心がけましょう。

被害者との示談を成立させる

パパ活で不同意性交等罪に問われた場合は、被害者と示談を成立させることが何よりも重要です。

示談の中で金銭的な補償をおこない、反省の態度を示せば、被害者の処罰感情が弱まり、警察への通報を踏みとどまってもらえることがあります。

早期に示談を成立させれば、事件化する前に解決することも十分可能です。

また、示談の成立は当事者間で和解していることの証明でもあるため、逮捕や起訴も回避しやすくなります。

仮に起訴された場合でも、示談が成立していれば、減刑を獲得できるかもしれません。

しかし、被害者に対して直接示談を申し入れても、まともに応じてはもらえないでしょう。

交渉に至ったとしても、高額な示談金を請求されるおそれがあります。

そのため、示談を進める際は弁護士のサポートが必要不可欠です。

示談に関して詳しく記載している記事もありますので、併せてご覧ください。

不同意性交等罪の慰謝料・示談金相場は?払えない場合の対処法も解説

冤罪であれば事実を主張して証拠を集める

パパ活で不同意性交等罪に問われた場合、冤罪であれば事実を主張し続けることが重要です。

早く解決したいからといって罪を認めてしまうと、重い刑罰に処され、あとで後悔することにもなりかねません。

また、不同意性交等罪の立証責任は相手側にありますが、こちらとしても根拠をもって反論していく必要があります

そのため、以下のような証拠をできるだけ多く集めるようにしましょう。

    • ・性行為前後のメール・SNSでのやり取り

    • ・ホテル周辺に設置された防犯カメラの映像

    • ・目撃者の証言

    • ・デート中に撮影した写真

性行為に同意していたことが直接的にわかるものがなくても、二人の仲睦まじい様子を示す証拠などがあれば、冤罪の疑いを晴らせる可能性があります。

不同意性交等罪の成立要件と冤罪を避けるための証拠6選を弁護士が解説

できるだけ早く弁護士に相談する

パパ活で不同意性交等罪に問われた場合は、できるだけ早く弁護士に相談してください。

弁護士に相談・依頼すれば、個々の状況に合わせた最善の対応策を提案・実行してもらえるため、逮捕回避や早期釈放、不起訴獲得の可能性を大きく高められます

具体的には、以下のようなサポートを受けられます。

    • ・被害者との示談交渉

    • ・逮捕後の接見

    • ・取り調べに対するアドバイス

    • ・証拠収集

    • ・勾留請求の阻止

    • ・早期釈放の請求

    • ・不当な捜査に対する抗議

    • ・自首の同行

    • ・裁判への出席

実際にグラディアトル法律事務所でも、パパ活の不同意性交等罪に関する事件を多数取り扱ってきました

例えば、会社の部下から不同意性交等罪で訴えられた男性の事例が挙げられます。

【事案概要】

会社の上司が部下と愛人関係・性的関係にあった部下が「脅迫されて性行為をした」と主張。後日、部下が警察へ相談。2日後に上司が逮捕され、弊所へ依頼冤罪を主張しつつ、被害者と示談交渉。500万円で示談が成立し、翌日に釈放・不起訴処分

グラディアトル法律事務所では、経験豊富なスタッフが24時間体制で事件に対応しています。

早期に相談いただくことがスムーズな問題解決につながるので、少しでも不安を感じているのであれば、まず弊所までお問い合わせください。

※※※ 問い合わせ先:03-6273-0472(初回相談無料・24時間受付) ※※※

不同意性交等罪の逮捕率は57%?|流れと逮捕を防ぐ方法を解説!

【不同意性交等罪の起訴率は32%?】不起訴になる3つの方法を解説

パパ活での不同意性交等罪に関するよくある質問

最後に、パパ活での不同意性交等罪に関するよくある質問を紹介します。

パパ活での不同意性交等罪に関するよくある質問

性行為をしないパパ活に違法性はある?

性行為をしないパパ活には、基本的に違法性はありません

金銭を渡して食事やデートをする程度であれば、合法的な活動とみなされます。

ただし、相手が未成年の場合は、未成年者略取・誘拐罪などの罪に問われる可能性があるので注意してください。

また、詐欺や恐喝などをともなうパパ活も当然処罰の対象です。

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相手が16歳未満だと知らなければ不同意性交等罪にならない?

性行為をした相手が16歳未満だと知らなければ、原則として不同意性交等罪は成立しません

ただし、明らかに若く見える場合など、相手が16歳未満であることを疑う余地が少しでもあったのであれば、罪に問われる可能性が出てきます。

実際、パパ活で同じ時間を過ごすなかで、年齢に疑問を抱くタイミングや確認する機会はあるはずなので、16歳未満との性行為で無実を主張するのは難しいといえるでしょう。

パパ活で不同意性交等罪になると家族や職場にバレる?

パパ活で不同意性交等罪になると、家族や職場にバレる可能性は高いといえます。

不同意性交等罪は社会的関心の高い性犯罪であり、逮捕や起訴された場合に実名報道されることが多いためです。

また、長期の身柄拘束を受けると家にも帰れず、出勤もできないので隠し通すことは難しいでしょう。

そのため、不同意性交等罪を疑われた場合は、できるだけ早く弁護士に相談し、事件化する前に解決することが重要です。

パパ活で不同意性交等罪に問われたときは弁護士に相談を!

本記事のポイントは以下のとおりです。

    • ・パパ活での性行為は不同意性交等罪になる可能性がある

    • ・同意のない性行為、誤信・人違いを利用した性行為、子どもとの性行為は不同意性交等罪に該当する

    • ・美人局や示談金ビジネスとして不同意性交等罪が利用されるケースも多い

    • ・不同意性交等罪に問われたときは、示談交渉・証拠収集などを迅速に進める

不同意性交等罪は重大な犯罪であり、重い刑罰が規定されています。

そのため、事件化の阻止または不起訴処分の獲得に向けて、弁護士のサポートを受けながら早急に対処することが重要です。

グラディアトル法律事務所では、初回の相談を無料で受け付けています

刑事事件が得意な弁護士による迅速な対応が可能なので、困ったときはいつでもご相談ください。

弁護士 若林翔

弁護士法人グラディアトル法律事務所代表弁護士。 東京弁護士会所属(登録番号:50133) 男女トラブルや詐欺、消費者被害、誹謗中傷など多岐にわたる分野を手掛けるとともに、顧問弁護士として風俗やキャバクラ、ホストクラブなど、ナイトビジネスの健全化に助力している。

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