不同意わいせつ罪の初犯なら不起訴の可能性も!前科をつけない方法とは?

弁護士 若林翔
2024年12月01日更新

「不同意わいせつ罪は初犯なら執行猶予になる?」

「不同意わいせつ罪の初犯の量刑相場はどのくらい?」

「不同意わいせつ罪の初犯なら不起訴処分を狙うことも可能?」

不同意わいせつ罪の法定刑は、6月以上10年以下の拘禁刑ですので、起訴されれば量刑上罰金刑になる余地はありません。

ただし、初犯であれば執行猶予が付く可能性の高い犯罪ですので、直ちに刑務所に収容されるケースは少ないでしょう。

もっとも、被害者との間で示談が成立していれば、不起訴処分を獲得できる可能性もありますので、早期に被害者との示談交渉に着手することが重要です。

本記事では、

・不同意わいせつ罪の初犯の量刑相場

・不同意わいせつ罪の初犯でも実刑になる可能性がある3つのケース

・不同意わいせつ罪の示談交渉を弁護士に依頼すべき3つの理由

などについてわかりやすく解説します。

不同意わいせつ罪の被害者と示談をするためには、刑事事件に強い弁護士のサポートが不可欠になりますので、早めに弁護士に相談するようにしましょう。

不同意わいせつ罪の初犯の量刑相場|懲役1~3年

不同意わいせつ罪の初犯の量刑相場|懲役1~3年

不同意わいせつ罪は、2023年7月13日施行の改正刑法により新設された犯罪ですので、量刑相場のわかる資料はまだ存在しません。しかし、不同意わいせつ罪と改正前の強制わいせつ罪の量刑は、刑の種類を除いて共通ですので、強制わいせつ罪の量刑相場が参考になります。

法務省が公表している「性犯罪の量刑に関する資料」によると、令和元年に強制わいせつ罪で有罪となった事件の量刑は、以下のようになっています。

1年以下2年以下3年以下5年以下7年以下10年以下
29件(4.05%)550件(65.19%)189件(26.34%)28件(3.51%)3件(0.50%)1件(0.29%)

この表からは、懲役1~3年が全体の約9割を占めていますので、不同意わいせつ罪の量刑相場は、懲役1~3年といえるでしょう。

なお、初犯という事情は、量刑判断にあたって被告人に有利な事情として考慮されますので、不同意わいせつ罪の初犯であれば、量刑相場の下限に近い刑になる可能性が高いといえます。

下記の記事も併せてご覧ください。

不同意わいせつ事件の量刑相場は懲役1~3年・執行猶予率は約77%

不同意わいせつ罪の初犯なら執行猶予あり!

執行猶予を付けるためには、以下の条件を満たす必要があります。

・判決内容が3年以下の懲役もしくは禁錮または50万円以下の罰金
・前に禁錮以上の刑を受けたことがない
・前に禁錮以上の刑を受けたことがあっても5年よりも前である

不同意わいせつ罪の量刑相場が懲役1~3年ですので、初犯であれば、上記のいずれの条件も満たしますので、起訴されて有罪になったとしても執行猶予が付く可能性が高いです。

執行猶予が付かない実刑判決になってしまうと、判決確定後、刑務所に収容されてしまいますので、通常の社会生活を送ることができなくなってしまいます。そのため、被告人によっては、執行猶予が付くかどうかが重要なポイントとなります。

 

不同意わいせつ罪の初犯でも実刑になる可能性がある3つのケース

不同意わいせつ罪の初犯でも実刑になる可能性がある3つのケース

不同意わいせつ罪の初犯であれば執行猶予が付く可能性が高いですが、事案によっては、初犯であっても実刑判決になる可能性もあります。以下では、不同意わいせつ罪の初犯でも実刑になる可能性がある3つのケースを説明します。

犯行態様が悪質

犯行態様が悪質なケースでは、初犯であっても実刑判決になる可能性があります。犯行態様が悪質なケースの例としては、以下のようなケースが挙げられます。

・同一の被害者に対して繰り返しわいせつな行為をしたケース
・睡眠薬を準備するなど計画的にわいせつな行為をしたケース
・保育士や教師などの地位を利用してわいせつな行為をしたケース

被害者の年齢が低い

被害者の年齢が低いケースでは、被害者に与える精神的なダメージも大きくなりますので、重大な結果が生じたものとして初犯であっても実刑判決になる可能性があります。

刑法改正により不同意わいせつ罪が新設された際に、「性交同意年齢」という性行為への同意を自分で判断できるとみなされる年齢が13歳から16歳に引き上げられました。これは、若年者の未成熟さにつけ込んだ性犯罪が増加していることを受けた法改正になります。このような法改正の経緯からも若年者に対する性犯罪を厳しく取り締まるという姿勢がみてとれますので、未成年者のなかでも特に16歳未満の子どもを対象として性犯罪に関しては、厳しい処分がなされる可能性が高いといえます。

余罪が多数存在する

初犯とは、過去に刑事裁判で有罪になった前科がないことをいいます。

しかし、初犯であっても、これまで捜査機関に発覚しなかった余罪が複数ある場合には、それも含めて刑罰が科されますので、執行猶予が付かない実刑判決になる可能性があります。

特に、不同意わいせつ罪などの性犯罪の余罪がある場合には、再犯の可能性が高いと判断されて、実刑判決になる可能性がさらに高くなってしまいます。

不同意わいせつ罪で逮捕された際の捜査で余罪が判明するケースも多いため、複数の余罪がある方は初犯であったとしても安心してはいけません。

不同意わいせつ罪の初犯で示談が成立していれば不起訴の可能性大!

不同意わいせつ罪の初犯は、起訴されて有罪になったとしても執行猶予が付く可能性が高いといえますが、被害者との間で示談が成立していれば、不起訴処分を獲得できる可能性も十分にあります。

執行猶予付きの判決も有罪判決であることに変わりありませんので、刑務所に収容はされないものの前科が付いてしまいます。これに対して、不起訴処分になれば前科が付くこともありませんので、起訴されるか不起訴になるかは重要な分岐点といえるでしょう。起訴されてしまうと、99%以上の事件が有罪になっていますので、無罪判決を獲得するのは至難の業です。初犯であれば被害者との示談により不起訴処分も十分に狙えますので、検察官による起訴・不起訴の判断が出る前に被害者との示談をまとめるようにしましょう。

なお、不同意わいせつ罪は、被害者の告訴がなくても起訴することができる「非親告罪」に該当しますが、性犯罪という性質上、検察官が事件を起訴する際には、被害者の心情に配慮することが求められていますので、示談が成立していれば非親告罪であっても不起訴になる可能性が高いです。

下記の記事で不起訴について詳しく記載していますので、ご覧ください。

不同意わいせつ罪の不起訴率は約60%!不起訴獲得のポイントを解説 

不同意わいせつ罪の示談交渉を弁護士に依頼すべき3つの理由

不同意わいせつ罪の示談交渉を弁護士に依頼すべき3つの理由

不同意わいせつ罪の初犯で不起訴処分を目指すのであれば、被害者との示談が重要になりますが、以下のような理由から示談交渉は弁護士に依頼するのがおすすめです。

連絡先がわからなくても示談ができる

不同意わいせつ事件の当事者は、お互いに面識がなく、相手の連絡先がわからないというケースも少なくありません。示談交渉を行うためには、相手に連絡をとらなければなりませんので、連絡先がわからなければ示談交渉を進めることすらできません。

しかし、弁護士であれば捜査機関を通じて示談の意向がある旨を被害者に伝えることができます。被害者としても弁護士限りであれば、連絡先を教えてもよいという方が多いため、弁護士が介入することで示談交渉を進められる可能性が高くなります。

相手の連絡先がわからないという場合でも諦めずに、まずは弁護士に相談するようにしましょう。

被害者との示談交渉を任せられる

不同意わいせつ罪は、性犯罪という性質上、被害者は、加害者に対して強い恐怖心や嫌悪感を抱いているため、加害者が直接連絡しても拒絶されてしまうケースが多いです。

このようなケースでは、弁護士に示談交渉をお任せください。弁護士が示談交渉の窓口になれば、被害者は直接加害者と話をする必要がなくなりますので、安心して示談交渉に応じてくれるようになります。性犯罪に強い弁護士であれば、被害者側の処罰感情にも配慮しながら示談交渉を進められますので、自分で対応するよりもスムーズに示談を成立させることが可能です。

適正な示談金相場で示談できる

不同意わいせつ事件の示談金は、50~100万円程度が相場になりますが、実際の金額は事案によってケースバイケースです。被害者側から提示された金額が妥当な金額であるかどうかは、事案の内容などを踏まえて判断しなければなりませんので、一般の方では正確に判断することができません。

また、自分で示談交渉をすると加害者としての立場から被害者に対して、強く要求ができず、不当に高額な示談金の支払いに応じてしまうリスクもあります。

弁護士であれば具体的な事情を踏まえて適正な示談金を算出できますので、適正な示談金相場で示談することができます。

 

不同意わいせつ罪の初犯の方はグラディアトル法律事務所にご相談ください

不同意わいせつ罪の初犯の方はグラディアトル法律事務所にご相談ください

不同意わいせつ罪の初犯の方は、不起訴処分や執行猶予付き判決を獲得できる可能性がありますので、まずはグラディアトル法律事務所までご相談ください。

経験豊富な弁護士によるサポート

不同意わいせつ事件の弁護は弁護士であれば誰でもよいというわけではありません。弁護士の能力は、これまでの経験によって大きく左右されますので、刑事事件の経験豊富な弁護士に依頼することが重要です。

グラディアトル法律事務所では、刑事事件に関する豊富な経験と実績があり、不同意わいせつ事件のような性犯罪の弁護も得意としています。性犯罪の被害者との間で示談を多数成立させた経験もありますので、不同意わいせつ罪の被害者との示談交渉は、当事務所の弁護士にお任せください。

なお、参考までにグラディアトル法律事務所が扱った不同意わいせつ事件の事案を紹介します。

【概要】

はしご酒で泥酔状態で入ったお店にて、出会った女性と意気投合したと思い、肩を組んだり腰に手を回したり(途中で店員の注意あり)、帰り間際にキスしたところ、店員を呼ばれ叱責されるとともに警察にも通報されてしまいました。何度か事情聴取を受け、書類送検予定の状況下で、被害者との示談依頼希望で、当事務所にお問い合わせいただきました。

【結果】

警察・検察に連絡し、被害者および被害者代理人と粘り強く交渉し、当初は相場よりも高い示談金を要求されたものの、相場の範囲内である示談金100万円にて示談をまとめ不起訴処分を獲得することに成功しました。

複数弁護士在籍の強みを活かした迅速対応

刑事事件は、スピード勝負といわれるように、迅速な対応が処分の内容を左右することになります。不起訴処分を獲得するには、検察官による処分が決定する前に示談を成立させる必要があり、限られた時間の中で対応していかなければなりません。

当事務所では、複数弁護士在籍の強みを活かしていつでも迅速な対応が可能な体制を整えてみなさまからのご連絡をお待ちしています。最短で当日対応も可能ですので、不同意わいせつ事件を起こしてしまったときはすぐに当事務所にご連絡ください。

初回相談料無料・24時間365日相談受付

弁護士に相談をしたくても費用や時間を気にして、すぐに相談できない方も少なくありません。

当事務所では、24時間365日相談を受け付けておりますので、土日・祝日、早朝・深夜いつでもお電話可能です。初回相談料も無料で対応していますのでお気軽にお問い合わせください。

まとめ

不同意わいせつ事件の初犯であれば、有罪になったとしても執行猶予が付く可能性が高いです。さらに、検察官による起訴・不起訴の判断の前に被害者と示談を成立させることができれば、不起訴処分を獲得できる可能性も十分にあります。

被害者との示談をまとめるには、刑事事件に強い弁護士のサポートが不可欠となりますので、まずはグラディアトル法律事務所までお気軽にご相談ください。

弁護士 若林翔

弁護士法人グラディアトル法律事務所代表弁護士。 東京弁護士会所属(登録番号:50133) 男女トラブルや詐欺、消費者被害、誹謗中傷など多岐にわたる分野を手掛けるとともに、顧問弁護士として風俗やキャバクラ、ホストクラブなど、ナイトビジネスの健全化に助力している。

お悩み別相談方法

弁護プラン一覧

よく読まれるキーワード