盗撮で不起訴になるには?不起訴率や示談の重要性を弁護士が解説

盗撮で不起訴になるには?不起訴率や示談の重要性を弁護士が解説
弁護士 若林翔
2024年06月14日更新

「盗撮事件を起こしても不起訴になる可能性はあるのか」

「不起訴の獲得に向けて何をやるべきなのか」

盗撮事件を起こしてしまった場合、起訴されて前科がついてしまうのではないかと大きな不安や焦りを抱えることになるでしょう。

しかし、適切な対策を講じることができれば、不起訴を獲得できる可能性は十分あります。

そのため、問題が大きくなる前に弁護士とも相談しながら、示談の成立などに向けて行動を起こすことが何よりも大切です。

本記事では、盗撮事件の不起訴率や不起訴になるための対策などを解説するので、ぜひ最後まで目を通してみてください。

盗撮事件を起こしても不起訴となる可能性は十分ある

盗撮事件を起こしたからといって、必ずしも起訴され、有罪になるわけではありません。

刑法上、盗撮は比較的軽微な犯罪とされており、さまざまな事情を考慮したうえで刑事裁判にかける必要がないと判断された場合には、不起訴となることもあります。

撮影罪が施行される2023年7月以前、盗撮は各自治体の条例違反で処罰されるのが一般的でした。

しかし、条例違反で立件された事件のうち、起訴は5,499件、不起訴は4,914件約半数は不起訴処分となっています。(参照:令和5年版犯罪白書

条例違反には盗撮以外も含まれるので、盗撮の不起訴率に関して厳密な数字を示すことはできませんが、数多くの盗撮事件を扱ってきたグラディアトル法律事務所の弁護士の感覚としても盗撮事件の不起訴率は高いほうです。

盗撮事件で不起訴を獲得できる可能性は十分あるといえるでしょう。

そのため、盗撮したことが事実であっても悲観的にならず、不起訴に向けた対策を早急に講じることが重要です。

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盗撮で罰金刑になる場合は?不起訴や懲役刑との分岐点と罰金相場を解説

盗撮事件における不起訴の種類

盗撮事件における不起訴には、以下の3種類があります。

盗撮における不起訴の種類

不起訴を目指すうえでの基礎知識として、それぞれの違いを覚えておきましょう。

嫌疑なし:犯人でないことが明らかな場合

「嫌疑なし」とは、犯人でないことが明らかな場合に出される不起訴処分です。

たとえば、盗撮事件として立件されたものの、加害者のアリバイが証明された場合や真犯人が見つかった場合などが該当します。

ただし、「嫌疑なし」となるような事件ではそもそも送検されないため、実務上「嫌疑なし」による不起訴処分が出されることはほとんどありません。

嫌疑不十分:決定的な証拠がない場合

「嫌疑不十分」は、決定的な証拠がない場合に出される不起訴処分です。

嫌疑が完全になくなったわけではないものの、犯罪の成立を決定づける証拠が揃わず、検察官が起訴を断念した場合に出されるケースが多いといえるでしょう。

盗撮していないのに疑いをかけられている場合などには、「嫌疑なし」や「嫌疑不十分」による不起訴を目指すことになります。

起訴猶予:犯罪は立証できるがあえて起訴しない場合

「起訴猶予」とは、犯罪は立証できるがあえて起訴しない場合に出される不起訴処分です。

盗撮の事実があるのであれば、「起訴猶予」による不起訴を目指すことになるでしょう。

たとえば、被害者との示談が成立している場合や加害者に反省が見られる場合などは、刑罰を科さなくても更正が見込めると判断され、「起訴猶予」となる傾向があります。

つまり、事件後の対応次第で、起訴猶予による不起訴処分を獲得できるかどうかが変わってくるわけです。

盗撮で不起訴(起訴猶予)となるためにできること

ここでは、盗撮で起訴猶予による不起訴処分を獲得するためにできることを解説します。

主に4つのポイントがあるので、一つひとつ詳しく見ていきましょう。

盗撮で不起訴(起訴猶予)となるためにできること

早急に示談を進める

不起訴処分の獲得を目指すのであれば、早急に被害者との示談を進めるようにしましょう。

示談を成立させて被害者と和解していることを示せば、刑罰を科す必要がないと判断され、起訴猶予となる可能性が高まります。

反対に示談が成立しなかった場合は、罰金刑となり前科がついてしまうことも少なくありません。

ただし、加害者から被害者に対して直接示談を申し入れるのは控えましょう

恐怖心や不信感を抱いている被害者に取り合ってもらえる可能性は低いうえ、交渉に応じてもらえたとしても、足元を見られて高額な示談金を請求されるケースがあります。

そのため、示談を進める際には、すべて弁護士に任せるのが賢明な判断といえるでしょう。

盗撮の示談金相場は10~100万円!適正な金額の早期解決法を紹介

反省している姿勢をみせる

盗撮で不起訴となるためには、反省している姿勢をみせることも大切です。

深く反省し、再犯の可能性が低いと考えられる場合は、あえて刑罰を与える必要はないと判断され、起訴猶予となることがあります。

具体的には、被害者に謝罪文を送付したり、検察に反省文を提出したりといった方法が考えられるでしょう。

たとえ被害者に謝罪文を受け取ってもらえなくても、自発的に作成したという事実を残すことが、反省の意を示すための重要なポイントです。

再犯防止に向けた取り組みをおこなう

不起訴を獲得するためには、再犯防止に向けた取り組みをおこなうことも重要です。

盗撮行為は依存性が高く、再犯率が高い犯罪とされています。

そのため、再犯防止に向けた取り組みをおこなっているかどうかは、起訴・不起訴の判断に大きく影響するわけです。

たとえば、病院で治療を受けたり、盗撮嗜好の画像・書籍などを処分したりといった対策が挙げられます。

また、公共交通機関を利用する際は親に同行してもらう、スマホの中身を配偶者に適宜チェックしてもらうなど、家族の協力を得られると、より熱心に取り組みをおこなっていることを示せるでしょう。

できるだけ早く弁護士に相談する

盗撮事件を起こしたときは、できるだけ早く弁護士に相談してください。

盗撮事件を得意とする弁護士に相談・依頼すれば、豊富なノウハウに基づき、個々の状況に合わせた最善の解決策を提案・実行してくれるはずです。

たとえば、示談を進める際にも、交渉のプロである弁護士が間に入るかどうかで結果は大きく変わります。

また、弁護士から検察官に働きかけをおこなってもらうことで、不起訴に近づくケースもあるでしょう。

そのため、少しでも不起訴の可能性を高めたいのであれば、弁護士のサポートは必要不可欠といえます。

盗撮がバレたら弁護士に依頼!メリットと盗撮に強い弁護士の探し方

盗撮事件で不起訴処分を獲得した事例

グラディアトル法律事務所では、数多くの盗撮事件で不起訴を獲得した実績があります

たとえば、エスカレーターで女性のスカート内を撮影し、撮影罪で事件化した事例です。

相談を受けた弊所弁護士は早急に示談交渉を持ちかけましたが、被害者はかたくなに拒否。

そこで、反省文の作成と、反省の意を示すための寄付を提案し、実行に移しました。

その後、改めて被害者にアプローチしたところ、示談に応じてもらうことに成功し、結果的に不起訴処分を獲得できたのです。

このように、盗撮で不起訴となるためには、示談成立に向けた迅速な動きが欠かせません。

盗撮事件を起こしてしまった際には、できるだけ早く弊所にご相談ください。

盗撮事件の起訴・不起訴に関するよくある質問

最後に、盗撮事件の起訴・不起訴に関するよくある質問を紹介します。

盗撮事件の起訴・不起訴に関するよくある質問

同様の疑問を抱えている方は、参考にしてみてください。

盗撮で起訴されるとどうなる?

盗撮で起訴されて有罪になると、性的姿態撮影等処罰法の撮影罪などの罪で処罰を受けることになります。

撮影罪の刑罰は、「3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金」です。

2023年7月から撮影罪が施行されたことで、従来、盗撮が取り締まられていた条例違反よりも重い処罰を受けるようになりました。

もちろん前科もついてしまうので、仕事や家庭などに悪影響が生じるおそれもあるでしょう。

撮影罪とは?構成要件や盗撮での迷惑防止条例との違いなど徹底解説!

不起訴となったあとに余罪が発覚した場合はどうなる?

余罪が発覚した場合でも、個別に立件される可能性は低いといえるでしょう。

盗撮データからは、撮影場所や被害者を特定できないケースが多いためです。

ただし、余罪が発覚することで、もともと立件されていた盗撮事件の処分に影響を与える可能性はあります。

そのため、余罪がある場合には黙秘するかどうかも含めて、弁護士に相談することが大切です。

盗撮事件を起こしたときはまず弁護士に相談を!

盗撮事件を起こした場合でも、早急に示談を成立させたり、反省している姿勢を示したりすることで、不起訴となる可能性は十分あります。

ただ時間が過ぎるのを待つのではなく、できる限りの対策をとることを心がけましょう。

しかし、法的な知識のない個人が、自己判断で行動することはおすすめしません。

少しでも不起訴となる可能性を高めたいのであれば、弁護士に相談し、個別具体的なアドバイスを受けることが重要です。

実際にグラディアトル法律事務所は、盗撮事件に関する豊富な解決実績があります。

盗撮行為に及んでしまい、起訴されてしまうのではないかと不安に感じている方は、ひとりで悩まず、まずは弊所へご相談ください

LINEでの無料相談もおこなっているので、お気軽にどうぞ。

弁護士 若林翔

弁護士法人グラディアトル法律事務所代表弁護士。 東京弁護士会所属(登録番号:50133) 男女トラブルや詐欺、消費者被害、誹謗中傷など多岐にわたる分野を手掛けるとともに、顧問弁護士として風俗やキャバクラ、ホストクラブなど、ナイトビジネスの健全化に助力している。

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