「痴漢の現場から逃走してしまった」
「証拠が無ければ後日逮捕されることはない?」
「冤罪だから逃走した。このまま放置していても良い?」
痴漢の現場から逃走したものの、様々な不安がこみ上げてきて、本記事にたどり着いた方も多いのではないでしょうか?
結論からお伝えすると、痴漢現場から逃走し、そのまま放置しておくことは非常にマズい状況です。
・痴漢はしたが、証拠は残っていないはず ・冤罪だから自分は悪くない ・急いでいたから仕方が無かった |
様々な事情はあるかもしれませんが、いずれのケースでも、放置しておくと大きなリスクが生じます。
どのような状況であったとしても、痴漢現場から離れた後はすぐに弁護士に相談して、対策を講じることが必要です。
逃走後、速やかに対策を講じることができれば、逮捕のリスクを最小限に抑えることができるでしょう。
本記事では、次の点を取り上げました。
・痴漢現場から逃走するリスク ・冤罪で逃走した場合の危険性 ・とっさに逃げてしまった後の対処法 |
痴漢現場から逃走し、「警察から連絡が来るのでは?」という不安を抱えている方は是非ご一読ください。
目次
痴漢現場から逃走するとどうなる?4つのリスク
痴漢の現場から逃走してしまうと、様々なリスクが伴います。
ここでは、その4つのリスクについて具体的に解説します。
後日逮捕の可能性が高くなる
1つ目のリスクは、後日逮捕の可能性が高くなることです。
痴漢行為をしたからといって、必ずしも逮捕されるわけではありません。警察は「逮捕の理由」と「逮捕の必要性(罪証隠滅・逃亡のおそれ)」を考慮して、逮捕するか判断するからです。
初犯で反省の意思が見られるようなケースでは、逮捕を免れることもあり得ます。
しかし、痴漢現場から逃走した場合は状況が変わります。
「現場から逃走している=逮捕の必要性がある」と判断されるため、逮捕につながりやすくなるのです。防犯カメラや目撃者の証言から犯人が特定されると、後日の逮捕リスクは非常に高くなるでしょう。
痴漢後、3年半後に後日逮捕された事例もありますので、痴漢行為から時間が経っているからと言って安心できるものではありません。
40代の男性が、2018年に路上で痴漢。現場周辺の防犯カメラの映像が繰り返し分析された結果、事件から約3年半たって後日逮捕されたケース 「歯科医、3年半前の強制わいせつ容疑で逮捕 後ろから女性触った疑い」引用:朝日新聞 ・痴漢から逮捕までの期間:1305日(3年6ヶ月と25日) |
痴漢の後日逮捕の詳細は、以下の記事もご参照ください。
痴漢は後日逮捕される!1週間・3ヶ月・1年後も?今すぐできること
保釈が認められにくい
2つ目のリスクは、起訴後に勾留されると、保釈が認められにくくなることです。
痴漢の程度がひどく「不同意わいせつ罪」として起訴されるようなケースでは、公判請求されると、起訴後も身柄が拘束される可能性があります(被告人勾留)。
身柄拘束から解放(保釈)されるには、「保釈請求」という手続きが必要です。
この「保釈請求」が認められるためには、「逃亡のおそれ」がないことが必要ですが、現場から逃走した事実は、あなたに不利な事情として働きます。
「保釈しても再び逃走するのでは?」と判断される要因となり得るため、保釈請求が却下されるリスクが高まるのです。
刑罰が重くなりやすい
3つ目のリスクは、刑罰が重くなりやすいことです。
痴漢の刑の重さは、犯行の動機や態様、被告人の性格、反省の意思、犯行の悪質性、処罰感情の大きさなど、様々な要素が考慮されて決まります。
痴漢現場から逃走すると、反省の意思が低い、悪質性が高いなどと判断されやすくなります。
通常のケースと比べて、刑が重くなるリスクは十分にあると言えるでしょう。
別の犯罪が成立する可能性がある
4つ目のリスクは、別の犯罪が成立する可能性があることです。
例えば、逃亡時に通行人にぶつかってケガをさせれば暴行罪や傷害罪、警察を振りほどいて逃げれば公務執行妨害罪が成立する可能性があります。
他にも、線路内に立ち入って逃走すれば鉄道営業法違反や威力業務妨害罪に問われるケースもあります。
痴漢の現場から逃げることで、思わぬ罪に問われるリスクがあるのです。
警視庁新宿署は12日、東京都江戸川区に住むタクシー運転手の〇〇容疑者(〇)を不同意わいせつ、威力業務妨害の疑いで逮捕した。容疑者は5月27日の午前中、池袋駅から新宿駅を走行中のJR埼京線の車内で、10代女性に痴漢行為をして、電車から降車させられた際に線路内に立ち入り、逃走。 JR職員に安全確認などを余儀なくさせ、通常運行を妨害したというもの。 (引用:Yahoo! JAPANニュース 8/30(金) 6:32配信) |
たとえ冤罪でも、痴漢現場から逃走すると逮捕の可能性が跳ね上がる
痴漢をしていなくても、現場から逃走したほうが良いという情報も見かけます。
しかし、この情報は必ずしも正しいとは言えません。
たとえその場から逃亡しても、「被害者の証言」や「現場にいた証拠」さえあれば、防犯カメラの映像などから、被疑者として特定されて「後日逮捕」に至る可能性は十分にあるからです。
さらに、逃亡したことによって「逮捕の必要性がある」と判断されると、警察も逮捕に踏み切りやすくなります。
「痴漢を疑われたけど、現場から離れることができたから大丈夫」と考えることは、非常にリスクが高い行為です。
痴漢が冤罪だからといって放置するのではなく、冤罪を立証するための方法を考えることが必要です。
現場から離れた後、できるだけ早く弁護士に相談することで、逮捕を回避できる可能性が高くなります。
※関連コラム
痴漢冤罪をでっち上げられた!初期対応と冤罪を立証する方法を解説
痴漢現場から逃走|証拠がなければ大丈夫と考えるのは危険
痴漢の罪に問われるためには、証拠が必要です。
そのため、「痴漢現場から逃走して、証拠が無ければ罪に問われない」というのは、ある意味で正しい認識です。
ただし、本当に全く証拠が残っていないケースは殆んどありません。
痴漢事件では、被害者の証言だけでも、痴漢があったことを証明する証拠とみなされる可能性が高いからです。
他にも、様々な物や証言が証拠として扱われます。
例えば、防犯カメラの映像や目撃者の証言、ICカードの履歴、衣類に付着した繊維の鑑定などです。これらの証拠が組み合わさって、痴漢の有力な証拠として扱われることも多いです。
つまり、「証拠が無ければ罪に問われない」というのは、あくまでも理論上の話でしかありません。
現実には、様々な証拠が残っている可能性が高く、それらが組み合わさって痴漢が立証されることになるのです。
痴漢現場から逃走した後、証拠が残っていなければ大丈夫だと考えるのは危険です。
むしろ、逃走したことで、より疑いの目が向けられる可能性もあります。
※関連コラム
痴漢の証拠は8つ|被害者証言だけで逮捕される実態を解説
痴漢現場からとっさに逃げてしまった場合の対処法
それでは、痴漢現場からとっさに逃げてしまった場合、どのように対処すれば良いのでしょうか。
2つの対処法を紹介します。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
警察に自首・出頭を検討する
痴漢を後悔しているのであれば、警察に自首・出頭することも選択肢の1つです。
警察が被疑者を特定する前に自白すれば、自首が成立し、刑罰は最大半分程度まで軽くなります。
特定後であっても、自ら出頭することで、情状により刑が軽くなる可能性があります。
もちろん、自首・出頭によって痴漢が発覚し、そのまま逮捕されるリスクがあるため、自己判断することはオススメできません。
自首や出頭する場合は、事前に弁護士に相談して、状況を整理することが賢明だと言えるでしょう。
最終的に自首・出頭する場合も、当日弁護士が同行することで、そのまま逮捕されるリスクを抑えることができます。
※関連コラム
【痴漢で自首するか悩んでいる方へ】必ず知っておきたい注意点を解説
被害者が分かれば、示談交渉も検討する
もしも被害者の連絡先が分かった場合は、示談交渉することも効果的です。
示談が成立して、被害者から許してもらうことができれば、逮捕される可能性は格段に低くなります。被害届が取り下げられたり、示談の成立が警察・検察に伝われば、刑事処分が軽くなる可能性も高くなるでしょう。
ただし、痴漢事件では、被害者の連絡先が分からないケースが通常です。
警察から被害者に連絡してもらい、被害者が了承すれば教えてもらえるケースもありますが、基本的には自首・出頭した後の話です。
痴漢現場から逃げてしまった場合は、まずは弁護士に連絡して、その後の対応を相談しましょう
※関連コラム
痴漢示談金(慰謝料)相場は30〜150万円!減額する方法解説
痴漢現場からの逃走後、速やかに弁護士に相談するメリット
痴漢現場から逃走してしまった場合、できるだけ早く弁護士に相談することが重要です。
ここでは、具体的なメリットを2つ紹介します。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
逮捕を回避できる可能性が高まる
事件後、速やかに弁護士に依頼すれば、逮捕を回避できる可能性は格段に高くなります。
逃走から逮捕までの時間は、明確に決まっているわけではありません。
早ければ、逃走翌日の朝にでも警察が来て、逮捕される可能性もあります。
そのため、痴漢現場から逃げてしまった場合はできるだけ早く弁護士に相談して、対策を講じましょう。
・弁護士が同行したうえで、自首・出頭する ・もしも被害者の連絡先が分かった場合は、すぐに示談交渉を進める など |
万が一、逮捕されてしまった場合も、事前に相談しておくことで、速やかに早期釈放に向けた弁護活動をスタートできます。
社会生活への影響も、最小限に防ぐことができるでしょう。
痴漢が冤罪なら、疑いを晴らすために戦ってくれる
痴漢が冤罪の場合、弁護士はあなたの強力な味方として、疑いを晴らすために戦ってくれます。
残念ながら、痴漢をしていないことを自力で証明するのはかなり難しいのが現状です。
被害者の証言を覆すためには、それ以上の明確な証拠が必要になるからです。
【冤罪を証明できる証拠の例】
・「被疑者ではない人が痴漢をしていた」という目撃者の確実な証言 ・犯行当時、被害者の近くに被疑者が写っていない防犯カメラの映像 など |
1人でこれらの証拠を集めて、冤罪を立証することは、不可能に近いでしょう。
かといって、逃走後、何の方策も練らずに放置していると、冤罪を立証することができずに、後日逮捕される可能性が高くなります。
冤罪を証明するには、痴漢の冤罪を解決した実績がある弁護士に相談し、具体的な方策を練ることが不可欠です。
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痴漢冤罪をでっち上げられた!初期対応と冤罪を立証する方法を解説
痴漢現場から逃走してしまった方は「グラディアトル」へご相談ください。
痴漢現場から逃走してしまい、後日逮捕の不安を抱えている方は、グラディアトル法律事務所へご相談ください。
私たちが当事務所を強くおすすめする理由は、次の3つです。
・性犯罪に強く、痴漢事件の豊富な解決実績がある ・冤罪を解決した経験がある ・24時間365日スピーディに対応できる |
それぞれの理由について、さらに詳しく説明します。
性犯罪に強く、痴漢事件の豊富な解決実績がある
私たちは、性犯罪に強く、数多くの痴漢事件を解決した実績があります。
ご依頼者様と被害者の気持ちを汲み取り、双方が納得のいく形で示談交渉を進め、痴漢事件を解決することができます。
・路上で痴漢して逮捕されるも示談成立して不起訴となった事例 ・痴漢・強制わいせつ(不同意わいせつ)致傷罪で逮捕|示談成立で執行猶予となった事例 ・痴漢で逮捕|弁護士の早急な示談対応で2日で釈放・不起訴となった事例 |
痴漢現場から逃走している場合、被害者の処罰感情が悪化して、示談交渉が通常よりも難しくなっているケースも珍しくありません。
しかし弊所には、これまで培ってきた痴漢事件の豊富なノウハウがあります。
これらを活用することで、難しい事案でも、スムーズに示談に導くことができます。
冤罪事件も解決し、不起訴になった実績がある
私たちは、難しい痴漢冤罪事件についても解決するノウハウを持っています。
冤罪を立証するために戦い、不起訴を獲得した実績も豊富です。
・電車内での痴漢冤罪で逮捕されたものの不起訴となった事例 ・満員電車で、鞄を持つ手が触れてしまい痴漢冤罪|立証して不起訴になった事例 ・電車で痴漢の冤罪|画像の検索履歴に「痴漢もの」がある等、圧倒的に不利な状況から冤罪を証明した事例 |
痴漢が冤罪で、現場から逃走してしまった場合、すぐにグラディアトル法律事務所へご相談ください。
あなたの冤罪を晴らすために、グラディアトルが全力で闘います。
24時間365日スピーディに対応できる
弊所では、24時間365日、スピーディに対応できる体制を整えています。
現場から逃走してしまった痴漢事件で逮捕を防ぐには、スピート感を持った対応が不可欠です。
加害者に捜査の進捗を知る方法はないため、いつ警察から連絡があってもおかしくないからです。
・逮捕のリスクはどの程度あるのか ・想定される刑の重さはどの程度か ・どういった方針で示談交渉を進めるべきか ・自首や出頭も検討した方が良いか |
ご相談をいただいた後、あたなが行うべき行動を迅速に判断し、逮捕を回避するために弁護活動を開始することができます。
【Q&A】痴漢現場についてのよくある質問
痴漢現場から逃走して時効になると罪には問われませんか?
公訴時効が成立すると、痴漢で起訴される可能性はなくなります。
ただし、時効の成立には3年〜12年の期間が必要です。
不同意わいせつ罪 | 痴漢をした日から12年 |
迷惑防止条例違反 | 痴漢をした日から3年 |
被害届が出されているか知る方法はありますか?
被害届が出されているかどうかを直接知る方法は、基本的にはありません。
後日逮捕されるまでの期間はどのくらいですか?
逮捕されるまでの期間は、ケースによって様々です。
防犯カメラの映像や目撃者の証言から、すぐに犯人が特定された場合は、数日以内に逮捕される可能性もあります。一方、事件によっては、数ヶ月から数年後に逮捕されるケースもあります。
痴漢現場から逃走すると何罪になりますか?
刑法97条の「逃走罪」は、拘禁された者が逃走すると成立する犯罪です。
痴漢現場から「逃走した行為」によって、犯罪が成立することはありません。
ただし、逃走したことで、痴漢行為の刑(不同意わいせつ罪・迷惑行為防止等条例違反)が重くなる可能性はあります。
弁護士に依頼するべきタイミングはいつですか?
痴漢現場から逃走した場合、できるだけ早く弁護士に相談することをおすすめします。
弁護士に早期に依頼することで、逮捕を回避できる可能性が高まります。
逃走後、警察に自首・出頭したら必ず逮捕されますか?
逃走後、警察に自首・出頭しても、必ずしも逮捕されるわけではありません。
逮捕されず、当日中に帰宅できる場合もあります。
ただし、状況によって大きく異なるため、事前に弁護士へ相談することをおすすめします。
まとめ
最後に、今回の記事のポイントを整理します。
【痴漢現場から逃走するリスクは4つ】
・後日逮捕の可能性が高くなる ・起訴された後、保釈が認められにくくなる ・刑が重くなりやすい・別の犯罪が成立する可能性もある |
・痴漢が冤罪であったとしても、現場から逃走後に逮捕される可能性がある
・被害者の証言も有力な証拠になるため、実務上、証拠がないケースは殆んどない
【現場からとっさに逃げてしまった場合の対処法は2つ】
・警察に自首、出頭して罪を認める ・被害者の連絡先が分かった場合は、示談交渉を開始する |
【逮捕を回避するには、速やかに弁護士への相談が必要】
・対応が早いほど、逮捕を回避できる可能性が高まるから ・痴漢が冤罪なら、疑いを晴らすために闘ってくれるから |
以上です。
とっさの行動であったとしても、痴漢現場から逃走してしまうと、後日逮捕につながるリスクが非常に高くなってしまいます。
証拠が残っていないと思っていても、冤罪であったとしても、放置するのではなく、早めに弁護士に相談して対策を講じることが必要です。
この記事を読んだ後、一刻も早く弁護士に依頼して、後日逮捕の不安が解消されることを願っています。