痴漢は報道される?実名報道の基準は?ネット炎上を防ぐ方法も解説

痴漢は報道される?
弁護士 若林翔
2024年09月30日更新

「痴漢で逮捕されると報道される?」

「実名報道の基準が知りたい」

「報道を回避するにはどうすればいい?」

痴漢事件を起こしてしまうと、TVのニュースやネット記事などで報道される可能性があります。

報道により、痴漢が会社や学校へ発覚すると、日常生活にも大きな支障が生じてしまうでしょう。

あなたの名誉が毀損されるだけでなく、ご家族にも被害が拡大する可能性があります。

痴漢で実名報道を回避する方法

本文でも後述しますが、痴漢で報道されるケースの大半は、逮捕されて身柄が拘束された事件です。

つまり、逮捕さえ回避できれば、報道であなたやご家族の名誉が毀損される可能性も格段に下げることができるのです。

本記事では、痴漢の報道について、次の点を取り上げました。

・痴漢が実名報道される基準・実名報道されたケースの例

・報道を回避する方法・実名報道された記事を削除する方法

痴漢で報道されるか不安な方は、是非ご一読ください。

痴漢が実名報道される基準は?|逮捕の有無がポイント

痴漢の事件が発生した際、マスメディアがどのように報道するかは、基本的に各報道機関の自主的な判断に委ねられています。法律などで、明確な基準が定められているわけではありません。

とはいえ、過去の事例を見ると、実名で報道された痴漢事件の大半は、被疑者が逮捕され身柄を拘束された事件です。

逮捕には至らず、略式起訴や不起訴となったケースでは、実名報道されないことが多いようです。

つまり、痴漢の実名報道には、逮捕の有無が大きく関わっていると言えるでしょう。

警察に逮捕されれば実名報道のリスクが高まり、逮捕を免れれば実名報道を防げる可能性が高くなります。

逮捕を防ぐためには、早期の示談や不起訴獲得などの対応が求められます。

痴漢事件が発生したら、速やかに弁護士に相談し、実名報道のリスクを最小限に抑えていくことが重要です。

逮捕されると実名報道されやすい

痴漢で実名報道されたケースの例

それでは、どのようなケースで痴漢で実名報道されているのでしょうか?

実際に、痴漢で実名報道されたケースをいくつか紹介します。

【痴漢で報道されたケース】

実名報道職業報道のタイミング痴漢の内容
あり会社員逮捕〜送致地下鉄の車内で女子高生の下半身を触り、体液をかけた
(不同意わいせつと器物損壊)
あり公務員逮捕〜送致路上で女性の体を衣服の上から触った
(迷惑防止条例違反)
あり自称芸術家逮捕〜送致電車内で女性の太ももなどを触った
(迷惑行為等防止条例違反)
あり公務員逮捕〜送致商業施設で50代女性のお尻を触った
(迷惑行為等防止条例違反)
あり会社社長逮捕〜送致走行中の電車内で、女性会社員の下半身を触った
(迷惑防止条例違反)
なし(匿名で報道)専門学校生(19歳)逮捕〜送致女子高校生に対して45分にわたり痴漢行為を行った(不同意わいせつ)
なし(匿名で報道)自称会社員逮捕〜送致駅のホームで女性の尻を背後から触った
(不同意わいせつ)

基本的には、公務員や会社の社長など、社会的信用の高い職業である程、実名報道の可能性も高くなります。一方、未成年のケースでは実名報道されるリスクは低いです。

ただし、一般的な会社員であっても、実名報道されるケースもあります。

また、実名で報道されていないケースであっても、年齢や職業、痴漢した場所などは公表されているケースが通常です。

タイミングや公表されている情報から、痴漢で逮捕されたことが友人や同僚に気づかれるリスクは決して低くありません。

痴漢で報道されるのを防ぐ方法

それでは、痴漢の報道を防ぐにはどうすれば良いのでしょうか?

報道を回避するために効果的な方法を2つ紹介します。

痴漢で実名報道を回避する方法

被害者と示談をして逮捕を防ぐ

まず検討するべき方法は、被害者との示談です。

前述の通り、実名報道を防ぐためには、逮捕を回避することが効果的です。

そして、逮捕を回避するためには、被害者との示談が非常に有効な手段となります。

事件発生後、できるだけ早く被害者と示談することで、逮捕を免れられる可能性が高くなります。当事者間のトラブルが解決し、被害者が許しを与えていることが分かれば、警察に罪証隠滅や逃亡のおそれが少ないと判断される可能性が高くなるからです。

当事者同士で示談交渉を進めようとしても、相手の連絡先が分からないことが通常です。

また、連絡先が分かったとしても、直接の連絡は控えるべきです。

感情的なもつれに発展して、かえって状況を悪化させてしまったり、法外な示談金を要求されてしまったりする可能性も低くありません。

事件後、速やかに弁護士に依頼して示談することが、痴漢で報道されるのを防ぐ効果的な方法です。

弁護士から警察や報道機関に働きかける

弁護士から警察や報道機関に働きかけることで、実名報道を防げる場合もあります。

弁護士が、実名での発表を控えるよう求める上申書や意見書を作成し、警察や報道機関に提出するのです。

ただし、この方法は必ずしも確実とは言えません。

警察や報道機関には、弁護士の求めに応じる義務はないからです。

被害者との示談交渉を進めつつ、並行して警察や報道機関への働きかけを行うことで、実名報道を回避できる可能性が高くなります。

痴漢が報道されやすいタイミング

痴漢事件が実名報道されるタイミングは、主に次の4つです。

痴漢で報道されるタイミング

特に、逮捕された翌日から2日後に行われる検察への送致される際に撮影され、その日の夜のニュースや翌日の新聞で報道されるケースが目立ちます。

起訴決定や第一回公判期日、判決期日で報道される事件もありますが、そのほとんどが著名人が関わる事件か、社会的に大きな注目を集めた事件に限られます。

つまり、一般の方が痴漢の疑いをかけられた場合、逮捕〜送致以外のタイミングで実名報道されるリスクは比較的低いと言えるでしょう。

とはいえ、痴漢の疑いで逮捕されてしまえば、送致されるタイミングで実名報道される可能性は否定できません。

マスコミ各社が裁判所に集まり、被疑者の姿を撮影する光景は、よく目にするところです。

たとえ軽い痴漢事件であっても、一度報道されてしまえば、名誉やプライバシーが大きく損なわれてしまいます。

痴漢の実名報道を防ぐには、何よりも逮捕を回避することが肝心です。

前述の通り、被害者との示談などにより逮捕を免れることができれば、実名報道のリスクも格段に下がります。

痴漢をしてしまったら、速やかに弁護士に相談して、逮捕を回避するための行動を起こしましょう。

痴漢の実名報道は削除できる|炎上を防ぐには速やかな対応が必要

痴漢の疑いで実名報道されてしまった場合、そのネット記事は半永久的に残り続けると思っている人も多いかもしれません。しかし実は、実名報道された記事は削除することができるのです。

X(旧Twitter)や5ちゃんねる、ニュースサイト、爆サイなど、主要なメディアのほとんどで記事の削除が可能です。正しい手順を踏めば、ネット上からあなたの名前を消し去ることは不可能ではありません。

具体的な方法としては、以下の3つが挙げられます。

・当該webサイトの削除依頼フォームを利用する

・弁護士から掲載媒体へ、直接交渉する

・裁判等の法的手段により削除を命令させる

グラディアトル法律事務所でも、実名が掲載された記事について、弁護士から交渉した結果、「即日削除」となった事例が多数存在しています。

また、削除依頼フォームや直接交渉が上手くいかなかった場合も、「仮処分」という裁判所の手続きを活用して、記事の掲載を差し止める方法もあります。

万が一実名で報道されてしまっても、決して諦めることはありません。

速やかに弁護士に相談し、記事の削除を粘り強く求めていくことで、ネット炎上の被害を最小限に抑えることができるのです。

泣き寝入りせず、適切な対応を取ることが何より大切だと言えるでしょう。

※関連コラム

「ネットの逮捕歴・前科は削除可能!素早く高確率で消す3つの方法とは」

痴漢の報道による被害からあなたを守るために「グラディアトル」が戦います

痴漢の報道に不安を感じているなら、グラディアトル法律事務所にご相談ください。

私たちが当事務所を強くおすすめする理由は、次の3つです。

・性犯罪に強く、痴漢で示談を成立した実績が豊富

・数千件の誹謗中傷案件を扱っている

・初回相談無料、24時間365日相談受付が可能

それぞれの理由について、さらに詳しく説明します。

性犯罪に強く、痴漢で示談を成立した実績が豊富

私たちは、性犯罪を数多く取り扱っており、多くの痴漢事件を解決に導いてきました。

路上で痴漢して逮捕されるも示談成立して不起訴となった事例

痴漢・強制わいせつ(不同意わいせつ)致傷罪で逮捕|示談成立で執行猶予となった事例

痴漢で逮捕|弁護士の早急な示談対応で2日で釈放・不起訴となった事例

「被害者の連絡先が分からない」「被害者が激怒していて、とても示談できる状態ではない」というケースでも、まずはご相談ください。

弁護士から警察にお願いして被害者の承諾を得ることで、連絡先を教えてもらえるケースは珍しくありません。

多くの性犯罪事件を解決した経験をもとに、被害者の方と粘り強く示談交渉を進めさせていただきます。

数千件のインターネット上の誹謗中傷案件を扱っている

私たちは、インターネット上の誹謗中傷対策に強い弁護士事務所です。

痴漢による実名報道を削除する場合、ネット上の拡散や炎上を防ぐためにも、迅速かつ効果的な対応が欠かせません。

ネットに慣れていない弁護士であれば、対応に時間がかかり、期待する結果を出せる可能性も低くなってしまいます。

一方、グラディアトル法律事務所では、数千件の誹謗中傷案件を扱った実績があります。

ITを熟知し、インターネットに強い当事務所だからこそ「実名報道の削除申請」「発信者情報開示請求」「損害賠償請求」「刑事告訴」など、ケースに応じて最も有効な対処方法を提案することができるのです。

初回相談無料・24時間365日相談受付が可能

当事務所では、24時間365日全国対応可能な体制を整えています。

痴漢事件を解決するにはスピーディーな対応が欠かせません。

痴漢を起こしてからの対応が早ければ早いほど、逮捕を防ぎ、報道による誹謗中傷やネット炎上を回避できる可能性が高くなります。

弊所では、あなたやご家族を守るために、痴漢でご相談をいただいて迅速に対応できる体制を整えています。

【Q&A】痴漢の報道に関するよくある質問

痴漢の報道についてよくある質問

軽い痴漢事件でも報道される?

痴漢事件が報道されるかは、ケースによって異なります。

軽い痴漢事件であっても、報道される可能性はゼロではありません。

痴漢が実名報道されるかの基準は?

痴漢事件の報道基準は、各報道機関の判断に委ねられています。

明確な基準があるわけではありませんが、実名報道された事例の多くは、被疑者が逮捕されたケースです。

実名報道されやすいケースは?

有名人や会社役員、教員、公務員など、社会的信用の高い仕事に就いている場合、実名報道されるリスクが格段に高くなります。

ただし、一般的な会社員で実名報道されるケースもあります。

実名報道されるとどうなる?

実名報道されると、個人情報が晒され、プライバシーが大きく侵害されます。

グーグルやSNS等にも情報が載ってしまい、家族や職場、学校にも知れ渡ってしまう可能性があります。

ネット記事は一生残り続けるって本当?

一度ネットに公開された情報を完全に消去することは容易ではありません。

しかし、正式な手続きを踏めば、削除できる可能性は十分にあります。

諦めずに弁護士に相談し、粘り強く記事の削除を求めていくことが重要です。

まとめ

最後に、今回の記事のポイントを整理します。

・痴漢で実名報道される基準は、各報道機関に委ねられている

・ただし、実名報道されたケースの大半は、痴漢で逮捕された事件


・逮捕後、送致される際に撮影されて、報道されることが多い


・つまり報道を防ぐには、逮捕を回避することが大切


・逮捕を回避するには、弁護士に相談して、被害者と示談が必要


・一度、実名報道された記事も、正しい手順を踏めば削除できる

痴漢で報道されると、社会生活への影響も甚大なものとなります。

本記事の内容が、あなたやご家族のプライバシーを守り、誹謗中傷による被害を防ぐための一助になれば幸いです。

本記事が役に立った、参考になったと感じましたら、是非グラディアトル法律事務所にもご相談ください。

弁護士 若林翔

弁護士法人グラディアトル法律事務所代表弁護士。 東京弁護士会所属(登録番号:50133) 男女トラブルや詐欺、消費者被害、誹謗中傷など多岐にわたる分野を手掛けるとともに、顧問弁護士として風俗やキャバクラ、ホストクラブなど、ナイトビジネスの健全化に助力している。

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