「大麻事件の保釈金はどのくらいかかる?」
「大麻事件で保釈が認められる確率はどのくらい?」
「大麻事件で保釈されるまでの流れを知りたい」
大麻事件で起訴された後は、保釈請求を行い、保釈が認められれば身柄を解放してもらうことができます。ただし、保釈には保釈金の納付が必要になりますので、保釈金の準備をしなければなりません。一般的な大麻事件の保釈金の相場は150~200万円程度ですが、前科の有無、被告人の地位や収入などによっては相場を上回る保釈金が必要になることもありますので注意が必要です。
本記事では、
・大麻事件における保釈金の相場 ・大麻事件の保釈金が相場よりも高くなる可能性のある事情 ・大麻事件で起訴されてから保釈金を支払って保釈されるまでの流れ |
などについてわかりやすく解説します。
刑事事件に強い弁護士に依頼することで保釈が認められる可能性が高くなりますので、起訴後すぐに保釈請求をしてもらうためにも早期に弁護士に依頼することが大切です。
目次
大麻事件で保釈金を支払えば必ず保釈されるのか?

結論、「保釈金を支払えば必ず保釈される」わけではありません。
そもそも裁判所が保釈を認めなければ、保釈金を支払うチャンスすら与えられないというわけです。
大麻事件の場合、薬物特有の「再使用」「口裏合わせや証拠隠滅」のリスクを裁判所がどう見るかによって、保釈が認められにくいケースがあります。
保釈が許可されてはじめて、保釈金を納めて釈放されるという流れになるため、金銭さえあれば自動的に外に出られる、というものではないのです。
保釈は「裁判所が許可を出した場合」にのみ有効
大前提として、保釈金というのは「裁判所が保釈を認める」という決定が出たあとに支払うものです。保釈金さえ用意すれば自動的に保釈されるわけではありません。
つまり、裁判所が『保釈を認めない』と判断した場合は、保釈金を支払う機会すらありません。
保釈許可の条件
裁判所は、被告人(起訴後の立場)について「逃亡の恐れ」や「証拠隠滅の恐れ」などがないかを判断して、保釈を認めるかどうかを決めます。
大麻事件(薬物事件)では、再び使用するリスクや関係者との接触による証拠隠滅が懸念される場合、保釈が認められにくいことがあります。
「保釈金=保釈を買うお金」ではない
保釈金は「逃亡や証拠隠滅を防ぐための担保」です。
裁判所が保釈を許可 → 指定された保釈金を支払う → 保釈となる |
という順番です。
逆に言えば、裁判所が保釈を認めない → 保釈金を支払う場面がない、ということです。
実際の大麻事件での保釈可否
大麻事件でも、前科がない・常習性が薄い・家族や職場がしっかり監督できるなどの要素がある場合、保釈が認められるケースはあります。
一方、前科がある・常習的な利用の形跡が強い・事件関係者と接触して証拠隠滅を図る可能性が高いと判断されると、保釈が認められない可能性が高まります。
保釈条件に違反した場合は保釈金を払っていても取り消される
裁判所が一度保釈を認め、保釈金を支払って釈放された後でも、保釈条件(たとえば共犯者と接触しない等)に違反した場合は保釈が取り消されます。
この場合、支払った保釈金が没取される(返ってこない)恐れもあるため、保釈後も行動は厳しく制限されます。
大麻事件における保釈金の相場|150~200万円程度

保釈が許可されたとしても、それだけでは釈放されません。保釈により身柄を釈放してもらうには、裁判所に保釈金の納付が必要になります。
保釈金の相場は、具体的な事案によって変動しますが、大麻事件であれば150~200万円程度が相場になります。
なお、保釈金は、保釈条件に違反することなく裁判手続きが終了すれば、返還されますのでご安心ください。
大麻事件の保釈金が相場よりも高くなる可能性のある事情
大麻事件の保釈金は150~200万円程度が相場になりますが、以下のような事情があるときは、相場よりも保釈金が高くなる可能性があります。
営利目的の大麻事件
営利目的の大麻事件では、通常の大麻事件に比べて保釈金が高くなる可能性があります。
大麻事件の法定刑は、営利目的の有無に応じて、以下のように定められています。
行為 | 刑罰 | |
所持・譲渡・譲受 | 単純所持・譲渡・譲受 | 7年以下の懲役 |
営利目的 | 1年以上10年以下の懲役または情状により1年以上10年以下の懲役および300万円以下の罰金 | |
輸出入・製造 | 単純輸出入・製造 | 1年以上10年以下の懲役 |
営利目的 | 1年以上の有期懲役または情状により1年以上の有期懲役および500万円以下の罰金 | |
施用(使用) | 単純施用(使用) | 7年以下の懲役 |
営利目的 | 1年以上10年以下の懲役または情状により1年以上10年以下の懲役および300万円以下の罰金 | |
栽培 | 単純栽培 | 1年以上10年以下の懲役 |
営利目的 | 1年以上の有期懲役または情状により1年以上の有期懲役および500万円以下の罰金 |
営利目的がある方が法定刑が重くなっていますので、重い刑罰を避けようとして逃亡のリスクが高くなります。保釈金は、被告人の逃亡を阻止するために裁判所が預かるお金になりますので、逃亡のリスクが高い犯罪についてはより高額な保釈金を設定することで逃亡を抑止しようとする傾向があります。
そのため、営利目的の大麻事件では、保釈保証金が高くなる可能性があります。
大麻事件の初犯ではなく再犯
大麻事件の初犯と再犯とでは、再犯の方が保釈金の金額が高くなる可能性があります。
大麻事件は、初犯であれば執行猶予が付く可能性が高いですが、再犯になると実刑になる可能性が高くなります。そのため、逃亡のリスクという観点からは、当然実刑になる可能性のある再犯の方が高くなりますので、保釈金を高く設定して被告人の逃亡を図る必要があります。
そのため、大麻事件の再犯では、保釈金が高額になる傾向があります。
大麻の使用・所持ではなく、輸出入・栽培の事案
大麻事件の中でも譲渡・栽培の事案は、保釈金の金額が高額になる可能性があります。
大麻の施用、所持、譲渡・譲受の法定刑は7年以下の懲役ですが、輸出入・栽培の法定刑は、1年以上10年以下の懲役となっており、輸出入・栽培の法定刑の方が重くなっています。
重い刑罰が予想される事案では、被告人が逃亡するリスクも高くなりますので、保釈金の金額も高額になる傾向があります。
芸能人など高収入の人の大麻保釈金は高くなる?
大麻事件というと芸能人が逮捕・起訴されたというニュースもときどき目にします。
最近の事案でいうと、俳優の永山絢斗被告が大麻の所持で逮捕・起訴され、懲役6か月・執行猶予3年の有罪判決を受けたというものがあります。この事件でも起訴後、保釈が認められていますが、その際に設定された保釈金は、300万円でした(参照:過去最高は20億円 永山絢斗被告の保釈金300万円は「相場通り」)。
一般的な大麻事件の保釈金相場の2倍ですので、芸能人の場合には高額な保釈金が設定されているといえます。その理由は、保釈金を高額に設定しなければ、逃亡の抑止にならないからです。芸能人や有名人、会社役員など高収入で資力のある人は、一般的な相場どおりの保釈金では逃亡を抑止する効果が期待できませんので、収入や資産に応じて逃亡を抑止する金額まで保釈金を上げる必要があるのです。
大麻事件での保釈率|約72%
令和5年司法統計によると、大麻取締法違反で起訴後勾留された人数は2020人であり、そのうち保釈により身柄が解放されたのは1458人となっています。勾留された人数に対する保釈された人の割合でいうと約72%ということになります。
刑法犯全体の保釈率は約27%ですので、大麻事件では多くの被告人が保釈により釈放されていることがわかります。
大麻事件で起訴されてから保釈金を支払って保釈されるまでの流れ

大麻事件での保釈は、どのような流れで行われるのでしょうか。以下では、起訴から保釈による釈放までの一般的な流れを説明します。
起訴後に保釈請求
検察官による大麻事件が起訴されれば、保釈請求が可能になります。保釈請求をするには、まずは裁判所に保釈請求書を提出します。
保釈請求は、勾留されている被告人、配偶者、直系の親族または兄弟姉妹が請求することができますが、被告人の弁護人が手続きを行うのが一般的です。
検察官への求意見
保釈請求がなされると、裁判官は、検察官に対して意見を求めます。
検察官から出される意見としては、以下の3つがあり、通常は「不相当」の意見が出されます。
・相当:保釈を認めてもよい ・不相当:保釈すべきではない ・しかるべく:裁判官に任せる |
弁護人は、希望すれば担当裁判官と面談することができますので、保釈の必要性について裁判官を説得することができます。
保釈許可決定
裁判官は、検察官の意見や弁護人との面談を踏まえて保釈を許可するかどうかを判断します。
裁判官が保釈を許可する場合、保釈金額や保釈条件が決められた上で、保釈許可の決定がなされます。検察官から意見が出るまで1~3日程度かかりますので、保釈請求から保釈決定までは、1~3日程度の期間がかかります。
保釈金の納付
裁判官により保釈が許可されたら、決められた保釈金の納付を行います。
保釈金は、現金で納付するのが原則ですが、事前登録をすれば電子納付も可能です。通常は、弁護人がご家族から保釈金の原資を預かり、納付手続きを行ってくれます。
被告人の釈放
保釈金の納付が確認されたら、裁判所から検察庁に連絡が行き、その日のうちに被告人が釈放となります。
大麻事件の保釈に関するよくある質問

以下では、大麻事件の保釈に関するよくある質問を紹介します。
保釈には身元引受人が必要?
法律上、身元引受人の存在は保釈の要件にはなっていません。
しかし、身元引受人がいないとなると、監督する人がいないため、逃亡や証拠隠滅のおそれがあると判断され、保釈は認められづらくなります。
そのため、保釈請求を認めてもらうためには、身元引受人が必要です。
身元引受人には、被告人の家族や勤務先の上司などがなるケースが多いですが、友人にお願いするケースもあります。
保釈金は誰が支払う?
保釈金は、被告人の家族が準備して支払うケースが多いです。
もっとも、保釈金は誰が支払ってもよいため、家族以外にも職場の上司や友人などが準備することもあります。
保釈金が準備できないときはどうすればいい?
保釈金が準備できないときは、日本保釈支援協会の利用を検討してみましょう。
日本保釈支援協会とは、保釈金の準備ができない人のために、保釈金の立替払いを行ってくれる一般社団法人です。保釈金の立替えの上限は500万円までで、保釈金の一部のみ立て替えてもらうこともできます。
ただし、保釈金の立替払いにあたっては、一定の立替手数料が発生する点に注意が必要です。
保釈後は自由に生活できる?
保釈された後は、基本的には普段と同様に仕事や学校に行くなど自由に生活することができます。
ただし、保釈にあっては、裁判所が指定した制限住居で生活する、海外旅行または3日以上の旅行は事前に裁判所の許可を得る、事件の関係者と接触しないなどの保釈条件が設けられることがありますので、保釈条件に違反しないように生活しなければなりません。
支払った保釈金はどうなるの?
保釈金は、保釈条件に違反することなく裁判手続きが終了すれば、返還されます。
大麻事件の保釈請求はグラディアトル法律事務所にお任せください

大麻事件の保釈は、保釈金を支払えば必ず認められるというものではありません。裁判官に保釈を許可してもらうには、証拠隠滅のおそれがないこと、身元引受人による監督が期待できることなどを裁判官に説明することが重要です。
グラディアトル事務所では、大麻事件の保釈請求に関する豊富な経験と実績がありますので、保釈を許可してもらうためのポイントを熟知しています。保釈請求の手続きにも慣れていますので、起訴後速やかに保釈請求を行い、迅速に身柄の解放を実現することができます。
より確実に保釈を認めてもらうためにも、保釈請求は、経験と実績豊富なグラディアトル法律事務所にお任せください。
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まとめ
大麻事件で起訴されたときは、保釈請求をすることで身柄を解放してもらえる可能性があります。保釈の際には、保釈金の納付が必要になり、一般的な相場としては150~200万円程度です。保釈金は、保釈条件に違反せずに裁判が終了すれば返還されますが、お金に余裕がなく準備ができないときでも、日本保釈支援協会の保釈金立替制度を利用すれば、保釈が可能です。
大麻事件での保釈手続きは、経験と実績豊富なグラディアトル法律事務所にお任せください。