「保険金詐欺をしてしまった…」
「示談したいけど、保険会社に断られた…」
保険金詐欺を行ってしまい、「逮捕されるのでは?」と不安になって本記事にたどり着いた方もいるのではないでしょうか。
保険金詐欺は、「懲役刑」しか定められていない重い犯罪です。
実刑を避けるには、すぐに示談をして、刑を減軽してもらうことが必要です。
保険金詐欺でも示談はできますが、保険会社は、簡単には交渉に応じてくれません。
特に、本人が直接連絡して応じてくれるケースは少ないでしょう。
示談をするには、弁護士に依頼して、保険会社が示談に応じるメリットも示しつつ、慎重に交渉していくことが必要です。
本記事では、次の点を取り上げました。
◉この記事を読んで分かること ・保険金詐欺で示談を成立させるポイント ・示談金の相場・示談が成立するまでの流れ ・示談に応じてもらえない場合の対処法 |
保険金詐欺をしてしまい、逮捕・起訴の不安を抱えている方は、是非ご一読ください。
目次
保険金詐欺でも示談はできる
保険金詐欺を行ってしまった場合でも、示談によって解決することは可能です。
本音を言えば、保険会社としても、長期間に渡って裁判を行うより、示談によって早期に事件を解決したいと考えているからです。
告訴や逮捕、裁判になれば、保険会社側も多大な時間と労力を費やすことになります。
また、警察が被疑者を逮捕したからといって、お金が返ってくるとも限りません。
そのため、示談の進め方次第では応じてくれるケースが多いのです。
ただし、通常の交通事故の示談などと比べると、難しい面があることも事実です。
保険会社は詐欺被害に対して強い処罰感情を持っています。
被害金額が大きいケースもあるため、「示談をしても、結局払ってもらえないんじゃないか…」と考えて、本人からの交渉に応じない会社は珍しくありません。
詳しくは後述しますが、一度断られた場合は、弁護士を介して再度交渉を打診してみましょう。
保険金詐欺で示談を成立させるポイント
保険会社が示談を成立させる最も大切なポイントは、弁護士へ依頼することです。
弁護士は、豊富な経験をもとに、示談を成立させる勘所を見極めて、保険会社との交渉を行うことができます。
例えば、示談の条件を調整したり、被害弁償の方法を提案したり、双方の意見を汲み取って、示談がまとまるように様々な方策を探してくれるでしょう。
そもそも保険金詐欺では、被害者は個人ではなく保険会社です。
相手も弁護士に依頼して、組織的に対応しているケースが通常です。
個人で交渉を持ちかけても、取り合ってもらうことは難しいでしょう。交渉に応じてもらえても、不利な条件で言われるままに示談することになるかもしれません。
弁護士が間に入ることで、示談がスムーズに成立する可能性が格段に高くなるのです。
不正に受け取った保険金の返金は必要ですが、被害弁償さえされれば、被害申告しないという保険会社もゼロではありません。
保険金詐欺で示談するべき3つの理由
保険金詐欺を犯してしまった場合、次のような理由から、示談を成立させることが非常に重要です。
被害届の提出や告訴を阻止できるから
示談が成立すれば、被害届の提出や告訴を阻止できる可能性が高まります。
保険金詐欺が発覚すると、通常、保険会社は警察に被害届を出して、犯人の逮捕・起訴を求めることとなるでしょう。
しかし、被害申告より前であれば、示談によって、保険会社が被害届の提出を見合わせてくれる可能性があるのです。
特に、示談条件として、刑事事件しないことを盛り込むことができれば、被害届の提出をほぼ確実に防ぐことができます。また、すでに被害届が提出されている場合でも、示談の成立によって、取り下げてもらえるケースもあります。
つまり示談は、保険金詐欺事件の刑事事件化を防ぐ最も有効な方法の1つなのです。
逮捕・起訴の回避が期待できるから
保険会社との示談が成立していれば、逮捕や起訴を回避できる可能性があります。
示談が成立していることで、逃亡のおそれや証拠隠滅のおそれがないと判断され、身柄拘束を回避できる場合があるからです。
また、示談の成立は検察官の起訴判断にも影響を与えます。
示談が成立していれば、あえて起訴する必要はない(起訴猶予)と判断されて、不起訴処分となる可能性が高まります。
実刑を回避できる可能性が高まるから
仮に起訴された場合でも、示談が成立していることは、刑事裁判で有利に働きます。
保険金詐欺は、罰金がなく、有罪になれば必ず懲役となる重い犯罪です。通常であれば、最大10年間収監されることになるでしょう。
しかし、示談が成立していれば、情状酌量によって、刑が減刑される可能性があります。
そうすると、執行猶予付き判決を得られる可能性が出てくるのです。
執行猶予が付けば、実刑は回避できます。長期間の刑務所生活を強いられる心配もなくなります。
実刑を免れることができるのは、示談をする大きなメリットだと言えるでしょう。
保険金詐欺の示談金相場
保険金詐欺の示談金は、次のような金額の合計が目安です。
・不正に受け取った保険金の返済額 ・慰謝料(10万円~50万円程度が目安) ・保険会社の調査費用 ・弁護士費用 |
一例を挙げると、100万円の保険金を不正に受け取った場合、「110万円~150万円(被害弁償+慰謝料)」に加えて、保険会社の調査費用や弁護士費用(実費)が必要です。
ただし、これはあくまでも一般的な目安にすぎません。
実際には、事件の内容や、悪質性、被害金額の大きさによって大きく変わってきます。
例えば、不正に受け取った金額が極端に大きければ、比例して慰謝料も高額となる傾向があります。
分割払いに応じてくれるかは、保険会社によって異なる
示談金が高額になると、一括で支払うことが難しいケースも少なくありません。
そのような場合は、分割払いを希望することになります。
ただし、分割払いに応じてもらえるかどうかは、保険会社によって異なります。
例えば、回収できる可能性は低いと判断されれば、「一括払いでないと示談はできない」と言われるケースもあるでしょう。
一方で「分割にしても回収できる」「保険金を回収する方がメリット大きい」と判断されれば、分割払いに応じてもらえる可能性も出てきます。
分割払いを認めてもらうには、誠意を持って謝罪することはもちろん、具体的な返済計画を提示したり、保証人を確保したり、支払いを担保する取り決めを行うことが重要です。
いずれにせよ、分割を条件として、1人で示談することは難しいでしょう。
保険金詐欺で示談が成立するまでの流れ
保険金詐欺で示談が成立するまでの流れを見ていきましょう。
示談交渉は、次のような流れで進んでいきます。
手順 | ポイント |
① 刑事事件に強い弁護士を探す | 保険金詐欺は刑事事件に発展する可能性が高いため、刑事事件に強い弁護士へ依頼することが重要 |
② 弁護士へ依頼する | 保険会社が、警察へ被害申告する前に交渉すると、刑事事件化を阻止しやすい |
③ 示談条件の検討 | 次のような条件を検討する ・示談金の金額 ・支払方法(一括か分割か) ・支払の時期 ・示談が成立した場合の条件(被害届、告訴の取り下げなど) |
④ 示談交渉の開始 | 弁護士から、保険会社に対して示談の申入れを行う |
⑤ 示談条件の合意 | 交渉を重ね、示談条件の合意を目指す。 双方の意見を汲み取り、何度も調整を重ねて、早期の成立を目指す |
⑥ 示談書の作成と締結 | 合意が得られたら、弁護士が示談書を作成する (示談書の内容) ・示談金の金額 ・支払の方法と期限 ・示談成立後の保険会社の対応 ・違反した場合の措置 など |
以上が、保険金詐欺で、示談が成立するまでの一般的な流れです。
刑事事件に強い弁護士を見つけることから始まり、示談条件の検討、示談交渉、合意形成、示談書の作成と締結という段階を経て、示談が成立に至ります。
保険金詐欺で示談に応じてもらえない場合の対処法
保険金詐欺で示談を申し入れたものの、保険会社から拒否されてしまうケースは少なくありません。
そのような場合も、すぐに諦めるのではなく、次のように対処すると良いでしょう。
刑事事件に強い弁護士を介して、示談交渉を再打診する
自分で交渉を打診して断られたのであれば、刑事事件に強い弁護士を通じて、再度打診してみると良いでしょう。
弁護士を介してであれば、交渉に応じてもらえる場合も多いです。
保険会社としても、弁護士が間に入ることで、保険金を確実に回収できると判断すれば、態度を軟化させることは十分にあり得ます。
特に、刑事事件を得意としている弁護士なら、豊富な経験やノウハウをもとに、粘り強く保険会社を説得し、示談成立に導いてくれるでしょう。
一度拒否された場合でも、弁護士に相談することで、示談できる可能性は十分にあるのです。
一括払いで被害弁償をする
被害弁償とは、保険会社に対して不正に受け取った保険金を返還することを指します。
保険金詐欺で示談をするには、被害弁償は欠かせません。そして、被害弁償は一括での支払いが望ましいです。
分割払いで示談を断られても、「一括払いができるなら」という条件で応じてもらえるケースは珍しくありません。
既に使ってしまっており手元にない場合は、家族や親族から借りてでも、一括で支払った方が示談は成立しやすくなるでしょう。
どうしても資金的に難しい場合は、支払いを担保した上で、分割払いを提案することが必要です。具体的には、保証人を立てる、具体的な返済計画を提案するなどの方法が考えられます。
自首・出頭して減軽してもらう
示談交渉や被害弁償が難しい場合は、警察へ自首することも1つの方法です。
自首が成立すると、次のようなメリットがあります。
・逮捕を回避できる可能性がある ・不起訴を獲得しやすくなる ・最大半分までの減軽が期待できる 等 |
ただし、自首する前に必ず弁護士に相談することをお勧めします。
自分ではどうしようもないと思っていても、弁護士が間に入ることで、示談で解決できる場合は多いです。
自己判断するのではなく、弁護士とよく相談した上で、最善の方法を選びましょう。
保険金詐欺の示談交渉で弁護士ができること
保険金詐欺の示談交渉で、弁護士ができることは次の3つです。
謝罪や反省を伝え、保険会社を粘り強く説得する
示談交渉を進めるには、まず保険会社に対して、謝罪と反省の意を示すことが必要です。
単に金銭的な解決を求めるだけでなく、真摯に反省し、二度と同じ過ちを繰り返さないという決意を示すことが、保険会社を説得する上で重要なのです。
ただし、保険会社としても、示談に応じるメリットが感じられなければ、簡単には合意してくれません。
そこで、弁護士が間に入り、粘り強く保険会社を説得していくことになります。
豊富な経験と専門的なノウハウをもとに、保険会社が納得できる条件を提示しながら、粘り強く交渉を進めていくことができるのです。
示談の条件を調整し、支払い計画を提案する
示談が成立するかどうかは、示談金の金額や支払方法など、示談の条件次第で大きく変わってきます。
したがって、示談交渉を進める際は、示談の条件を調整し、双方が合意できる落としどころを探っていく必要があります。
刑事事件に強い弁護士であれば、過去に同じような保険金詐欺事件を取り扱った経験もあるはずです。そうすると、同じような事例をもとに、妥当な慰謝料相場を判断し、保険会社との交渉を進めることができるでしょう。
支払い能力に応じて無理のない計画を提案するなど、示談の条件面でも、被疑者に寄り添った交渉を行ってくれます。
お互いの希望に配慮した示談書を作成する
示談の内容を文書化したものが示談書です。
後々のトラブルを避けるためにも、示談書の内容は厳しくチェックして、明確に記載しなければなりません。
双方の希望を盛り込み、お互いが納得できる内容にしなければ、新たなトラブルに発展する恐れもあります。逮捕・起訴を回避したいのであれば、警察や検察、裁判所の心証にも配慮して、示談書を作成することが必要でしょう。
弁護士に依頼すれば、こうした点も踏まえて、示談書を作成してもらえます。
事件の経緯を踏まえつつ、法律的な観点から必要な内容を過不足なく盛り込んだ、両当事者が納得できる示談書を作成してもらえるでしょう。
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スムーズに示談するには、詐欺事件に強い弁護士に依頼することが何より重要です。
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それぞれ得意分野をもった弁護士が在籍しておりますので、保険金詐欺を行ってしまった方のために、刑事事件に強い弁護士ならではの充実の刑事弁護をご提供いたします。
・示談成立までの道筋をわかりやすくアドバイス ・刑事事件に強い弁護士が、粘り強く保険会社と交渉 ・豊富な解決実績を活かして、示談成立へと導く ・ご依頼者様に合わせた無理のない料金をご提案 ・最短で即日、夜間・土日祝日もご相談可能 |
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詐欺罪は法定刑が重く、実刑判決となるリスクも高い犯罪です。
保険金詐欺を起こしてしまった方は、1人で抱え込まず、ぜひ私たちグラディアトル法律事務所へご相談ください。
まとめ
最後に、今回の記事のポイントをまとめます。
・保険金詐欺でも示談によって解決することはできる
・一度断られても、弁護士を介して交渉すれば、応じてくれる場合は多い
・保険金詐欺で示談をするべき理由は次の3つ
・被害届の提出や告訴を阻止できるから ・逮捕・起訴の回避が期待できるから ・実刑を回避できる可能性が高まるから |
・保険金詐欺の示談金は、次の金額の合計が目安となる
・不正に受け取った保険金の返済額 ・慰謝料(10万円~50万円程度が目安) ・保険会社の調査費用、弁護士費用 ※分割できるケースもあるが、一括支払いが望ましい |
・示談に応じてもらえない場合の対処法は次のとおり
・刑事事件に強い弁護士を介して、示談交渉を再打診する ・一括払いで被害弁償をする ・警察に自首、出頭して減軽してもらう |
・保険金詐欺の示談交渉で弁護士ができること
・謝罪や反省を伝え、保険会社を粘り強く説得する ・示談の条件を調整し、無理のない支払い計画を提案する ・お互いの希望に配慮した示談書を作成する |
以上です。
保険金詐欺をしてしまった方は、この記事を読み終わったら、すぐに弁護士に相談して、逮捕を防ぐための行動を起こしましょう。
一刻も早く、事件が解決し、あなたの不安が解消されることを願っています。
この記事が役に立った、参考になったと感じましたら、是非グラディアトル法律事務所にもご相談ください。