保険金詐欺をしてしまうと、逮捕されるリスクがあることをご存知でしょうか?
・わざと自動車事故を起こして、保険金を受け取る ・保険目当てで、自宅に火を付ける ・通院日数を水増しして請求する など |
手口は様々ですが、いずれも立派な犯罪行為です。
実際に、保険金詐欺で逮捕されて、懲役刑となったケースは数多く存在しています。もしも、保険金詐欺の疑いをかけられたり、逮捕されたりしてしまったら、速やかに弁護士に相談してください。
すぐに保険会社と示談交渉を行ったり、接見に駆けつけて弁護活動を開始すれば、人生への影響を最小限に抑えられるでしょう。
本記事では、次の点を取り上げました。
◉この記事で分かること ・保険金詐欺で逮捕されたケース ・受け取った金額と刑の目安 ・逮捕後の流れ・逮捕を阻止 ・早期釈放する方法 など |
保険金詐欺による逮捕を防ぐため、ぜひご一読ください。
目次
保険金詐欺は逮捕される?実例と刑の目安
保険金詐欺とは、事故や火災、ケガ・病気などを捏造して、不正に保険金を受け取る行為を指します。少額や軽い気持ちで行ったとしても、「詐欺罪」が成立するため、逮捕・起訴されるおそれがあります。
(詐欺)刑法第246条 人を欺いて財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。 2 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。 |
詐欺罪の法定刑は、「10年以下の懲役」のみとされています。罰金刑の規定はないため、起訴されて有罪判決が確定すると、初犯であっても実刑判決を受ける可能性があるのです。
実際、次のようなケースが保険金詐欺で逮捕されており、起訴・有罪判決が言い渡されています。
事件の内容 | 不正に受け取った保険金 | 刑期 |
◉交通事故による保険金詐欺 仲間と共謀して、車を故意に街灯などに衝突。偶然の事故を装って、約294万円の保険金をだまし取った。 (出典:テレビ山梨) | 約294万円 | ・男に懲役2年6か月、執行猶予5年 ・妹に懲役1年6か月、執行猶予3年 |
◉火災による保険金詐欺 自宅でガソリンや灯油の入った容器のそばにあった段ボールに放火し、損害保険会社から保険金5364万円をだまし取ろうとした。 (引用:静岡新聞) | 約5364万円 | 懲役3年6か月の実刑判決(詐欺未遂罪) |
◉整骨院の水増し請求による保険金詐欺 自分が経営していた整骨院での通院日数を水増しするなどして、約130回にわたり健康保険協会や保険会社から療養費計約600万円をだまし取った。 (引用:産経新聞) | 約600万円 | 懲役2年10月の実刑判決 |
保険金詐欺で逮捕された場合の流れ
保険金詐欺が疑われると、まずは保険会社によって調査が開始されます。
その結果、不正の可能性が高いと判断されれば、警察に通報されて捜査が開始されるでしょう。十分な証拠が集まった段階で、逮捕状(令状)が発行されて逮捕に至ります。
逮捕後は、最大23日間にわたって拘束されることになります。この間、警察や検察による取調べが実施され、弁護士以外との接触は厳しく制限されます。特に、逮捕後72時間(勾留決定まで)の期間は、家族との面会も禁止されています。
拘束期間が長くなるほど、肉体的・精神的な負担も大きくなるでしょう。仕事や家庭など、生活にも重大な影響が生じてしまいます。
逮捕後、釈放されるタイミングとしては、大きく次の4つが考えられます。
釈放のタイミング | 釈放される理由 |
①送致前(逮捕後24時間) | ・容疑なし、示談の成立など |
②勾留請求前(逮捕後72時間) | ・勾留請求されなかった ・勾留請求が却下された など |
③勾留延長時(勾留10日後) | ・勾留延長請求がされなかった ・勾留延長請求が却下された など |
④不起訴処分 | ・不起訴処分となった |
いずれの場合も、ただ待つのではなく早期に弁護士に相談して、保険会社と示談するなどの行動を起こすことが必要です。
保険金詐欺で逮捕を阻止・早期釈放する方法
保険金詐欺で逮捕される可能性があるなら、すぐに逮捕を防ぐための行動を起こすことが重要です。不安を抱えたまま放置していても、事態が改善することはありません。
速やかに弁護士に相談して、次のような対処をすれば、逮捕を阻止できたり、早期釈放される可能性は格段に高くなります。
保険会社と示談交渉をする
まず行うべきは、保険会社との示談交渉です。
すぐに保険会社と示談できれば、被害届の提出を阻止できます。そうすると、ほぼ確実に刑事事件化を阻止できるでしょう。すでに警察に届け出がされた後でも、被害届を取り下げてもらえる可能性があります。捜査の中止や、逮捕後の早期釈放にもつながります。
どういったタイミングであれ、示談交渉は最優先に開始するべきです。
示談を成立させるには、刑事事件に強い弁護士に依頼することが欠かせません。
特に、保険金詐欺の場合、相手は個人ではなく保険会社です。相手も専門の弁護士に依頼して、組織的に対応しているでしょう。個人で交渉を持ちかけても、取り合ってもらえなかったり、話を聞いてもらえなかったりするケースが通常です。
刑事事件に強い弁護士であれば、示談のポイントを熟知しています。
豊富な経験をもとに、粘り強く保険会社を説得してくれるでしょう。個人で断られても、弁護士を介してであれば、交渉に応じてもらえる場合は多いです。
逮捕後|すぐに接見を依頼する
もしも、ご家族がすでに逮捕されているのであれば、すぐに接見を依頼しましょう。
逮捕後の流れでも説明したとおり、逮捕後72時間は家族であっても面会はできません。ご本人に接触して支えることができるのは弁護士しかいないのです。
また、逮捕後はすぐに警察の取調べが開始されます。保険金詐欺の取調べは非常に過酷です。実際には共犯者が主導で行っていたり、事実と異なっていたりしても、一度認めると供述調書として記録されてしまいます。刑事裁判でも決定的な証拠として提出され、覆すのはかなり難しいです。
本来、取調べでは次のような権利が保障されています。
黙秘権 | 「言いたくないことを言わなくても良い」という権利 |
供述調書の増減変更申立権 | 供述調書の内容に誤りがある場合に、訂正を求める権利 |
署名押印拒否権 | 供述調書への署名や押印を拒否する権利 |
逮捕されたご本人は、こういった権利を知らないケースが通常です。取調べで不利益な発言をすることを避けるためにも、すぐに弁護士に連絡して、接見を依頼しましょう。
逮捕前|警察に自首・出頭する
まだ逮捕されていないのなら、警察に自首することも選択肢の一つです。
自首が認められると、刑は最大半分程度にまで軽くなります。証拠隠滅、逃亡のおそれがないことを伝えたり、真摯に反省の態度を示したりすれば、そのまま自宅に帰れる場合もあります。
ただし、そのまま逮捕にいたるリスクもゼロではありません。さらに、保険金詐欺の場合、自首する前に示談交渉を優先的に行った方が良いケースも多いです。
そのため、警察に自首・出頭する前に必ず弁護士に相談することをおすすめします。弁護士によっては、当日も警察まで同行して、近くで待機してくれる場合もあります。
保険金詐欺に強い弁護士を選ぶポイント
保険金詐欺の事件を解決するなら、弁護士選びが極めて重要です。
以下の3つのポイントを確認しながら、保険金詐欺に強い弁護士を選びましょう。
詐欺事件を解決した実績
1つ目のポイントは、詐欺事件を解決した実績です。
実績が多いほど、詐欺事件に関する知識が豊富で、専門的なノウハウを持っているといえるからです。
実は、一口に「弁護士」といっても、得意分野は様々です。医師に内科、外科などの診療科があるのと同様に、弁護士にも得意分野があるのです。例えば、民事事件と刑事事件では、必要な知識や実務の流れが全く異なります。
詐欺事件を取り扱った経験のない弁護士に依頼しても、スムーズな解決は期待できません。保険金詐欺のように難しい案件の場合、少しのミスが致命的な失敗につながるおそれもあるのです。
示談交渉の経験が豊富か
2つ目のポイントは、示談交渉の経験が豊富かどうかです。
前述のとおり、保険金詐欺の刑事処分は、示談の有無にかかっている部分が大きいからです。示談が成立するか、失敗に終わるかによって、事件の流れは変わってきます。
経験が豊富な弁護士であれば、示談をスムーズに成立させるノウハウを持っています。
・妥当な示談金はいくらなのか ・どうすれば交渉に応じてくれるのか ・相手が示談に応じないのは何が原因なのか |
示談に必要なポイントを見極めて、粘り強く交渉を進めてくれるでしょう。
示談に関しても詳しい記事がありますのでご覧ください。
最後まで戦い抜いてくれるか
3つ目のポイントは、最後まで戦い抜いてくれるかどうかです。
刑事事件の依頼者を守るには、最後まで依頼者とともに戦い抜く姿勢が欠かせません。万が一、弁護士が諦めてしまうようなことがあれば、その時点で解決は難しくなります。定型的な対応ではなく、依頼者の話をしっかりと聞いた上で、共に戦ってくれる弁護士を選びましょう。
「依頼を受けたらすぐに対応し、過去の事案(判例や先例)だけで決めつけず、依頼者の利益を勝ち取るために積極的に提案する」
こういった弁護士を選ぶことが、何より大切なのです。
保険金詐欺の逮捕はグラディアトル法律事務所へご相談ください
保険金詐欺をしてしまった方は、ぜひ私たちグラディアトル法律事務所へご相談ください。
弊所は、刑事事件を数多く取り扱っており、圧倒的なノウハウと実績を有している法律事務所です。
・保険金詐欺の疑いで、保険会社から連絡が来た ・警察に被害届と出すと言われてしまった ・保険会社に示談交渉に応じてもらえない ・保険金詐欺で逮捕されたら、家族にも迷惑がかかってしまう ・家族が保険金詐欺で逮捕されたと連絡がきた など |
上記のような方は、一人で悩まず、是非お話をお聞かせください。
弊所では、刑事事件の豊富な経験を持つ弁護士が、24時間365日・全国相談受付可能な体制でご相談を承っています。
・詐欺事件に強い弁護士が、粘り強く保険会社と交渉 ・スピード感を持って、逮捕を阻止、早期釈放に向けた弁護活動を開始 ・最短で即日、夜間・土日祝日もご相談可能 ・豊富な刑事裁判の実績を活かして、不起訴・執行猶予を獲得 |
これまでにも多くの方からご相談をいただき、示談を成立させて刑事事件化を阻止したり、不起訴・執行猶予を獲得することに成功しています。
ご相談をいただくタイミングが遅くなるほど、対処法も少なくなってしまいます。保険金詐欺を起こしてしまったら、1人で抱え込まず、ぜひ私たちグラディアトル法律事務所へご連絡ください。
【Q&A】よくある質問
保険金詐欺はいつまで逮捕の可能性がありますか?
詐欺罪の公訴時効は7年です。
そのため、保険金を受け取ってから7年間は逮捕の可能性があります
詐欺に協力しただけでも逮捕されますか?
保険金詐欺に協力すると、詐欺の共犯となるおそれがあります。
協力した内容によっても異なりますが、共犯関係が認められると、逮捕にいたる可能性があります。
未遂でも逮捕されますか?
詐欺罪は、未遂でも処罰規定が定められています。
したがって、未遂に終わっても、逮捕されるリスクがあります。
保険金詐欺の逮捕を防ぐにはどうすればいいですか?
保険金詐欺などの財産犯では、被害者との示談の有無によって、処分が決まる部分が大きいです。したがって、すぐに弁護士に依頼して、保険会社との示談を成立させることが効果的です。
まとめ
最後に、今回の記事のポイントをまとめます。
◉保険金詐欺とは、保険会社を騙して、不正に保険金を受け取ること
◉交通事故、火災保険、水増し請求など、様々なケースで逮捕に至っている
◉逮捕されると、最大23日間拘束されて、生活にも大きな影響が生じる
◉逮捕を阻止、早期釈放する方法は3つ
・弁護士に依頼して、保険会社と示談交渉をする ・(逮捕前)警察に自首・出頭して減軽してもらう ・(逮捕後)すぐに接見を依頼して、弁護士に面会してもらう |
◉保険金詐欺に強い弁護士を選ぶポイント
・詐欺事件を解決した実績があるか ・示談交渉の経験が豊富か ・依頼者のために、最後まで戦ってくれるか |
以上です。
保険金詐欺をしてしまった方は、この記事を読み終わったら、すぐに弁護士に相談して、逮捕を防ぐための行動を起こしましょう。
一刻も早く事件が解決して、あなたの不安が解消されることを願っています。この記事が役に立った、参考になったと感じましたら、是非グラディアトル法律事務所にもご相談ください。