傷害事件を起こしてしまい、「警察に被害届が出されるのではないか」「被害届が出されたらどうなってしまうのか」と不安を抱えていませんか?
刑事事件においては、被害届が出されるかどうかによって、その後の動向は大きく変わります。
速やかに示談を成立させ、被害届の提出を回避できれば、事件化する前に問題を解決できる可能性も十分あるでしょう。
そのため、傷害事件を起こしたときはできるだけ早く弁護士に相談し、被害届の提出を食い止める、取り下げさせることが大切です。
本記事では、傷害罪で被害届が出されたあとの流れについて詳しく解説します。
また、逮捕・起訴を回避するために取るべき行動なども解説するので、ぜひ最後まで目を通してみてください。
目次
傷害事件で被害届を出されるとどうなる?
まずは、傷害事件で被害届が出されるとどうなるのかについて解説します。
被害届が受理されると捜査が始まり逮捕される可能性がある
被害届が出されたあとの流れとして考えられるのは、警察が捜査を開始するパターンです。
被害者や目撃者の証言・防犯カメラの映像・診断書などをもとに、事件の詳細をたどっていきます。
証拠が十分に揃えば、裁判所から逮捕状を取得し、加害者の逮捕に乗り出すケースもあるでしょう。
ただし、被害届が受理されたからといって、必ずしも警察が動くとは限りません。
捜査を開始するかどうかは、警察の判断に委ねられています。
警察が被害届を受理しないこともある
警察が被害者から提出された被害届を受理しないパターンもあります。
被害届を受理するかどうかは、被害の程度や状況を確認したうえで警察が個々に判断するためです。
たとえば、以下のようなケースでは警察が被害届を受理しない可能性が高いといえます。
- ・被害が明らかに軽微である場合
- ・当事者間での解決が望ましいと考えられる場合
- ・被害の発生から時間が経過している場合
- ・証拠不十分や事実関係が不明確な場合
ただし、被害届が受理されなくても、必要に応じて警察から指導を受ける可能性がある点には注意しておきましょう。
傷害事件で被害届が受理されたあとの流れ
傷害事件で被害届が受理され、捜査が開始したあとの流れは以下のとおりです。
では、一つひとつの過程を詳しく見ていきましょう。
逮捕・在宅捜査
被害届が提出されたあとは、警察による捜査が始まります。
身柄を拘束されないまま在宅捜査がおこなわれることもありますが、証拠隠滅・逃亡のおそれがあると判断された場合などには、後日逮捕される可能性も出てくるでしょう。
逮捕されたときは、警察署内の留置所に収容されるケースが一般的です。
なお、在宅捜査であっても捜査の過程で新たな事実が判明したり、加害者の動きが怪しいと判断されたりした場合には逮捕に切り替わる可能性もあります。
送致
傷害事件で逮捕された場合は、48時間以内に送致されるか、釈放されるかどうかが決まります。
送致とは、警察が捜査した事件を検察に引き渡す手続きのことです。
基本的に警察は初期の捜査を担当し、証拠の収集や加害者の身柄確保をおこないますが、起訴・不起訴の判断は検察官に委ねられています。
もちろん、警察による捜査がおこなわれた結果、送致されることなく、そこで事件が終了するケースもあります。
勾留
送致が決まった場合は、24時間以内に勾留されるか、釈放されるかが決定します。
勾留とは、検察官が起訴・不起訴の判断をおこなうために、加害者の身体を拘束したまま捜査を継続するための手続きです。
検察官によって勾留請求がおこなわれ、裁判官が勾留の可否を判断します。
勾留期間は、原則10日間です。
しかし、勾留の延長請求が認められた場合には、次第で追加で最長10日間、合計20日間の身体拘束を受けることになります。
起訴
勾留期間内に検察官による捜査が終了し、起訴されるか不起訴になるかが決定します。
起訴されると裁判に移行しますが、不起訴になればその時点で釈放です。
今後、同一の事件で捜査が続けられることも基本的にありません。
なお、不起訴処分には以下の3種類があります。
- ・嫌疑なし:犯人でないことが明らかな場合
- ・嫌疑不十分:決定的な証拠がない場合
- ・起訴猶予:犯罪は立証できるがあえて起訴しない場合
傷害行為に及んだことが事実であれば、起訴猶予による不起訴処分を目指すことになるでしょう。
なお、起訴されたあとは保釈請求が可能です。
裁判官の許可を得て保釈金を支払えば、ひとまず第1審の判決日まで元の生活に戻ることができます。
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裁判
傷害罪で起訴されてしまった場合は、裁判を受けることになります。
裁判では、原告被告双方の主張や証拠を踏まえ、裁判官が有罪・無罪の判決を下します。
有罪になると、判決に従って懲役や罰金などの刑事処分を受けなければなりません。
無罪となれば釈放され、身柄拘束されていたことに対する刑事補償を請求できます。
とはいえ、日本の刑事裁判における起訴後有罪率は99%以上です。
検察官に起訴された時点で、ほぼ確実に有罪が決定してしまいます。
そのため、いかに不起訴処分を獲得するかが重要になることを覚えておきましょう。
傷害罪の刑罰|15年以下の懲役または50万円以下の罰金
傷害罪の刑罰は、「15年以下の懲役または50万円以下の罰金」です。
傷害罪は身体的にケガをさせたり、精神疾患を患わせたりする重大な犯罪であるため、刑罰も比較的重たい内容になっています。
ただし、量刑については、裁判官が以下のようなポイントも考慮したうえで決定されます。

たとえば、たまたま居合わせた人に口喧嘩の延長で暴行を加え、軽微なケガを負わせた程度であれば、起訴されて有罪になったとしても罰金刑になる可能性が高いといえます。
一方、あらかじめ計画を練ったうえで暴行を加え、障害が残るようなケガを負わせた場合には懲役刑に処されることもあるでしょう。
また、執行猶予がつくかどうかも、個々のケースごとに異なります。
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被害届の提出を食い止める・取り下げさせるためにできること
次に、被害届の提出を食い止める・取り下げさせるためにできることを2つ紹介します。
被害届が出されるかどうかで、逮捕・起訴の可能性は大きく変わってくるため、迅速に対処することが大切です。
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示談を成立させる
傷害事件を起こしたときは、被害者との示談成立を最優先に考えましょう。
示談を成立させることができれば、被害者の処罰感情が和らぐため、「被害届の提出を踏みとどまる」または「すでに提出された被害届を取り下げる」可能性が高まります。
示談書を作成する際にも、被害届を取り下げる旨を明記するケースが一般的です。
また、示談が成立していれば逮捕や起訴を回避しやすくなるため、被害届の取下げが難しい場合でも、粘り強く交渉するようにしましょう。
ただし、加害者から被害者に対して直接示談を申し入れるのはおすすめしません。
まともに取り合ってもらえるとは考えにくく、交渉に進めたとしても、高額な示談金を求められるおそれがあります。
そのため、示談に関することはすべて弁護士に任せるのが賢明です。
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傷害罪の示談金の相場は?示談金を決める要素や示談の流れを解説
できるだけ早く弁護士に相談する
傷害事件を起こした際に被害届の提出を食い止める、または取り下げさせるためには、できるだけ早く弁護士に相談することも重要です。
弁護士に相談すれば、今後の対応方針について的確なアドバイスを受けることができます。
また、弁護士は交渉のプロでもあるため、被害者との示談交渉もスムーズに進めてくれるはずです。
実際にグラディアトル法律事務所では、これまでに数多くの傷害事件を解決してきました。
早急に示談を成立させ、被害届が出される前に問題解決できた事例も数多くあります。
弊所では24時間365日迅速な対応が可能なので、傷害事件を起こしたときは、一度ご相談ください。
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傷害罪の被害届に関するよくある質問
最後に傷害罪の被害届に関するよくある質問を紹介します。
同様の疑問を抱えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
被害届が出ているかどうか確かめる方法は?
刑事事件において、被害届が出ているかを直接的に確かめる方法はありません。
被害届の内容は警察の捜査情報であり、一般に公開されるものではないためです。
そのため、警察からの呼び出しを受けたタイミングで、はじめて被害届が出されていることに気がつくケースもあります。
提出状況をどうしても確認したい場合は、弁護士を通じて被害者本人に連絡をとってもらう方法などが考えられるでしょう。
被害届には提出期限がある?
被害届に提出期限はありません。
被害者は事件直後に警察へ届け出ることも、数日後・数週間後に届け出ることも可能です。
しかし、時効の影響は受けます。
傷害罪の場合は、ケガを負わせてから10年経過すると時効が完成し、被害届を提出されても起訴されることはなくなります。
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被害届の取下げはいつまで認められる?
被害届の取下げに期間制限はありません。
しかし、加害者の立場からすると、できるだけ早期に被害届を取り下げさせてもらうことが重要です。
仮に捜査の初期段階で被害届が取り下げられると、警察が検挙しない可能性も出てくるでしょう。
また、検挙されたあとでも、示談の成立によって被害届を取り下げてもらうことができれば、不起訴処分になる可能性が高くなります。
被害届と告訴の違いは?
被害届と告訴の大きな違いは、加害者に処罰を求める意思が含まれているかどうかです。
被害届は、被害者が警察に対して犯罪の事実を知らせる手続きにすぎません。
捜査を進めるかどうかは、警察の判断に委ねられています。
一方、告訴は、被害者が捜査機関に対して加害者の処罰を求める正式な意思表示です。
告訴が受理されると、警察は一定の捜査義務を負います。
なお、被害届に提出期限がありませんが、告訴は犯人を知ってから6ヵ月以内におこなう必要がある点も違いのひとつです。
傷害事件を起こしたときはグラディアトル法律事務所に相談を
傷害事件を起こしたときは、被害届を出されないように、できるだけ早く示談交渉を進めることが重要です。
被害届を出されたからといって、必ずしも警察の捜査が始まるわけではありませんが、逮捕・起訴の可能性は高まってしまいます。
また、すでに被害届が出されている場合でも、示談交渉は遅くありません。
示談の成立によって被害届を取り下げてもらうことができれば、検挙されずに捜査が終わったり、不起訴処分が下されたりすることがあります。
何よりもスピード感をもった対応が重要なので、少しでも不安を抱えている方はまず弁護士に相談するようにしてください。
グラディアトル法律事務所では、豊富な知識・経験をもった弁護士が24時間365日体制で事件解決にあたります。
LINEでの無料相談も受け付けているので、お気軽にどうぞ。