詐欺と知らなくても共犯になる?闇バイトなど危険な3つのケース

詐欺だと知らなくても共犯になる?
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弁護士 若林翔
2025年02月07日更新

「お金を受け取っただけなのに、詐欺の共犯になるの?」

「詐欺だと知らなくても、警察に捕まるの?」

あなたは今「詐欺の共犯になったかも…」と不安になっているのではないでしょうか?

SNSでは、「簡単に大金を稼げる」「高額バイト」「即日◯万円支払います」などと書かれた闇バイトが募集されています。こういったケースで詐欺に加担すると、詐欺だと知らなかったとしても、共犯として処罰されるリスクがあるのです。

「匿名・流動型犯罪グループ(トクリュウ)」事件でも、多くの一般人が詐欺の共犯として逮捕されています。決して遠い世界の話ではありません。

当事務所でも、詐欺の共犯となった方からご相談をいただくケースは多いです。

先日も、「高時給バイト」という言葉に惹かれて詐欺に加担した結果、振り込め詐欺の受け子と出し子で逮捕されてしまった方からご相談をいただきました。

すぐにご相談をいただけたので、示談を成立させて執行猶予付き判決を獲得できましたが、同様のケースは後を絶ちません。

詐欺の共犯になってしまったら、すぐに弁護士に相談して、逮捕・起訴を防ぐための行動を起こしましょう。

本記事では、次の点を取り上げました。

◉詐欺で共犯になるケース
◉闇バイトなどで、詐欺と知らなくても共犯になるのか
◉詐欺の共犯者の量刑のポイント
◉逮捕、起訴を防ぐために弁護士ができること

「詐欺の共犯になったかも…」と不安な方は、是非ご一読ください。

詐欺の共犯とは?

詐欺の共犯とは、詐欺に加担した人を言います。

直接、詐欺となる行為を行っていなくても、次のようなケースで詐欺の共犯が成立します。

・オレオレ詐欺を手伝った(受け子、出し子など)

・詐欺の道具を用意した(銀行口座、キャッシュカード、逃走用の車など)

・実行犯と一緒に、詐欺の計画を立てた

・友人が詐欺を行うようそそのかした 等

特に最近は、闇バイトなどで詐欺の共犯となるケースが増えています。

詐欺と知らずに関与した場合でも、共犯者として逮捕されれば、長期間の身柄拘束を余儀なくされてしまうのです。

共犯として詐欺に関与した疑いがある場合は、早急に弁護士へ相談しましょう。

詐欺で共犯になるケース

「共犯」とは、犯罪行為に加担した者のことを指します。

詐欺罪においても、詐欺を一緒に行ったり、実行を手伝ったりすると共犯として処罰されてしまいます。

詐欺で共犯になるケース

共同して詐欺を行った|共同正犯

詐欺の共犯の典型例が「共同正犯」です。

・刑法第60条(共同正犯)
2人以上共同して犯罪を実行した者は、すべて正犯とする。

2人以上で共同して詐欺を行い、互いに利用し合う関係(相互利用補充関係)が認められれば、共同正犯として重く処罰されるのです。

共同正犯はさらに「実行共同正犯」「共謀共同正犯」に分けられます。

【実行共同正犯】

実行共同正犯になるのは、詐欺の実行行為(だます行為)を分担して行うような場合です。

複数人で計画を立てて、役割を分担して被害者をだます「劇場型詐欺」のようなケースが挙げられます。

このようなケースでは、複数の犯人が被害者と関わっているので、「誰の行為によって被害者がだまされたのか」が明確ではありません。全ての行為の因果関係を立証することは難しいでしょう。

実行共同正犯の場合、検察官は「被害者が、誰の行為によってだまされたのか」を立証する必要はありません。

「共同で実行した事実」と「共犯者間で意思の連絡があったこと」が認められれば、全員が詐欺罪として処罰されることになります。

【共謀共同正犯】

一方で、「共同で実行した事実」がない場合に成立するのが、共謀共同正犯です。

例えば、詐欺を計画した人(黒幕)と、詐欺の実行部隊(手下)が別々にいるケースが考えられます。

詐欺を計画した人(黒幕)は、実行行為をしていないので、実行共同正犯として処罰することはできません。しかし、だからといって黒幕を処罰しないのは不合理です。

そこで登場するのが「共謀共同正犯」という概念です。

共謀共同正犯では、詐欺の実行行為を共同して行う必要はありません。実行行為をしていなくても、互いに利用し合う関係が認められれば「共謀共同正犯」として、詐欺罪が成立するのです。

※関連コラム:

詐欺罪の成立要件とは?詐欺罪に問われる主な犯罪の手口と種類を解説

他人が詐欺をするよう仕向けた|教唆犯

教唆犯とは、他人をそそのかして詐欺を実行させた者のことを指します。

例えば友人に、「振り込め詐欺をすると簡単にお金が手に入るらしいよ。やり方を教えるから、君もやってみたら?」などと言って、詐欺の実行を決意させるようなケースです。

(教唆)第六十一条
人を教唆して犯罪を実行させた者には、正犯の刑を科する。

ただし、教唆犯が成立するケースでは、大半が「共謀共同正犯」として起訴されます

量刑相場を見ても「教唆犯」より「共謀共同正犯」の方が重くなる傾向があります。

詐欺の手助けをした|幇助犯

幇助犯とは、実行行為以外の方法で、詐欺の手助けをした者のことを指します。

詐欺に使うスマートフォンや銀行口座を用意した、見張りや逃走用の車を準備した等のケースが挙げられます。

幇助犯は「詐欺を手伝っただけ」なので、刑は実行犯(正犯)の半分程度まで軽減されるケースが通常です。

(幇助)第六十二条
正犯を幇助した者は、従犯とする。

(従犯減軽)第六十三条
従犯の刑は、正犯の刑を減軽する。

詐欺が「幇助犯」となるかは、画一的に判断されるのではなく、共犯者間での立場や関与の程度を踏まえて判断されます。

自分では「手伝っただけ」と思っていても、実行行為に深く関わっていたり、多額の利益を受け取っていたりすると、共同正犯として重く処罰されてしまいます。

闇バイトなどで、詐欺だと知らなくても共犯になる?

それでは、詐欺だと知らずに関わった場合も共犯になるのでしょうか?

一般的には、犯罪が成立するには「故意」が必要です。そのため、故意がなければ犯罪は成立しません。ただし、故意が認められるには、はっきりと「詐欺」だと知っている必要はありません。「なにか怪しい仕事かも?」と思っているだけでも、故意が認められて共犯が成立する可能性があります。

例えば、闇バイトで多いのが次のようなケースです。

① 「楽に稼げるバイトがある」と声をかけられた

② 話を聞くと「現金を運ぶだけで高額報酬」という内容だった

③ 目的は教えてもらえなかったが、「詐欺の片棒を担いでいる可能性がある」と認識していた

④ 怪しいと思いつつ、被害者からお金を受け取って、報酬を受け取った

この場合、本人は「詐欺である」とはっきり認識していないでしょう。しかし「詐欺の片棒を担いでいるかも…」とは思っています。そうすると、「未必の故意」が認められて、詐欺の共犯となる可能性があるのです。

※未必の故意とは?
「犯罪が発生するかもしれないが構わない…」と思っている状態。
積極的に詐欺をしようと思っていなくても、詐欺の結果を認識・認容していれば「未必の故意」として、故意が認められる。

「知らなかった」という理由で否定するには、「詐欺であると全く予期していなかった」ことを立証しなければいけません。闇バイトの場合、一般的な判断能力があれば「怪しい」と感じることが通常なので、立証はかなり難しいでしょう。

特に、次のようなケースでは、知らずに詐欺に巻き込まるリスクが高いです。

闇バイトで詐欺の今日範囲注意するべきケース

詐欺だと知らずにお金を受け取った(受け子)

「受け子」とは、特殊詐欺などで、被害者から現金を受け取る役割を指します。

詐欺だと知らずに引き受けても、「状況から考えて詐欺だと分かるはずだった」と判断されれば、共犯として罪に問われる可能性があります。

「ラクして稼げるバイトがある」

「指定した場所に行って、封筒を受け取るだけで、◯万円支払う」

「身分を偽って、お金を受け取って欲しい」 など

詐欺グループから指示を受けていただけであっても、状況によっては共同正犯が成立して、正犯(実行犯)と同様の刑に処せられる可能性があります。「知らなかった」という言い訳は通用しません

受け子として詐欺に加担してしまった場合は、速やかに弁護士に相談しましょう。

バイト代をもらって、ATMからお金を引き出した(出し子)

一方で、ATMなどに出向いて、詐欺によって受け取ったお金を引き出す役割を「出し子」といいます。

出し子の場合、成立するのは「詐欺罪」ではなく「窃盗罪」です。

ただし、知らなくても罪に問われるという点では「かけ子」と変わりはありません。また、関与の程度や報酬、役割によってはいきなり懲役となる可能性も十分に考えられます。

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振り込め詐欺の受け子・出し子とは?問われる罪や逮捕のきっかけ

詐欺だと知らずに、自分の名義を貸し出した

名義貸しによって、詐欺の共犯となる場合もあります。

「口座を貸すだけで報酬がもらえると誘われた」

「友人や先輩から、銀行口座を貸して欲しいと頼まれた」

「携帯電話の契約をするだけで、バイト代がもらえると言われた」 など

詐欺に使われると知らなかったとしても、共犯(共同正犯・幇助犯)として責任を問われる可能性があるのです。

「知らなかった」と主張することはできますが、認めてもらうためには具体的な証拠が必要です。警察から取調べを受ける可能性も高いので、すぐに弁護士に相談しましょう。

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詐欺の共犯者の刑はどう決まる?量刑のポイント

詐欺の共犯者にはどのような刑が科されるのでしょうか?

まず、大前提として、共犯者であっても量刑は人それぞれ異なります。被疑者ごとに次のようなポイントが考慮され、刑が決定されるのです。

詐欺の共犯の量刑のポイント

詐欺事件の一般的な量刑ポイント

詐欺罪の量刑は、次のような要素を考慮して、裁判官が決定します。

・詐欺事件の悪質性

・被害金額の大きさ、被害者数

・犯行に至った動機や経緯

・被告人の年齢や職業、再犯の可能性

・反省の程度、被害者への謝罪

・示談や被害弁償の有無 など

詐欺の場合、特に「被害金額の大きさ」や「示談の有無」によって処罰が決まる部分が大きいです。被害金額が大きいと、初犯であっても実刑判決が言い渡される可能性が高くなるでしょう。

不起訴処分や執行猶予判決を得るためには、早期に被害者と示談交渉を行ったり、被害弁償を済ませたりすることが欠かせません。

詐欺の共犯特有の量刑ポイント

一方で、詐欺の共犯では、共犯特有の事情も考慮されます。

・詐欺の共犯者間の関係性

・主導的な立場だったのか、従属的だったのか

・担当した実行行為の内容

・詐欺による利益の分配(報酬、分け前など) など

例えば、首謀者として詐欺の中心的役割を果たしていた場合と、組織の末端などで下っ端として関わっていた場合では、刑の重さは異なります。

言われるがままに「出し子・受け子」などの役割をしていたようなケースでは、不起訴になったり、執行猶予が付く場合もあるでしょう。

もっとも、たとえ出し子・受け子だったとしても、必ずしも刑が軽くなるわけではありません。詐欺の事実を知らなかったとしても、共同正犯として重く処罰されるケースもあるからです。

刑を軽くするには、自分に有利な証拠を収集し、検察官や裁判官が納得するように主張することが必要です。

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詐欺罪の量刑相場は懲役13年!量刑判断では被害金額が重要な要素

詐欺の共犯になったとき、弁護士ができること

詐欺の共犯になってしまったら、一刻も早く弁護士に相談してください。

ご相談をいただくタイミングが早いほど、逮捕・起訴を阻止できる可能性は高くなります。

詐欺の共犯で弁護士ができること

示談交渉によって、逮捕を阻止・早期釈放が期待できる

弁護士は被害者との示談交渉を通じて、あなたの逮捕を未然に防いだり、勾留の早期解除を図ったりすることができます。

詐欺事件では、被害弁償や示談の有無によって、処分が大きく変わってきます。そのため示談交渉は、できるだけ早いタイミングで弁護士に依頼することが大切です。

示談が成立するタイミングが早ければ、そもそも逮捕に至らない可能性が出てきます。

また、逮捕・勾留後であっても、示談によって勾留を阻止したり、早期の身柄釈放を実現できる可能性が飛躍的に高まります。

警察の取調べについて、サポートが受けられる

被害届が出されたり、共犯者が捕まったりすると、警察からあなたにも連絡が来るでしょう。詐欺の内容や共犯者との関係性を聴取されて、回答した内容によってはあなたの立場が不利になるリスクもでてきます。

いずれにせよ、回答した内容によって、その後の流れは大きく変わってきます。

弁護士へ相談すれば、警察の取調べにどう対応すればいいのか、具体的なアドバイスを受けられます。

・共犯者との関係をどう伝えればよいか

・詐欺だと知らなかったことをどう説明するべきか

・事実と異なる場合どうすればいいのか など

自分が不利になることを避けるためにも、事前に相談しておきましょう。

あなたに有利な証拠を集めて、警察・検察と戦ってくれる

何より心強いのは、弁護士が最大の味方となって戦ってくれることです。

刑事事件に強い弁護士なら、詐欺の共犯者が取るべき対応や、逮捕・起訴に至る可能性を熟知しています。

・詐欺の計画を立てたのか

・実行行為に加担したのか

・受け子や出し子を行っただけなのか

それぞれの状況に応じて、あらゆる方面から弁護活動を展開してくれるでしょう。

あなたの最大の味方として、詐欺の共犯で逮捕、起訴されることを阻止するために、最後まで戦ってくれます。

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【加害者向け】詐欺事件を今すぐ弁護士に相談するべき3つの理由!

【グラディアトル法律事務所の解決事例】詐欺の共犯から執行猶予を獲得

詐欺の共犯になってしまった方は、是非私たちグラディアトル法律事務所へご相談ください。

弊所は、刑事事件を数多く取り扱っており、圧倒的なノウハウと実績を有している法律事務所です。これまでにも数多くの方から、詐欺事件のご相談をいただき、難しい示談交渉を成立させて、事件を解決してきました。

◉振り込めの受け子と出し子で逮捕されるも執行猶予となった事例

【被疑者】
20代の男性

【事件内容】
借金や生活費に困っており、「高時給バイト」という言葉に惹かれて、詐欺かもしれないと感じながらも加担してしまった。具体的な手口は、「 被害者から騙し取ったキャッシュカードを使い、ATMでお金を引き出し、報酬を受け取った後、残りの現金を近くの公園に隠す」というもの。

【弁護活動、結果】
被疑者の深い反省、若年であること、前科がないこと、具体的な更生プラン、そしてご両親と祖父母の支えがあることを強く主張して、執行猶予付き判決を獲得。

詐欺事件に加担してしまった方は、是非お話をお聞かせください。

弊所では、刑事事件の豊富な経験を持つ弁護士が、24時間365日・全国相談受付可能な体制でご相談を承っています。

ご相談をいただくタイミングが遅くなるほど、対処法も少なくなってしまいます。

1人で抱え込まず、ぜひ私たちグラディアトル法律事務所へご連絡ください。

まとめ

最後に、記事のポイントをまとめます。

◉直接、詐欺となる行為を行っていなくても、次のようなケースで共犯になる

・特殊詐欺の闇バイト(受け子や出し子)

・銀行口座やキャッシュカード、携帯電話などの名義貸し

・実行犯と一緒に、詐欺の計画を立てる

・友人が詐欺を行うようそそのかす 等

◉闇バイトなどで、詐欺だと知らなくても共犯になる可能性がある

◉詐欺の共犯になったら、すぐに弁護士に相談することが必要

◉詐欺の共犯になったとき弁護士ができること

・示談交渉によって、逮捕を阻止

・早期釈放・警察の取調べについてのサポート

・あなたに有利な証拠を集めて、警察・検察と戦う

以上です。

詐欺の共犯になった方は、この記事を読み終わったら、すぐに弁護士に相談して、逮捕を防ぐための行動を起こしましょう。

一刻も早く、事件が解決し、あなたの不安が解消されることを願っています。

この記事が役に立った、参考になったと感じましたら、是非グラディアトル法律事務所にもご相談ください。

弁護士 若林翔

弁護士法人グラディアトル法律事務所代表弁護士。 東京弁護士会所属(登録番号:50133) 男女トラブルや詐欺、消費者被害、誹謗中傷など多岐にわたる分野を手掛けるとともに、顧問弁護士として風俗やキャバクラ、ホストクラブなど、ナイトビジネスの健全化に助力している。

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