遺失物横領罪の初犯|逮捕・起訴される可能性は低く、微罪処分が多い

失物横領罪の初犯|逮捕・起訴される可能性は低く、微罪処分が多い
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弁護士 若林翔
2025年03月17日更新

「遺失物横領罪は初犯なら逮捕されない?」

「遺失物横領罪の初犯の量刑はどのくらい?」

「遺失物横領罪の初犯で不起訴処分を目指すためにできることとは?」

遺失物横領罪とは、遺失物や漂流物など人の占有を離れた他人の物を横領した場合に成立する犯罪です。たとえば、道に落ちていた財布から現金を抜き取る、他人が乗り捨てた自転車を拾って自分のものにするなどの行為が遺失物横領罪に該当します。

遺失物横領罪は、「横領罪」という名称であるものの、法定刑は、1年以下の懲役または10万円以下の罰金もしくは科料と定められており、単純横領罪や業務上横領罪に比べて非常に軽い刑罰になっています。そのため、遺失物横領罪の初犯であれば、不起訴になる可能性が高く、微罪処分で終わるケースも多いです。

本記事では、

・遺失物横領罪の初犯で逮捕や不起訴になる可能性

・遺失物横領罪の初犯で罰金刑になる可能性

・遺失物横領罪の初犯でも逮捕・起訴される可能性があるケース

などについてわかりやすく解説します。

遺失物横領罪の初犯は、不起訴や微罪処分になる可能性が高いため、早期に弁護士に相談をすればその可能性をさらに高めることができます。前科を回避するためにも、早めに弁護士に相談するようにしましょう。

遺失物横領罪の初犯なら逮捕される可能性は低い

遺失物横領罪の初犯なら逮捕される可能性は低い

警察庁が公表している「令和5年の犯罪」(※資料R05_031)によると、遺失物横領罪の逮捕件数は、以下のようになっています。

現行犯逮捕緊急逮捕通常逮捕身柄不拘束
12件0件345件8572件

遺失物横領罪で検挙された総数が8929件に対して、逮捕された事件が357件ですので、遺失物横領罪の逮捕率は、約4%ということになります。

刑法犯全体の逮捕率が約34%ですので、それと比較すると遺失物横領罪の逮捕率は非常に低い数値といえます。そのため、遺失物横領罪は、逮捕される可能性の低い犯罪だといえるでしょう。特に、初犯であれば逮捕される可能性はさらに低くなります。

遺失物横領罪の初犯なら不起訴になる可能性が高い

遺失物横領罪の初犯なら不起訴になる可能性が高い

遺失物横領罪の逮捕率は、上記のとおり非常に低い数値になっていますが、起訴率はどうなっているのでしょうか。以下では、遺失物横領罪の起訴率について説明します。

遺失物横領罪の起訴率は14%程度

2023年検察統計(※23-00-08参照)によると遺失物横領罪の起訴・不起訴の件数は、以下のとおりです。

起訴不起訴
625件3852件

起訴・不起訴の総数が4477件で、そのうち起訴された事件が625件ですので、起訴率は約14%ということになります。刑法犯全体の起訴率が58%ですので、それと比較すると遺失物横領罪の起訴率は、非常に低い数値といえます。

初犯であるという事情は、検察官が起訴・不起訴の判断をする際に被疑者に有利な事情として考慮されますので、遺失物横領罪の初犯であれば、不起訴になる可能性が高いといえるでしょう。

約46%の事件が微罪処分で終わっている

警察庁が公表している「令和5年の犯罪(※資料R05_031)」によると、遺失物横領罪で検挙された8929件のうち、微罪処分で終わった事件は4087件ありましたので、微罪処分の割合は、約46%ということになります。すなわち、逮捕や起訴される事件よりも、遺失物横領罪は微罪処分で終わるケースが多いということになります。

微罪処分とは、警察が捜査した軽微な犯罪について、検察官に送致せず、警察だけで事件を終了させる処分をいいます。通常は、警察が捜査した事件については検察官に送致され、検察官が事件を起訴するか不起訴にするかを判断します。

しかし、一定の軽微な犯罪については、例外的に警察が処理することが認められています。対象犯罪について明確な基準は公表されていませんが、遺失物横領罪は、微罪処分の対象事件に含まれていると考えられますので、初犯であり、犯行態様が悪質ではなく、身元引受人がいるような事案であれば、微罪処分で終わる可能性が高いでしょう。

遺失物横領罪の初犯なら起訴されても罰金刑で済む可能性が高い

遺失物横領罪の初犯なら起訴されても罰金刑で済む可能性が高い

遺失物横領罪の起訴率は、約14%ですが、起訴された場合どのような刑罰が科されるのでしょうか。

遺失物横領罪の略式命令請求率は約57%

2023年検察統計(※23-00-08参照)によると、遺失物横領罪で起訴された事件の内訳は、以下のようになっています。

公判請求略式命令請求
266件359件

公判請求とは、公開の法廷において審理を求める起訴をいいます。遺失物横領罪の法定刑は、1年以下の懲役または10万円以下の罰金もしくは科料と定められていますので、公判請求された場合、懲役刑・罰金刑・科料のいずれかの刑罰が科されます。

略式命令請求とは、被疑者の同意を得て公判を開かず、簡易裁判所において書面審理を行う起訴です。略式命令請求は、100万円以下の罰金または科料に相当する事件が対象になりますので、略式命令請求になれば、懲役刑は科されず罰金刑または科料のいずれかが科されることになります。

上記の統計からは、遺失物横領罪で起訴された625件のうち、略式命令請求となった事件が359件ですので、略式命令請求の割合は、約57%ということになります。そのため、半数以上が罰金または科料で終わっています。

罰金刑の相場は5~10万円

遺失物横領罪の罰金刑の法定刑は、10万円以下の罰金と定められていますので、法定刑の範囲内で罰金刑が言い渡されることになります。実際の罰金の金額は、事案によって多少変動がありますが、相場としては5~10万円になります。

遺失物横領罪の初犯でも逮捕・起訴される可能性があるケース

遺失物横領罪の初犯でも逮捕・起訴される可能性があるケース

遺失物横領罪の逮捕率や起訴率は、刑法犯全体の割合に比べると低い数値になっていますので、逮捕や起訴される可能性の低い犯罪だといえます。しかし、必ず逮捕や起訴を回避できるわけではありませんので、初犯であっても以下のようなケースでは、逮捕・起訴される可能性もあります。

遺失物横領罪以外の余罪が複数ある

前科前歴のない初犯であっても、遺失物横領罪以外の余罪が複数ある場合には、逮捕・起訴される可能性があります。

遺失物横領罪は、遺失物や漂流物など人の占有を離れた他人の物を横領した場合に成立する犯罪ですが、事案によっては、遺失物横領罪ではなく窃盗罪が成立するケースもあります。余罪の中に複数の窃盗罪の事案が含まれている場合、悪質な事件であると評価されて、逮捕・起訴される可能性も十分にありますので注意が必要です。

被害額が高額

遺失物横領罪の事案の中でも被害額が高額な事案については、逮捕・起訴される可能性があります。

被害額が高額な事案になると量刑も重くなりますので、罪を免れようとして逃亡や証拠隠滅を図る人も少なくありません。逃亡や証拠隠滅のおそれは逮捕の要件の一つですので、これを満たす場合には逮捕となる可能性が高くなります。

また、最終的に起訴・不起訴を判断するのは検察官になりますが、被害額が高額であるという事情は、起訴の判断に傾く事情の一つになりますので、起訴される可能性も高くなります。

【要注意!】遺失物横領罪ではなく、窃盗罪になる場合

【要注意!】遺失物横領罪ではなく、窃盗罪になる場合

遺失物横領罪と混同しがちな犯罪に「窃盗罪」があります。

遺失物横領罪は、遺失物や漂流物など人の占有を離れた他人の物を横領した場合に成立する犯罪で、被害者が物を占有していないのが特徴です。たとえば、道に落ちていた財布から現金を抜き取る、他人が乗り捨てた自転車を拾って自分のものにするなどの行為が遺失物横領罪に該当します。

窃盗罪は、他人が占有している物の窃取した場合に成立する犯罪で、被害者が物を占有しているというのが特徴です。たとえば、コンビニの傘立てに置いてある傘を持ち去る、被害者がトイレに行った隙にバックから財布を抜き取るなどの行為が窃盗罪に該当します。

このように対象となる物の占有の有無によって、成立する犯罪が変わってきますので、安易に遺失物横領罪だと判断するのは禁物です。どのような犯罪が成立するかは法的判断が必要な事項になりますので、まずは弁護士に相談するようにしましょう。

遺失物横領罪の初犯で不起訴・微罪処分の可能性を高めるためにできること

遺失物横領罪の初犯で不起訴・微罪処分の可能性を高めるためにできること

遺失物横領罪の初犯であれば、不起訴や微罪処分の可能性がありますので、さらにその可能性を高めるためにも、以下のような方法を検討しましょう。

被害者との示談

横領した物から被害者が特定できる場合には、すぐに被害者との示談を行うようにしましょう。

被害者との示談は、横領した物をそのまま返すことで完結するケースが多いですが、場合によっては慰謝料の支払いが必要になる事案もあります。被害者と示談が成立すれば、刑事事件化を回避できますので、逮捕や起訴されるリスクはありません。

また、被害届が提出された後であっても、早期に被害者と示談ができれば不起訴処分や微罪処分になる可能性が高くなりますので、迅速に示談交渉に着手するようにしてください。

横領した物を処分しない

遺失物横領事件では、横領したものを被害者に返還することで、微罪処分として解放されるケースが多いです。

そのため、横領した物が手元に残っている場合には処分せずに保管しておくようにしてください。被害者にとって思い入れのある物であった場合、処分をしてしまうと示談交渉に応じてもらえない可能性もありますので注意が必要です。

弁護士に相談する

遺失物横領事件は、比較的軽い処分で済む可能性が高いため、弁護士に相談することで、不起訴処分や微罪処分の可能性を高めるためのアドバイスやサポートをしてもらうことができます。

被害者と示談をする際にも弁護士が窓口となって対応した方がスムーズに手続きを進められますので、当事者同士で対応するのではなく専門家である弁護士に任せるべきでしょう。

遺失物横領罪は軽微な犯罪だからといって安心せずに、すぐに弁護士に相談するようにしてください。

遺失物横領罪の初犯の弁護はグラディアトル法律事務所にお任せください

遺失物横領罪の初犯の弁護はグラディアトル法律事務所にお任せください

遺失物横領罪は、比較的軽微な犯罪ですので、初犯であれば不起訴処分や微罪処分になる可能性が高いです。

ただし、被害額が高額であったり、余罪があるような事案では、逮捕・起訴される可能性もありますので、初犯であってもすぐに弁護士に相談することが大切です。

グラディアトル法律事務所では、刑事事件の弁護に関する豊富な知識と経験がありますので、遺失物横領事件の弁護に関しても安心してお任せください。経験豊富な弁護士が有利な処分の獲得に向けて全力でサポートいたします。

また、当事務所では刑事事件に関してスピード対応を心がけていますので、最短で即日対応が可能です。身柄拘束されている場合には、すぐに警察署に駆けつけて面会を実施しますので、一刻も早く当事務所までご相談ください。

さらに、相談は24時間365日受け付けておりますので、早朝・夜間や土日祝日であっても関係なく対応可能です。初回法律相談を無料で対応していますので、横領事件に関する相談をご希望の方は、当事務所までお気軽にお問い合わせください。

まとめ

遺失物横領罪は、初犯であれば微罪処分として早期に釈放されたり、不起訴処分になる可能性が高いです。

ただし、事案によっては逮捕・起訴されることもありますので、初犯だからといって安心せずに、早めに弁護士に相談するようにしましょう。

遺失物横領罪を犯してしまったときは、経験と実績豊富なグラディアトル法律事務所までお気軽にご相談ください。

弁護士 若林翔

弁護士法人グラディアトル法律事務所代表弁護士。 東京弁護士会所属(登録番号:50133) 男女トラブルや詐欺、消費者被害、誹謗中傷など多岐にわたる分野を手掛けるとともに、顧問弁護士として風俗やキャバクラ、ホストクラブなど、ナイトビジネスの健全化に助力している。

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