淫行は罰金になる?初犯であれば示談により不起訴の可能性あり!

弁護士 若林翔
2024年10月07日更新

「淫行で有罪になると罰金刑になる?」

「淫行で罰金刑になる可能性が高い事情とは?」

「罰金ではなく不起訴処分を獲得する方法はある?」

淫行をして青少年健全育成条例(淫行条例)で起訴されてしまうと、ほとんどのケースで罰金刑が科されます。

もっとも、淫行は、被害者の年齢やお互いの関係性、行為態様などによって成立する可能性のある犯罪が異なりますので、淫行により成立する罪によっては罰金ではなく懲役刑が科される可能性もあります。

まずは、ご自身の行為がどの犯罪にあたるかを把握した上で、罰金を回避して不起訴処分を獲得するための行動をとることが大切です。

本記事では、

・淫行(淫行条例違反)の罰金刑の相場

・淫行で成立する可能性のある5つの犯罪

・淫行で懲役刑ではなく罰金刑になる可能性の高い事情

などについてわかりやすく解説します。

罰金刑も前科ですので、罰金刑を回避するには不起訴処分を獲得することが重要になります。そのためには、淫行事件に強い弁護士のサポートが必要になりますので、早めに弁護士に相談するようにしましょう。

淫行(淫行条例違反)の罰金刑の相場|30万円程度

淫行(淫行条例違反)の罰金刑の相場|30万円程度

淫行事件は、後述するように成立するさまざまな犯罪が成立する可能性がありますが、一般的には、各都道府県が制定している淫行条例が適用されます。

淫行条例違反になると、2年以下の懲役または100万円以下の罰金が科されますが、淫行事件で起訴された事件の約88%が略式命令請求により、罰金刑となります。

その際の罰金刑の相場は、30万円程度になります。

なお、罰金刑も前科になりますので、前科を回避するには不起訴処分を獲得することが重要になります。

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淫行で有罪になると罰金刑?成立する可能性のある5つの犯罪

淫行で有罪になると罰金刑?成立する可能性のある5つの犯罪

淫行で有罪になった場合に罰金刑になるかどうかは、どのような犯罪が成立するかによって変わってきます。以下では、淫行をした場合に成立する可能性のある5つの犯罪を紹介します。

罪名罰金の法定刑
青少年健全育成条例違反100万円以下の罰金
児童福祉法違反300万円以下の罰金
児童買春・児童ポルノ法違反300万円以下の罰金

罰金刑になる可能性のある犯罪

淫行で罰金刑になるには、法定刑に罰金刑が規定されている必要があります。以下では、淫行により成立する犯罪のうち、法定刑に罰金刑が含まれるものを説明します。

【青少年健全育成条例(淫行条例)違反】

青少年健全育成条例とは、青少年の保護と健全な育成を目的として、各都道府県が制定している条例です。未成年者との淫行を主な規制対象としていることから、「淫行条例」という通称で呼ばれています。

たとえば、東京都の「東京都青少年の健全な育成に関する条例」では、未成年者との淫行について、以下のように規定しています。

(青少年に対する反倫理的な性交等の禁止)

第十八条の六 何人も、青少年とみだらな性交又は性交類似行為を行つてはならない。

同条例に違反した場合、2年以下の懲役または100万円以下の罰金に処せられます。

都道府県によって規制内容や罰則に多少の違いはありますが、ほとんど同じような内容になっています。

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【児童福祉法違反】

児童福祉法では、児童に淫行をさせる行為を禁止しています。児童とは、18歳未満の未成年者を指し、児童と支配関係にある大人(教師など)が児童に対して性交や性交類似行為をすると児童福祉法違反となります。

児童福祉法違反が成立した場合、10年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金またはこれらが併科されます。

【児童買春・児童ポルノ禁止法】

児童買春・児童ポルノ禁止法では、「児童買春」が禁止されています。

児童買春とは、18歳未満の男女に対して、金品を供与または供与する約束をして性交等をすることをいいます。

このような児童買春をした場合、5年以下の懲役または300万円以下の罰金に処せられます。

罰金刑になる可能性のない犯罪

法定刑に罰金刑が含まれていなければ、淫行で起訴されても罰金刑になることはありません。以下では、淫行により成立する犯罪のうち、法定刑に罰金刑が含まれないものを説明します。

【不同意性交等罪】

不同意性交等罪とは、同意しない意思を形成、表明、全うすることが困難な状態にさせ、またはそのような状態に乗じて性交等を行う犯罪です(刑法177条)。

被害者の年齢が13歳未満の場合または13歳以上16歳未満で行為者が5歳以上年長である場合には、被害者の同意の有無にかかわらず、不同意性交等罪が成立します。

不同意性交等罪が成立した場合、5年以上の有期拘禁刑に処せられます。

【不同意わいせつ罪】

不同意わいせつ罪とは、同意しない意思を形成、表明、全うすることが困難な状態にさせ、またはそのような状態に乗じてわいせつな行為をする犯罪です(刑法176条)。

被害者の年齢が13歳未満の場合または13歳以上16歳未満で行為者が5歳以上年長である場合には、被害者の同意の有無にかかわらず、不同意わいせつ罪が成立します。

不同意わいせつ罪が成立した場合、6月以上10年以下の拘禁刑に処せられます。

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淫行で懲役刑ではなく罰金刑になる可能性の高い事情

淫行で懲役刑ではなく罰金刑になる可能性の高い事情

淫行の法定刑として懲役刑と罰金刑が定めらえている場合、どちらが選択されるかは、淫行の具体的な状況によって異なります。以下では、懲役刑ではなく罰金刑になる可能性が高い事情を説明します。

淫行の初犯である

これまで前科がなく犯罪とは無縁な生活を送ってきた人であれば、起訴されたとしても、罰金刑で済む可能性が高いです。

なお、過去に前科がある場合でも、淫行の同種前科がある人の方が重く処罰されますので、このような人だと公判請求により懲役刑が選択される可能性があります。

淫行の余罪がない

前科とは、過去に有罪判決を受けた経歴をいいます。今回の淫行事件の立件に伴い別の淫行事件も発覚したような場合には、前回はなかったとしても余罪が考慮されて重く処罰される可能性があります。

そのため、淫行の余罪がなければ起訴されたとしても、罰金刑で済む可能性が高いでしょう。

犯行態様が軽微である

未成年者との淫行の際に、暴行または脅迫をしたり、お酒を飲ませて酔った相手と無理やり性行為をしたような事案では、不同意性交等罪が成立する可能性があります。不同意性交等罪には、法定刑に罰金刑が含まれていませんので、起訴されてしまうと懲役刑一択です。

また、不同意性交等罪が成立しない場合でも、上記のような態様で淫行をするのは非常に悪質な態様といえますので、淫行条例で起訴されたとしても、懲役刑が選択される可能性が高いです。

そのため、罰金刑になるためには、このような悪質な犯行態様でないというのも判断要素の一つとなります。

被害者の親の処罰感情が強くない

量刑判断においては、被害者の処罰感情の強さも一つの考慮要素になります。

特に未成年者との淫行事案では、被害者の親の処罰感情が強いため、被害者側が厳罰を求めているような場合には、略式請求ではなく公判請求により審理が行われることもあります。

そのため、被害者の親の処罰感情がそれほど強くない場合であれば、罰金刑になる可能性があるでしょう。

被害者の親と示談が成立すれば罰金刑ではなく不起訴の可能性もある

淫行事件では、起訴されればほとんどのケースが罰金刑になりますが、罰金刑も前科になりますので、淫行で有罪になってしまうとその後の人生に大きな影響が及ぶおそれがあります。

このようなリスクを回避するには、不起訴処分を獲得することが重要になりますので、早期に被害者の親と示談することが重要です。検察官が起訴または不起訴の判断をする前に示談が成立すれば、検察官は、当事者間で解決済みの事件をあえて起訴することはありませんので、不起訴処分を獲得できる可能性が高くなります。

もっとも、淫行事件では、自分の子どもを傷つけられたことで被害者の親は強い怒りや憤りの感情を抱いていますので、簡単には示談には応じてくれません。加害者本人が示談交渉をしようとしても、相手の感情を逆撫でしてしまい、うまくいかないケースが多いため、淫行事件の示談交渉は、弁護士に任せるのがおすすめです。

弁護士であれば、相手の処罰感情にも配慮しながら示談交渉を進めることができますので、本人では対応が難しいケースでも、スムーズに示談を行うことが可能です。不起訴処分獲得の可能性を高めるためにも早めに弁護士に相談するようにしましょう。

こちらの記事でも詳しく解説していますので、ご覧ください。

未成年者との性行為は犯罪!慰謝料の相場や示談交渉の注意点を解説

淫行の弁護はグラディアトル法律事務所にお任せください

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淫行事件を犯してしまったという方は、すぐにグラディアトル法律事務所までご相談ください。

淫行事件に関する豊富な経験と実績

グラディアトル法律事務所では、淫行事件に関する豊富な経験と実績があります。

淫行事件の被害者対応や自首のタイミングなど有利な処分を獲得するためのノウハウを熟知していますので、どうぞ安心してお任せください。淫行事件の弁護は、担当する弁護士によって最終的な結果が大きく左右されますが、当事務所には淫行事件の弁護の経験豊富な弁護士が多数在籍しておりますので、経験不足により対応を誤ってしまうリスクはほとんどありません。

複数弁護士が複数在籍しているため迅速な対応が可能

刑事事件は、スピード勝負といわれており、不起訴処分を獲得するのであれば早期に示談をまとめる必要があります。

グラディアトル法律事務所では、複数の弁護士が在籍しており、いつでも迅速に対応できる体制を整えてみなさまからのご連絡をお待ちしております。弁護士が1人しかいない法律事務所だと、多忙を理由に後回しにされてしまう可能性もありますが、当事務所では、そのような心配はありません。

24時間365日相談受付、初回相談料無料

グラディアトル法律事務所では、24時間365日相談を受け付けております。また、弁護士に相談する場合の相談料についても、初回相談料無料で対応しています。

刑事事件は、スピード勝負といわれるように迅速に対応することが重要なポイントになります。まずは相談だけでも結構ですので、淫行事件を犯してしまったという方は、すぐに当事務所までご相談ください。

まとめ

淫行事件で起訴されると、ほとんどのケースは略式命令請求により罰金刑となります。その場合の罰金刑の相場は、30万円程度です。

もっとも、淫行の態様によっては、不同意性交等罪という重い罪で処罰される可能性もあり、その場合には法定刑に罰金刑がありませんので懲役刑一択となります。

このように淫行事件は、具体的な状況によって成立する犯罪や罪の重さが異なりますので、正確に把握して対処していくためにもまずは淫行事件の弁護に強いグラディアトル法律事務所までご相談ください。

弁護士 若林翔

弁護士法人グラディアトル法律事務所代表弁護士。 東京弁護士会所属(登録番号:50133) 男女トラブルや詐欺、消費者被害、誹謗中傷など多岐にわたる分野を手掛けるとともに、顧問弁護士として風俗やキャバクラ、ホストクラブなど、ナイトビジネスの健全化に助力している。

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