横領は被害者の信用を裏切り、経済的損失をもたらす重大な背信行為です。
そのため、加害者は重い刑罰に処され、損害賠償責任を背負うほか、社会的な制裁を受ける可能性があります。
実際に横領事件を起こしてしまい、「仕事はどうなるのか」「家族への影響はないのか」など、さまざまな懸念が頭をよぎっている方もいるのではないでしょうか。
そこで本記事では、横領した人の末路について具体的な事例を挙げながら解説します。
悲惨な末路を回避するためにポイントも詳しくまとめているので、今後の人生に不安を感じている方は参考にしてみてください。
目次
横領事件の加害者に待ち受ける末路
まずはじめに、横領事件の加害者に待ち受ける末路を紹介します。
主に9パターンが考えられるので、それぞれ詳しくみていきましょう。

会社をクビになる
横領事件の加害者は、会社をクビになるものと考えておきましょう。
横領行為は会社に対する重大な背信行為であり、就業規則に基づいて懲戒解雇されるケースが一般的です。
通常、解雇される際は30日前までに解雇予告がおこなわれ、即日解雇の場合は1か月分の給与に相当する「解雇予告手当」が支払われます。
しかし、横領事件のように従業員側に原因がある場合は、解雇予告や解雇予告手当もなしに即日解雇される可能性があります。
再就職できず経済的に苦しくなる
横領事件の加害者には、再就職が困難になり経済的に苦しくなるという厳しい末路が待ち受けています。
犯罪を犯して有罪になると、前科がつきます。
そして、履歴書に賞罰欄が設けられている場合は前科を記載しなければならないので、選考で不利になってしまう可能性が高いのです。
特に横領事件を起こしている場合は、会社を裏切るような人物とみなされ、敬遠される傾向にあるといえるでしょう。
横領で解雇されても一定期間経過すれば失業手当を受け取れますが、いずれ打ち止めとなるので、再就職先が見つからない限り経済的な問題は解決されません。
なお、前科を隠して再就職することはできるかもしれませんが、あとで発覚した場合に経歴詐称などで法的な責任を負うリスクがあるので絶対にやめてください。
住所や氏名が報道される
横領事件の加害者は、住所や氏名が報道されることもあります。
特に大企業や公的な組織での横領事件の場合は社会的関心も高いため、実名報道されやすくなります。
一度実名報道されると、情報はインターネット上にすぐさま拡散してしまうものです。
そのため、社会的な評価の回復が難しく、本人だけでなく家族の生活にも深刻な影響を及ぼす可能性があります。
家族や親戚にバレて関係性が崩れる
家族や親戚にバレて関係性が崩れることも、横領事件の加害者に待ち受ける厳しい末路といえます。
横領はれっきとした犯罪行為です。
また、横領事件の加害者として実名報道された場合には、家族や親戚の評判にも悪影響を及ぼすことがあります。
そのため、家族や親戚から不信感を抱かれたり、敬遠されたりするのも仕方のないことかもしれません。
最悪の場合は離婚に至ったり、子どもにトラウマを与えてしまったりする可能性もあるでしょう。
家族に対しては正直に事実を話し、深く反省する姿勢を示しながら、信頼関係を修復していく必要があります。
財産の仮差し押さえを受ける
横領事件の加害者は、財産の仮差し押さえを受けることもあります。
仮差し押さえとは、将来の強制執行に備えて、債務者が財産を処分できないようにする手続きのことです。
損害賠償請求の訴訟は長期化する可能性があるため、その間に加害者が財産を使用したり、隠匿したりすることを防ぐ目的があります。
仮差押えの対象になるのは、銀行預金・給与・不動産などです。
仮差押えを受けると預金を引き出せなくなるなど、自由に財産を使えなくなるので、日常生活に不便が生じる可能性があります。
逮捕・勾留による身体拘束を受ける
横領事件を起こした場合は、逮捕・勾留による身体拘束を受けるリスクがあることも覚えておきましょう。
横領事件の捜査が進められる段階で、容疑がほぼ確定しており、逃亡・証拠隠滅のおそれがあると判断された場合には、警察が逮捕に乗り出します。
逮捕後は取り調べを受けたのち検察に送致され、捜査の進捗状況次第では原則10日間・最大20日間にわたり、勾留による身体拘束を受けなければなりません。
勾留中は留置場や拘置所で過ごし、外部との接触が制限されるため、肉体的にも精神的にも疲弊していくことになるでしょう。
関連コラム:横領で逮捕されるケースとは?逮捕のリスクや逮捕回避の対処法を解説
民事裁判で損害賠償請求を受ける
横領したお金を返済できていない場合は、民事裁判で損害賠償請求を受ける可能性があります。
横領が事実であれば、裁判でも会社側に有利な判決が下されるため、横領したお金は返還しなければならなくなるでしょう。
また、横領事件の調査に要した費用や弁護士費用、遅延損害金などが上乗せされて請求されることもあります。
判決が出たあとに被害金を返還せずにいると、強制執行により財産が差し押さえられる点にも注意しておきましょう。
なお、刑事罰を受けたとしても被害金を返還する義務は消えないので、裁判を起こされるリスクは残ったままです。
場合によっては、刑事裁判と民事裁判が並行しておこなわれることもあります。
刑事裁判にかけられ刑事罰に処される
横領事件の加害者に待ち受ける末路のひとつは、刑事裁判にかけられ刑事罰に処されるパターンです。
横領は刑法で定められた犯罪であり、検察官による起訴を経て刑事裁判の対象となります。
そして、裁判で有罪が確定すると刑事罰に科されます。
横領に関する主な犯罪の刑事罰は以下のとおりです。
実際の量刑は、前科・前歴の有無や被害金額、被害弁償の有無などを総合的に考慮して決定されます。
事件の内容次第では、初犯で懲役の実刑を受ける可能性もゼロではありません。
そのため、横領事件を起こしたときは、まず不起訴を目指し、起訴されたとしても執行猶予の獲得に向けて対策を講じていくことが重要です。
関連コラム:業務上横領の量刑はどのくらい?執行猶予や刑期に影響する要因も解説
前科がついて社会的信用を失う
前科がついて社会的信用を失うことも、横領事件の加害者に待ち受ける末路のひとつです。
横領罪で有罪判決を受けると前科がつき、犯罪を犯したことを一生背負い続けなければなりません。
そして、前科がついてしまうと以下のような不利益を受ける場合があります。
- ・一部の資格を取得できなくなる
- ・公務員になれない
- ・海外渡航が制限される
- ・結婚を断られる
そのほか、前科持ちであることが周囲にバレると誹謗中傷を受けたり、噂話の標的になったりと日常生活を送りづらくなるケースも少なくありません。
横領事件で悲惨な末路を回避するためにできること
次に、横領事件で悲惨な末路を回避するためにできることを解説します。
被害者との示談を成立させる
横領事件で悲惨な末路を回避するためには、被害者との示談を成立させることが何よりも重要です。
捜査機関に被害届や告訴状を提出しないことを条件とした示談が成立すれば、事件化する前に解決できる可能性があります。
また、すでに捜査が始まっている場合でも、示談によって和解が成立していることを示せば、逮捕回避や不起訴処分の獲得に大きく近づくはずです。
ただし、強い処罰感情を抱いた被害者と直接示談交渉することはおすすめしません。
冷静な話し合いができないことも多く、足元をみられて高額な損害賠償を求められるおそれもあります。
余計な問題を引き起こさないためにも、示談交渉は弁護士に任せるようにしましょう。
事件化していない場合は自首する
事件化していない場合は自首することも、悲惨な末路を回避するための方法のひとつです。
自ら罪を認めて反省の姿勢を示せば、逮捕や勾留を回避しやすくなります。
また、自首によって情状酌量の余地が生まれるため、不起訴処分の可能性も大きく高まるでしょう。
ただし、隠し通せていたかもしれない犯罪行為を明るみにする自首は、加害者にとってリスクのある選択といえます。
そのため、自首すべきかどうかは弁護士とも相談したうえで、慎重に検討することが重要です。
自首することになった場合は、弁護士に同行してもらうのもよいでしょう。
できるだけ早く弁護士に相談する
横領事件で悲惨な末路を回避したいのであれば、できるだけ早く弁護士に相談してください。
横領事件を得意とする弁護士であれば、関係法律や過去の事例をもとに、個々のケースに合わせた最善の対処法を提案してくれるはずです。
具体的には、以下のようなサポートが期待できるでしょう。
- ◆ 被害者との示談交渉
- ◆ 逮捕直後の接見
- ◆ 早期釈放に向けた働きかけ
- ◆ 取り調べに対する助言
- ◆ 自首のアドバイス・同行
- ◆ 再犯防止策の検討
- ◆ 家族のケア
- ◆ 不起訴処分・執行猶予の獲得に必要な弁護活動
- ◆ 裁判への対応
早い段階で弁護士に相談していれば、逮捕回避や不起訴処分、減刑の可能性が高まります。
ただし、相談・依頼する弁護士は慎重に選びましょう。
横領事件を取り扱ったことのない弁護士に依頼してしまうと、思うような成果を得られない可能性があります。
法律事務所のホームページや弁護士が執筆しているコラムなどをチェックし、解決実績・注力分野を調べたうえで相談するようにしてください。
関連コラム:横領事件の弁護士費用はいくら?内訳・相場や弁護士選びのコツを解説
横領事件の末路に関してよくある質問
ここでは、横領事件の末路に関してよくある質問に回答します。
横領事件を起こした人が再犯することも多い?
横領事件の再犯率に関する具体的な数値は不明です。
しかし、横領は常習性が高いため、再犯に至る可能性は十分あるでしょう。
金銭的な困窮・欲求、モラルの欠如などの根本的な問題が解決されない限り、再び同様の行為に及んでしまうかもしれません。
横領や窃盗などをやめられない場合は、カウンセリングを受けるなど再発防止に取り組むことをおすすめします。
被害金を返済すれば悲惨な末路は避けられる?
横領事件では、被害金を返済しても刑事上の責任は免れません。
そのため、逮捕されたり、前科がついたりする可能性は残されています。
ただし、被害金を弁償することは、刑事上の諸判断において有利な事情として扱われます。
刑事処分を軽くして、今後の人生における不利益を少しでも小さくしたいのであれば、速やかに被害弁償することが重要です。
加害者の家族が責任を負うことはある?
横領事件において、何も知らない家族が責任を負うことはありません。
しかし、家族が横領に協力していた場合は、共犯者として扱われる可能性があります。
また、横領金と知りながら生活費として使用していた場合などは、不当利得として返還を求められることもあるでしょう。
家族が横領に関係しているのであれば、家族一人ひとりが今後やるべきことも含めて、弁護士に相談するようにしてください。
横領事件を起こしたときは迷わずグラディアトル法律事務所に相談を!
横領罪は、財産犯のなかでも重大な犯罪として位置付けられているものです。
たとえ初犯であっても実刑になる可能性があるので、自身が加害者になった場合はできるだけ早く弁護士に相談してください。
グラディアトル法律事務所は、刑事事件全般を得意とする法律事務所です。
横領に関する取扱実績も多く、これまでに数々の事件を解決へと導いてきました。
経験豊富な弁護士が24時間365日体制で相談を受け付けており、早朝や夜間、休日でもすぐに対応することが可能です。
刑事事件では初期対応がその後の処遇を大きく左右するため、困ったときは、まず弊所にご連絡ください。
初回相談は無料、LINEでの相談にも対応しているのでお気軽にどうぞ。
まとめ
本記事のポイントは以下のとおりです。
【横領事件を起こした人の末路】
・会社をクビになる |
【悲惨な末路を回避するためにやるべきこと】
・被害者との示談を成立させる ・事件化していない場合は自首する ・できるだけ早く弁護士に相談する |
横領事件を起こした場合、悲惨な末路を回避するためには弁護士のサポートが必要不可欠です。
1人で悩んでいても事態は悪化していくばかりなので、まずはグラディアトル法律事務所までご相談ください。