「横領がバレたらどのような責任を問われるの?」
「どのようなきっかけで横領がバレるのだろうか?」
「横領がバレたときにとるべき行動とは?」
横領とは、自分が占有している他人の物を不法に取得する行為をいいます。このような行為は、単純横領罪や業務上横領罪に該当する犯罪行為ですので、横領がバレてしまうと刑事責任を問われる可能性があります。
また、横領は、被害者に損害を与える行為ですので、被害者からは損害賠償請求という形で民事上の責任を追及される可能性もあります。さらに、会社での横領だと懲戒解雇などの処分を受けるリスクもあります。
このように横領がバレてしまうとさまざまな責任を問われる可能性がありますので、そのようなリスクを最小限に抑えるためにもすぐに被害者との示談交渉を行うべきでしょう。
本記事では、
・横領がバレてしまった場合に問われる可能性のある3つの責任 ・会社で横領がバレる主な3つのきっかけ ・横領がバレたときにとるべき3つの行動 |
などについてわかりやすく解説します。
被害者との示談交渉を行う際には、刑事事件に強い弁護士によるサポートが必要になりますので、早めに弁護士に相談することをおすすめします。
目次
横領がバレたらどうなる?問われうる3つの責任

横領がバレてしまったらどうなるのでしょうか。以下では、横領がバレたときに問われる可能性のある3つの責任について説明します。
犯罪行為についての刑事罰
横領がバレたときの責任の1つ目は、犯罪行為についての刑事責任です。
横領は、犯罪ですので横領がバレたら、被害者により被害届や告訴状が提出されて、捜査機関による犯罪の捜査が開始します。
捜査の結果、逃亡や証拠隠滅のおそれが生じれば逮捕・勾留による身柄拘束を受けることになり、横領で起訴されればほぼ確実に有罪になりますので、被害額によっては執行猶予の付かない実刑判決となり刑務所に収監されるリスクもあります。
損害が生じたことに対する賠償責任
横領がバレたときの責任の2つ目は、損害が生じたことに対する賠償責任です。
加害者は、横領という違法行為により被害者に損害を与えていますので、民法709条に基づく不法行為責任が発生し、被害者に対して損害の賠償をしなければなりません。
被害者からの損害賠償請求を無視していると、訴訟を提起され財産を差し押さえられてしまうリスクがあり、刑事事件において逮捕や起訴のリスクが高くなります。
そのため、横領がバレたときの賠償責任は、民事事件だけではなく刑事事件としても重要な責任となります。
会社からの懲戒処分
横領がバレたときの責任の3つ目は、会社からの懲戒処分です。
会社のお金を横領したような場合、会社に対する重大な背信行為に該当しますので、懲戒処分の中でももっとも重い懲戒解雇をされる可能性があります。懲戒解雇となれば、再就職が困難になるだけでなく、退職金が減額または不支給になるなどその後の生活に大きな不利益を及ぼすおそれがあります。
横領がバレたときに問われうる罪

横領がバレたときに問われうる罪としては、主に以下の2つが挙げられます。
単純横領罪
単純横領罪は、自分が占有する他人の物を横領した場合に成立する犯罪です。たとえば、友人から預かったものを勝手に売却する、契約期間がすぎてもレンタカーを返却せずに乗り回すなどの行為が単純横領罪にあたります。
なお、単純横領罪の法定刑は、5年以下の懲役と定められています。
業務上横領罪
業務上横領罪とは、業務上、自分が占有する他人の物を横領した場合に成立する犯罪です。たとえば、経理担当者が会社の経費を私的に流用する、会社員が領収書を改ざんして経費の水増し請求をするなど行為が業務上横領罪に該当します。
なお、業務上横領罪の法定刑は、10年以下の懲役と定められています。
会社での横領がバレる主な3つのきっかけ

会社で横領がバレるきっかけとしては、主に以下の3つが考えられます。
社員による内部通報
会社での横領は、同僚や関係者からの内部通報をきっかけにバレることがあります。
横領をしている本人は、周囲にバレないように巧妙に請求書や領収書、帳簿などを改ざんしているかもしれませんが、周囲の人は本人の怪しい言動に気付いている可能性があります。また、取引先に対して過度なキックバックや水増し請求をすると不満を抱いた取引先から匿名の通報が寄せられるケースもあります。
横領は、いずれ必ずバレてしまいますので、「横領がバレるはずはない」と過信して、横領行為を繰り返すのは禁物です。
異動や退職
人事異動や退職も横領がバレるタイミングの一つです。
経理担当者が横領行為をしている場合、他の社員にバレないよううまく細工をすることができますので、自分の経理業務の範囲内であれば、横領がバレずに過ごせるかもしれません。
しかし、人事異動や退職によりこれまで自分が担当していた業務を別の社員が担当することになると、過去の入出金などのチェックが行われますので、それにより横領がバレてしまう可能性があります。
近年では、不祥事対策として複数の社員で経理業務を担当する、定期的に人事異動をするなどの対策がとられている企業もありますので、どこかのタイミングで必ず横領がバレてしまうでしょう。
税務調査
横領がバレるタイミングに税務調査もあります。
税務調査とは、国税庁や税務署が行う調査で、納税者が正しく税務申告をしているのかが調べられます。税務調査では、帳簿や領収書・請求書などの証憑が細かくチェックされ、取引先への反面調査なども行われますので、帳簿類を巧みに細工していたとしても、調査のプロフェッショナルである調査官の手にかかれば簡単に横領がバレてしまいます。
税務調査が入るタイミングは予測できず、税務調査を拒否することもできませんので、税務調査が入ってしまうとこれまでの横領がバレてしまうでしょう。
関連コラム:税務調査で横領がばれる理由や手口、ばれたときに問われる責任を解説
横領がバレた後の刑事手続きの流れ

横領がバレてしまった場合、以下のような流れで刑事手続きが進んでいきます。
被害者による刑事告訴
横領がバレた場合、被害者が加害者に対する刑事処分を希望する場合には、警察への刑事告訴が行われます。
横領罪は、原則として親告罪ではありませんので、一定のケースを除いて被害者による告訴がなくても、捜査を行い事件を起訴することができます。しかし、捜査機関は、被害者からの告訴がなければ横領事件を把握することはありませんので、一般的には被害者による告訴をきっかけに横領事件の捜査がスタートします。
警察による捜査の開始
被害者よる刑事告訴が受理されると、警察による捜査が開始します。
横領事件の立件に向けて関係者からの事情聴取や客観的証拠の収集、加害者への取り調べなどが行われます。
加害者への取り調べが必要になると警察から任意出頭を求められることになりますが、出頭するかどうかはあくまでも任意です。しかし、正当な理由なく任意出頭を拒否していると、逃亡・証拠隠滅のおそれがあるとして逮捕される可能性がありますので注意が必要です。
逃亡・証拠隠滅のおそれがあるときは逮捕、勾留
警察による捜査の結果、被疑者が逃亡または証拠隠滅のおそれがあると判断されると、身柄拘束のために逮捕されるケースもあります。
警察により逮捕された場合、必要な取り調べを終えた後、逮捕から48時間以内に検察官に身柄が送致されます。検察官は、引き続き身柄拘束の必要があると判断したときは、送致から24時間以内に裁判官に勾留請求を行います。
勾留請求を受けた裁判官は、被疑者に対する勾留質問を行い、勾留を許可するかどうかの判断を行います。勾留が許可されるとそこから原則として10日間の身柄拘束となり、勾留延長も許可されるとさらに最長で10日間の身柄拘束となります。
すなわち、逮捕から合計すると最長で23日間にも及ぶ身柄拘束となる可能性があるのです。
関連コラム:横領で逮捕されるケースとは?逮捕のリスクや逮捕回避の対処法を解説
検察官による起訴・不起訴の決定
在宅事件であれば捜査がすべて終了した段階、身柄事件であれば勾留期間が満了する前に検察官は、起訴・不起訴の決定を行います。
日本の刑事司法では、検察官により起訴された事件は99%以上の割合で有罪になりますので、横領事件で起訴されてしまうとほぼ有罪になってしまいます。業務上横領罪の法定刑は10年以下の懲役と定められていますので、有罪になれば厳しい刑罰も予想されます。特に、被害額が高額な事案になると執行猶予が付かない実刑判決になる可能性も高いため、刑務所に収監されるリスクもあります。
横領がバレたときにとるべき3つの行動

横領がバレてしまったときは、以下のような行動をとるようにしましょう。
被害者に対する真摯な謝罪
横領がバレてしまったときは、すぐに被害者に謝罪をすることが大切です。
横領を否定したり、言い訳をしたりすると被害者が加害者に対して抱く印象は最悪なものになりますので、厳罰を求めて刑事告訴をされてしまうリスクが高くなります。
また、後述する示談交渉をする際にも加害者が不誠実な態度をとっていると示談に応じてもらえない可能性もあります。
そのため、被害者に対しては真摯に向き合い、すぐに謝罪を申し入れるようにしてください。
被害者との示談
被害者への謝罪とともに重要になるのが被害者との示談です。
横領事件は、被害者に財産的な損害を与えていますので、加害者には法律上、被害者に対する賠償責任があります。被害者との示談を成立させることができれば、民事上の賠償責任を果たすとともに、刑事事件においても逮捕や起訴を回避できる可能性を高めるという効果が期待できます。
横領額によっては一括での返済が難しいケースもあると思いますが、そのような場合には被害者との交渉により分割での賠償を提案してみるとよいでしょう。
弁護士に相談
横領がバレたときはすぐに弁護士に相談するようにしましょう。
横領事件では、被害者との示談が重要になりますが、被害者は、加害者から裏切られたという思いを抱いていますので、加害者本人から示談の申し入れをしても素直に受け入れてくれない可能性があります。
そのような場合には、弁護士が代わりに示談交渉をすることで、被害者が示談に応じてくれる可能性が高くなります。具体的な示談の条件も弁護士が法的観点から適切な内容に調整してくれますので、示談交渉は弁護士に任せた方が安心です。
横領がバレたときはすぐにグラディアトル法律事務所に相談を

横領事件の弁護は、弁護士であれば誰でもよいというわけではありません。弁護士によって得意分野が異なり、刑事事件の経験が乏しい弁護士に依頼して最善の結果は望めません。そのため、横領事件の弁護を依頼するなら刑事事件に強い弁護士に依頼するべきです。
グラディアトル法律事務所では、刑事事件の弁護に関する豊富な経験と実績がありますので、横領事件の弁護についても安心してお任せください。被害者との示談交渉も得意としていますので、早期に示談をまとめるなどして逮捕や起訴を回避できるよう全力でサポートいたします。
また、当事務所では刑事事件に関してスピード対応を心がけていますので、最短で即日対応が可能です。身柄拘束されている場合には、すぐに警察署に駆けつけて面会を実施しますので、一刻も早く当事務所までご相談ください。
さらに、相談は24時間365日受け付けておりますので、早朝・夜間や土日祝日であっても関係なく対応可能です。初回法律相談を無料で対応していますので、横領事件に関する相談をご希望の方は、当事務所までお気軽にお問い合わせください。
まとめ
横領がバレた場合、単純横領罪や業務上横領罪などの罪に問われる可能性があります。
刑事事件に発展すれば、逮捕や起訴され、有罪になれば前科が付いてしまいます。また、被害額が高額で悪質な事案になると初犯であっても実刑になる可能性もありますので、すぐに適切な行動をとることが大切です。
横領がバレてしまったという方は、すぐに経験と実績豊富なグラディアトル法律事務所までご相談ください。