傷害罪で逮捕されるも0円で示談成立し不起訴になった事例

弁護士 若林翔
2024年10月15日更新

今回ご紹介するのは暴行事件を起こしてしまい、傷害罪で逮捕されたものの、0円で示談が成立し、不起訴処分となった事例です。

もし事件を起こしてしまった場合、いつ弁護士に依頼するべきなのか?前科がつくのか?など、わからないことが多いと思います。この記事では、どのように事件を不起訴処分で終わらせて解決したのか説明していきます。

事件の概要 ついカッとなって店員に暴行をしてしまい傷害罪で逮捕

Sさんは、都内在住の30代会社員男性です。

その日は休日で、友人と食事に出かけました。Sさんは最近嫌なことがあって少しイライラしていましたが、食事をして楽しい気分になろうと思っていました。

友人と良さそうな飲食店に入り料理を注文したところ、運ばれてきた料理に髪の毛が混入していたのを発見します。いつもなら料理を取り換えてもらって済ませるところを、Sさんはイライラしていたため店員さんに暴言を吐いてしまいました。はじめは店員さんも謝罪をしていましたが、ヒートアップするSさんを見て、店員さんもSさんに言い返してしまいます。そこでカッとなったSさんはつい店員さんのことを蹴ってしまい、店員さんにけがをさせてしまいました

そのまま他の店員さんに警察を呼ばれてしまい、Sさんは逮捕されてしまいます

こうしてSさんは警察に連行され、しばらく身柄を拘束されて取り調べを受けることになってしまったのです。

 

事件の解決 0円で示談を成立させ、不起訴処分に!

弁護士バッジ

Sさんは、逮捕されてすぐに刑事事件に強い弊所弁護士に依頼しました。

弁護士はSさんと面会し、アドバイスをしながら一緒に今後の方針を話し合いました。事件の概要を聞き、まずは被害者に連絡をとり、示談交渉を進めるべきだと考えます。

弁護士はすぐに警察から被害者の連絡先を聞いて被害者の方に連絡をとり、示談交渉を進めていくことにしました。

具体的には、Sさんが被害者の方に申し訳ないと思っている謝罪や反省の気持ちなどを直接被害者にお伝えしました。

被害者の方は弁護士の話を聞くうちに、Sさんが反省されているのであれば…と考え、示談に応じてくれることになります。ただし、今後Sさんがお店に来ない約束を示談の内容に入れてほしいと希望されました。

そこで、弁護士はSさんの意向を確認し、今後Sさんが店に行かない約束を入れた示談を進めていきます。

その結果、双方の納得いく示談を成立させることができました

そして、示談が成立したこともあり、Sさんは不起訴処分となって、前科もつかずに事件は終わったのです。

 

事件のポイント 不起訴処分で前科もつかずに事件終了

今回の事件は、Sさんがすぐに弁護士に相談してくださったため早急に示談交渉を成立させることができ、不起訴処分になりました。

不起訴とは、裁判とならずに事件が終わることをいい、起訴するか不起訴とするかを決定する権限は検察官が有しています。検察官が起訴するか決める際、事件の内容や被害者と示談が成立しているか等の様々な事情を考慮して決定するため、不起訴処分決定に有利な考慮要素となる示談を成立しておくことは重要となるのです。

今回の事件でも、示談が成立していたことが不起訴処分となったことに大きく影響していると思われます。

不起訴処分となると、前科もつきません。前科がついてしまうと、たとえば勤めていた会社を解雇される可能性もあり、生活に影響が出ることが考えられます。不起訴となるかどうかは今後の人生にも関わる重要な決定といえます。

今回の事件では、Sさんは店員さんを蹴ってけがを負わせてしまっているので、傷害罪が成立します。

傷害罪は、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金を科せられることのある重い罪です。もし刑事裁判となってSさんが有罪判決を下された場合、このような重い刑罰を受ける可能性がありました。また、起訴された場合、裁判は判決が出るまで長期間かかります。長期間の裁判は、単に時間を要するだけでなく、精神的に負担が大きいため、起訴されることは避けたいといえるでしょう。

傷害罪の不起訴率について等、傷害罪で逮捕された場合のさらに詳しい解説は以下の記事をご覧ください。

【傷害罪は68%が不起訴】その理由は?不起訴率を高める方法も解説

そのような事態を避けて事件を早期に解決するため、弁護士は示談を成立させて不起訴処分となることを目指しました。もちろんご相談者様が犯罪事実を認めていない場合にまで、示談交渉を無理に進めることはありません。今回の事件も、Sさんが店員さんを蹴ってけがをさせてしまったという事実を認めていたため、裁判で闘うよりも示談を成立させて早期に事件を終わらせるべきと弁護士は考えて提案したのです。

通常、被害者の方に直接連絡をとって示談交渉をすることは難しいですが、弁護士であれば被害者の方の連絡先を聞いて直接交渉することができる可能性が高いといえます。弁護士が間に入ることで示談交渉をする事ができ、双方の意向を汲んだ示談の成立が実現できるのです。

傷害罪の示談金相場や相手方が示談に応じない場合の対応方法については、以下の記事もご参照ください。

傷害罪の示談金の相場は?示談金を決める要素や示談の流れを解説

傷害罪で示談に応じない相手への対処法は?示談が失敗する理由も解説

 

まとめ 逮捕されたらまずは弁護士にご相談を!

今回ご紹介したのは傷害事件でしたが、傷害以外の刑事事件についても、早期に弁護士に相談することは重要といえるでしょう。示談交渉すべきかどうかも含め、今後どのように対応していくべきか、法律のプロである弁護士が最善の方法を考えてご提案させていただきます。事件に巻き込まれてしまった場合、まず弁護士に相談することが問題解決への一番の近道といえます。

ひとりで悩まず、お早めに弊所弁護士にご相談ください。

傷害罪の弁護を弁護士に依頼する4つのメリット|自力交渉のリスクも解説

弁護士 若林翔

弁護士法人グラディアトル法律事務所代表弁護士。 東京弁護士会所属(登録番号:50133) 男女トラブルや詐欺、消費者被害、誹謗中傷など多岐にわたる分野を手掛けるとともに、顧問弁護士として風俗やキャバクラ、ホストクラブなど、ナイトビジネスの健全化に助力している。

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