児童買春の不起訴率は約30%!不起訴の確率を高めるための4つの方法

弁護士 若林翔
2024年11月12日更新

「児童買春をしてしまったが、不起訴になることはあるのだろうか?」

「児童買春で不起訴を獲得するためにできることとは?」

「児童買春で弁護士に依頼するとどのようなサポートをしてくれる?」

児童買春とは、金銭などの対価を渡して18歳未満の児童と性交等をすることをいいます。児童買春は、児童買春・児童ポルノ禁止法による処罰対象になっていますので、児童買春をすると起訴され、刑罰が科されることがあります。

他方、児童買春をしたとしてもその他の事情を考慮して不起訴になることもあります。検察統計によると児童買春の不起訴率は約30%ですが、早期に適切な対応をすることで不起訴となる確率を高めることも可能です。

本記事では、

・児童買春の不起訴率と起訴された場合の手続きに関する統計
・児童買春で不起訴処分を獲得するためにできる4つのこと
・児童買春で不起訴処分を獲得するために弁護士ができること

などについてわかりやすく解説します。

児童買春の不起訴率を高めるためには、児童買春事件に強い弁護士のサポートが必要になりますので、児童買春をしてしまったときはすぐに弁護士に相談するようにしましょう。

児童買春で不起訴になる確率は約30%

児童買春で不起訴になる確率は約30%

2023年の検察統計によると、児童買春・児童ポルノ禁止法違反で起訴された事件は1465件、不起訴となった事件は620件でしたので、不起訴率は約30%となります。

犯罪全体不起訴率が約60%ですので、それと比較すると児童買春は、不起訴になりにくい犯罪といえるでしょう。

児童買春・児童ポルノ禁止法の保護法益には、児童個人の性的自由だけでなく、児童に対する性的搾取や性的虐待の防止という社会的法益も含まれています。そのため、被害者と示談ができたとしても、社会的法益侵害の観点から起訴されてしまう事案もあります。また、近年、性犯罪に対する厳罰化の傾向があり、簡単に起訴猶予にならなくなったことなども、児童買春の不起訴率が低い理由の一つといえるでしょう。

児童買春で不起訴にならなかったらどうなる?

2023年の検察統計によると、児童買春・児童ポルノ禁止法違反で起訴された事件のうち、公判請求となった事件が436件、略式命令請求となった事件が1029件ありましたので、起訴された事件の約70%が略式命令請求による罰金で終わっていることがわかります。

また、公判請求された事件のうち執行猶予になった事件は184件ありましたので、執行猶予率は約42%となります。

児童買春の不起訴には主に3つの種類がある

児童買春の不起訴には主に3つの種類がある

児童買春の不起訴には、主に以下の3つの種類があります。どの種類の不起訴を目指すかによって講じるべき対策が異なりますので、不起訴の種類を理解しておくことが大切です。

嫌疑なし

嫌疑なしとは、捜査の結果、犯人でないことが明白または犯罪が成立しないことが明白になった場合における不起訴処分です。

嫌疑なしを理由とする不起訴は、他に真犯人が見つかった場合や被疑者に犯行時の明白なアリバイがあったような場合になされます。

嫌疑不十分

嫌疑不十分とは、犯人および犯罪事実を立証する証拠が不十分で、起訴したとしても有罪になる可能性が低い場合になされる不起訴処分です。

児童買春の事案では、被害児童が18歳未満の未成年者であることを認識している必要があり、18歳未満であることを知らなければ故意がなく、児童買春・児童ポルノ禁止法違反にはなりません。そのため、児童買春に至った経緯から、相手が未成年者であるという認識に欠けていた場合には、その旨を主張して嫌疑不十分を理由とする不起訴処分を狙っています。

起訴猶予

起訴猶予とは、罪を犯したことが明らかで有罪立証の証拠もそろっているものの、犯人の性格・境遇・犯罪後の情況などを考慮して不起訴にすることをいいます。

不起訴処分のうち、もっとも多いのが起訴猶予を理由とする不起訴です。児童買春の事案であれば、被害者の親との間で示談が成立していれば、起訴猶予となる可能性が高くなりますので、早期に示談交渉に着手する必要があります。

児童買春で不起訴処分を獲得するためにできる5つのこと

児童買春で不起訴処分を獲得するためのポイントとしては、以下の5つが挙げられます。

児童買春で不起訴処分を獲得するためにできる5つのこと

被害者の親との示談

児童買春・児童ポルノ禁止法の保護法益には、児童個人の性的自由だけでなく、児童に対する性的搾取や性的虐待の防止という社会的法益も含まれています。そのため、被害者の親と示談が成立したとしても、社会的法益侵害を重視して起訴となる可能性がありますので、他の性犯罪に比べて示談が不起訴処分獲得の絶対的な要素になるわけではありません。

しかし、何もしなければ不起訴になる可能性は低いため、少しでも不起訴処分の確率を高めるためにも、被害者の親との示談は重要になります。

しかし、加害者自身では、被害者の親と接触することすら困難ですので、示談交渉は、弁護士に任せるべきでしょう。

下記の記事には示談のメリットをより詳しく説明していますので、目を通してみてください。

児童買春で示談をする4つのメリットと弁護士に依頼すべき3つの理由

贖罪寄付

贖罪寄付とは、刑事事件を起こしたしまった人が反省の気持ちを示すために、弁護士会や被害者支援団体などに寄付をすることをいいます。

贖罪寄付をしたお金は、直接被害者の元にいくわけではありませんので、まずは、被害者との示談交渉を行うのが先決です。しかし、被害者の処罰感情が強く、どうしても示談に応じてくれないという場合には、贖罪寄付をすることで有利な情状として考慮してもらえる可能性があります。

自首

自首とは、捜査機関に犯人および犯罪事実が発覚する前に、自ら犯罪事実の申告を行うことをいいます。

自首の法的効果は、起訴されて有罪になった場合の刑の任意的な減軽ですが、自首により反省の態度を示すことができますので、不起訴処分の判断の際の有利な情状として考慮してもらうことができます。児童買春は、初犯であっても起訴される可能性は十分にありますので、有利な情状を積み上げていくことが重要になります。

 

性障害治療のクリニックを受診

不起訴処分の判断の際には、再犯のおそれの有無も考慮要素の一つになります。

児童買春は、性犯罪の一種ですので再犯のおそれの高い犯罪になります。自分で性的な衝動を抑えることができず犯行に及んでしまった場合には、性障害治療のクリニックを受診して、専門的な治療を受けることも検討してください。

きちんと治療を継続して、自らの障害と向き合っているという事実は、不起訴処分の判断の際の有利な情状として考慮してもらうことができます。

18歳未満だと知らなかったと否認する

上記の4つの方法は、児童買春を認めている場合に起訴猶予を理由とする不起訴処分を目指す方法になりますが、嫌疑不十分による不起訴を目指すのであれば上記の方法ではなく、取り調べで罪を否認することが重要になります。

児童買春の事案では、被害者が18歳未満であることを知っていたかどうかが争点になります。児童買春に至った経緯などから18歳未満と知らなかったといえる場合には、警察の取り調べで「18歳未満だと知らなかった」と否認するようにしましょう。

18歳未満だと知らなかったことを裏付ける証拠もあれば、嫌疑不十分により不起訴となる可能性もあります。

下記の記事にも詳しく記載しておりますので、ご覧ください。

18歳未満だと知らなくても犯罪になる?不起訴になり得る4つのケース

児童買春で不起訴処分を獲得するために弁護士ができること

児童買春で不起訴処分を獲得するために弁護士ができること

児童買春事件の弁護を弁護士に依頼すると、不起訴処分の獲得に向けて、以下のようなサポートをしてくれます。

示談交渉のサポート

児童買春事件の示談交渉は、被害者が未成年者ですので被害者本人とではなく被害者の親と行わなければなりません。

しかし、自分の子どもに対して金銭を渡して性的搾取・性的虐待をした加害者を許す親はほとんどいませんので、加害者本人では交渉のテーブルにすらついてもらうことはできないでしょう。

弁護士であれば、被害者側の処罰感情にも配慮して示談交渉を進めることができますので、示談交渉が難航する事案であっても示談をまとめられる可能性があります。示談金の相場を踏まえて示談交渉ができるのも弁護士に依頼するメリットといえるでしょう。

自首同行

警察に自首をしても、被疑者本人だけでは捜査機関が適切に対応してくれず、自首として扱ってくれないこともあります。

弁護士に依頼すれば弁護士が警察署への自首に同行して、担当警察官に事情を説明しますので、自首として受理してくれる可能性が高くなります。また、自首をすると警察官により取り調べを受けることになりますが、弁護士が警察署内で待機して適宜アドバイスすることができますので、安心して取り調べに臨むことができます。

取り調べに対するアドバイス

嫌疑不十分を理由とする不起訴を狙う場合には、警察での取り調べで否認し続けなければなりません。しかし、ほとんどの方が初めての取り調べになりますので、不安や緊張から警察官の誘導に乗って不利な供述をしてしまう可能性もあります。

一度作成された供述証書の内容は、後から撤回することは困難ですので、不利な供述調書の作成を回避するためにも専門家である弁護士のアドバイスが不可欠です。取り調べには弁護士が同席することはできませんが、弁護士からのアドバイスを踏まえて対応することで、嫌疑不十分を理由とする不起訴になる確率を高めることができるでしょう。

下記の記事も併せてご覧ください。

児童買春で弁護士に依頼するメリット5つと弁護士選びのポイント3つ

児童買春事件で不起訴処分を狙うならグラディアトル法律事務所に相談を

児童買春事件で不起訴処分を狙うならグラディアトル法律事務所に相談を

児童買春事件では、約70%の確率で起訴となりますので、罪を犯した状態で何もしなければ高い確率で起訴されてしまうでしょう。そのため、不起訴処分を狙うなら早期に児童買春事件に強い弁護士に依頼することが重要です。

グラディアトル法律事務所では、児童買春事件に関する豊富な経験と実績がありますので、不起訴処分を狙うポイントを熟知しています。被害者の親との示談交渉、自首同行、贖罪寄付などの方法で不起訴処分の確率を高めることが可能です。少しでも有利な処分を獲得したいのであれば、早期に弁護活動に着手する必要がありますので、早めにご相談ください。

当事務所では、24時間365日相談を受け付けており、初回相談料無料で対応しております。児童買春をしてしまったときは、経験と実績豊富な当事務所にぜひお任せください。

まとめ

児童買春の不起訴率は約30%ですので、一般的な犯罪に比べて不起訴となる可能性が低い犯罪といえます。つまり、不起訴処分を獲得するなら、弁護士による効果的な弁護活動が不可欠ということです。

不起訴処分の獲得を狙うなら実績と経験豊富な弁護士のサポートが必要になりますので、まずは、グラディアトル法律事務所までお気軽にご相談ください。

弁護士 若林翔

弁護士法人グラディアトル法律事務所代表弁護士。 東京弁護士会所属(登録番号:50133) 男女トラブルや詐欺、消費者被害、誹謗中傷など多岐にわたる分野を手掛けるとともに、顧問弁護士として風俗やキャバクラ、ホストクラブなど、ナイトビジネスの健全化に助力している。

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