児童ポルノでの逮捕率は21%!逮捕のきっかけやリスクを解説

児童ポルノでの逮捕率は21%!逮捕のきっかけやリスクを解説
弁護士 若林翔
2024年10月11日更新

「児童ポルノで逮捕される可能性はどのくらい?」

「児童ポルノはどのようなきっかけで逮捕される?」

「児童ポルノで逮捕されるとどのようなリスクがある?」

児童ポルノとは、18歳未満の児童の性的な姿態を写した画像や動画などをいいます。

児童ポルノを見るだけでは犯罪にはなりませんが、児童ポルノを所持、保管、提供、陳列、製造すると児童ポルノ禁止法違反で逮捕されてしまう可能性があります。

児童ポルノで逮捕されてしまうと、さまざまなリスクが生じますので、少しでも心当たりがある方は早めに弁護士に相談するようにしましょう。

本記事では、

・児童ポルノ禁止法違反による逮捕率

・児童ポルノで逮捕される5つのきっかけ

・児童ポルノで逮捕された場合の4つのリスク

などについてわかりやすく解説します。

児童ポルノ禁止法違反による逮捕や起訴のリスクを最小限に抑えるには、児童ポルノの事件に詳しい弁護士のサポートが必要になりますので、すぐに相談することをおすすめします。

児童ポルノの逮捕率は約21%

児童ポルノの逮捕率は約21%

2023年の検察統計年報によると、2022年に捜査機関により検挙された児童ポルノ禁止法違反の件数は3149件あり、そのうち逮捕されたものが656件ありました。このことから児童ポルノ禁止法違反による逮捕率は、約21%であることがわかります。

犯罪全体の逮捕率が約37%ですので、全体から見ると児童ポルノ禁止法違反による逮捕率は、そこまで高い数字ではありません。

しかし、2014年の法改正により児童ポルノの単純所持も処罰対象になったため、児童ポルノ禁止法違反の検挙数は、年々増加傾向にあります。また、児童ポルノは、画像や動画データで所持・保管されているため、容易に証拠隠滅を図ることができますので、逮捕の要件である証拠隠滅のおそれを満たす事案も少なくありません。

そのため、逮捕率としては平均以下であるとしても、逮捕の可能性が十分あるということを念頭に置いて行動することが大切です。

児童ポルノで逮捕される5つのきっかけ

児童ポルノで逮捕されるきっかけとしては、以下のようなことが考えられます。

児童ポルノで逮捕される5つのきっかけ

警察のサイバーパトロール

警察では、民間企業や団体などに委託して、ネット上の違法サイトや有害情報の巡回チェックなどを行っています。ネット上の掲示板やSNSなどで児童ポルノのやり取りがなされていないかなど、常に監視の目を光らせていますので、サイバーパトロールで児童ポルノのやり取りがバレてしまう可能性があります。

サイバーパトロールにより児童ポルノのやり取りが認知されると、そこから犯人の特定のための捜査が進められ、ある日突然警察が自宅にやってきて逮捕されてしまうでしょう。

被害者の親からの通報

18歳未満の未成年者から直接児童ポルノを送信してもらったようなケースでは、被害者の親からの通報により逮捕に至るケースがあります。

子どもが卑わいなメッセージのやり取りや画像・動画のやり取りをしているのに気付いた親は、子どもが犯罪に巻き込まれたと感じすぐに警察に相談しますので、警察による捜査でメッセージのやり取りをしていた相手が特定され逮捕されてしまいます。

違法サイトの一斉摘発

インターネット上では、児童ポルノの販売などを行う違法なサイトがあります。このようなサイトは、児童ポルノ禁止法の提供・陳列罪に該当しますので、警察によるサイバーパトロールなどにより検挙されることがあります。

違法サイトが摘発されると、違法サイトの利用者リストから児童ポルノの購入・ダウンロードをした人が特定されて、児童ポルノの所持罪で逮捕される可能性があります。自分の趣味で楽しむだけであればバレないと思っていても、自分が利用しているサイトから発覚し、逮捕に至るケースもありますので注意が必要です。

補導された児童のスマートフォンから発覚

児童が深夜に繁華街を徘徊しているところを警察官に見つかると、その場で補導されてしまいます。その際に、児童が所持しているスマートフォンから裸の画像や卑わいなメッセージのやり取りが見つかると、児童ポルノ禁止法違反の疑いが生じ、捜査が開始されます。

当該児童とメッセージのやり取りをしていた人物が特定されると、逮捕に至るケースもあります。

余罪として発覚

児童ポルノなどに興味がある人は、他にも盗撮や児童買春などに手を染めていることもあります。盗撮や児童買春の捜査の過程で被疑者のスマートフォンが押収され、その中から児童ポルノが見つかると、児童ポルノ禁止法違反により逮捕される可能性があります。

このように余罪として発覚するケースでは、別の罪も犯しているため逮捕・起訴される可能性が高いといえるでしょう。

児童ポルノで逮捕された場合の4つのリスク

児童ポルノで逮捕されてしまうと、以下のようなリスクが生じます。

児童ポルノで逮捕された場合の4つのリスク

長期間身柄を拘束されるリスク

児童ポルノで逮捕されてしまうと、証拠隠滅が容易であることから、その後の勾留も認められる可能性が高いです。そうすると逮捕と勾留の合計で最大23日間にも及ぶ身柄拘束を受けるリスクがあります。

逮捕中は、家族であっても面会することがでず、被疑者本人は、慣れない環境下で不安な生活を強いられることになります。

解雇・退学のリスク

身柄拘束が長期間に及ぶとその間は仕事に行くことができません。無断欠勤の状態が長期間続くと会社を解雇されてしまうリスクがあります。

また、児童ポルノ禁止法違反により逮捕されたことが職場や学校に知られてしまうと、そのことを理由に解雇や退学処分を受けるリスクもあります。児童ポルノによる逮捕で直ちに解雇や退学が認められるわけではありませんが、解雇・退学処分の違法性を争うにも相当な時間と労力が必要になります。

報道により社会的信用性を失うリスク

児童ポルノで逮捕されたことがニュースや新聞などで報道されてしまうと、多くの人に事件のことが知られてしまいます。ネットニュースだと半永久的にその情報が残りますので、就職活動、転職活動、結婚などの際にネット上の情報が不利に働き、今後の人生に重大な不利益が及ぶおそれがあります。

起訴されて前科が付くリスク

児童ポルノ禁止法違反により起訴されてしまうと、99%以上の確率で有罪判決が言い渡されます。有罪になれば罰金刑や執行猶予付きの判決であっても前科になりますので、周囲の人から性犯罪者としてのレッテル貼られてしまうおそれがあります。

起訴されてしまうと前科を回避するのは困難ですので、不起訴処分を獲得することが重要になります。

児童ポルノで逮捕された後の流れ

児童ポルノで逮捕されてしまうと、以下のような流れで手続きが進んでいきます。

児童ポルノで逮捕された後の流れ

逮捕

警察により逮捕されると、被疑者の身柄は警察署内の留置施設で拘束され、その間、警察官による取り調べを受けます。

逮捕期間中は、家族であっても面会することはできず、面会できるのは弁護士に限られます。

なお、逮捕による身柄拘束には、時間制限が設けられていますので、警察は逮捕から48時間以内に被疑者の身柄を検察に送致しなければなりません。

検察官送致

警察から被疑者の身柄の送致を受けた検察官は、被疑者の取り調べを行い、身柄拘束を継続するかの判断を行います。

被疑者の身柄を引き続き拘束する必要がある場合には、送致から24時間以内に裁判官に勾留請求を行わなければなりません。

勾留・勾留延長

裁判官が勾留を許可すると、被疑者は、そこから原則として10日間の身柄拘束を受けることになります。勾留には、延長制度がありますので検察官による勾留延長請求を裁判官が許可すれば、さらに最大で10日間の身柄拘束を受けることになります。

このように勾留が許可されてしまうと、合計で20日間にも及ぶ身柄拘束を受ける可能性があります。

起訴または不起訴

検察官は、勾留期間が満了するまでに事件を起訴するか不起訴にするかを判断します。

不起訴処分になれば前科になることはなく、被疑者の身柄もその時点で解放されます。

児童ポルノで逮捕され場合の罪と罰則

児童ポルノで逮捕された場合の罪と罰則は、具体的な行為態様に応じて以下のように定められています。

児童ポルノで逮捕され場合の罪と罰則

児童ポルノの所持|所持罪

自己の性的好奇心を満たすために児童ポルノを所持していた場合、児童ポルノの単純所持罪が成立し、1年以下の懲役または100万円以下の罰金に処せられます。

たとえば、パソコン、スマートフォン、DVDなどで児童ポルノの画像や動画を所持しているような場合です。

児童ポルノの保管|保管罪

自己の性的好奇心を満たす目的で、児童ポルノを記録した電磁的記録を保管していた場合、児童ポルノの保管罪が成立し、1年以下の懲役または100万円以下の罰金に処せられます。

「電磁的記録を保管」とは、児童ポルノをクラウドやサーバー上にアップロードする行為をいいますので、そのような方法で児童ポルノを保管していると、保管罪により処罰されます。

児童ポルノの提供|提供罪

児童ポルノを他人に提供すると、児童ポルノの提供罪が成立します。

児童ポルノの提供罪は、提供方法により以下のように刑罰が異なります。

・特定・少数に対する提供……3年以下の懲役または300万円以下の罰金

・不特定・多数に対する提供……5年以下の懲役または500万円以下の罰金(併科あり)

提供罪は、販売などの営利目的が要件とはなっていませんので、児童ポルノを無償で提供した場合でも同罪は成立します。

児童ポルノの陳列|陳列罪

児童ポルノを公然と陳列すると、児童ポルノの陳列罪が成立し、5年以下の懲役または500万円以下の罰金に処せられます(併科あり)。

たとえば、児童ポルノを動画投稿サイトやSNSなどのインターネット上に投稿したような場合です。陳列行為により児童ポルノが広く拡散されると、すべてを削除するのは困難であることから、重い刑罰が科されています。

児童ポルノの製造|製造罪

動画撮影などの方法で児童ポルノを製造すると、児童ポルノの製造罪が成立します。児童ポルノの製造罪は、目的によって以下のように刑罰の重さが異なります。

・児童ポルノを提供する目的で製造…3年以下の懲役または300万円以下の罰金

・児童ポルノを不特定または多数人に提供する目的で製造…5年以下の懲役または500万円以下の罰金(併科あり)

スマートフォンなどを使って児童ポルノを撮影するのが典型的な行為となりますが、児童に自らの裸の写真や動画を送信させる行為も製造罪にあたります。

児童ポルノで逮捕されてしまったときはすぐにグラディアトル法律事務所に相談を

児童ポルノで逮捕されてしまったときはすぐにグラディアトル法律事務所に相談を

児童ポルノ禁止法違反で逮捕されてしまった場合、すぐにグラディアトル法律事務所までご相談ください。

グラディアトル法律事務所では、児童ポルノ禁止法違反の事案に関する豊富な経験と実績がありますので、早期の身柄解放の実現や不起訴処分の獲得のためにできる方法を熟知しています。状況に応じて適切な弁護活動を行うことにより、逮捕後の不利益を最小限に抑えることが可能です。

児童ポルノ禁止法違反の弁護は、経験や実績の有無によって最終的な結果が大きく変わることもありますので、経験と実績豊富な当事務所の弁護士にお任せください。

当事務所では、初回法理相談料無料、24時間365日相談を受け付けておりますので、大切なご家族が逮捕されてしまったときは、一刻も早く当事務所にご連絡ください。

まとめ

児童ポルノを見るだけでは犯罪にはなりませんが、動画や画像をダウンロードしてパソコンやスマートフォンで保存をすると児童ポルノ禁止法違反となります。自宅で楽しむだけであっても違法サイトの摘発などをきっかけに、児童ポルノの所持が発覚し逮捕に至ることもありますので注意が必要です。

児童ポルノ禁止法違反の疑いをかけられてしまった方や家族が児童ポルノで逮捕されてしまったという方は、すぐにグラディアトル法律事務所までご相談ください。

弁護士 若林翔

弁護士法人グラディアトル法律事務所代表弁護士。 東京弁護士会所属(登録番号:50133) 男女トラブルや詐欺、消費者被害、誹謗中傷など多岐にわたる分野を手掛けるとともに、顧問弁護士として風俗やキャバクラ、ホストクラブなど、ナイトビジネスの健全化に助力している。

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