「ご相談内容: 職場に知られたくない」について
そもそも、何故、事件のことを職場や学校に知られてしまうのでしょうか?
理由としては、大まか以下の2つが考えられます。
警察や検察に逮捕・勾留されてしまうと、最大23日間は、警察署の留置所等に置かれることになります。留置所に置かれている間は、職場や学校に行くことができませんから、事実を隠し通すことができず発覚してしまうことが多いです。
また、事件がマスメディアによって報道・公表されてしまうと、職場や学校に事件のことが知られてしまうことがあります。
これは逮捕されたときの報道・公表と、起訴されて有罪判決がなされたときの報道・公表があります。近年では、ネットニュースが盛んであり、紙面が限定されていないためか、軽微に思える事件も公表されていることもあります。
警察や検察に逮捕・勾留されてしまった事実を職場や学校に知られてしまえば、残念ながら、何らかの懲戒処分、最悪、解雇や退学を言い渡されてしまうことがあります。
職場に知られないために
原則として理由もなく警察が逮捕等の事実や、事件の内容を職場に連絡することはありません。ただし、職場に事件の関係者がいる場合、関係書類があって捜査の必要がある場合や、身元引受人が会社となる場合は、職場に連絡がされることがあり得ます。
逮捕後に勾留されてしまうと数週間にわたり身体を拘束される可能性があり、拘束されている間は出勤することができません。無断欠勤のために職場が被逮捕者に連絡を取ろうとして取れず、その結果逮捕等の事実に気づかれてしまうことが多いです。したがって、まず1日も早い身体解放が必要になります。
解雇されないために
職場に逮捕された事実を知られた場合に当然に解雇されるかどうかは個別具体的な事情によって異なりますので、会社の就業規則などを確認する必要があります。就業規則上、解雇の理由があるか、また就業規則の記載からは解雇の理由があってもその内容が合理的かどうかを分析しなければなりません。また、身体の拘束が続くと、その間は会社を欠勤することになります。とくに無断欠勤が長期化してしまうと、会社から解雇される可能性が高くなってしまいます。これは合理的な理由がある解雇と考えられています。
もし、解雇されたとしても、捜査機関は何らかの補償をしてくれるわけではありません。したがって、早期の身体解放が大切になってきます。なお、起訴されて裁判で有罪判決となり、前科がついてしまうと、一定期間制限されてしまう資格・職業もあります。
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