「ご相談内容: 控訴したい」について
第一審の判決に対して、不服を申し立てることです。判決言渡しの翌日から数えて2週間以内にする必要があります。
第一審が簡易裁判所の場合は地方裁判所で、第一審が地方裁判所の場合は高等裁判所で、控訴審が行われます。
なお、上記期限までに控訴されなければ、判決は確定します。
上訴とは
日本の裁判手続(訴訟)は、「三審制」ということを聞いたことはあるでしょうか。
裁判所の判決に納得がいかなかった場合、2回までやり直しを求めることができる(合計3回審理が行われる)という制度です。
このとき、同じ裁判所で何度も審理するのではなく、判決を言い渡した裁判所より上位の裁判所(上級裁判所)に判断のやり直しをしてもらうことになります。
上級裁判所に判断のやり直しを求める手続きを「上訴」といい、上訴にはいくつかの種類があります。
なお、日本の裁判所の上下関係(審級関係)は次のとおりです。
簡易裁判所 < 地方裁判所 < 高等裁判所 < 最高裁判所
(家庭裁判所は簡易裁判所や地方裁判所と扱う事件が異なりますが、審級としては地方裁判所と同等、つまり高等裁判所の1個下です)
控訴とは
第一審判決に不服がある場合の上訴を控訴といいます。
判決を出した第一審裁判所(原裁判所)が地方裁判所であれば高等裁判所、原裁判所が簡易裁判所であれば地方裁判所に対して控訴することができます。
控訴をするには、判決の言渡しの翌日から2週間以内に、原裁判所に控訴状を提出します。
控訴状は、控訴審が行われる控訴裁判所ではなく、第一審判決を出した原裁判所に提出しなければならない点に注意が必要です。
控訴には2週間という時間制限がありますので、その間に第一審判決をじっくり検討し、さらに反論の文面を考えたり新たな主張や証拠を追加するなどの準備をするのは大変です。
そこで、とりあえず控訴状では控訴をする旨を表明しておき、控訴の理由については「追って主張する」と記載して、後日控訴趣意書を提出するという方法もよく行われます。
この場合、控訴趣意書は、控訴裁判所の指定する最終日までに提出しなければなりません。
上告とは
控訴審の判決に不服がある場合に、さらにその上級裁判所に上訴する場合を上告といいます。
控訴裁判所が高等裁判所であれば最高裁判所、地方裁判所であれば高等裁判所に判断を仰ぐために上告できる場合があります。
しかし、控訴の場合と違って、控訴審判決に不服があればどんな場合であっても上告できるのではなく、判決に憲法違反などの法律に決められた一定の理由が必要になります。
したがって、上告理由がなくて控訴審判決が確定することも少なくありません。
上告をする際は、上告状または上告受理申立書を作成し、原裁判所に提出します。
また、控訴の場合と同様、上告をした後に上告理由書または上告受理申立書を提出しますが、上告裁判所の指定する最終日までに提出しなければいけません。
なお、上告には、控訴審判決に対する上訴のほか、第一審判決について最高裁判所に上訴する場合も含まれます(第一審が高等裁判所であった場合などの特殊な例)。