「大麻の所持量が少なければ不起訴になる?」
「不起訴になる大麻の所持量の目安とは?」
「大麻の所持量以外に不起訴になりやすい要素はある?」
大麻の所持は、麻薬取締法により規制されていますので、職務質問などで大麻の所持が発覚すれば、逮捕・起訴される可能性があります。大麻の所持で起訴されてしまうと、99%以上の割合で有罪になりますので、前科を避けるのは困難です。
しかし、大麻の所持量によっては、不起訴になる可能性もありますので、どのくらいの量の大麻を所持していたかが重要になります。また、大麻の所持量以外にも不起訴になりやすい要素がありますので、これらの要素に該当する方は、前科を回避するために不起訴処分の獲得を目指していきましょう。
本記事では、
・不起訴になる可能性のある大麻の所持量 ・大麻の所持量以外に不起訴になりやすい要素 ・大麻事件で不起訴処分獲得のために弁護士ができること |
などについてわかりやすく解説します。
大麻事件で不起訴処分を獲得するには、薬物犯罪に強い弁護士のサポートが不可欠になりますので、早めに弁護士に相談するようにしましょう。
目次
大麻の所持は違法|大麻の所持量に関する法律上の規定はない

大麻の所持に関しては、「麻薬及び向精神薬取締法」(通称:麻薬取締法)により規制されています。以前は、大麻取締法により規制されていましたが、法改正により2024年12月12日から麻薬取締法が適用されています。
麻薬取締法では、大麻をみだりに所持することを禁止しており、違反した場合には7年以下の懲役に処せられます。また、営利目的があった場合には、1年以上10年以下の懲役または情状により1年以上10年以下の懲役および300万円以下の罰金に処せられます。
このように麻薬取締法は、大麻の所持を禁止しているものの、具体的な所持量については定めがありませんので、大麻の所持は、所持量に関わらず規制対象となります。
関連コラム:大麻犯罪で科される刑罰|実刑・執行猶予の可能性があるケースを解説
大麻の所持量が微量なら不起訴になる可能性あり!
大麻の所持量に関わらず麻薬取締法の規制対象になりますが、実際には、大麻の所持量が微量であれば不起訴になる可能性があります。
「微量」とは?
大麻の所持量が「微量」とは、明確な基準があるわけではありませんが、1回の使用量以下であれば、微量と評価される可能性があります。
具体的には、乾燥大麻であれば0.5g以下、大麻樹脂であれば0.1g以下であることが一応の目安になります。
【参考判例:広島地裁令和6年1月11日判決 大麻所持料合計0.573g】
被告人は、A市において大麻である植物片約0.137gとA市の自宅において大麻である植物片約0.436gを所持したという罪で起訴され、懲役6月・執行猶予3年の有罪判決を受けました。判決理由では、「所持量も微量とは言えない」と明示されており、大麻の所持量が微量であるかは量刑判断における重要な要素の一つであることがわかります。 |
この判例は、大麻の携帯と自宅での所持で起訴された事案になりますが、それぞれの所持量は、微量といえますが、両者を合わせた所持量は、1回の使用量である0.5gを超えていることから、起訴されて有罪になったものと考えられます。
携帯していた約0.137gの大麻だけであれば、不起訴になる可能性のあった事案だといえるかもしれません。
微量の所持が不起訴になる理由
麻薬取締法では、大麻の所持量については規定されていませんので、微量であっても大麻を所持すれば麻薬取締法違反となる違法な行為になります。
しかし、大麻の所持量が微量の場合には、以下の2つの理由から不起訴になる可能性があります。
①故意の立証が困難
大麻の所持量が微量の場合には、「知人からもらった物にたまたま大麻のカスが付着していた」など、大麻を所持しているという認識がないケースも考えられるため、大麻の所持を立証することが困難な場合があります。
②違法性の程度が低い
大麻の所持量が1回分の使用量に満たないような微量であった場合には、十分な薬理効果が得られず、大麻を所持していたとしても保健衛生上の危険性が乏しいといえます。そのため、このような微量の所持に関しては、違法であるものの処罰するまでの違法性はないものと判断されて、不起訴になる可能性があるのです。
もっとも、起訴・不起訴の判断は、最終的に検察官が行いますので、所持量が微量であってもその他の事情を踏まえて起訴される可能性もありますので注意が必要です。
大麻の所持量以外に不起訴になりやすい要素

大麻の所持量以外にも不起訴になりやすい要素としては、以下の3つが挙げられます。
初犯
2023年検察統計(※23-00-48)によると、大麻取締法で起訴猶予処分になった事件は2149件あり、そのうち初犯者が1641人、前科者が507人(不詳が1人)となっています。このことから、不起訴になった事案の約76%が初犯者ということになりますので、初犯であるという事情は、不起訴処分を獲得する際に重要な要素となります。
もっとも、営利目的で大麻を所持していた、所持していた大麻が自分で栽培や輸出入をしたものであった場合には、初犯であっても起訴される可能性が高いといえます。
共同所持
共同所持とは、2人以上で大麻を所持している状態をいいます。大麻の共同所持により処罰するためには、以下の要件を満たす必要があります。
・大麻の存在を認識している |
・大麻を支配、管理している |
夫婦やカップルなどの一方が大麻の所持で逮捕された場合、同居している人も大麻の共同所持で逮捕される可能性があります。しかし、共同所持は、上記の要件を満たさなければ処罰されませんので、そもそも大麻があることを知らなかった、植物片があることは知っていたものの大麻だとは知らなかったなどの事情があれば、不起訴になる可能性が高いです。
証拠不十分
大麻の所持の疑いをかけられて自宅を捜索されたとしても、大麻が見つからなければ逮捕・起訴されることはありません。
大麻の売人や顧客からの通報で、警察の捜索差押がなされることがありますが、その際に証拠が確保できなければ証拠不十分で不起訴になるでしょう。
大麻の所持量が「多量」だと営利目的が推認される可能性あり
麻薬取締法では、大麻の所持の目的がどのような目的であったかによって異なる刑罰が定められています。大麻を密売などして利益を得る目的(営利目的)で大麻を所持していた場合、自己使用目的で所持していた場合に比べて重い刑罰が科されます。営利目的の有無は、さまざまな事情により判断されますが、大麻の所持量も営利目的を判断する重要な要素の一つになります。
たとえば、数百グラムにも及ぶ大麻を小分けにして所持しており、自宅から電子秤や大量のパケなどが見つかったような事案では、営利目的の所持にあたると判断される可能性が高いでしょう。
大麻の所持量が「多量」だと、営利目的が推認され、単純所持罪よりも重く処罰されるおそれがあります。
【参考判例:東京地裁令和6年5月10日判決】
被告人は、営利目的で大麻を含有する乾燥植物片約225.28gを所持した罪などで起訴され、懲役4年6月・罰金150万円の有罪判決を受けました。判決理由では、メッセージアプリを用いて多数人に大麻を譲渡していたこと、大麻を小分けにして所持しており、約225gと多量であることなどから営利目的が認定されています。 |
大麻取締法違反による不起訴率は約56%
2023年検察統計(※23-00-08)によると大麻取締法により起訴された事件は3748件、不起訴になった事件は4755件でしたので、不起訴率でいうと約56%ということになります。
また、不起訴になった事件の内訳は、以下のようになっています。
起訴猶予 | 嫌疑不十分 | 嫌疑なし | 時効完成 | その他 |
---|---|---|---|---|
2149件 | 2485件 | 1件 | 71件 | 49件 |
起訴・不起訴の判断は、大麻の所持量以外にもさまざまな事情を考慮して判断しますので、所持量が微量だからといって必ず不起訴になるわけではありません。しかし、大麻の所持量が微量だった場合には、起訴しても有罪になる見込みがないことから、起訴猶予による不起訴処分になる可能性も十分にありますので、しっかりと争っていくことが大切です。
大麻の所持量が微量なら不起訴の可能性があるためすぐに弁護士に相談を

大麻の所持量が微量なら不起訴になる可能性がありますので、すぐに弁護士に相談することをおすすめします。
迅速に面会して取り調べに対するアドバイスができる
大麻の所持が発覚すると、逮捕・勾留による身柄拘束が行われ、厳しい取り調べを受けることになります。
警察官は、被疑者から自白を引き出すためにさまざまな手を使ってきますので、精神的に追い込まれて不利な自白や誘導に乗った不利な供述をしてしまうリスクがあります。不利な調書が作成されてしまうと、本来であれば不起訴になる事案も起訴され有罪になる可能性もありますので、取り調べには適切に対応する必要があります。
弁護士に依頼をすれば、迅速に本人と面会をして取り調べに対するアドバイスや黙秘権の使い方、供述調書作成時の対応方法などのアドバイスをしてもらうことができます。不当な取り調べがなされている場合には、捜査機関に対して抗議の申し入れをすることで改善を図ることも可能です。
逮捕中に面会できるのは弁護士に限られますので、逮捕されたときはすぐに弁護士に相談・依頼するようにしましょう。
身柄拘束からの早期釈放を目指せる
大麻犯罪の場合、逃亡や証拠隠滅のおそれが認定されやすいため、逮捕・勾留による長期の身柄拘束が行われる可能性があります。
しかし、大麻の所持量が微量であれば、逃亡のおそれや証拠隠滅のおそれがないこと、家族による監督が期待できることなどを具体的に主張することで、身柄拘束からの早期釈放を目指すことが可能です。それには、薬物犯罪に強い弁護士のサポートが不可欠ですので、早期に弁護士に依頼するようにしましょう。
有利な情状を立証して不起訴処分を目指せる
大麻の所持量が微量である場合、その他の事情も加味して不起訴処分を獲得できる可能性があります。
弁護士に依頼すれば、捜査機関に対して被疑者にとって有利な証拠を示し、交渉を重ねることで不起訴処分の獲得を目指すことができます。逮捕・勾留されている事案では、起訴されるまでに23日間の猶予しかありませんので、その間に効果的な弁護活動を行う必要があります。そのため、大麻事件の弁護を依頼するなら、迅速な対応が可能な弁護士に依頼するようにしましょう。
関連コラム:大麻事件の弁護士費用はいくら?種類・相場や弁護士の探し方を解説
大麻犯罪の弁護はグラディアトル法律事務所にお任せください

大麻の所持でご家族が逮捕されてしまったときは、すぐにグラディアトル法律事務所までご相談ください。
大麻犯罪は、初犯であっても起訴され有罪になる可能性の高い犯罪です。しかし、大麻の所持量が微量であれば、捜査段階で適切な弁護活動を行うことで不起訴処分を獲得できる可能性もあります。起訴されて有罪になり前科が付くのと不起訴になるのとでは、その後の人生への影響が大きく変わってきますので、不起訴処分の獲得を目指すことが重要です。
グラディアトル法律事務所では、大麻犯罪の弁護に関する豊富な経験と実績がありますので、不起訴処分を獲得するためのポイントも熟知しています。大麻の所持量が微量であれば、まずは不起訴処分の獲得に向けて全力でサポートいたしますので、どうぞ安心してお任せください。
まとめ
大麻の所持罪は、大麻の所持量や所持の目的、前科前歴の有無などを考慮して起訴・不起訴の判断が行われます。大麻の所持量が微量であれば、不起訴処分を獲得できる可能性もありますので、警察に逮捕されたとしても諦めるのではなく、すぐに弁護士に依頼すべきです。
大麻犯罪でご家族が逮捕されてしまったときは、すぐにグラディアトル法律事務所までご相談ください。