「暴行事件を起こしても証拠がなければ逮捕されないのか」
「証拠が見当たらないときは放置しておいたほうがよいのか」
暴行罪は、暴行を加えた相手がけがをしなかった場合に成立する罪なので、物理的な証拠が見当たらないケースも少なくありません。
しかし、自分では証拠がないと思っていても、想定外の証拠が見つかり、逮捕されてしまう可能性は十分あります。
そのため、暴行事件を起こした際は決して放置せず、今後の対応について弁護士などの専門家と相談することが大切です。
本記事では、証拠がない場合に暴行罪で逮捕される可能性について詳しく解説するので、ぜひ最後まで目を通してみてください。
目次
物理的な証拠がない場合でも暴行罪で逮捕されることはある
暴行事件において、物理的な証拠が残ることはほとんどありません。
しかし、物理的な証拠がなくても、暴行罪で逮捕される可能性はあります。
証拠がないからといって安心せず、ここで紹介する2つのポイントを理解したうえで、適切な対応をとるようにしましょう。
関係者の証言も重要な証拠となり得る
物的な証拠がなくても、関係者の証言が重要な証拠となり、逮捕に至るケースがあります。
たとえば、被害者の証言や周囲で暴行を目撃した人の証言などが挙げられるでしょう。
もちろん、それらの証言が必ずしも正確であるとは限らないので、ほかの証拠と照らし合わせながら信用性が調査されることになります。
仮に被害者と目撃者の証言が一致する場合などは証拠として信用性が高くなるため、加害者の逮捕に向けて警察が動き出すこともあるでしょう。
予想外の証拠があとで見つかるケースも多い
予想外の証拠があとで見つかり、逮捕されてしまうこともあります。
たとえば、自分自身が気付いていない場所に防犯カメラが設置されているケースです。
防犯カメラは街のいたるところに設置されているので、どこかに暴行の様子が記録されている可能性は十分あります。
また、人目のつかないところで暴行を加えたつもりでも、実際には目撃者がいたパターンも考えられるでしょう。
いかなる状況においても、「証拠がないとは断定できない」ことを前提に、適切な対処を講じるようにしてください。
暴行罪の証拠の種類とその収集方法
暴行罪の証拠は、客観証拠と供述証拠の2種類に分けられます。
ここでは、客観証拠と供述証拠の具体例を見ていきましょう。
客観証拠:防犯カメラの映像や音声記録など
暴行の客観証拠としては、以下のようなものが挙げられます。
- ・防犯カメラの記録
- ・目撃者が撮影した映像
- ・会話の録音データ
- ・暴行の痕跡が残った衣服や持ち物
たとえば、近隣の住宅や店舗に設置された防犯カメラが証拠となり、加害者の逮捕につながるケースは少なくありません。
実際、周辺にある防犯カメラの映像記録を被害者が調べようとする可能性は高いと考えられるでしょう。
また、被害者や目撃者がとっさにスマホで録音・録画している場合や、暴行を加えた際に相手の衣服が破れたり、カバンが損傷したりしている場合も証拠のひとつとして認められることがあります。
供述証拠:被害者・目撃者の証言や加害者の自白など
暴行の供述証拠としては、以下のようなものが挙げられます。
- ・被害者の証言
- ・目撃者の証言
- ・加害者の自白
- ・加害者が暴行を認めていることがわかるもの
暴行事件では、客観証拠がなく、供述証拠しか残っていないケースも少なくありません。
しかし、被害者・目撃者の証言に虚偽の疑いがない場合には、信用性のある証拠となり、逮捕につながる可能性もあります。
また、事件のあとで暴行を認めるようなやり取りを関係者としていた場合は、メールやSNSの履歴を証拠として利用されるおそれもあります。
証拠収集を目的として、被害者側から連絡がくることも想定しておくべきでしょう。
証拠が一切なければ暴行罪による逮捕の可能性は低い
暴行を加えた証拠が一切なければ、暴行罪による逮捕の可能性は低いといえます。
警察が被疑者を逮捕するには「被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由」が必要です。
そのため、証拠が何もない状態で被害を訴えられても、警察は逮捕に向けて動こうとはしないものと考えられます。
ただし、自分自身が気づいていない証拠が見つかり逮捕に至るケースもあるので、何の対処もせずに問題を放置することはおすすめしません。
暴行罪に問われるおそれがある場合にできること
暴行罪に問われるおそれがある場合には、示談・自首による問題解決を目指しましょう。
ここでは、示談・自首に踏み切るメリットを解説するので参考にしてみてください。
被害者に示談を申し入れる
被害者の連絡先がわかっている場合は、示談の成立を最優先に考えましょう。
被害届が提出される前に示談が成立すれば、逮捕を回避できる可能性が高まります。
すでに被害届が出されている場合には、被害届の取り下げに応じてもらえるかもしれません。
また、逮捕されてしまった場合でも、示談が成立していれば、不起訴や減刑につながりやすくなります。
ただし、加害者から直接示談を申し入れても、被害者が素直に応じるとは考えにくいでしょう。
そのため、できるだけ早く弁護士に相談し、示談交渉を任せるのが賢明な判断といえます。
警察に自首する
暴行事件を起こしたときは、警察に自首することも検討しましょう。
自首によって逃亡・証拠隠滅のおそれがないことを示せば、逮捕を回避できる可能性が出てくるからです。
また、起訴されて有罪となったとしても、自首したことで量刑が軽くなるケースもあります。
ただし、自首によって自ら事件化することはリスクもともなうので、事前に弁護士のアドバイスを受けるようにしてください。
そして、自首する際にも弁護士に同行してもらい、逮捕回避に必要な対策を講じてもらうことが大切です。
他人に暴行を加えてしまったときはまず弁護士に相談を!
他人に暴行を加えてしまったときは、まず弁護士に相談してください。
弁護士に相談・依頼し、被害者との示談交渉を迅速に進めれば、逮捕や起訴を回避できるかもしれません。
警察に自首する場合でも、取り調べの対応方法などを助言してもらったり、警察署に同行してもらったりと、一貫したサポートを得られます。
実際にグラディアトル法律事務所でも、これまでに数多くの暴行事件を解決してきました。
弊所では依頼者の悩みや疑問をひとつずつ解消しながら、個々の状況に応じた最善の弁護活動をおこなっています。
暴行事件を起こしてしまい、今後どうすればよいのか悩んでいる方は、ぜひ弊所にお問い合わせください。
暴行罪の証拠に関するよくある質問
最後に、暴行罪の証拠に関するよくある質問を紹介します。
同様の疑問を抱えている方は参考にしてみてください。
暴行罪の証拠がない場合でも逮捕される?
証拠が一切なければ、暴行罪で逮捕される可能性は低いといえるでしょう。
ただし、物理的な証拠がなくても、被害者・目撃者の証言などが証拠として認められ、逮捕に至るケースはあります。
また、予想外の証拠が見つかる可能性もあるので、証拠がないと決めつけることは控えてください。
証拠がない場合、どうすればいい?
暴行を加えた証拠がないと考えられる場合でも、まずは弁護士に相談することが大切です。
自身では証拠がないと思っていても、被害者や目撃者の証言などをもとに逮捕される可能性はゼロではありません。
問題が大きくならないようにするためには、被害者との示談を含め、今後対処すべきことを弁護士にアドバイスしてもらう必要があります。
防犯カメラの映像がない場合、ほかにどんな証拠がある?
防犯カメラの映像がない場合でも、以下のようなものが暴行の証拠になることがあります。
- ・被害者・目撃者の証言
- ・スマホで記録した音声や動画
- ・暴行の痕跡が残った衣服や持ち物
- ・暴行したことを認めるメールやSNSでのやり取り
思いがけない証拠が出てくる可能性もあるので、少しでも不安に感じることがあれば、まず弁護士に相談することをおすすめします。
弁護士に相談するメリットは?
弁護士に相談すれば、今後やるべきことを法的な観点からアドバイスしてもらえます。
また、示談交渉や警察とのやり取りも代行してもらえるので、精神的な負担も軽減できるでしょう。
たとえ暴行罪で逮捕されたとしても、弁護士のサポートがあれば、不起訴を獲得して前科をつけずに済ませられる可能性は十分あります。
暴行罪の刑罰は?
暴行罪の刑罰は、「2年以下の懲役もしくは30万円以下の罰金または拘留もしくは科料」です。
悪質性や反省の程度、前科の有無などを考慮したうえで、裁判官が最終的な量刑を決定します。
なお、拘留・科料に科されることは少なく、懲役刑・罰金刑になるケースがほとんどです。
まとめ
暴行の証拠がないと思っていても、暴行罪で逮捕される可能性はあります。
そのため、暴行事件を起こした際は時間の経過をただ待つのではなく、弁護士に相談し、積極的に問題解決を進めていくことが重要です。
弁護士に相談すれば、被害者との示談をはじめ、逮捕回避に向けた対策を速やかに講じてもらうことができるでしょう。
グラディアトル法律事務所でも、暴行事件に関する豊富な解決実績があります。
暴行事件を起こしてしまい、今後どうなってしまうのか不安に感じている方は、弊所へご相談ください。
LINEでの無料相談にも対応しているので、お気軽にどうぞ。