「暴行罪の罰金の相場はいくら?」
「罰金刑を避けるにはどうすればいい?」
こんな悩みを抱えている方はいませんか?
暴行罪で罰金刑が科されてしまうと、最大30万円の罰金を支払うことになってしまいます。
さらに、前科もついてしまうため、社会生活に大きな影響を及ぼす可能性も。
しかし、実は暴行罪では、適切な対応を行うことで不起訴処分で終わるケースも少なくないのです。
不起訴処分となれば、罰金を支払う必要がないことはもちろん、前科がつくこともないため、社会生活への影響を最小限に抑えることができるでしょう。
そこでこの記事では
・暴行罪の罰金刑の相場
・罰金の金額が決まる要因
・罰金刑を避けて不起訴処分になる方法
・実際に不起訴処分となった解決事例
についてお伝えします。
罰金刑を避けて、不起訴処分となる可能性を高めるために、是非ご一読ください。
目次
暴行罪の罰金刑の相場は10〜30万円
暴行罪の罰金刑の相場は、概ね「10万円から30万円程度」となっています。
暴行罪は、暴行に関連する犯罪の中で最も基本的な犯罪です。
暴行行為によって成立する罪の中では、比較的軽い犯罪として位置づけられているため、懲役刑ではなく罰金刑が選択されるケースが多いのが特徴です。
実際の罰金額は、様々な要因を考慮して裁判官により決定されます。
それでは、罰金刑の上限額と、具体的な金額が決まる要因について詳しく見ていきましょう。
暴行罪の罰金刑の上限は30万円
暴行罪の罰金刑の上限額は「30万円」です。
暴行罪の法定刑は
(刑法208条)
「二年以下の懲役若しくは三十万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。」
と規定されているからです。
つまり暴行罪で罰金刑が選択された場合、罰金として支払うべき金額は、最大でも30万円が上限になります。
ただし、諸々の事情から、30万円の罰金刑では妥当ではないと裁判官が判断した場合、罰金刑ではなく懲役刑が選択されることになるため注意が必要です。
暴行罪の罰金額が決まる要因
では、暴行罪の罰金額は、具体的にどのような要因で決まるのでしょうか。
例えば、以下のような要因が考慮されます。
裁判官は、これらについて総合的に斟酌した上で、(上限30万円までの範囲内で)罰金刑の金額を判断することになります。
被害結果が大きいほど、また犯行態様が悪質であるほど、罰金刑の金額も高くなる可能性が高いです。
暴行罪の85%以上は罰金刑
暴行罪で起訴されて、有罪判決が下された場合、少なくとも85%以上は罰金刑だと考えられます(略式命令の割合より算出)。
特に、初犯の場合は、ほとんどが罰金刑になっています。
懲役刑が選択されるケースは、暴行や傷害の前科があるケースが大半を占めているからです。
もっとも、罰金刑だからといって軽く考えることはできません。
最大30万円もの支払いが発生してしまううえ、前科もついてしまうからです。
また、前科がある場合以外にも、常習性がある場合や、暴行により重大な結果が生じてしまった場合などは、懲役刑が選択される可能性が高くなります。
懲役刑が科されると、最大2年間にわたり刑務所への収容を強いられてしまうため、社会生活への影響も甚大なものとなるでしょう。
刑事処分が重くなりそうな場合、すぐに弁護士に相談することが必要です。
★暴行罪で罰金を払えないとどうなる?
暴行罪で罰金が払えない場合、最終的には、刑務所(刑事施設内の労役場)に留置され、支払うべき罰金額に相当する作業を行うことになります。
留置される日数は裁判で決定されますが、多くのケースでは「1日あたり罰金5,000円相当」に換算されます。
つまり、罰金30万円が払えなかった場合、60日間留置されることになります。
暴行罪の罰金刑は略式命令が多い
暴行罪で起訴された場合は、略式命令となる可能性が高いです。
法務省が作成した犯罪白書によると、約85%が略式命令となっていることが分かります。
※略式命令とは?
正式な裁判手続きを経ず、簡易的な手続きで決定される刑罰のこと。
法廷に出廷することはなく、検察官が裁判官に提出した書面のみで発せられる。
略式命令で命じられるのは、100万円以下の「罰金」や「科料」の支払いに限られています。「懲役」となることはない一方で、「無罪」となることもありません。
なお、略式命令であったとしても、前科がつくことに変わりはありません。
前科を避けたい場合は、後述のとおり、被害者との示談を成立させる等して、不起訴処分になることが必要です。
暴行罪では68%が罰金刑を避けて不起訴処分になる!
暴行罪では、逮捕・送検(検察官送致)されても、必ずしも罰金刑が科されるわけではありません。実は、68%は最終的に不起訴処分となっています。
(参考:法務省 令和5年版 犯罪白書「被疑事件の処理」 )
特に「起訴猶予」として、不起訴になるケースが圧倒的に多く、不起訴となった理由の70%近くを占めています。
(参考:法務省 令和5年版 犯罪白書)。
※起訴猶予とは?
犯罪を犯していることは明らかであるが、「被害の程度」や「被疑者の反省の意思」、「示談の状況」などを考慮して、検察官があえて不起訴にすること。
暴行罪で不起訴処分となる可能性が高いのは、以下のような場合です。
起訴・不起訴の判断は検察官の裁量に委ねられているものの、不起訴処分となる可能性を高めるための方法は、いくつか存在します。
ただし、いずれの場合でも、自分の判断で動くのではなく、弁護士などの専門家に相談したうえで対応しましょう。
事件の態様や、被害者との関係性によっては、これらの対応が、検察官の心証にマイナスの影響をもたらす可能性もあるからです。
暴行罪で罰金刑を避けるには示談が重要
暴行罪で、罰金刑を避けるために最も重要なのが、被害者との示談です。
示談とは、被疑者が被害者に対し、示談金を支払ったり、謝罪したりすることで、被害者からの許しを乞うことです。
示談が成立すれば、検察官も不起訴の判断がしやすくなるため、不起訴処分となる可能性が格段に高まります。
示談交渉では、以下の点に留意しましょう。
・被害者の心情を考慮する
・暴行行為を反省し、真摯な態度で謝罪する
・両者が納得する金額の示談金を支払う
示談金の相場や示談の進め方については、以下の記事をご参照ください。
暴行罪では、示談の成否が不起訴処分や略式命令の判断に大きく影響します。
ただし、示談交渉は、必ず弁護士に依頼して行いましょう。
被害者側は、暴行を加えた相手と二度と会いたくないと思っていることが通常だからです。
自分で示談交渉を進めようとしても、むしろ被害感情を悪化させてしまい、示談交渉を拒否されてしまったり、相場からかけ離れた金額の示談金を要求されてしまう可能性が高くなるでしょう。
暴行罪で罰金刑を避けて不起訴となった解決事例
最後に、当事務所の実際の解決事例を紹介します。
〈具体的なケース〉
ご依頼者は40代の男性会社員。
犯罪とは無縁の生活を送っていましたが、飲み会の帰りに、些細なことが原因で、駅員とのトラブルに発展。酔った勢いもあって、ヒートアップしてしまった依頼者は、駅員の腕を掴み、足を蹴るという暴行を加えてしまったとのこと。
幸いなことに駅員に怪我はなかったものの、ご依頼者はすぐに警察に逮捕されてしまいます。翌日釈放されたものの、起訴されて罰金刑になる可能性があることを伝えられ、刑事事件の実績が豊富な、当事務所に相談に来られました。
〈当事務所の対応〉
すぐに弁護士から鉄道会社に連絡し、示談交渉を開始。
しかし、鉄道会社からは
「駅員に対する暴行事件の危険性を社会に知らせるため、示談交渉に応じることはできない」との回答が。
被害者の意思も固く、被害届の取下げや、示談による解決を望めなくなってしまったため、一旦は警察や検察の出方をみるという対応をせざるを得なくなりました。
その後、ご依頼者のもとに担当検事からの連絡が。
そこで、当事務所の弁護士は、
・ご依頼者がこれまで誠意を尽くして謝罪をしてきたこと
・示談の申し入れをして被害弁償をしていること
・ご依頼者の人柄や事件後の行動など
について記載した意見書を作成し、ご依頼者の反省文を添えて、担当検事へ送付しました。
被疑者がどれだけ反省しており、被害者への弁償等に取り組んだかなどについて、法的知見を添えて担当検事に伝えることで、晴れて不起訴処分となることができました。
暴行罪で不起訴となるために、示談の成立が重要なのは前述のとおりです。
しかし当然ですが、被害者によっては、本件のように謝罪を受け入れてくれず、被害届の取下げをしてくれない場合もあります。
そのような場合も、
・本人の反省の意思
・被害者への弁償等への取り組み
などについて弁護士が、客観的な事実や法律的な見解を含んだ意見書を提出することで、罰金刑を避ける可能性を高めることができます。
この事件では、不起訴の判断がなされるまで2ヶ月以上がかかっており、その間、ご依頼者が不安な日々を過ごされたことは想像に難くありません。
しかし、弊所の弁護士は刑事事件の豊富な経験を活用しながら、ご依頼者の不安を和らげ、具体的な状況に応じて、最善の弁護活動を行っていきます。
暴行罪の罰金刑でお悩みの方は、是非弊所にご相談ください。
暴行罪で罰金刑を避けるならグラディアトル法律事務所へ
この記事では、
・暴行罪の罰金相場や金額を左右する要因
・罰金刑を避けるためのポイント
・罰金刑を避けて不起訴となった解決事例
について解説しました。
暴行罪で罰金刑となってしまうと、最大30万円もの罰金が発生してしまう上、前科もついてしまいます。
しかし、弁護士に相談して
・被害者と示談を成立させる
・反省の意思や、弁償の取り組みを法的観点から伝える
などの対応を行えば、罰金刑を避けて、不起訴処分となる可能性を格段に高めることができます。
暴行罪で罰金刑を避けたい方は、是非グラディアトル法律事務所へご相談ください。
グラディアトル法律事務所では、刑事事件の経験が豊富な弁護士が、不起訴になるための最善の方法をご提案させていただきます。
LINEでの無料法律相談も受け付けているので、是非お気軽にご連絡ください。