【痴漢で逮捕】今後の流れと不起訴を獲得する方法を弁護士が解説

【痴漢で逮捕】今後の流れと不起訴を獲得する方法を弁護士が解説
弁護士 若林翔
2024年08月03日更新

「夫や息子が痴漢で逮捕された…これからどうなってしまうの?」

あなたは今、夫や息子が痴漢で逮捕されてしまい、パニックが起こりそうな気持ちで、この記事にたどり着いたのではないでしょうか。

痴漢で逮捕された家族にこれから何が起こるのか、大切な家族の人生がこれからどうなってしまうのか、不安でいっぱいだと思います。

痴漢で逮捕された後は、基本的に下記の図のような流れで進められていきます。

痴漢で逮捕された後の流れ

上記のように、痴漢で逮捕されたら、すぐに取り調べが行われます。

その後、警察署の留置場で身体拘束されるのか、有罪になり前科がつくのか、あなたが想像するよりも早く、進んでいくのです。

もし、あなたの家族が起訴されてしまい、前科がつくと、解雇や退学になるリスクもあるでしょう。

とはいえ、必ず前科がつくわけではありません。「被害者と話し合って金銭などを支払い、和解すること(示談)」ができれば、家族の前科を回避することができるでしょう。

ただ、示談を自力で成功させようとすることは、大変難しく、弁護士の助けが必須です。
下記の図をご覧ください。

痴漢で示談失敗

このように、前科を回避し、解雇や退学のリスクを下げるためには、弁護士の助けが必須なのです。

そこでこの記事では、あなたが家族の未来を守るために、痴漢に強い最高の弁護士を選べるようにお手伝いしていきます。

最後までお読みになれば、「あなたがこれから何をしたらよいか」すぐに理解できるでしょう。

どうかご安心ください。

私たちグラディアトルは、実際に前科や余罪が5〜6個あるような難しい痴漢事件でも、不起訴処分を勝ち取っています。

あなたやあなたの家族に前科がつくことなく、事件前の生活を取り戻しましょう!

目次

痴漢で逮捕された後の流れ

痴漢で逮捕された後の流れ

冒頭でもお話した通り、痴漢で逮捕された後は、すぐに取り調べが行われ、検察への送致や勾留、起訴、裁判までスピード感を持って進んでいきます。

以下の図をご覧ください。

痴漢で逮捕された後の流れ

上記の流れを一つずつ分かりやすく解説していきます。

あなたの夫やお子様に、これから起こることを把握するためにも、ぜひ参考にしてください。

痴漢で逮捕されたらなんとか勾留を逃れよう

痴漢で逮捕された家族を、解雇や退学、前科といったダメージから守るには、勾留を逃れられるかが非常に重要なポイントになります。

勾留されてしまうと自宅に帰れないので、逮捕された日から最低でも13日間は会社や学校を休まなければなりません。

さらに、一度勾留され、検察官に勾留延長の請求をされると、99.7%の確率で勾留延長されるというデータがあります(参考/日本弁護士連合会)。

勾留延長後、起訴されれば現在の日本では99%以上が有罪になるのです。

起訴や有罪を逃れられたとしても、長期間会社や学校を休んでいることで、痴漢で逮捕されたことが周囲にバレたり、規則によっては解雇や退学もあるでしょう。

そのため、痴漢で逮捕されたら、最初の勾留を阻止しなければならないのです。

【24〜48時間以内】逮捕されて取り調べを受ける

まず、痴漢で逮捕されたら、すぐに警察署で取り調べを受けることになります。

取り調べで受ける内容は、次のような内容です。

・痴漢をした事実確認

・痴漢の悪質さ(触った場所や触った時間)

・家族の氏名、連絡先、家族関係、職業、趣味嗜好など

・犯行前後の行動

・犯行に至る経緯、動機

ここで重要なのが、痴漢をした事実確認と、痴漢の悪質さの確認です。

家族が、痴漢の事実を認め反省していて、被害者も和解に応じてくれるようであれば、この段階で釈放されることもあります。

また、痴漢の悪質さとは、下記のように、痴漢行為をどのように行ったかということです。

痴漢の悪質さ(一例)罪名罰則
服の上から触る迷惑行為防止条例違反6ヶ月以下の懲役または50万円以下の罰金
服をめくって身体に直接触る
撫で回すように触る
不同意わいせつ罪6ヶ月以上10年以下の懲役

上記に加え、触った時間も、悪質さを判断する要素として加味されます。

2.痴漢で逮捕されると何罪になるの?罰金や懲役を解説でも解説しますが、痴漢事件において科される罪名は2種類あり、罰則が違います。

痴漢の悪質さが非常に重要なポイントになるので覚えておきましょう。

【24時間以内】検察庁へ移動して(送致)「10日間追加で取り調べ(勾留)」されるか釈放されるかが決まる

警察での取り調べが終わると24時間以内に検察庁へ移動し、その後さらに10日間身体拘束されるか(勾留)、釈放されるかが決まります(勾留請求)

10日間の身体拘束(勾留)が決まると警察署の留置場に拘束されるので、自宅へは帰れません。逮捕された時からずっと警察にいることになり、会社や学を長期間休むことになります。

そのため、勾留されてしまうと、痴漢容疑で逮捕されたことが周囲にバレて解雇や謹慎になってしまう可能性もあるので、できるだけ阻止しなければなりません。

勾留請求は、勾留が必要だと感じた場合に、検察官が裁判所に提出し、裁判官が可否を決定します。
勾留請求されるケースは、主に次の通りです。

・逃亡や証拠隠滅の可能性がある

・全面否認や黙秘を続けている

・反省していない

・住居不定、引受人がいない

勾留請求されなければ、すぐに釈放となります。

また、勾留請求されたとしても、裁判官の判断次第では、釈放される可能性もあります。

【10〜20日間】身体拘束され続ける

勾留請求が認められると、最初の取り調べに引き続き、10日間身柄を拘束されます。

ただ、10日経っても、必ず釈放されるわけではありません

勾留は延長することができるため、否認ケースや家族の状況、事件の捜査状況などによっては、検察官と裁判官の判断で、さらに10日間の勾留が継続します。

一度勾留されて勾留延長を請求されると、99.7%の確率で勾留が延長されるというデータがあります(参考/日本弁護士連合会)。

最初の勾留に続き会社や学校を休まならないので、周囲に痴漢を匂わせないようにしていた人もごまかしがきかなくなるでしょう。

【勾留後】起訴か不起訴か決まり、起訴されて有罪だと前科がつく

勾留が終わると、検察官があなたの家族を起訴するか、不起訴にするかを決定します。

起訴には2種類あり、裁判の有無や前科の可能性が変わってきます。次の図をご覧ください。

痴漢で起訴された後の流れ

基本的に、痴漢の場合、初犯であれば裁判なしの罰金刑(略式起訴)で済むことが多いでしょう。

ただし、その場合も前科がつくことには変わりありません。

一方、余罪や前科がある場合や、被害者を怪我させるような悪質な痴漢の場合は、起訴される可能性が高いです。

起訴されれば、現在の日本では99%以上の確率で有罪となると言われています。

有罪になれば前科が付くだけでなく、下記のようなリスクがあるでしょう。

・規約によっては解雇や懲戒免職など

・校則によっては謹慎処分など

・履歴書の賞罰欄への記入義務

・国によっては渡航制限がかかる可能性もあり

・実刑になれば刑務所で数ヶ月〜数年服役する

起訴されても無罪判決の場合は前科はつきません

ただ、この段階まで来ると、長期間会社を休んでいることや裁判沙汰になってしまった事実があるので、いくら無罪だとしても元通りの社会生活を営める可能性は低いでしょう。

痴漢で逮捕されると何罪になるの?罰金や懲役を解説

痴漢で逮捕されると何罪になるの?罰金や懲役を解説

痴漢で逮捕されてしまった場合、一体どのような罪になってしまうのか、不安ですよね。

もし逮捕されてしまうと、下記のような罰金刑や懲役刑を受けることになってしまいます。

迷惑防止条例服の上から触る6ヶ月以下の懲役または50万円以下の罰金
不同意わいせつ罪直接身体に触る
揉んだり撫で回す
6ヶ月以上10年以下の拘禁刑

※都道府県で異なる

どちらに該当するかは一概には言えませんが、電車での痴漢の場合

・服の上から触った場合には迷惑防止条例違反

・下着の中など直接体を触った場合には不同意わいせつ罪

になることが多いです。

路上痴漢の場合は、行為態様によっても異なりますが、抱きつくような危険な行為があると、服の上から触った場合でも不同意わいせつ罪になるケースもあります。

迷惑防止条例違反

迷惑防止条例違反
※東京都の場合
服の上から触る6ヶ月以下の懲役または50万円以下の罰金

まずは、迷惑防止条例違反の場合をみてみましょう。迷惑防止条例違反は都道府県によって規定が異なり、東京都の場合は、「粗暴行為(ぐれん隊行為等)の禁止」にあたります。

迷惑防止条例違反

(粗暴行為(ぐれん隊行為等)の禁止)

第5条 何人も、正当な理由なく、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような行為であつて、次に掲げるものをしてはならない。

(1) 公共の場所又は公共の乗物において、衣服その他の身に着ける物の上から又は直接に人の身体に触れること。

(2) 次のいずれかに掲げる場所又は乗物における人の通常衣服で隠されている下着又は身体を、写真機その他の機器を用いて撮影し、又は撮影する目的で写真機その他の機器を差し向け、若しくは設置すること。

イ 住居、便所、浴場、更衣室その他人が通常衣服の全部又は一部を着けない状態でいるような場

ロ 公共の場所、公共の乗物、学校、事務所、タクシーその他不特定又は多数の者が利用し、又は

出入りする場所又は乗物(イに該当するものを除く。)

引用:警視庁「公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例

よほど悪質でなければ、グラディアトル法律事務所の実体験として、多くの痴漢行為は迷惑防止条例違反に該当する場合が多いです。

迷惑防止条例違反の場合は、6か月以下の懲役または50万円以下の罰金に該当します。

不同意わいせつ罪

不同意わいせつ罪直接身体に触る
揉んだり撫で回す
6ヶ月以上10年以下の拘禁刑

不同意わいせつ罪は、今まで「強制わいせつ罪」と呼ばれていたものが、新しくなったものです。

(不同意わいせつ)

第百七十六条 次に掲げる行為又は事由その他これらに類する行為又は事由により、同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて、わいせつな行為をした者は、婚姻関係の有無にかかわらず、六月以上十年以下の拘禁刑に処する。

一暴行若しくは脅迫を用いること又はそれらを受けたこと。

二心身の障害を生じさせること又はそれがあること。

三アルコール若しくは薬物を摂取させること又はそれらの影響があること。

四睡眠その他の意識が明瞭でない状態にさせること又はその状態にあること。

五同意しない意思を形成し、表明し又は全うするいとまがないこと。

六予想と異なる事態に直面させて恐怖させ、若しくは驚愕がくさせること又はその事態に直面して恐怖し、若しくは驚愕していること。

七虐待に起因する心理的反応を生じさせること又はそれがあること。

八経済的又は社会的関係上の地位に基づく影響力によって受ける不利益を憂慮させること又はそれを憂慮していること。

2行為がわいせつなものではないとの誤信をさせ、若しくは行為をする者について人違いをさせ、又はそれらの誤信若しくは人違いをしていることに乗じて、わいせつな行為をした者も、前項と同様とする。

3十六歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者(当該十六歳未満の者が十三歳以上である場合については、その者が生まれた日より五年以上前の日に生まれた者に限る。)も、第一項と同様とする。

引用:刑法176条(e-gov参照)

不同意わいせつ罪の場合は、6か月以上10年以下の拘禁刑(身体の自由を制限)に該当します。不同意わいせつ罪に該当する場合は◯◯なケースと一概にお伝えすることは難しいですが、下着の中に手を突っ込むなど直接身体に触った場合は、該当する可能性が高いです。また、路上で抱きついて痴漢をするなど、悪質かつ危険性が高い場合も不同意わいせつ罪になる可能性が高いです。参考までに、いくつか実際の事件をご紹介します。

・肩などを押しつけて密着させたうえ、女性の下半身を触った疑い

(参考:県内初「不同意わいせつ」容疑で逮捕者 建設作業員の男(25)アストラムラインで女性の下半身触ったか 広島

・札幌市内の駅に停車中の電車内で、面識のない女性の尻を触った疑い

(参考:北海道警、警官2人を書類送検 不同意わいせつ、痴漢疑い

痴漢で逮捕されたあとにすべきこと3つ痴漢で逮捕されたあとにすべきこと3つ

先ほどのお話で、痴漢で逮捕された後の一連の流れを把握できたのではないでしょうか。説明した通り、痴漢で逮捕されても不起訴になれば、事件前の生活に戻れる可能性が高まります。そこで、あなたが今早急にすべきことは、次の3つです。

①弁護士に面会を依頼して状況を確認する

②夫や息子の職場、学校へ休む連絡を行う

③被害者との示談を進める

それぞれについて詳しく説明していきます。あなたの夫や息子へのダメージをできるだけ少なくするために、すぐに実行してください。

弁護士に面会を依頼して状況を確認する

まずは、すぐに弁護士を依頼し、家族と面会(接見)をしてもらいましょう。痴漢で逮捕されてしまうと、家族でも面会することができないからです。弁護士だけは家族と面会できるので、次のような家族の様子や事件の状況などを知ることができます。

・家族が憔悴しきっている

・とても反省して後悔している

・冤罪だと主張している

・家族や周囲の反応に不安を感じている

・会社にバレないか、解雇されないか不安に感じている

・心を落ち着かせるために、愛読書や雑誌が欲しいと言っている

さらに、弁護士の接見により家族からのメッセージを伝えることもできます。例えば、次のようなものです。

・「家族は軽蔑していないから大丈夫」

・「会社にはちゃんと戻れるから安心して」といった伝言

痴漢の取り調べは長時間に渡るので、非常に過酷です。

精神的に追い詰められて不利な証言をしてしまう人もいます。

一度不利な証言をしてしまうと、後で覆すことはかなり難しいので、極力避けなければなりません。

家族からの伝言や差し入れがあれば、過酷な取り調べ下にあっても、被疑者の精神的な支えになるでしょう。

夫や息子の職場・学校へ休む連絡を行う

次に、夫や息子の職場や学校に休む連絡をしましょう。

周囲に変に怪しまれたり、無断欠勤や無断欠席扱いになってしまうのを避けるためです。連絡をするときは、「痴漢」を匂わせないよう、次のように伝えましょう。

(例)

「電車の中でトラブルに巻き込まれ、傷害事件になってしまったようだ。警察から事情聴取を受けているので数日会社(学校)を休むことになりそう」

<ポイント>

◎男性とのトラブルを匂わせる

◎痴漢事件だと感じさせない

女性が多い会社だったり、会社の風潮や規約によっては、従業員が痴漢事件の家族になった時点で、会社にいられなくなる可能性もあります。そのため、会社や学校に連絡する際は、痴漢事件だということを伏せて伝えるのがポイントです。

被害者との示談を進める

最後に、今後の処罰を左右する重要なポイントとして、被害者との示談を早急に進めることが必要です。

示談が成立すれば、被害者に「加害者に対する処罰感情がない」という証になるため、不起訴を獲得しやすくなります。また、示談はできるだけ早く進めるようにしましょう。

勾留請求される前の段階で示談を成立させておくと、一旦釈放される(在宅事件扱い)可能性が高まるからです。在宅事件として捜査が進む間も自宅にいることができるので、普段通りの社会生活を送ることができます。

痴漢でかかる示談金相場や弁護士費用の目安痴漢でかかる示談金相場や弁護士費用の目安

これまでのお話で、痴漢で逮捕されたら、早急に弁護士を依頼して、速やかに示談を成立させ勾留阻止や不起訴を目指すことが重要だということがお分かりになったかと思います。そこで気になるのが、痴漢事件における示談金の相場や弁護士費用の目安ですよね。

【痴漢事件の示談金相場】

罪名示談金相場
迷惑行為防止条例違反30万円〜50万円
不同意わいせつ罪50万円〜150万円

【痴漢事件の弁護士費用の目安】

種類費用相場
私選弁護士60〜150万円
当番弁護人無料
国選弁護人基本無料※

※判決で有罪になり裁判官から訴訟費用の支払いを命じられた場合は費用がかかる

※裁判で有罪判決になった場合は訴訟費用の負担を言い渡される可能性もある示談金相場と弁護士費用の相場について、もう少し詳しく説明していきますので、ぜひ参考にしてください。

示談金の相場30万円〜150万円

罪名示談金相場
迷惑行為防止条例違反30万円〜50万円
不同意わいせつ罪50万円〜150万円

痴漢事件の示談金の相場は、迷惑行為防止条例違反で30〜50万円、不同意わいせつ罪のケースで50万円〜150万円程度です。

ただ、実際は、示談金にはっきりとした相場はありません。
大きくは、下記で決まることが多いでしょう。

・被害者が許してくれるかどうか

・相手が未成年かどうか

ただし、重要なのは「被害者が許せるかどうか」です。実際に、被害者が社会人で、どうしても許してくれず、迷惑行為防止条例違反であっても示談金が150万円に跳ね上がるケースもありました。

示談金の相場についてもっと詳しく知りたい人は、

痴漢示談金(慰謝料)相場は30〜150万円!減額する方法解説

でも詳しく解説しているので、ぜひチェックしてみてください。

弁護士費用の相場は0円〜150万円

種類費用相場
私選弁護士60〜150万円
当番弁護人無料
国選弁護人基本無料※

弁護士費用の相場は、0円〜150円万円です。

なぜこれほど幅があるのかと言うと、弁護士の種類によって相場が異なるからです。
判決で有罪になり裁判官から訴訟費用の支払いを命じられた場合は費用がかかる。

私選弁護人は費用が高額ですが、自分で選んだ痴漢事件に強い弁護士に依頼できるため、示談成立や不起訴獲得を目指すことができます

一方、当番弁護士は無料ですが、何を得意とする弁護士が来るか分からない点や最低限の仕事しかしてくれない弁護士も多いです。国選弁護人も基本無料ですが、自分では選べません

そのため、当番弁護士同様、誰が来るか分からないのが難点です。

弁護士の費用や種類ごとの働きなどについてもっと詳しく知りたい人は、

痴漢事件は迷わず弁護士を呼べ!理由と早期に不起訴獲得した事例

こちらもぜひ参考になさってください。

痴漢で不起訴になるためには一刻も早く弁護士に依頼して示談を進めよう

痴漢で不起訴になるためには一刻も早く弁護士に依頼して示談を進めよう

先ほど、家族が痴漢で逮捕されたらまずは早急に示談を進めるべきだというお話をしました。

とはいえ、示談は当事者同士で行うと決裂する恐れがあるので、法律のプロである弁護士の力が不可欠です。なぜなら、下記4つの理由があるからです。

①警察や検察官、裁判官に対し勾留を阻止するために尽力してくれるから

②逮捕された夫や息子へ伝言や差し入れ、取り調べのコツを伝えてくれるから

③被害者の連絡先を入手して示談できるように持ち込んでくれるから

④起訴されたとしても前科がつかないように戦ってくれるから

上記4つのサポートを受けるためには、今すぐに弁護士に依頼しましょう。

悩んでいる間に事件はどんどん進んでいき、勾留されたり起訴されてしまうリスクがあります。

それぞれについて詳しく説明していきますので、下記の記事もみつつ、ぜひ参考にしてください。

警察や検察官、裁判官に対し勾留を阻止するために尽力してくれるから

痴漢で逮捕された後、早急に弁護士に依頼すれば、勾留を阻止するために動いてもらえます。

具体的には弁護士が、警察や検察官、裁判官に対し、家族が勾留要件を満たさない旨の意見書を提出します。※勾留要件

勾留は、検察官から勾留請求を受けた裁判官が、次の要件を元に判断する

・逃亡や証拠隠滅の恐れがある

・身元引受人がいない

・住居不定である

弁護士の動き次第では、勾留請求前であれば「早期釈放」、勾留請求の後でも意見書を提出して準抗告という手続きを行うことで、身柄が釈放される可能性があるのです。

1.痴漢で逮捕された後の流れでもお話した通り、痴漢で逮捕されるとすぐに事情聴取が始まり勾留されるかどうかが決められていきます。

逮捕から勾留まで、最大でも72時間しかありません

勾留されると10日〜20日間身柄を拘束されることになるので、学校や会社を長期間休むことになります。

会社の規約によっては、この段階で解雇になるケースもあります。

また、周囲から憶測で噂がたったり、通常の生活に戻りにくくなってしまうリスクがあるため、早期に弁護士に依頼をして勾留を回避する必要があるのです。

逮捕された夫や息子へ伝言や差し入れ、取り調べのコツを伝えてくれるから

早期に弁護士に依頼をしていれば、逮捕されて身柄を拘束されている家族に伝言や差し入れ、取り調べのコツを伝えてもらえます。

逮捕されてしまうと例え家族であっても面会することはできませんが、弁護士なら家族と接見することが法的に認められているのです。そこで弁護士から家族に、次のような伝達をすることができます。

・「家族は軽蔑していないから大丈夫」、「会社にはちゃんと戻れるから安心して」といった伝言

・要望があれば不安を紛らわすための本や雑誌などを差し入れ

・精神的な疲労からひどく憔悴しているといった家族の様子

・「もし釈放されても家族に会うのが怖い」「会社にバレたらどうしよう」というような家族の不安

さらに、痴漢の取り調べは非常に過酷です。「一旦認めたら家に帰れますよ」などといわれ、中には自分に不利な証言をしてしまう人もいます。一度不利な証言をしてしまうと後で覆すのはかなり厳しいので、できるかぎり避けなければなりません。弁護士がいれば、家族に次のような取り調べのコツを教えてもらえます。

・取り調べの拒否をしない

・黙秘権も使えるが完全黙秘を続けると勾留請求の対象になる可能性がある

・事実であることは認め、反省している態度を見せる

・取り調べの調書の中に事実ではない内容がある場合は訂正を申し出るか署名を拒否できる

痴漢事件において、誰がどう見ても明確な証拠がすぐに出てくることは極めて稀です。そのため、被害者証言や家族の自白などが重要視されるので、長引く取り調べの中では高圧的な態度で聴取を受ける可能性が大いにあります。

だからこそ弁護士のサポートを全面に受けて、家族の身を守っていく必要があるのです。

被害者の連絡先を入手して示談できるように持ち込んでくれるから

弁護士なら、被害者の連絡先を速やかに入手して、示談交渉を進めてくれます。

そもそも、加害者本人や加害者家族は被害者の連絡先を入手できません。被害者は当然教えてくれませんし、警察も教えることはないからです。もし入手できたとしても、自力で示談交渉を進めると、下記のようなリスクがあります。

・被害者の感情を刺激してしまい交渉が決裂する

・示談金が法外な金額に跳ね上がる可能性もある

一方、弁護士なら示談交渉にも慣れているので、被害者の気持ちや状況にしっかり寄り添い、相手弁護士とのやり取りでも適切な対応をとりながら示談を成立させることができるでしょう。

スムーズに示談を進めるためにも、被害者との示談は必ず弁護士に依頼しなければならないのです。

起訴されたとしても前科がつかないように闘ってくれるから

もし、起訴されてしまっても、弁護士がついていれば、前科がつかないように戦ってくれます

法律の知識を最大限に生かして、あなたやあなたの家族が不利にならないよう対策を講じてくれるからです。具体的には、次のような弁護活動を行います。

・犯行当時の電車内の混雑状況の確認

・加害者と被害者の位置関係

・謝罪文や反省文、今後の行動制約などの取り決めを行い加害者の反省を全面的に伝える

ただ、現在の日本では、起訴されれば99%以上の確率で有罪になると言われています。

そのため、無罪を勝ち取るのは決して簡単なことではありません。

そこで、起訴された場合の最もダメージが少ない結果は「執行猶予付き」の判決です。

前科はついてしまいますが、刑務所に行かなくても良いので、社会生活に戻ることができます。

【執行猶予がつく条件(一例)】

・3年以下の懲役

・50万年以下の罰金

・示談が成立している

・家族が反省していて二度と犯行を起こさないという決意が見られる

上記のようなポイントに導くことで、家族のダメージを極力少なくできるよう尽力していきます。

痴漢に強い弁護士を選ぶポイント痴漢に強い弁護士を選ぶポイント

ここまで、痴漢事件で弁護士を頼むべき理由や費用相場をお話してきました。

「一刻も早く弁護士に依頼しなければ」と焦る気持ちを抑えきれない人も多いのではないでしょうか。

ただ、痴漢事件で弁護士を依頼する場合、誰でも良いというわけではなく、痴漢事件に強い弁護士を選ばなければなりません

弁護士にも得意分野があるので、痴漢にあまり詳しくない弁護士を選んでしまうと早期釈放や不起訴を獲得できなくなってしまいます具体的には、次の3つのポイントを押さえましょう。

①痴漢事件で不起訴を勝ち取った実績が豊富な弁護士を選ぶ

②迅速に対応してくれる弁護士を選ぶ

③24時間365日、全国対応で相談を受け付けている弁護士を選ぶ

上記3点を押さえれば、痴漢事件に強い弁護士に出会うことができ、あなたの家族の未来を守ることができるでしょう。

3つのポイントについてさらに詳しくお話ししていきますので、参考にしてください。

痴漢事件で不起訴を勝ち取った実績が豊富な弁護士を選ぶ

痴漢に強い弁護士を選ぶためには、これまでに痴漢事件で不起訴を勝ち取った実績が豊富にあるかをチェックしましょう。

実際に不起訴を獲得した経験がたくさんあれば、さまざまなケースに対応できる実力がある弁護士だと言えるからです。痴漢事件の実績をチェックする際は、弁護士のHPなどに掲載されている数字だけでなく「解決事例」までしっかり読むようにしてください。

前科や余罪があったり、再犯を繰り返しているような難しいケースでも解決しているかがポイントです。

さらに、痴漢事件にもさまざまなケースがあります。痴漢した場所や状況、痴漢の程度などが自分の家族のケースに似ている事件を解決した実績があれば、なお安心です。

迅速に対応してくれる弁護士を選ぶ

痴漢事件に強い弁護士は、迅速に対応してくれます。対応が早ければ早いほど弁護士ができることが増えるので、示談をスムーズに進め、勾留や起訴を避けられる可能性が高まるからです。

依頼してから数時間で動いてくれる弁護士もいるので、着手までのスピード感は必ずチェックしておきましょう。1.痴漢で逮捕された後の流れでもお話しした通り、痴漢で逮捕された後は警察や検察の刑事手続が早く進むため、一刻の猶予もありません。

弁護士のHPなどに、「スピード対応」などの売りがあるかをチェックしましょう。

24時間365日、全国対応で相談を受け付けている弁護士を選ぶ

痴漢に強い弁護士は、24時間365日、全国対応で相談できる体制を整えています。いつどこで痴漢事件が起こり、当事者になってしまうか誰にも予測はつかないからです。

早朝や深夜、休日でも痴漢事件は起こり得ます。何度もお話ししていように、痴漢事件は逮捕されたら一刻の猶予も許さないので、困ったらすぐに相談できる弁護士でなければ務まりません。痴漢事件を依頼する弁護士を選ぶ際は、必ず相談体制が24時間365日全国対応であるかを確認するようにしましょう。

痴漢で逮捕された家族を守るために「グラディアトル法律事務所」は全力で闘います。

痴漢で逮捕された家族を守るために「グラディアトル法律事務所」は全力で闘います

大切な家族が痴漢で逮捕され、今後の生活や家族の未来を守りたいのなら、性犯罪に強い「グラディアトル法律事務所」にお任せください私たちが当事務所を強くおすすめする理由は、次の3つです。

①性犯罪に強く、痴漢事件を解決に導いた豊富にある

②24時間365日対応でスピーディーに解決できるノウハウがある

③前科や余罪があるような難しい痴漢事件でもスムーズに解決できる実力があるから

上記のように、当事務所なら、あなたの夫や息子に前科がつかないよう、早期の示談成立や釈放、不起訴を獲得するために全力でサポートしていきます。

3つのポイントについて詳しく説明していきますので、ぜひ弁護士事務所選びの参考にしてください。

性犯罪に強く、痴漢事件を解決に導いた豊富にある

当事務所は性犯罪に強く、数々の事件を解決に導いてきました。痴漢事件の解決実績も豊富にあり、依頼者が望む未来に可能な限り近づけるノウハウを身につけています。当事務所は、例えば下記のように痴漢事件を解決してきました。

・酔って路上痴漢、現行犯逮捕されるものの、示談成立で不起訴獲得

・逮捕から2日で釈放、不起訴獲得

・痴漢冤罪事件で否認、早期釈放不起訴処分

数々の事案を解決に導けるのは、私たちが痴漢トラブルに強い弁護士事務所だからです。

被害者はもちろん、被害者の家族や担当弁護士とも円滑なコミュニケーションを図り、痴漢被害にあってしまった心情をしっかりくみ取りながらも、依頼者の未来のために怯まず闘っていきます。

実績豊富で痴漢トラブルに強い私たちだからこそ、痴漢事件で被疑者となってしまったあなたやあなたの家族へのダメージを、最小限に抑えることができるのです。

24時間365日対応でスピーディーに解決できるノウハウがある

当事務所は、いつどこで起こるか分からない痴漢事件に対応するため、24時間365日全国対応できるノウハウを持っています。

実際に、痴漢で逮捕された家族からの相談の電話から、約2時間後に被疑者の元に駆けつけたこともあるのです。何度もお話している通り、痴漢事件はどれだけ早く弁護士に依頼できるかで、その後の流れや結果が大きく変わってきます。そのため、「家族が痴漢で逮捕されて相談したいけど弁護士事務所に電話が繋がらない…」という事態は絶対に避けなければならなりません。相談から解決までスピーディーに対応できるノウハウを持っている私たちなら、ある時突然被疑者や被疑者の家族になってしまったあなたのために、いつでも相談を受け付ける体制を整えています。

前科や余罪があるような難しい痴漢事件でもスムーズに解決できる実力がある

私たちは、単に痴漢事件を解決してきた実績があるだけでなく、前科や余罪があるような難しい痴漢事件でもスムーズに解決してきました。例えば、当事務所が解決した難事件は次の通りです。

【被疑者】

18歳男性

【事件内容】

スーパーマーケット内で女子中学生のスカートをめくった容疑で逮捕。事情聴取の際に、他にも5〜6件の痴漢をしていた旨を自白した(余罪あり)

【弁護活動、結果】

現場状況や証拠について徹底的に調査し、示談金なく釈放、不起訴となる

ほかにも、被害者に怪我をさせてしまい「不同意わいせつ致傷罪」で逮捕されたというような事例でも、示談や執行猶予を勝ち取ってきました。

難しい事例でも最高の結果を手にできるのは、私たちが痴漢トラブルに強い弁護士事務所だからです。

痴漢事件に限らず多くの刑事事件を解決に導く中で、被害者はもちろん、被害者の家族や担当弁護士とも円滑なコミュニケーションを図り、痴漢被害にあってしまった心情をしっかりくみ取りながらも、依頼者の未来のために怯まず戦っていきます。

まとめ

いかがでしたか?痴漢で逮捕された後の流れや、前科がつかないようにする方法などを詳しく説明してきました。最後にこの記事をまとめましょう。◎痴漢で逮捕された後の流れは次の通り

◎痴漢で逮捕された後の流れは次の通り

①逮捕

②身体拘束(勾留)

③起訴or不起訴

④裁判で判決か略式起訴で罰金

◎痴漢で逮捕された後にすべきこと3つ

①痴漢事件で不起訴を勝ち取った実績が豊富な弁護士を選ぶ

②迅速に対応してくれる弁護士を選ぶ

③24時間365日、全国対応で相談を受け付けている弁護士を選ぶ

◎痴漢で逮捕されたら一刻も早く弁護士に依頼するべき理由4つ

①警察や検察官、裁判官に対し勾留を阻止するために尽力してくれるから

②逮捕された夫や息子へ伝言や差し入れ、取り調べのコツを伝えてくれるから

③被害者の連絡先を入手して示談できるように持ち込んでくれるから

④起訴されたとしても前科がつかないように戦ってくれるから

◎痴漢示談金の相場と弁護士費用の目安は次の通り

【痴漢事件の示談金相場】

罪名示談金相場
迷惑行為防止条例違反30万円〜50万円
不同意わいせつ罪50万円〜150万円

【痴漢事件の弁護士費用の目安】

種類費用相場
私選弁護士60〜150万円
当番弁護人無料
国選弁護人基本無料※

判決で有罪になり裁判官から訴訟費用の支払いを命じられた場合は費用がかかる※裁判で有罪判決になった場合は訴訟費用の負担を言い渡される可能性もある

◎痴漢に強い弁護士を選ぶポイントは3つ

①痴漢事件で不起訴を勝ち取った実績が豊富な弁護士を選ぶ

②迅速に対応してくれる弁護士を選ぶ

③24時間365日、全国対応で相談を受け付けている弁護士を選ぶ

以上になります。痴漢で逮捕されると、事情聴取や勾留、起訴…と、あなたが思っているよりも早く事態が進んでいきます。

大切な家族に前科がつかないようにするためにも、一刻も早く弁護士に依頼することが必要です。

あなたがこの記事を読み終わったらすぐに痴漢に強い弁護士に依頼し、あなたの大切な家族に前科がつかず、事件前のような平穏な日々を取り戻せることを願っています。

弁護士 若林翔

弁護士法人グラディアトル法律事務所代表弁護士。 東京弁護士会所属(登録番号:50133) 男女トラブルや詐欺、消費者被害、誹謗中傷など多岐にわたる分野を手掛けるとともに、顧問弁護士として風俗やキャバクラ、ホストクラブなど、ナイトビジネスの健全化に助力している。

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