「危険ドラッグで逮捕されるとどのような罪に問われる?」
「危険ドラッグで逮捕されるとどのようなリスクが生じる?」
「危険ドラッグで逮捕されたとき弁護士に依頼すると何をしてくれる?」
危険ドラッグとは、覚醒剤や麻薬に類似した化学物質が含まれる違法薬物です。以前は、「脱法ドラッグ」や「合法ハーブ」などと呼ばれていましたが、2014年7月に国が名称を公募して、「危険ドラッグ」という名称になりました。
危険ドラッグは、あたかも人体に無害かのような形で販売されることもありますが、心身に重大な健康被害を生じさせ、最悪のケースでは死に至ることもあることから、医薬品医療機器等法、関税法、薬物の濫用防止に関する条例などで規制されていますので、危険ドラッグの所持や使用などがあると逮捕される可能性もあります。
本記事では、
・危険ドラッグで逮捕された場合に問われる可能性のある罪 ・危険ドラッグで逮捕された場合に生じるリスク ・危険ドラッグで逮捕されたときの弁護方針 |
などについてわかりやすく解説します。
危険ドラッグに関する罪は、覚醒剤や大麻のような薬物犯罪の一種ですので、危険ドラッグで逮捕されたときは、すぐに薬物犯罪に強い弁護士に相談・依頼するようにしてください。
目次
危険ドラッグで逮捕された場合に問われる可能性のある罪
危険ドラッグで逮捕された場合に問われる可能性のある罪としては、以下のようなものがあります。
根拠法令 | 行為 | 法定刑 |
---|---|---|
医薬品医療機器等法 | 指定薬物の製造、輸入、販売、授与、所持、購入、譲受、使用 | 3年以下の懲役または300万円以下の罰金※併科あり |
指定薬物を業として製造、輸入、販売、授与または販売・授与の目的で貯蔵、陳列 | 5年以下の懲役または500万円以下の罰金※併科あり | |
関税法 | 指定薬物の輸入 | 10年以下の懲役または3000万円以下※併科あり |
薬物の濫用防止に関する条例違反 | 知事指定薬物を販売、授与または販売・授与の目的で所持 | 1年以下の懲役または50万円以下の罰金 |
知事指定薬物を販売・授与の目的で広告、知事指定薬物を所持、購入、譲受、使用 | 6か月以下の懲役または30万円以下の罰金 |
医薬品医療機器等法違反|危険ドラッグの製造、輸入、販売、授与、所持、購入、譲受、使用
医療品医療機器等法では、指定薬物の製造、輸入、販売、授与、所持、購入、譲受、使用を禁止しており、これらの行為をした場合には、3年以下の懲役または300万円以下の罰金に処せられます(併科あり)。
また、指定薬物を業として製造、輸入、販売、授与または販売・授与の目的で貯蔵、陳列した場合には、5年以下の懲役または500万円以下の罰金が科されます(併科あり)。
なお、「指定薬物」とは、麻薬的な作用をする可能性が高く、かつ人の身体に使用された場合に保健衛生上の危害が発生するおそれがあるもので、厚生労働大臣が指定するものをいいます。いわゆる危険ドラッグと呼ばれるものも指定薬物に含まれています。
関税法違反|危険ドラッグの輸入
医薬品医療機器等法で規制されている「指定薬物」を輸入した場合、関税法違反となり、10年以下の懲役または3000万円以下の罰金に処せられます(併科あり)。
たとえば、インターネットで海外の通販サイトから指定薬物を購入し、輸入すると関税法違反で逮捕される可能性があります。
薬物の濫用防止に関する条例違反|危険ドラッグの製造、栽培、販売、授与、所持
医薬品医療機器等法で規制されている「指定薬物」に該当しないものであっても、同じような危険性を有するものとして知事が指定した薬物を製造、栽培、販売、授与、所持すると、薬物の濫用防止に関する条例違反として逮捕される可能性があります。
条例の内容は、各都道府県によって若干異なりますが、東京都では、「東京都薬物の濫用防止に関する条例」を制定しており、知事指定薬物を販売、授与または販売・授与の目的で所持した場合、1年以下の懲役または50万円以下の罰金が科されます。
また、知事指定薬物を販売・授与の目的で広告、知事指定薬物を所持、購入、譲受、使用すると6か月以下の懲役または30万円以下の罰金に処せられます。
危険ドラッグでの逮捕事例

以下では、危険ドラッグで逮捕された実際の事例を紹介します。
指定薬物「HHC」を所持した疑いで会社役員の男性を逮捕
長岡警察署、県警国際・薬物銃器対策課は、新潟県見附市本所在住の会社役員の男性(41歳)を医薬品医療機器等法違反の疑いで逮捕しました。
逮捕された男性は、新潟県長岡市内の屋内において、法律上所持などが禁止されている指定薬物「HHC(ヒドロキシヘキサヒドロカンナビノール)」0.599グラムを、医療などの用途以外に使用するために所持した疑いがもたれています。
逮捕された男性が所持していた「HHC」とは、大麻由来成分の「カンナビノイド」を化学的に加工した薬物で、使用することで大麻を摂取した時に似た感覚をもたらす作用がある「危険ドラッグ」の1つにあたり、2022年3月17日付で危険ドラッグとして規制対象に加えられていたものになります。
警察に会社役員の男性(41歳)がHHCを使用している可能性があるという情報提供があり、容疑が浮上。その後、警察による捜査の結果、逮捕に至りました。
逮捕された男性は「違法薬物であるHHC入りリキッドのアドマイザーを所持していたのは間違いありません」と供述しており、容疑を認めているという。
(引用:にいがた経済新聞)
【危険ドラッグ入りリキッドを所持か】指定薬物「HHC」を所持した疑いで会社役員の男性(41歳)を逮捕(新潟県長岡市)
危険ドラッグの所持で医師らが逮捕
危険ドラッグを持っていたとして、警視庁は、医療法人社団理事長の医師(50)ら2人を医薬品医療機器法違反(所持)の疑いで逮捕しました。
組織犯罪対策5課によると、2人は、JR高崎駅で、医療以外の目的で所持を禁じられた指定薬物を含む粉末や植物片約10グラムを持っていた疑いがもたれています。
(引用:朝日新聞)
危険ドラッグ所持、容疑の医師ら逮捕
大麻グミ所持の疑いで危険ドラッグ店経営の女性を逮捕
指定薬物を含む大麻グミを所持したとして、九州厚生局麻薬取締部は、大分市で危険ドラッグ店を経営する20歳代の女を医薬品医療機器法違反容疑で逮捕しました。
逮捕された女は、同店で、大麻類似成分で指定薬物のHHC(ヘキサヒドロカンナビノール)を含むグミ約68グラムを所持した疑いがもたれています。
大麻グミを巡っては、大阪市の食品会社「WWE」が製造した大麻グミを食べて体調不良を訴える人が相次ぎ、グミから検出された合成化合物「HHCH(ヘキサヒドロカンナビヘキソール)」を厚生労働省が指定薬物に指定し、販売や所持、使用を禁じています。
(引用:読売新聞オンライン)
「大麻グミ」68グラム所持疑い、危険ドラッグ店経営の女逮捕…「WWE」製造か
危険ドラッグで逮捕された場合の流れ

危険ドラッグで逮捕された場合、以下のような流れで手続きが進んでいきます。
警察による取り調べ
危険ドラッグで逮捕されると警察署に連行されて、警察による取り調べを受けます。
警察による取り調べで供述した内容は、供述調書という書面にまとめられ、後日の裁判の証拠となりますので、自分の供述が調書に反映されているかどうかしっかりと確認するようにしましょう。
なお、逮捕には時間制限がありますので、警察は、被疑者を逮捕したときから48時間以内に被疑者の身柄を検察官に送致しなければなりません。
検察官送致
検察官は、被疑者に対する取り調べを行い、このまま身柄拘束を継続するかどうかを検討します。身柄拘束に必要性があると判断したときは、送致から24時間以内に裁判官に勾留請求を行わなければなりません。
勾留・勾留延長
裁判官は、被疑者に対する勾留質問を実施した上で、勾留を許可するかどうかの判断を行います。
勾留が許可されるとその時点から原則として10日間の身柄拘束が行われます。また、検察官からの勾留延長請求があり、勾留延長も許可されるとさらに最長10日間の身柄拘束が行われます。
つまり、逮捕から合計すると最長で23日間にも及ぶ身柄拘束を受ける可能性があります。
起訴または不起訴の決定
検察官は、勾留期間が満了するまでの間に、事件を起訴するか不起訴にするかの判断を行います。
危険ドラッグに関する罪で起訴されれば、99%以上の事件が有罪になりますので、実刑を回避するには執行猶予付き判決の獲得を目指していく必要があります。
危険ドラッグで逮捕された場合のリスク

危険ドラッグで逮捕されると以下のようなリスクが生じる可能性があります。
仕事を解雇されるリスク
危険ドラッグで逮捕されると最長で23日間にも及ぶ身柄拘束を受ける可能性があります。逮捕・勾留中は、外出や外部への連絡ができませんので、無断欠勤の状態が長期間続けば、仕事を解雇されてしまうリスクが高くなります。
また、危険ドラッグに関する罪で起訴されてしまうと、ほぼ確実に有罪になりますので、それが会社にバレると懲戒解雇になるリスクもあります。
このように危険ドラッグに手を出すと職を失う可能性がありますので注意が必要です。
学校を退学になるリスク
危険ドラッグは、若者を中心に蔓延していますので、未成年者が危険ドラッグに手を出すケースも少なくありません。
未成年者が危険ドラッグに手を出して逮捕されると、少年事件として扱われますので、逮捕・勾留による身柄拘束だけではなく、観護措置により鑑別所に4週間収容される可能性もあります。そうなれば約2か月間もの間、学校に行くことができなくなりますので、学業に深刻な遅れが生じ、進級や卒業にも影響が生じます。
また、学校の判断にもよりますが危険ドラッグで有罪になれば、停学や退学といった重い処分が下されるリスクもあります。
薬物依存状態になるリスク
危険ドラッグは、あたかも人体に無害かのような形で販売されていますが、実際には覚醒剤や麻薬と同じような成分が含まれていますので、使い続けていると薬物依存の状態になるリスクがあります。
このような状態になると自分の意思では危険ドラッグをやめることができず、薬を使用し続けるうちに心や体を蝕んでいき、取り返しのつかない状態になるリスクがあります。
身近な人や家族が危険ドラッグで逮捕されたときは、すぐに弁護士に相談・依頼!

身近な人や家族が危険ドラッグで逮捕されてしまったときは、すぐに弁護士に相談・依頼するようにしてください。弁護士に依頼すれば、以下のような弁護活動によってサポートしてもらうことができます。
早期に面会を行い取り調べに対するアドバイス
危険ドラッグで逮捕されると、警察による厳しい取り調べを受けることになります。適切な知識がない状態で取り調べを受けると、警察官の誘導に乗ってしまい不利な供述調書が作成されるリスクがあります。
これを避けるには、逮捕後すぐに弁護士と面会することが有効な手段です。
取り調べには弁護士が立ち会うことができませんので、被疑者自身で対応しなければなりません。しかし、弁護士から取り調べに対するアドバイスをしてもらえれば、被疑者自身でも適切に対応できますので、不利な調書をとられるリスクを最小限に抑えることができます。
保釈請求による身柄の解放
危険ドラッグに関する罪で起訴された後であれば、保釈請求により身柄解放を実現することができます。
保釈請求にあたっては、身元引受人や保釈金の手配が必要になりますが、弁護士に依頼すれば捜査段階から保釈請求の準備を行ってもらうことができますので、起訴後速やかに保釈請求を行い、迅速に身柄を解放してもらうことができます。
薬物依存を克服するための環境調整
危険ドラッグで起訴されてしまうとほとんどの事件が有罪になりますので、執行猶予付き判決を獲得できるかどうかが重要なポイントになります。
薬物事件に強い弁護士であれば、薬物依存を克服するための医療機関や自助グループを紹介してもらうことができますので、適切な治療や支援により薬物依存を克服できる可能性が高くなります。
また、このような薬物依存の治療や支援に取り組んでいるという事情は、裁判においても有利な事情として考慮してもらうことができますので、執行猶予付き判決を獲得できる可能性が高くなります。
贖罪寄付
危険ドラッグに関する事件は、被害者の存在しない犯罪です。一般的な犯罪であれば被害者と示談をすることで執行猶予の可能性を高めることができますが、覚醒剤事件ではそれができません。
しかし、弁護士会や被害者支援団体などに寄付をするという「贖罪寄付」を行うことにより、反省の気持ちを示すことが可能です。被告人が反省しているという事情は、執行猶予付き判決を獲得するためにプラスに作用する事情になりますので、執行猶予の可能性を高めるためにも、贖罪寄付を検討してみるとよいでしょう。
危険ドラッグで逮捕されたときはすぐにグラディアトル法律事務所に相談を

覚醒剤や大麻などの薬物事件では、逮捕を回避するのは困難ですが、指定薬物に該当する危険ドラッグに関する事件であれば、弁護士をつけることで逮捕を回避できる可能性があります。
職務質問などで危険ドラッグを任意提出し、一旦帰宅したときは、すぐに弁護士に相談・依頼して、今後の対応を任せるべきでしょう。
グラディアトル法律事務所では、危険ドラッグなどの薬物犯罪に関する豊富な知識と弁護経験がありますので、有利な処分を獲得するためのポイントを熟知しています。逮捕の回避や早期釈放、執行猶予付き判決の獲得を希望するなら、薬物事件に強い弁護士によるサポートが不可欠となりますので、すぐに当事務所までご相談ください。
また、当事務所では刑事事件に関してスピード対応を心がけていますので、最短で即日対応が可能です。身柄拘束されている場合には、すぐに警察署に駆けつけて面会を実施しますので、一刻も早く当事務所までご相談ください。
さらに、相談は24時間365日受け付けておりますので、早朝・夜間や土日祝日であっても関係なく対応可能です。初回法律相談を無料で対応していますので、危険ドラッグに関する事件の相談をご希望の方は、当事務所までお気軽にお問い合わせください。
まとめ
厚生労働大臣が指定する指定薬物に該当する危険ドラッグを所持、使用すると医薬品医療機器等法違反として逮捕される可能性があります。また、指定薬物に該当しない危険ドラッグであっても、都道府県知事が指定する知事指定薬物に該当する場合には、薬物の濫用防止に関する条例違反で逮捕される可能性があります。
このような危険ドラッグに関する罪で逮捕されたときは、薬物犯罪に強い弁護士によるサポートが不可欠となりますので、まずはグラディアトル法律事務所までお気軽にご相談ください。