コカイン犯罪で逮捕|逮捕後の流れや家族がとるべき4つの行動を解説

コカイン犯罪で逮捕|逮捕後の流れや家族がとるべき4つの行動を解説
弁護士 若林翔
2025年03月31日更新

「コカインで逮捕されるのはどのような行為をしたとき?」

「コカインに関する犯罪で逮捕されるとどのようなリスクが生じる?」

「身近な人がコカインで逮捕されたときにとるべき行動とは?」

コカインとは、コカという植物の葉から抽出される成分を原料とした薬物で、覚醒剤と同様に神経を興奮させる作用があり、高揚感や多幸感が得られます。しかし、効果の持続時間が15~30分程度と短く、依存状態になると1日に何度も使用するようになり、人体に重大な悪影響を及ぼすリスクがあります。そのため、コカインは麻薬取締法により厳しく規制されており、コカインの製造、所持、施用、譲渡・譲受、輸出入などの行為をすると逮捕される可能性があります。

コカイン犯罪で逮捕されると、ほとんどが起訴され有罪になりますので、身近な家族がコカイン犯罪で逮捕されてしまったときはすぐに弁護士を依頼するようにしてください。

本記事では、

・コカインで逮捕される可能性のある罪と刑罰
・コカインに関する犯罪で逮捕された場合に生じるリスク
・家族がコカインに関する犯罪で逮捕されたときにとるべき4つの行動

などについてわかりやすく解説します。

コカイン犯罪で執行猶予を獲得するには、薬物犯罪に強い弁護士によるサポートが不可欠ですので、逮捕された本人に代わって、ご家族の方が弁護士に連絡するようにしましょう。

コカインで逮捕される可能性のある罪と刑罰

コカインで逮捕される可能性のある罪と刑罰

コカインは麻薬取締法により規制されている違法薬物です。麻薬取締法では、コカインに関する以下の行為を処罰対象としています。

行為態様営利目的の有無法定刑
コカインの所持、施用、譲渡・譲受営利目的なし7年以下の懲役
営利目的あり1年以上10年以下の懲役※情状により300万円以下の罰金が追加
コカインの輸入・輸出、製造営利目的なし1年以上10年以下の懲役
営利目的あり1年以上の懲役
※情状により500万円以下の罰金が追加

コカインの製造|1年以上10年以下の懲役

コカインの製造は、麻薬製造業者または麻薬製剤業者でなければ行うことができません。

これらの業者に該当しない人がコカインを製造した場合、コカインの製造罪が成立し1年以上10年以下の懲役に処せられます。

なお、営利目的でコカインの製造をした場合、刑罰が重くなり1年以上の懲役に処せられ、情状によって500万円以下の罰金が追加されることもあります。

コカインの所持|7年以下の懲役

コカインの所持は、麻薬取扱者、麻薬診療施設の開設者または麻薬研究施設の設置者でなければ行うことができません。これらに該当しない人がコカインを所持した場合、コカインの所持罪が成立し、7年以下の懲役に処せられます。

なお、営利目的でコカインの所持をした場合、刑罰重くなり、1年以上10年以下の懲役に処せられ、情状によって300万円以下の罰金が追加されることもあります。

コカインの施用|7年以下の懲役

医療用の精神刺激薬としてコカインを施用(使用)することは認められています。

しかし、そのような正当な施用方法以外でコカインを施用した場合、コカインの施用罪が成立し、7年以下の懲役に処せられます。

なお、営利目的でコカインの施用をした場合、刑罰重くなり、1年以上10年以下の懲役に処せられ、情状によって300万円以下の罰金が追加されることもあります。

コカインの譲渡・譲受|7年以下の懲役

コカインの譲渡・譲受は、麻薬営業者でなければ行うことができません。

これに該当しない人がコカインの譲渡・譲受をすると、コカインの譲渡・譲受罪が成立し、7年以下の懲役に処せられます。

なお、営利目的でコカインの譲渡・譲受をした場合、刑罰重くなり、1年以上10年以下の懲役に処せられ、情状によって300万円以下の罰金が追加されることもあります。

コカインの輸出入|1年以上10年以下の懲役

麻薬取締法により許可された人以外がコカインの輸出または輸入をすると、コカインの輸出・輸入罪が成立し、1年以上10年以下の懲役に処せられます。

なお、営利目的でコカインの輸出・輸入をした場合、刑罰が重くなり1年以上の懲役に処せられ、情状によって500万円以下の罰金が追加されることもあります。

関連コラム:麻薬で逮捕されたらどうなる?逮捕されるケースや流れ、リスクを解説

コカインに関する犯罪で逮捕された場合に生じるリスク

コカインに関する犯罪で逮捕された場合に生じるリスク

コカインに関する犯罪で逮捕された場合、以下のようなリスクが生じる可能性があります。

仕事を解雇されるリスク

コカインに関する犯罪で逮捕・勾留されると最長23日間にも及ぶ身柄拘束を受ける可能性があります。逮捕・勾留中は、当然ですが仕事に行くことはできませんので、会社を長期間欠勤することになります。このような長期間の欠勤が続けば、解雇事由に該当しますので、会社から解雇されてしまう可能性があります。

また、コカインに関する犯罪で有罪判決が確定すると、就業規則の懲戒事由に該当しますので、事案によって懲戒解雇となる可能性も否定できません。

学校を退学になるリスク

コカインに関する犯罪で逮捕されてしまうと、学校の規則や方針によっては、退学や停学などの厳しい処分を受ける可能性があります。

未成年者の犯罪だと逮捕・勾留後、観護措置がとられてさらに4週間鑑別所に収容される可能性があります。約2か月間も学校に行けない状態になりますので、退学や停学を免れたとしても、学業に遅れが生じ、進級や卒業にも深刻な影響を及ぼすリスクがあります。

薬物依存症になるリスク

コカインは、覚醒剤と同様に神経を興奮させる作用がありますが、効果の持続時間が15~30分程度と短い性質があります。そのため、より多くの快感を得るまたはつらい離脱症状を逃れるために1日に何度もコカインを使用するようになり、深刻な薬物依存の状態になる可能性が非常に高いです。

このような依存状態になると幻覚などの精神障害があらわれ、腕の中を虫が這っているかのような幻覚に襲われることもあります。また、コカインの過剰摂取は、脳卒中や心不全になるリスクもあります。

コカインに関する犯罪で逮捕された場合の流れ

コカインに関する犯罪で逮捕された場合の流れ

コカインに関する犯罪で逮捕された場合、以下のような流れで刑事事件の手続きが進んでいきます。

警察での取り調べ

コカインに関する犯罪で逮捕されると、警察署に連行され、警察による取り調べを受けます。

逮捕中は身柄拘束をされていますので、外出や外部への連絡はできず、家族であっても面会することができません。

なお、逮捕には時間制限があり、警察は、被疑者の逮捕から48時間以内に、被疑者の身柄を検察官に送致しなければなりません。

検察官への送致

検察官は、被疑者に対する取り調べを行い、引き続き身柄拘束を継続するための勾留請求をするかどうかを検討します。

検察官が身柄拘束の必要性があると判断した場合は、送致から24時間以内に裁判官に勾留請求を行わなければなりません。

勾留・勾留延長

裁判官は、被疑者に対する勾留質問を行い、勾留を許可するかどうかの判断を行います。

勾留が許可されれば、原則として10日間の身柄拘束となり、その後の勾留延長も許可されるとさらに最長10日間の身柄拘束となります。

コカインなどの薬物は簡単に証拠隠滅が図れるため、証拠隠滅を防止するために、長期間の身柄拘束が行われるケースが多いです。

起訴または不起訴の決定

検察官は、勾留期間が満了するまでの間に、起訴または不起訴の判断を行います。

コカインに関する犯罪は、略式請求の対象外ですので、起訴されればすべて正式裁判(公判請求)になり、99%以上の確率で有罪になります。

法定刑には罰金刑がありませんので実刑になれば刑務所に収監されてしまうため、それを避けるには執行猶予付き判決の獲得を目指すしかありません。

家族がコカインに関する犯罪で逮捕されたときにとるべき4つの行動

家族がコカインに関する犯罪で逮捕されたときにとるべき4つの行動

警察から家族がコカインに関する犯罪で逮捕された旨の連絡が来た場合、逮捕された本人の家族がとるべき行動としては以下の4つが挙げられます。

コカイン犯罪に詳しい弁護士に相談・依頼する

家族がコカインに関する犯罪で逮捕されてしまったときはすぐに弁護士に相談・依頼するようにしてください。その際は、コカイン犯罪に詳しい弁護士に依頼するのが重要なポイントです。

弁護士によって取り扱う分野が異なり、コカイン犯罪に不慣れな弁護士に依頼してしまうと、十分な弁護活動が期待できず、早期釈放や執行猶予付き判決の獲得が難しくなってしまいます。他方、コカイン犯罪の弁護経験や実績が豊富な弁護士であれば、過去の経験に基づき適切な弁護活動を行うことができるため、有利な処分を獲得できる可能性が高くなります。

弁護士事務所のホームページを確認し、コカイン犯罪に関する解決実績やコラムなどを掲載している弁護士であれば、コカイン犯罪に強い弁護士だといえますので、安心して任せることができるでしょう。

警察署での面会や差し入れをする

逮捕期間中は、家族であっても本人と面会することができませんが、逮捕から勾留に切り替われば、本人との面会が可能になります。

逮捕された本人は不慣れな環境で身柄拘束されて、不安を抱いていますので、面会が可能になったらすぐに会いに行ってあげてください。また、その際には、制限はありますが現金、本、衣類などの差し入れができますので、事前に警察署に確認をしてから差し入れをしてあげるとよいでしょう。

ただし、勾留に切り替わったとしても接見禁止が付いている場合には、家族でも面会することはできません。

保釈請求の際の身元引受人になる

法律上、保釈請求の際に身元引受人の存在は要件にはなっていません。

しかし、身元引受人がいないと、監督する人がいないため、逃亡や証拠隠滅のおそれがあると判断され、保釈は認められづらくなります。そのため、保釈請求をする際には、身元引受人が必要です。

本人の家族であれば身元引受人としても適任ですので、弁護士から保釈請求の際の身元引受人を頼まれたときは、引き受けるようにしてください。

薬物依存を脱するためのサポートをする

コカインは、依存性の高い薬物ですので、頻繁にコカインを施用している状態だと自分の意思だけではコカインとの関係を断ち切ることができないケースもあります。

そのような場合には、周囲の家族のサポートが不可欠になりますので、病院への治療に付き添う、普段から気にかけて接するなど薬物依存を脱するためのサポートをしてあげてください。

コカイン犯罪で逮捕されたときの弁護活動

コカイン犯罪で逮捕されたときの弁護活動

コカイン犯罪で逮捕されたときは、すぐに弁護士に依頼することが大切です。弁護士に依頼すると、主に以下のような弁護活動を行ってもらうことができます。

早期に面会をして取り調べに対するアドバイスをする

コカイン犯罪で逮捕されると警察による厳しい取り調べを受けることになりますので、知識がない状態で対応すると不利な供述調書が作成されてしまうリスクがあります。不利な供述調書があると後日の裁判で不利な判決が出てしまうおそれがありますので、取り調べには慎重に対応しなければなりません。

早期に弁護士に依頼すれば、逮捕後すぐに警察署に駆けつけて面会を行い、取り調べに対するアドバイスをしてもらうことができます。取り調べに対する適切な知識を身につけておけば、初めての取り調べであっても対応を誤るリスクが少なくなりますので、不利な供述調書が作成されてしまうリスクを回避できます。

起訴後は保釈請求による身柄解放を目指す

コカイン犯罪で起訴された後であれば、保釈請求により身柄解放を実現することが可能です。

保釈請求には、保釈金や身元引受人の手配が必要になりますが、起訴後に対応したのでは保釈されるまでに時間がかかってしまいます。コカイン犯罪に強い弁護士であれば、起訴される前の捜査段階から保釈請求の準備を進めてくれますので、起訴後迅速に保釈請求をすることが可能です。

執行猶予や減刑の獲得に向けたサポートをする

コカイン犯罪で起訴されるとほとんどの事件が有罪になってしまいますので、刑務所への収監を回避するには、執行猶予付き判決を獲得することが必要です。

弁護士に依頼すれば、再犯防止に向けた専門の医療機関での治療や薬物との関係を断ち切るための環境調整などの弁護活動により、執行猶予や刑の減軽に向けたサポートをしてもらうことができます。

少しでも有利な処分を獲得したいなら、コカイン犯罪に強い弁護士のサポートが不可欠ですので、逮捕後すぐに弁護士に依頼するようにしましょう。

関連コラム:麻薬事件を弁護士に依頼する4つのメリットと弁護士選びのポイント

コカイン犯罪で逮捕されたときはグラディアトル法律事務所に相談を

コカイン犯罪で逮捕されたときはグラディアトル法律事務所に相談を

警察から家族がコカイン犯罪で逮捕された旨の連絡を受けると、気が動転し何から手を付ければよいかわからないという方も少なくありません。そのようなときは、一旦気持ちを落ち着かせてから、グラディアトル法律事務所までご相談ください。

当事務所では、コカインなどの薬物犯罪の弁護に関する豊富な経験と実績がありますので、早期釈放や執行猶予付き判決を獲得するためのポイントを熟知しています。過去の経験に基づいて適切な弁護活動を行うことで、有利な処分を獲得できる可能性を高めることが可能ですので、コカイン犯罪の弁護は当事務所にお任せください。

また、当事務所では刑事事件に関してスピード対応を心がけていますので、最短で即日対応が可能です。身柄拘束されている場合には、すぐに警察署に駆けつけて面会を実施しますので、一刻も早く当事務所までご相談ください。

さらに、相談は24時間365日受け付けておりますので、早朝・夜間や土日祝日であっても関係なく対応可能です。初回法律相談を無料で対応していますので、コカイン事件に関する相談をご希望の方は、当事務所までお気軽にお問い合わせください。

まとめ

コカインは麻薬取締法により規制されている違法薬物ですので、コカインを所持または使用(施用)すると麻薬取締法違反で逮捕される可能性があります。

大切なご家族がコカインで逮捕されてしまったときは、すぐに弁護活動を開始する必要がありますので、一刻も早くグラディアトル法律事務所までご相談ください。

弁護士 若林翔

弁護士法人グラディアトル法律事務所代表弁護士。 東京弁護士会所属(登録番号:50133) 男女トラブルや詐欺、消費者被害、誹謗中傷など多岐にわたる分野を手掛けるとともに、顧問弁護士として風俗やキャバクラ、ホストクラブなど、ナイトビジネスの健全化に助力している。

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