児童買春の逮捕率は約21%!逮捕の可能性が高いケースや回避する方法

児童買春の逮捕率は約21%!逮捕の可能性が高いケースや回避する方法
弁護士 若林翔
2024年10月23日更新

「児童買春で逮捕される確率はどのくらい?」

「児童買春で逮捕されるきっかけとは?」

「児童買春で逮捕されるのを回避するにはどうしたらいい?」

児童買春とは、金銭などの対価を渡して18歳未満の児童と性交等をすることをいいます。

児童買春は、心身の未熟な児童が被害者となる犯罪ですので、起訴され有罪になれば5年以下の懲役または300万円以下の罰金が科される非常に重い犯罪だといえます。そのため、児童買春が発覚すれば、警察により逮捕される可能性も十分にあるといえるでしょう。

児童買春で逮捕されるとさまざまな不利益が生じますので、逮捕を回避するために適切な行動をとることが大切です。

本記事では、

・児童買春の逮捕率、勾留率、起訴率

・児童買春で逮捕されるきっかけ

・児童買春で逮捕されるのを回避する方法

などについてわかりやすく解説します。

児童買春で逮捕を回避するには、児童買春に強い弁護士のサポートが必要になりますので、早めに弁護士に相談することをおすすめします。

児童買春の逮捕率は約21%

児童買春の逮捕率は約21%

児童買春については、「児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律」(通称:児童買春・児童ポルノ禁止法)により規制されています。

2023年の検察統計によると児童買春・児童ポルノ禁止法で検挙された事件は、3149件あり、そのうち、逮捕されたのは656件でした。そのため、児童買春・児童ポルノ禁止法違反の逮捕率は約21%となります。

上記の統計には、児童買春だけではなく児童ポルノの所持や提供などの児童ポルノに関する犯罪も含まれていますので、児童買春単体の逮捕率というわけではありません。児童ポルノ単純所持などに比べると、児童買春の刑罰は重く、悪質な犯罪ですので、上記数値よりも実際の逮捕率は高いといえるでしょう。

児童買春の勾留率は約83%

児童買春の勾留率は約83%

2023年の検察統計によると、児童買春・児童ポルノ禁止法違反で逮捕され検察官に送致された件数は624件でした。そのうち、勾留請求された件数は560件で、勾留が許可された件数は、519件でした。

そのため、逮捕から勾留に切り替わった割合は約83%、勾留請求があった事件のうち勾留が許可された割合は約93%となります。

逮捕による身柄拘束は最長で72時間ですが、勾留が許可されると勾留延長も合わせて最長で20日間の身柄拘束となります。上記の統計結果からは、児童買春で逮捕されるとほとんどのケースが勾留となり長期の身柄拘束を受けていることがわかります。

児童買春の起訴率は約70%

児童買春の起訴率は約70%

2023年の検察統計によると、児童買春・児童ポルノ禁止法違反で起訴された事件は1572件あり、不起訴となった事件は683件でした。そのため、児童買春で検挙されると、約70%の事件が起訴されてしまうことがわかります。
また、起訴された事件の内訳をみると公判請求が477件、略式命令請求が1095件ですので、約70%の事件が略式命令請求による罰金刑で終了していることになります。

 

児童買春で逮捕される4つのきっかけ

児童買春で逮捕されるきっかけには、主に以下の4つが考えられます。

児童買春で逮捕される4つのきっかけ

サイバーパトロール

児童買春は、X(旧Twitter)やInstagramなどのSNSへの投稿がきかっけになることがあります。若年者層がよく利用するツールですが、警察では、援助交際やパパ活の掲示板だけでなく、このようなSNSなどもサイバーパトロールでチェックしています。

被害児童によるSNSへの投稿から児童買春が発覚すると、当該児童と性行為をした人物が特定され、逮捕に至ることがあります。

児童の親からの通報

児童買春では、被害児童が金銭などの対価をもらって性交等を行いますので、被害児童は、年齢にふさわしくない大金を手に入れることになります。

被害児童がブランド品の購入や高価なアクセサリーなどを身につけていると、不審に思った親が子どもを問い詰めて売春行為が発覚することがあります。

児童の補導

売春行為を行う児童は、深夜に繁華街を徘徊していることも多く、巡回していた警察官により補導されることがあります。補導された後の警察官とのやり取りで、児童買春の疑いが生じると、スマートフォンなどが調べられて、児童買春の相手が特定されるケースもあります。

児童買春で捕まらないよう十分に注意していたとしても、関係を持った未成年者の安易な言動により児童買春が発覚することがありますので注意が必要です。

職務質問

未成年者と一緒にホテル街を歩いているところを警察官に発見されると、児童買春を疑われて職務質問をされてしまいます。お互いの関係をうまく説明できなければ、事情聴取のために警察署への任意出頭を求められ、そのまま逮捕となることもあります。

児童買春で逮捕される可能性の高い4つのケース

児童買春で逮捕されるには、逃亡のおそれまたは証拠隠滅のおそれが必要になります。そのため、以下の4つのケースについては、児童買春で逮捕される可能性が高いでしょう。

児童買春で逮捕される可能性の高い4つのケース

複数の児童と売春をしているケース

複数の児童と売春をしている場合、被害児童ごとに児童買春の罪が成立しますので、被害児童が増えれば増えるほどより重い罪で処罰される可能性が高くなります。

罪が重くなればそれを免れるために逃亡する可能性が生じますので、被害者が1人のケースよりも複数人いる事案の方が逮捕される可能性が高いといえます。

同一の児童と長期間にわたって売春を繰り返しているケース

被害者が1人であっても、その被害者と長期間にわたって売春を繰り返しているようなケースも悪質性の高い事案といえます。

特定の児童と繰り返し売春をしているケースでは、被害児童とある程度親密になっていますので、被害児童と口裏を合わせたり、証拠となるメッセージを削除するなどの証拠隠滅行為に及ぶ可能性が高いため、証拠隠滅を防ぐために逮捕される可能性があります。

性行為の様子を撮影していたなど他の犯罪にも該当するケース

児童と性行為をする際に隠しカメラを設置するなどして、性行為の様子を撮影すると、児童買春の罪だけではなく性的姿態等撮影罪も成立します。

このように複数の犯罪が成立するケースでは、重い刑罰が科される可能性がありますので、それを避けるために逃亡する可能性があります。また、性的姿態等撮影罪は、撮影データを処分することで容易に証拠隠滅ができてしまいますので、証拠隠滅のおそれが高い犯罪といえます。

そのため、このようなケースでは逮捕される可能性が高いでしょう。

前科があり逃亡のおそれが高いケース

前科がある人は、初犯の人に比べて重い刑罰が科される傾向にあります。特に、執行猶予中だと執行猶予が取り消される可能性がありますので、刑務所に収容されるのを避けるために、逃亡する可能性があります。

そのため、児童買春をした被疑者に前科がある場合には、逃亡されるのを避けるために逮捕される可能性があるといえます。

児童買春で逮捕された場合の影響

児童買春で逮捕されるとどのような影響が生じるのでしょうか。以下では、児童買春で逮捕された場合の影響を説明します。

児童買春で逮捕された場合の影響

実名報道のリスク

児童買春で逮捕された場合、すべての事件が報道されるわけではありませんが、事件の性質や被疑者の職業・地位などを踏まえた上で報道機関の判断により実名報道されるリスクがあります。

児童買春での逮捕が実名で報道されると、性犯罪者としてのレッテルを貼られた状態で今後生活していかなければなりませんので、非常に息苦しい生活を強いられることになるでしょう。将来、就職や結婚する際にも児童買春の罪を犯したということがネックになり、不採用や破談に至る可能性も否定できません。

職場を解雇されるリスク

仕事をしている人であれば、児童買春で逮捕されると、そのことを理由に職場を解雇されてしまうリスクがあります。

実名報道されなければ会社にバレる心配はないと考えるかもしれませんが、児童買春で逮捕されるとその後勾留される可能性が高く、最長で23日間にも及ぶ身柄拘束を受けることになります。そうすると長期間会社を休むことになりますので、隠し通すことは難しく、児童買春による逮捕が知られてしまうでしょう。

周囲の人からの信用を失うリスク

近年、性犯罪が厳罰化されているなど性犯罪に対しては非常に厳しい目で見られる傾向にあります。児童買春も性犯罪の一種ですので、逮捕されたことが知られると、周囲の人からの信用を失うリスクがあります。

家族からの信頼を失えば離婚に至る可能性もありますし、友人も離れて行ってしまう可能性があります。また、家族も職場や学校などで好奇の目にさらされるリスクがあります。自分が犯した罪であれば自業自得といえますが、自分の犯罪により家族にも迷惑をかけてしまうリスクもありますので、そのことをしっかりと理解しておきましょう。

児童買春で逮捕されるのを回避する方法

児童買春で逮捕されるのを回避するには、以下のような方法が考えられます。

児童買春で逮捕されるのを回避する方法

被害者の親との示談

捜査機関に児童買春が発覚する前に、被害者の親と示談を成立させることができれば、刑事事件に発展するのを防ぐことができます。また、仮に捜査機関に発覚したとしても、早期に示談をまとめることができれば、逮捕・起訴されるのを防ぐことが可能です。

ただし、加害者本人では、示談を試みようとしても被害者側から拒絶されるリスクが高いため、示談交渉をするなら弁護士に依頼するのがおすすめです。示談交渉に慣れた弁護士であれば、被害者側の処罰感情にも配慮しながら交渉を進めることができますので、示談をまとめられる可能性が高くなります。

 

自首

児童買春をしてしまった場合、捜査機関に発覚する前に自首をすることで逮捕のリスクを減らすことができます。なぜなら、自首は、自ら犯罪事実の申告をする行為ですので、逃亡のおそれや証拠隠滅のおそれがないと判断されやすい傾向があるからです。

ただし、自首をすれば絶対に逮捕されないというわけではありませんので、自首をするかどうかは慎重に判断することが重要です。

 

弁護士に相談

児童買春は、非常に重い犯罪ですので、捜査機関に発覚すれば逮捕される可能性も十分にあります。逮捕を回避するには、専門家である弁護士の協力が不可欠となりますので、早めに弁護士に相談するようにしましょう。

弁護士に相談をすれば、被害者の親との示談交渉や自首同行により逮捕のリスクを下げてもらうことができます。また、今後万が一逮捕されることになっても、あらかじめ弁護士に相談をしていれば、迅速に対応してもらうことができますので安心です。

児童買春で弁護士に依頼するメリット5つと弁護士選びのポイント3つ

児童買春で逮捕された場合の手続きの流れ

児童買春による逮捕は、現行犯逮捕よりも後日逮捕のケースが圧倒的に多いです。以下では、児童買春で逮捕された場合の手続きの流れについて説明します。

児童買春で逮捕された場合の手続きの流れ

逮捕

児童買春で逮捕されると警察署内の留置施設で身柄拘束をされ、警察官による取り調べを受けます。逮捕には時間制限がありますので、被疑者を逮捕した警察では、48時間以内に検察官に被疑者の身柄を送致しなければなりません。

検察官送致

警察から被疑者の身柄の送致を受けた検察官は、自ら取り調べを行い、送致から24時間以内に勾留請求するかどうかの判断をしなければなりません。

引き続き被疑者の身柄を拘束する必要性があると判断すると、検察官は、裁判官に勾留請求を行います。

勾留・勾留延長

勾留請求を受理した裁判官は、被疑者に対する勾留質問を実施し、勾留を認めるかどうかの判断を行います。裁判官が勾留を許可するとそこから原則として10日間の身柄拘束を受けることになります。

なお、勾留には延長制度がありますので、裁判官が勾留延長を許可するとさらに最長10日間の身柄拘束をうけることになります。

起訴または不起訴

検察官は、勾留期間が満了する前に事件を起訴するか、不起訴にするかの決定を行います。事件が起訴されれば裁判が行われることになりますが、不起訴になればその場で釈放され前科が付くこともありません。

【Q&A】児童買春での逮捕に関するよくある質問

以下では、児童買春での逮捕に関するよくある質問とその回答を紹介します。

児童買春での逮捕に関するよくある質問

家族が児童買春で逮捕されてしまったらどうすればよい?

家族が児童買春で逮捕されてしまったときは、すぐに弁護士に相談するようにしてください。

逮捕中は、家族であっても面会することができず、被疑者と面会できるのは弁護士に限られます。弁護士に依頼すれば、早期の身柄解放を実現できる可能性がありますので、できる限り早く弁護士に相談することが大切です。

児童買春で逮捕後、釈放されたけど、今後どうなるの?

児童買春で逮捕後、釈放されたからといって無罪放免になったわけではありません。釈放されたのは、身柄拘束の必要性がなくなったからであり、今後検察官により、起訴または不起訴の判断が行われます。

検察官による起訴処分を回避するには、釈放後すぐに被害者との示談交渉を開始する必要がありますので、早めに弁護士にご相談ください。

相手が未成年者であると知らなければ罪に問われない?

児童買春の罪は、相手が未成年者であることを知った上で性交等を行うことで成立する犯罪です。そのため、相手が未成年者であることを知らなければ児童買春の罪に問われることはありません

しかし、客観的状況から18歳未満だと知らなかったはずがないといえる場合には、「18歳未満だと知らなかった」と主張しても罪に問われる可能性があります。

※「18歳未満 知らなかった」にリンク

対価がお金でなければ児童買春にあたらない?

児童買春の「対償」は、金銭に限らず性交等の見返りとして渡される一切の利益を指します。

そのため、性交等の対価としてお金を渡していなかったとしても、食事代を支払った、洋服をプレゼントしたなどの事情があり、それが性交等の見返りと評価できれば、児童買春が成立します。

児童買春による逮捕が心配な方はグラディアトル法律事務所に相談を

児童買春による逮捕が心配な方はグラディアトル法律事務所に相談を

児童買春は、児童に対する性的虐待や性的搾取が行われる非常に悪質な犯罪です。法定刑も5年以下の懲役または300万円以下の罰金という非常に重い刑罰が予定されていますので、児童買春が捜査機関に発覚すると逮捕される可能性も十分にあります。

児童買春で逮捕されると性犯罪という性質上、日常生活にさまざまな不利益が生じることになりますので、早期に弁護士に相談をして逮捕を回避するための弁護をしてもらう必要があります。

ただし、弁護士の能力は、これまでの経験によって大きく左右されますので、少しでも有利な処分を獲得するには、その分野の経験と実績が豊富な弁護士に依頼するのが大切です。グラディアトル法律事務所では、児童買春犯罪に関する豊富な経験と実績がありますので、逮捕を回避するためのさまざまなノウハウを蓄積しております。逮捕や起訴を回避したいとお考えの方は、実績と経験豊富な当事務所までご相談ください。

まとめ

児童買春で逮捕されると、実名報道、職場の解雇、周囲からの信用を失うなどのリスクが生じますので、まずは逮捕を回避することが重要です。捜査機関に発覚する前であれば、被害者の親と示談をすることで事件化を防ぐこともできますので、早期に弁護士に相談することをおすすめします。

児童買春をしてしまったという方は、経験と実績豊富なグラディアトル法律事務所までご相談ください。

弁護士 若林翔

弁護士法人グラディアトル法律事務所代表弁護士。 東京弁護士会所属(登録番号:50133) 男女トラブルや詐欺、消費者被害、誹謗中傷など多岐にわたる分野を手掛けるとともに、顧問弁護士として風俗やキャバクラ、ホストクラブなど、ナイトビジネスの健全化に助力している。

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