援助交際で逮捕!成立する犯罪・逮捕の4つの経緯と3つの回避方法

援助交際で逮捕!成立する犯罪・逮捕の4つの経緯と3つの回避方法
弁護士 若林翔
2024年11月02日更新

「援助交際をすると逮捕されるって本当?」

「援助交際はどのようなきっかきで逮捕されるの?」

「援助交際による逮捕を避けるにはどうしたらいい?」

援助交際には、明確な定義があるわけではありませんが、一般的に、18歳未満の未成年者に金品を渡して性交または性交類似行為をすることを指す用語として知られています。

援助交際は、相手の年齢や行為態様によっては犯罪が成立し、その結果逮捕に至るケースもありますので注意が必要です。

特に、近年は性犯罪の厳罰化傾向が顕著ですので、援助交際が発覚すると厳しい刑事責任を追及される可能性もあるため、援助交際に手を染めてしまったという方はすぐに逮捕を回避するための対策を講じる必要があります。

本記事では、

・援助交際により成立する可能性のある犯罪

・援助交際で逮捕される4つのきっかけ

・援助交際で逮捕された場合に生じる5つの不利益

・援助交際で逮捕を回避するためにできる3つのこと

などについてわかりやすく解説します。

援助交際で逮捕されてしまうとさまざまな不利益が生じますので、逮捕される前に援助交際に強い弁護士に相談することが大切です。

援助交際で逮捕される可能性のある犯罪

援助交際で逮捕される可能性のある犯罪としては、以下の5つが挙げられます。

項目内容罰則
児童買春・児童ポルノ禁止法違反18歳未満の児童に金品などの対価を渡して性交等を行うと成立5年以下の懲役または300万円以下の罰金
青少年健全育成条例(淫行条例)違反金品の供与がなくても未成年者と性交等を行うと成立(同意があっても違反)2年以下の懲役または100万円以下の罰金(東京都の場合)
不同意性交等罪相手が同意できない状態で性交等を行った場合、または13歳未満や13歳以上16歳未満で5歳以上年長者が同意を問わず行った場合に成立5年以上の有期拘禁刑
不同意わいせつ罪相手が同意できない状態でわいせつ行為を行った場合、または13歳未満や13歳以上16歳未満で5歳以上年長者が同意を問わず行った場合に成立6月以上10年以下の拘禁刑
出会い系サイト規制法違反出会い系サイトで18歳未満の児童を性交等の相手方として誘引する行為(書き込みのみでも成立)100万円以下の罰金

児童買春・児童ポルノ禁止法違反

18歳未満の児童に対して、金品などの対価を供与または供与する約束をして性交等をすると児童買春・児童ポルノ禁止法が規制する児童買春の罪が成立します。

このような児童買春をした場合、5年以下の懲役または300万円以下の罰金に処せられます。

児童ポルノ法とは?禁止行為や罰則、検挙数・逮捕率などの実態を解説

青少年健全育成条例(淫行条例)違反

青少年健全育成条例とは、青少年の保護と健全な育成を目的として、各都道府県が制定している条例です。児童買春では、金品などの対価を渡して未成年者と性交等をすることを処罰対象にしていますが、青少年健全育成条例では、金品などの対価の供与がなかったとしても、未成年者と性交等をすれば処罰されます。相手の同意があったとしても違反になりますので注意が必要です。

具体的な条例の内容や罰則は、都道府県によって異なり、たとえば東京都の場合だと「東京都青少年の健全な育成に関する条例」において、以下のように規定されています。

(青少年に対する反倫理的な性交等の禁止)

第十八条の六 何人も、青少年とみだらな性交又は性交類似行為を行つてはならない。

同条例に違反した場合、2年以下の懲役または100万円以下の罰金に処せられます。

淫行条例とは?成立要件や処罰の対象外となる4つのケースを解説 

不同意性交等罪

不同意性交等罪とは、同意しない意思を形成、表明、全うすることが困難な状態にさせ、またはそのような状態に乗じて性交等を行う犯罪です(刑法177条)。

援助交際というとお互いに合意の上で性交等を行うイメージがありますが、いわゆる「パパ活」のように食事のみで終わると思っていたところ、ホテルに誘われて強引に性交等がされるケースもあります。このようなケースでは、相手の同意のない性交等になりますので不同意性交等罪が成立する可能性があります。

また、被害者の年齢が13歳未満の場合または13歳以上16歳未満で行為者が5歳以上年長である場合には、被害者の同意の有無にかかわらず、不同意性交等罪が成立しますので注意が必要です。

なお、不同意性交等罪が成立した場合、5年以上の有期拘禁刑に処せられます。

不同意わいせつ罪

不同意わいせつ罪とは、同意しない意思を形成、表明、全うすることが困難な状態にさせ、またはそのような状態に乗じてわいせつな行為をする犯罪です(刑法176条)。

援助交際でも相手の同意がない状態でわいせつな行為をすると不同意わいせつ罪に問われることがあります。

また、被害者の年齢が13歳未満の場合または13歳以上16歳未満で行為者が5歳以上年長である場合には、相手が同意していたとしても不同意わいせつ罪が成立しますので注意が必要です。

なお、不同意わいせつ罪が成立した場合、6月以上10年以下の拘禁刑に処せられます。

出会い系サイト規制法違反

出会い系サイトなどを利用して援助交際の相手を募集すると、出会い系サイト規制法違反となる可能性があります。

出会い系サイト規制法では、18歳未満の児童を性交等の相手方になるよう誘引した場合が処罰対象になりますので、「ホ別2、JK」などの書き込みをすると、実際に援助交際に至らなかったとしても処罰されます。

出会い系サイト規制法違反となった場合、100万円以下の罰金に処せられます。

援助交際は犯罪?援助交際で問われる罪や犯罪にならない3つのケース

援助交際で逮捕される4つのきっかけ

援助交際で逮捕される4つのきっかけ

援助交際は、主に以下の4つのきっかけで逮捕される可能性があります。

親からの通報

・子どもの帰りが遅い
・学校の成績が落ちてきた
・身に覚えのない物を持っている
・部屋から高価なブランド品などが見つかった

このようなことがあると親が子どもを問い詰めた結果、援助交際をしていることが発覚するケースがあります。親が子どもによる援助交際を知ると、警察に相談して、子どものスマートフォンのメッセージのやり取りなどから交際相手を特定し、逮捕に至ることがあります。

援助交際相手の補導

都市部では私服の警察官が繁華街などを重点的にパトロールしていますので、未成年者が繁華街などを徘徊していたり、ラブホテルに入ろうとするところが目撃されると職務質問を受ける可能性があります。

職務質問の結果、未成年者であることが判明すれば補導されてしまいますいので、その際に、援助交際をしていることが判明するケースもあります。

警察によるサイバーパトロール

援助交際は、主にインターネット上の出会い系サイト、掲示板、SNS、マッチングアプリなどでメッセージのやり取りがなされています。未成年者の性犯罪は、社会問題にもなっており、警察でもサイバーパトロールにより日常的に援助交際を求める書き込みの有無をチェックしています。

援助交際を求める書き込みなどが発見されると、メッセージを投稿した本人が特定され、逮捕に至ることもあります。

別の捜査から発覚

援助交際などの性犯罪を行っている人は、他にも盗撮、痴漢などの別の犯罪にも手を染めているケースがあります。盗撮や痴漢がバレて逮捕された際に、援助交際の事実も発覚すると別件での再逮捕となる可能性もあります。

援助交際で逮捕された場合に生じる5つの不利益

援助交際で逮捕された場合に生じる5つの不利益

援助交際で逮捕されると、以下のような不利益が生じることになります。

長期間の身柄拘束

援助交際で逮捕され、勾留されると最長で23日間にも及ぶ身柄拘束を受ける可能性があります。身柄拘束が長期間に及ぶと会社や学校に援助交際で逮捕されたことがバレるリスクが高くなり、後述するような懲戒解雇や退学処分となる可能性もあります。

身柄拘束中は、警察署の留置施設で生活しなければならず、社会と隔離され家族とも満足に面会することができません。突然、そのような生活を強いられると精神的にも大きなダメージを受けることになるでしょう。

会社にバレて懲戒解雇

援助交際で逮捕されたことが会社にバレると懲戒解雇になる可能性があります。

近年、性犯罪には厳しい目が向けられていますので、私生活上の犯罪である援助交際であっても懲戒解雇になるリスクは十分にあります。また、懲戒解雇にならなかったとしても、逮捕・勾留中の長期間の無断欠勤を理由として普通解雇になる可能性もありますし、会社に居づらくなって自主退職を選択する人も少なくありません。

学校にバレて退学処分

援助交際をしていたことが学校にバレてしまうと退学処分になる可能性があります。

学校を退学となれば、希望していた進路を選択することができなくなりますので、本人の将来設計も大きく狂ってしまうでしょう。企業の内定を得ていたとしても、援助交際により逮捕されたことがバレてしまうと内定取り消しになる可能性もあるなど、学生にとっても逮捕される不利益は非常に大きいといえます。

周囲の人からの社会的信用の失墜

援助交際は、未成年者を対象とした性犯罪ですので、援助交際で逮捕されたことが周囲に知れると、これまで築き上げてきた信用が一気に失われてしまいます。家族からは見放されてしまい、離婚に至るケースも少なくありません。

また、これまで暮らしていた場所では生活しづらくなり引っ越しを余儀なくされることもあります。

実名報道によるデジタルタトゥー

援助交際により逮捕されたことが実名報道されてしまうと、インターネット上で半永久的にその情報が残ってしまいます。このようなデジタルタトゥーがあると、今後の就職や結婚をする際にも、過去の援助交際による逮捕がネックになって、破談になる可能性も高いでしょう。

援助交際で逮捕された場合の流れ

援助交際で逮捕された場合、以下のような流れで手続きが進みます。

援助交際で逮捕された場合の流れ

逮捕

援助交際による逮捕は、現行犯逮捕ではなく後日逮捕になるケースが多いです。

後日逮捕は、ある日突然警察官が自宅にやってきて逮捕状を示されて逮捕されるパターンや警察官から出頭要請を受けて逮捕に至るパターンが考えられます。

このように警察により逮捕されると、48時間以内の身柄拘束を受け、その後、被疑者の身柄は検察官に送致されます。

検察官送致

警察から被疑者の身柄送致を受けた検察官は、送致から24時間以内に勾留請求をするかどうかを判断します。

被疑者の身柄を引き続き拘束する必要があると認められる場合、検察官は、裁判官に勾留請求を行います。

勾留・勾留延長

裁判官は、被告人質問を行い、勾留の要件を満たす場合には勾留を許可する決定を出します。

裁判官により勾留が許可されるとそこから原則として10日間の身柄拘束を受けます。

勾留には延長制度がありますので、勾留延長も許可されるとさらに最長10日間の身柄拘束を受けることになります。

起訴または不起訴

検察官は、勾留期間が満了するまでの間に、援助交際の事件を起訴するかどうかを判断します。起訴されれば刑事裁判が行われ、ほとんどのケースで有罪となります。

他方、不起訴となればその場で身柄が解放され、前科が付くこともありません

援助交際で逮捕を回避するためにできる3つのこと

援助交際で逮捕を回避するためにできる3つのこと

援助交際で逮捕を回避するためにできることとしては、以下の3つが挙げられます。

被害者との示談

援助交際では、早期に被害者と示談を成立させることができれば、刑事事件として立件される前に問題を解決することができます。捜査機関に援助交際が発覚しなければ、当然、逮捕されることもありませんので、示談は逮捕を回避するために最も効果的な方法といえるでしょう。

ただし、援助交際では、被害者が未成年者になりますので、示談交渉は被害者本人ではなく被害者の親と行わなければなりません。しかし、自分の子どもが性犯罪の被害者になった親は、簡単には示談に応じてくれませんので、示談交渉は弁護士に依頼するのがおすすめです。

下記の関連記事もご覧ください。

援助交際で逮捕を回避するなら早期に示談!示談金相場や弁護士の役割

自首

自首とは、捜査機関に事件や犯人が発覚する前に、自主的に犯罪事実の申告を行うことをいいます。

自首をすることで逃亡のおそれや証拠隠滅のおそれがないと判断され、逮捕を回避できる可能性があります。また、自首をすることで刑の任意的減軽という法的効果が得られますので、不起訴処分や執行猶予付き判決を獲得できる可能性もあります。

ただし、自首をすれば絶対に逮捕されないというわけではありませんので、自首をするかどうかは弁護士に相談して決めるようにしましょう。

弁護士への相談

援助交際をしてしまったという方は、すぐに弁護士に相談することをおすすめします。

弁護士に相談をすれば、被害者との示談交渉や自首同行などの弁護活動により援助交際による逮捕を回避できるようサポートしてもらうことができます。特に、被害者の親との示談交渉は、加害者本人では拒絶されることが多いため、弁護士がいなければ交渉すら始めることができません。

援助交際により逮捕されてしまうとさまざまなリスクが生じますので、そのようなリスクを最小限に抑えるためにも早期に弁護士に相談することが大切です。

援助交際で逮捕された場合に弁護士ができる4つのこと

援助交際で逮捕された場合に弁護士ができる4つのこと

援助交際で逮捕されてしまった場合には、弁護士は、以下のようなサポートをすることができます。

早期釈放に向けて動いてくれる

逮捕・勾留による身柄拘束は、最長で23日間にも及びます。逮捕・勾留されてしまったとしても早期の釈放を実現できれば、会社や学校にバレるリスクが低くなりますので、不利益を最小限に抑えることができます。

弁護士は、検察官に対して勾留請求をしないよう働きかけたり、勾留に対する準抗告や勾留取消請求などにより身柄拘束からの早期釈放のサポートをすることができます。身柄拘束されている本人では、このような活動はできませんので早期釈放には弁護士のサポートが不可欠といえます。

関連記事:

援助交際で逮捕|早期解決のために弁護士ができる5つのことを解説

被害者との示談交渉を進めてくれる

逮捕されてしまったとしても被害者との示談交渉は重要です。なぜなら、早期に示談を成立させることができれば、身柄拘束からの釈放や不起訴処分を獲得できる可能性が高くなるからです。

身柄拘束中の本人では示談交渉を行うのは不可能ですので、弁護士に依頼して示談交渉を進めてもらうようにしましょう。

不起訴処分獲得に向けて動いてくれる

援助交際をしたのが事実であったとしても、さまざまな事情を考慮して起訴猶予を理由とする不起訴処分になることがあります。

弁護士に依頼すれば示談を成立させるなど被疑者にとって有利な情状を積み上げていき、検察官に対して不起訴処分にするよう働きかけていくことができます。弁護士は、検察官が不起訴処分にする際の考慮要素を熟知していますので、効果的な弁護活動により不起訴処分の可能性を高めることができます。

取り調べに対するアドバイスをしてくれる

援助交際により成立する犯罪の多くが、故意犯として規定されていますので、相手が18歳未満であることを認識していなければ犯罪は成立しません。

援助交際に至った経緯などから18歳未満である認識がなかった場合、犯罪の成立を否定するなどして不起訴処分を目指すことも可能です。

ただし、その場合は否認事件になりますので、警察官から厳しい取り調べを受ける可能性があります。そのような取り調べに対抗するには、専門家である弁護士のアドバイスが不可欠です。自らの身を守るためにも早期に弁護士に依頼して取り調べに対するアドバイスをしてもらうようにしましょう。

下記の2記事も併せてご覧ください。

援助交際は犯罪!弁護士による5つのサポートと弁護士選びのポイント

18歳未満だと知らなくても犯罪になる?不起訴になり得る4つのケース

援助交際で逮捕が不安な方はグラディアトル法律事務所にご相談ください

援助交際で逮捕が不安な方はグラディアトル法律事務所にご相談ください

援助交際は、相手の年齢や行為態様によっては犯罪が成立しますので、捜査機関に発覚すれば逮捕される可能性も十分にあります。逮捕されてしまうとさまざまなリスクが生じますので、逮捕を回避するには早期に弁護士に相談することが大切です。

弁護士の能力は、これまでの経験によって大きく左右されますので、援助交際の事案を依頼するなら経験豊富な弁護士に依頼するのが重要なポイントになります。グラディアトル法律事務所では、援助交際をはじめとした性犯罪事件の弁護に関する豊富な経験と実績がありますのでどうぞ安心してお任せください。

逮捕を回避するためのノウハウを熟知していますので、効果的な弁護活動により逮捕や起訴を回避できるよう全力でサポートいたします。24時間365日相談を受け付けており、初回相談料無料で対応していますので、まずは当事務所までご相談ください

まとめ

援助交際により成立し得る犯罪は、性犯罪になりますので万が一逮捕されてしまうと、世間から厳しく非難されてしまいます。そのような不利益を回避するには、まずは逮捕をされないことが重要です。

逮捕を避けるには援助交際に関する豊富な知識と経験を有する弁護士に依頼する必要がありますので、まずはグラディアトル法律事務所までお気軽にご相談ください。

弁護士 若林翔

弁護士法人グラディアトル法律事務所代表弁護士。 東京弁護士会所属(登録番号:50133) 男女トラブルや詐欺、消費者被害、誹謗中傷など多岐にわたる分野を手掛けるとともに、顧問弁護士として風俗やキャバクラ、ホストクラブなど、ナイトビジネスの健全化に助力している。

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