「クレジットカードの不正利用をするとどのような犯罪が成立するの?」
「クレジットカードの不正利用で逮捕される可能性はある?」
「クレジットカード不正利用で逮捕を回避する方法を知りたい」
クレジットカードの不正利用には、主に以下のようなものがあります。
・他人のクレジットカードを拾って自分のものにする ・他人の財布からクレジットカードを盗む ・違法に入手したクレジットカードを使用 ・ネットショッピングで他人のクレジットカード情報を入力 |
これらは、いずれも犯罪行為に該当しますので、捜査機関に発覚すれば逮捕される可能性があります。クレジットカード不正利用で逮捕されてしまうと、長期の身柄拘束や職場・学校の解雇・退学などの不利益が生じるリスクがありますので、まずは逮捕を回避するための行動が重要になります。
本記事では、
・クレジットカード不正利用で成立する可能性のある犯罪
・クレジットカード不正利用で逮捕される可能性
・クレジットカード不正利用で逮捕を回避する方法
などについてわかりやすく解説します。
クレジットカードの不正利用をしてしまったときは、刑事事件に強い弁護士のサポートが不可欠となりますので、できるだけ早く弁護士に相談することをおすすめします。
目次
クレジットカード不正利用で逮捕される可能性はある?
クレジットカード不正利用は、2章で詳しく説明しますが、さまざまな犯罪に該当する可能性のある行為です。クレジットカードの名義人などから被害届が提出され、警察による捜査の結果、クレジットカード不正利用の犯人が特定されれば、逮捕される可能性も十分にあります。
特に、クレジットカード不正利用を繰り返し、被害金額が高額な事案になると、処罰をおそれて逃亡するおそれや不正利用の痕跡を消すなどの証拠隠滅のおそれが高いため、逮捕に至る可能性が高いでしょう。
クレジットカード不正利用で逮捕・勾留されてしまうと、最長で23日間にも及ぶ身柄拘束を受ける可能性があり、逮捕が職場や学校にバレてしまうと解雇や退学になるリスクもあります。
そのため、クレジットカードの不正利用をしてしまった場合、まずは逮捕を回避することが重要になります。
クレジットカード不正利用で成立する可能性のある犯罪
クレジットカード不正利用をした場合に成立する可能性のある犯罪としては、以下の4つが考えられます。
以下は、クレジットカードに関連する犯罪をテーブル形式でまとめたものです。
行為 | 成立する罪 | 説明 | 刑罰 |
---|---|---|---|
他人のクレジットカードを拾って自分のものにする | 遺失物横領罪 | 落とし物を警察に届けず、自分の物にすると成立する。実際に利用しなくても所持しているだけで罪に問われる。 | 1年以下の懲役または10万円以下の罰金もしくは科料 |
他人の財布からクレジットカードを盗む | 窃盗罪 | 他人の財物(クレジットカード)を盗むと成立する。 実際に使用しなくても盗んだ時点で罪に問われる。 | 10年以下の懲役または50万円以下の罰金 |
違法に入手したクレジットカードを使用 | 詐欺罪 | 他人名義のクレジットカードを使用して店舗で決済すると、店舗を騙して商品やサービスを受け取る行為と みなされ成立する。 | 10年以下の懲役 |
ネットショッピングで他人のクレジットカード情報を入力 | 電子計算機使用詐欺罪 | ネットショッピングで他人のカード情報を入力して決済する行為は、コンピューターに虚偽の情報を与えて不法な利益を得る行為とみなされ成立する。 | 10年以下の懲役 |
このテーブルは犯罪の内容と成立要件、刑罰を簡潔に整理したものです。
他人のクレジットカードを拾って自分のものにする|遺失物横領罪
落ちていた他人のクレジットカードを拾って、警察に届けることなくそのまま自分の物にしてしまうと遺失物横領罪が成立します。
遺失物横領罪は、落とし物を自分の物にすることで成立する犯罪ですので、実際に他人のクレジットカードを不正利用していなかったとしても、他人のクレジットカードを所持し続けるだけで罪に問われてしまいます。
なお、遺失物横領罪が成立すると、1年以下の懲役または10万円以下の罰金もしくは科料に処せられます。
他人の財布からクレジットカードを盗む|窃盗罪
他人の財布からクレジットカードを盗むと窃盗罪が成立します。遺失物横領罪と同様に、実際にクレジットカードを使用していなかったとしても、盗んだ時点で罪に問われてしまいます。
なお、窃盗罪が成立すると、10年以下の懲役または50万円以下の罰金に処せられます。
違法に入手したクレジットカードを使用|詐欺罪
遺失物横領罪や窃盗罪などの犯罪行為により入手したクレジットカードを使用して、店舗などで買い物をすると、店舗に対する詐欺罪が成立します。
クレジットカードは名義人本人でなければ使用することができないものですので、本人であると偽って他人名義のクレジットカードで決済をすると、店舗を騙して商品やサービスの提供を受けているといえるため詐欺罪になるのです。
なお、詐欺罪が成立すると、10年以下の懲役に処せられます。
ネットショッピングで他人のクレジットカード情報を入力|電子計算機使用詐欺罪
実際の店舗ではなく、ネットショッピングで他人のクレジットカード情報を入力して、買い物をすると電子計算機使用詐欺罪が成立します。
一般的な詐欺は人を騙す犯罪ですが、電子計算機使用詐欺罪はコンピューターに虚偽の情報を与えるなどして不法な利益を得る犯罪になります。
なお、電子計算機使用詐欺罪が成立すると、10年以下の懲役に処せられます。
関連記事:
電子計算機使用詐欺罪とは?成立要件や具体的なケース、対処法を解説
クレジットカード不正利用で逮捕された実際の事例
クレジットカード不正利用で逮捕された実際の事例には、以下のようなものがあります。
他人になりすましてクレジットカードを作り1億円弱の不正利用で逮捕された事例
警視庁は、不正に入手したカードで高級ウイスキーを購入したなどとして、無職の男性(32)、その妻(33)
=東京都江東区=の両容疑者を詐欺容疑などで再逮捕した。
捜査関係者によると、再逮捕容疑は5月17日、東京都中央区のスポーツジムで、貴聡容疑者が無施錠の更衣ロッカーから都内の50代の男性名義の運転免許証を盗み、共謀して男性名義のカードを不正作成。6月25日に同区の店舗で約300万円相当の高級ウイスキー13本をだまし取り、港区内の買い取り店に転売したというもの。
(引用:朝日新聞デジタル)
31人になりすましクレカ71枚を不正入手し悪用か、再逮捕の夫妻
知人のクレジットカード情報を利用して商品を購入した疑いで逮捕された事例
他人名義のクレジットカードを使い、およそ87万円分のスマートフォンとタブレット端末を店からだまし取ったとして、鹿児島市の28歳の女が逮捕されました。
鹿児島南警察署によりますと、女は10月19日、鹿児島市の携帯電話を販売する法人の従業員に対し、他人名義のクレジットカードを提示し、スマートフォン5台、タブレット端末1台、合計およそ86万7000円分をだまし取った疑いが持たれています。
1か月後、法人が「女性客が買い物で使った男性名義のクレジットカードが不正に入手されたものと分かった」と警察に届け出て発覚し、警察が防犯カメラの解析などから女を特定しました。だまし取ったスマートフォンやタブレット端末は売却されていたということです。
(引用:南日本新聞社)(MBCニューズナウ)
身に覚えのないカード支払い…面識ある28歳女性が悪用、スマホ5台をだまし取り転売していた 容疑で鹿児島南署が逮捕
他人名義のクレジットカードを利用してホテルに宿泊したとして逮捕された事例
他人名義のクレジットカードを利用し、インターネットで宿泊代金約5万円のホテルを予約して宿泊したとして、電子計算機使用詐欺罪と詐欺の疑いで奈良県に住む女子高校生(19)が逮捕されました。
警察によりますと、女子高校生は、不正に入手した他人名義のクレジットカード情報を利用して、インターネットで宿泊料金約5万円のホテルを予約し、宿泊した疑いがもたれています。
女子高校生が他人のクレジットカードを不正利用し約5万円のホテルに宿泊か 詐欺容疑などで逮捕=菊川警察署
クレジットカード不正利用で逮捕された後の流れ
クレジットカード不正利用で逮捕されると、以下のような流れで刑事手続きが進んでいきます。
逮捕・取り調べ
クレジットカード不正利用で逮捕されると、警察署内の留置施設で身柄拘束され、警察官による取り調べを受けます。
取り調べでは、主に他人名義のクレジットカードを入手した経緯や不正利用に至った経緯などが聞かれますが、基本的には警察が思い描くストーリーで調書が作成されます。そのため、供述調書には、自分の認識とは異なる内容が記載されていることがありますので、しっかりと調書の内容を確認してから署名押印するようにしてください。
不利な調書を作成されてからでは、内容の修正や撤回は困難ですので、慎重な対応が求められます。
なお、逮捕には時間制限があり、警察は被疑者の逮捕から48時間以内に検察官に被疑者の身柄を送致しなければなりません。
検察官送致
被疑者の身柄送致を受けた検察官は、被疑者に対する取り調べを実施し、勾留請求するかどうかを判断します。
検察官が被疑者の身柄を引き続き拘束する必要があると判断したときは、送致から24時間以内に裁判官に勾留請求をしなければなりません。
勾留・勾留延長
裁判官は、被疑者に対する勾留質問を行い、勾留を許可するかどうかの判断をします。裁判官が勾留を許可すると、そこから原則として10日間の身柄拘束となります。また、勾留には延長制度がありますので勾留延長も許可されると、さらに最長で10日間の身柄拘束となります。
このようにクレジットカード不正利用で逮捕されると最長で23日間にも及び身柄拘束を受ける可能性がありますので、被疑者本人の肉体的・精神的負担は非常に大きなものとなります。
起訴・不起訴の決定
検察官は、勾留期間が満了するまでの間に起訴または不起訴の判断を行います。
クレジットカード不正利用は、詐欺罪や電子計算機使用詐欺罪に問われる可能性がありますが、これらの罪には罰金刑がありませんので起訴されて有罪になれば必ず懲役が科されることになります。
執行猶予が付かなければ実刑判決となり、そのまま刑務所に収監されてしまいますので、不起訴処分の獲得が重要となります。
クレジットカード不正利用で逮捕を回避する方法
クレジットカード不正利用で逮捕を回避する方法としては、以下のような方法が挙げられます。
被害者と示談をする
クレジットカード不正利用の事案では、主に店舗(カード加盟店)に損害が生じますので、損害の生じた被害者との間で示談をすることにより逮捕を回避できる可能性があります。
被害者との示談により被害が回復されれば、被害者の処罰感情が沈静化しますので、被害届の取下げに応じてもらいやすくなります。また、当事者間ですでに解決した問題であれば、警察も積極的に捜査をすることはありません。
そのため、クレジットカードの不正利用をしてしまったときは、迅速に被害者との示談を成立させることが重要です。
関連記事:
詐欺事件の示談金相場はいくら?払えないときの対処法も解説
警察に自首をする
クレジットカード不正利用が捜査機関に発覚していない段階であれば、警察に自首をすることも逮捕回避にとって有効な手段となります。
なぜなら、逮捕をするには逃亡のおそれまたは証拠隠滅のおそれがあることが要件となりますが、自首をすることで逃亡のおそれや証拠隠滅のおそれがないことを示すことができるからです。
ただし、自首をすれば必ず逮捕を回避できるというわけではありませんので、自首をするかどうかは弁護士と相談をしながら慎重に判断するようにしてください。
弁護士に相談する
クレジットカードの不正利用をしてしまったときはすぐに弁護士に相談することをおすすめします。
弁護士に相談をすれば逮捕や起訴を回避するためにできる対処法をアドバイスしてもらうことができますので、自分で対応するよりも逮捕を回避できる可能性が高くなります。
また、実際に被害者との示談交渉をする際には、弁護士が窓口となって対応してくれますのでスムーズに示談をまとめることができ、警察に自首する際にも弁護士が同行してくれますので安心して対応できます。
クレジットカード不正利用で逮捕を回避するには、刑事事件に強い弁護士のサポートが不可欠ですので、早めに相談するようにしてください。
クレジットカード不正利用で逮捕されるか不安な方はグラディアトル法律事務所に相談を
クレジットカード不正利用は、さまざまな犯罪行為が成立する可能性があり、事案によっては重い処罰が下される可能性もあります。当然、逮捕の可能性もありますので、クレジットカードの不正利用をしてしまったときはすぐに弁護士に相談するようにしましょう。
グラディアトル法律事務所では、クレジットカード不正利用に関する弁護の経験や実績もありますので、有利な処分を獲得するためのポイントを熟知しています。早期に対応することで有利な処分を獲得できる可能性が高くなりますので、早めに当事務所までご連絡ください。経験豊富な弁護士が迅速に弁護活動に着手し、逮捕や起訴を回避できるよう全力でサポートいたします。
当事務所では、相談は24時間365日受け付けておりますので、早朝・夜間や土日祝日であっても関係なく対応可能です。また、初回法律相談を無料で対応していますので、まずは相談だけでも結構です。刑事事件は、スピード勝負と言われるように迅速な対応が重要になりますので、少しでも早く弁護活動に着手するためにもまずは当事務所までお問い合わせください。
まとめ
クレジットカードの不正利用をしてしまったとしても、被害者との示談や自首などにより逮捕を回避できる可能性があります。逮捕されてしまうと長期間の身柄拘束などの不利益が生じますので、逮捕される前に早めに弁護士に相談することをおすすめします。
クレジットカードの不正利用をしてしまった方は、実績と経験豊富なグラディアトル法律事務所までお気軽にご相談ください。