《事案の概要》
ガールズバーで従業員として働いていた未成年の少年が,風営法違反(無許可)で逮捕された事例です。
ガールズバーは,通常のバーや居酒屋などと同様に風営法上の深酒営業(深夜酒類提供飲食店)の届出で営業していることが多いです。
簡単にいうと,深夜も営業する店は届出を出しなさいよと風営法に定められているので,その届出を出しているということです。
今回のお店も深酒営業の届出を出していました。
では,なぜこの少年は逮捕されたのでしょうか?
風営法には,キャバクラやホストクラブのようなお客さんに接待をすることが想定されているお店についても定められています。
接待をするキャバクラやホストクラブでは,深夜(午前0時,1時以降)の営業は禁止されています。
そして,接待をするお店は,風営法上の許可が必要になります。
すなわち,接待をするには風営法上の許可が必要で,この許可を得ずに接待営業をしていた場合には,無許可営業になってしまうのです。
本件では,未成年の少年が働いていたガールズバーは,深酒営業の届出は出していたが,接待をするための許可を得ていなかった。
許可がないのに,そのガールズバーでは,女性キャストにお客さんの接待をさせていたのです。
そのため,そのガールズバーで働いていた少年も逮捕されてしまいました。
《弁護活動とその結果》
当法律事務所の弁護士が少年の弁護人につきました。
早期の釈放のため,少年の両親の身柄引受書に弁護士の意見書を付して検察庁,裁判所に提出を行いました。
しかし,10日間の勾留決定が出されてしまいました。
お店がからむ風営法違反の場合には,関与していた人が複数になること,証拠の収集・分析に時間がかかることなどから,逮捕・勾留されてしまうケースが多いです。
その後,再度詳細な事実関係や証拠関係を把握し,少年のお店での地位や今後の過ごし方,両親の監督能力や監督方法等について意見書を作成し,検察庁・裁判所に提出をしました。
その結果,少年は,勾留が延長することも,観護措置決定となり少年鑑別所に入ることもなく,無事に釈放されました。
その後,少年審判について,家庭裁判所の調査官,裁判官と話をし,意見書を提出したところ,審判不開始決定がなされ,本件は無事に終了しました。