風俗トラブル!盗撮冤罪事件!

弁護士 若林翔
2019年01月27日更新

風俗トラブル概要要約

今日は盗撮していないのに!盗撮を疑われ,支払いの示談書にサインしてしまった盗撮冤罪事件!

130万円の支払いを約束し,示談書を書かされたが,弁護士の介入により支払いなしで0円解決!相談から解決までわずか6時間のスピード解決!

風俗トラブルの概要

今回の相談者は,千葉市の男性。

相談者が利用したのは,東京都渋谷区の熟女専門のSM系デリヘル。

土曜日の夜,日頃のストレスを解消するため,女の子を目隠し&拘束してプレーを楽しんでいた。
そんな時,相談者のスマホのバイブが震えた。
相談者は,「なんだよ。こんなときに」と思いながら,届いたメールを確認した。職場からの仕事の連絡だった。
緊急の案件ではなかったが,相談者は律儀に返信した。

目隠しをされていた女の子は,目隠しの下からスマホのカメラレンズがこっちを向いているのをみた。

プレーが終わって休んでいると,女の子がスタッフを呼んだ。
スタッフは,相談者のスマホをチェックして盗撮していないかを確認した。
相談者は,盗撮などしていなかった
当然,今日相手をしてもらった女の子の動画や写真など入っていない。

しかし,以前別の店で行った盗撮画像が見つかってしまった。
スタッフは,それを見るやいなや,関西弁で相談者を怒鳴りつけた。
「なんやこれは!?こんなことしとるんやから今日も撮影しとったやろ!?」
「すみません・・・」
相談者は怖くなって,謝ってしまった。
盗撮したことを前提に話が進められる。
免許証のコピーを取られ,会社の名前や住所,電話番号を控えられた。
相談者は,うなだれて言われるがままに示談書にサインをした。
女の子の精神的慰謝料として50万円,しばらく働けなったことの迷惑料として100万円の合計150万円を支払うことを約束した。
150万一括は無理だと話したところ,とりあえず明日の14時に持ってこれるだけ持ってくることも約束させられた。
150万円なんて払えない・・・。そもそも,今日は盗撮なんてしていなかったのに!本当に150万円支払わなければならないの?そう思っても約束の14時は刻々と迫ってくる。
相談者は,家に帰って眠れぬ夜を過ごした。

当法律事務所への相談と弁護士によるスピード対応

相談者は,午前8時30分,当法律事務所宛に相談のメールを送った。
知り合いに弁護士がいなかった相談者は,ネットで検索して,風俗トラブルや盗撮トラブルの対応実績があり日曜日にも相談可能な法律事務所ということで,当法律事務所に連絡をした。
当法律事務所は,メールを見て本件の相談は緊急性が高いものと判断し,優先的に対応をすることにした。

弁護士が事件を受任して解決のために動くためには,契約を締結し,委任状をもらう必要がある。方針を決めるための協議も必要だ。14時までとなるとほとんど時間がない。
当法律事務所内で対応可能な弁護士の調整をし,11時30分に相談者と弁護士との面談が設定された。

弁護士と相談者との面談により,次の事実が明らかになった。
スタッフは,示談書にサインをさせるために

「お前の会社に盗撮したって連絡すんぞ!」

「うちの店長はほんとに怖いんだよ」

「前盗撮で捕まえたやつは300万払ったぞ!」

などと言っていた。
示談書も契約の一種であるが,契約は自由な意思により締結されるものである。しかし,自由な意思が抑圧されたような状況でなされた意思表示は無効となると考えられている。
さらに,今回は盗撮もしておらず事実に基づかないものであるから,脅されて自由な意思が抑圧されてサインしたものとして,示談書の効力は無効となると弁護士は考えた。

また,風俗店の店側が風俗トラブルで示談金を請求する際に,恐喝をして逮捕された事例もあり,本件での風俗店の店員の言動は恐喝に該当すると考えた。

参考:風俗トラブルで示談金要求をした風俗店経営者が恐喝罪で逮捕!?

弁護士の対応方針と風俗店との交渉

弁護士と相談者は本件風俗トラブルについての対応方針を協議した。

本件は盗撮行為をしていない冤罪事件であること

相手方風俗店から脅迫をされて示談書を書いてしまったこと

示談書の金額も150万円と高額であること

以上からすれば,本件では示談をすすめるのではなく,支払義務がないことを相手にしっかりと伝えた上で,職場への連絡や本人への接触があるのであれば,こちらから法的措置を採らざるを得ないことを伝え,相手を牽制して,今後の嫌がらせ等を防ぐという方針を採ることにした。

 

13時20分,弁護士が動くための事務手続きも終わり,弁護士は相手方である店に電話をして,以下の内容を告げた。
・今回の盗撮事件について相談者から依頼を受けて受任したこと
・今回の示談書は無効となると考えていること
・支払義務も当然ないと考えているので,店側が請求を維持するのであれば裁判などの法的手続きを採ってくいださい
・今後,本人や関係者に直接あったり,電話したりは絶対にしないこと

・仮に,そのような行為があれば,こちらから法的措置を採らざるを得ないこと

解決結果

今回の相談者は,弁護士に相談したことにより,150万円の請求をされたが結果的に相手方風俗店に対して1円も支払わずに済んだのである。
その後,風俗店側からは一切連絡が来ることもなかった
また,相談者が弊所にメールをしてから,弁護士が店に電話を入れて解決するまで5時間30分しかかかっていない。
仮に相談者が弁護士に依頼していなかった場合,ひょっとしたら130万円を支払い,支払いのために店側との接触も何度もしなければならなかっただろう。
今回の盗撮トラブル事例において,相談者は,怖い週末を過ごしたものの月曜日からは日常にかえっていったのである。

 

弁護士 若林翔

弁護士法人グラディアトル法律事務所代表弁護士。 東京弁護士会所属(登録番号:50133) 男女トラブルや詐欺、消費者被害、誹謗中傷など多岐にわたる分野を手掛けるとともに、顧問弁護士として風俗やキャバクラ、ホストクラブなど、ナイトビジネスの健全化に助力している。

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