『セクストーション」とは、「セックス(性的)」と「エクストーション(脅迫・恐喝・ゆすり)」を合わせた造語で、日本語では性的脅迫を意味します。
その内容としては簡単に申し上げると、相手の性的な写真や動画を入手または入手したと見せかけ、それを「ネット上に公開してほしくなければ金銭を支払え」などの脅迫・恐喝手段によって、金銭を脅し取ったり、騙し取ったりする行為のことをいいます。
日本においては約5年前からセクストーションの被害が出始め、スマホやアプリ・SNSなどの発達に伴い、年々増加傾向にあります。
特に最近では、LINEやFacebookなどのSNSでは動画通話が、SkypeやZoomなどのビデオ会議が簡単に行えるようになったことが拍車をかけています。
実際、当事務所でも相談件数が日に日に増えており、毎日セクストーションに関する問い合わせがあるほどです。
そこで今回は、セクストーションの具体的な手口や対策について以下解説したいと思います。
セクストーション(性的脅迫)の手口
きっかけとしては、出会い系アプリやSNSがほとんどで日本国内だけでなく海外の相手であることも往々にしてあります。
いくらかのやり取りをしたのち、オンラインで写真や動画を送り合うことが可能なアプリやSNSに誘導し、そこで裸や陰部、自慰行為など性的な写真や動画を見せ合おうと話を持ちかけてきます。
場合によっては、「あとで金銭や電子マネーなどを送金するから」などとウソをつき、勧誘してきます。
そして性的な写真や動画を送るやいなや、当該写真や動画をバラまいてほしくなければ金銭を支払えと伝えてきます。
この際、真偽は別にして「個人データを抜き取ったから家族や友人・知人など知り合いにも送り付ける」と脅してくることも多くあります。
金銭については、振込のほか電子マネー・海外送金が案内されることがよく見受けられます。
ここで要求に応じて金銭を支払ったとしても、脅迫がおさまることはほとんどありません。
むしろいわゆるカモにされて、何度も金銭を要求されるのが通例です。
セクストーション(性的脅迫)への対策
そもそも素性のわからない相手方とのやり取りは、慎重に行いましょう。
セクストーションの相手方は、のちに脅迫・恐喝をすることを前提でやり取りを行っていますので、氏名や住所・電話番号などの個人情報のほか、脅迫・恐喝の材料となる情報を聞き出そうとしてきます。
ですので、たとえ聞かれたとしても自らを特定させるような情報は伝えないようにすべきです。
そして誘われたとしても、性的な写真や動画は絶対に送らないようにすべきです。
動画通話やビデオ会議のオンライン上のやり取りであっても、そのままデータとして保存することが容易に可能です。
そして保存された写真や動画がいちどでもネット上に公開・拡散された際には、すべてを削除することは事実上困難だからです。
もし性的な写真や動画を送ってしまい金銭等を要求された場合、決して支払わずに弁護士や警察に相談しましょう。
先に述べたとおり、支払ったとしても脅迫・恐喝がおさまることはほとんどなく、追加でまた請求されるだけだからです。
最後にセクストーションはもちろん脅迫・恐喝でお悩み・お困りの方は、自らで解決しようとせず遠慮なく当事務所ください。