ニュース内容
高収入を得られるノウハウとうたって「情報商材」をネット上で販売する男性からマレーシアで1千万円を脅し取ったとして、警視庁は、指定暴力団神戸山口組系組幹部の○○○○容疑者ら男3人を恐喝容疑で逮捕した。捜査関係者への取材でわかった。いずれも容疑を否認しているという。
2020年2月5日 5時00分 朝日新聞
警視庁は、海外での犯罪について自国民を処罰する刑法の国外犯規定を適用。現場の男性宅に設置された防犯カメラの映像などから3人が関与したと判断した。
捜査関係者によると、ほかに逮捕されたのは、それぞれ別の会社の役員の×××、△△△△の両容疑者。3人は2018年4月12日、マレーシア・クアラルンプールの日本人男性(29)宅で、「俺はヤクザだ」などと男性を脅し、1千万円を振り込ませた疑いがある。
男性は現地を拠点に、投資などの必勝法をうたう情報商材ビジネスを展開。購入した△△容疑者から成果が出ないとして代金を取り返すよう依頼され、××容疑者が○○容疑者と2人で現地を訪れたという。警視庁は、防犯カメラの映像などの提供を男性から受け、捜査を進めていた。
弁護士からのコメント
今回のニュースは、情報商材をめぐってトラブルに発展し、恐喝したことにより逮捕されたというものです。
情報商材についてはトラブルが多く、たしかに詐欺まがいのものも存在します。
詳しくは下記ページに記載しておりますのでご参照ください。
そして今回は、情報商材を購入した被疑者がその代金を取り返すよう他の被疑者に依頼し、恐喝事件となっています。
この点、今回は1千万円を振り込ませたとあり、おそらく代金以上を脅すことで取り返していますが、仮に代金の返金だけであっても恐喝にあたりうることを説明いたします。
まずそもそも代金を取り返すには、契約を取り消すなどして代金の返還請求権を有することが必要です。
単に成果が出なかったなど商品に納得いかなかったからといって、すぐさま返金を求めることはできません。
そして、契約を取り消して代金の返還請求権を有したとしても、あくまで返還請求は正当な権利行使といえる範囲内でしか行えません。
ですので、今回のようにヤクザに依頼して脅すことはもってのほか、自らでも脅し文句を用いて返還請求すると、正当な権利行使の範囲外として恐喝にあたります。
法治国家である以上、自らで返還請求を行っても功を奏さない場合は、裁判など法に則って権利を行使しなければならないということです。
このように相手に支払えといえる請求権を持っていたとしても、その請求の仕方次第では恐喝になるのです。
最後に恐喝に遭っていると思った際には、自力で解決しようとはせず遠慮なく当事務所にご相談ください。