ニュース内容
大阪府警高槻署は8日、歩いている高齢者にわざとぶつかり「スマートフォンが壊れた」と因縁をつけ、修理代として現金を脅し取ったとして恐喝の疑いで、住所不定、自称日雇い解体業野本弘治容疑者(33)を逮捕したと発表した。7日付。「何のことか全く分からない」と容疑を否認している。
2020/7/8 13:49 (JST) 一般社団法人共同通信社
逮捕容疑は2019年9月、大阪府高槻市を歩いていた80代の男性にぶつかり「スマホの画面が割れたやないか」と言って現金8万円を脅し取り、同月、90代の男性にも同様の因縁をつけ、現金20万円を要求し、25万円を脅し取った疑い。
署は男性2人からの相談を受け、今年6月24日に指名手配していた。
弁護士からのコメント
今回のニュースは、歩いている高齢者にわざとぶつかり「スマートフォンが壊れた」と因縁をつけ、修理代として現金を脅し取ったとして恐喝の疑いで逮捕されたというものです。
この手法は、「スマホ当たり屋」という詐欺の手口を模倣したものといえ、金銭を騙し取るのではなく脅し取っている点が違いです。
「スマホ当たり屋」の詐欺については下記ページで解説していますので、よければご参照ください。
そして今回は、「スマホ当たり屋」の恐喝バージョンとなっている本件の手口について具体的に解説したいと思います。
まずターゲットを高齢者に絞っている点で悪質な犯行といえます。
というのも、高齢者となると因縁とわかっていても体力の違いから逃げるという選択肢を取れないことを見越しているからです。
また、スマートフォンがどれくらいの価格がするのか、また修理代がどれだけかかるのかなどについて高齢者が比較的知らないことも狙い、言い値の金額を支払うだろうとの公算をもって行っているとも思われるからです。
また恐喝の材料としてスマートフォンを道具にしていることも計画的な犯行である点がうかがえます。
スマートフォンが地面に落とすことで画面が割れやすい性質にくわえ、既に画面が割れているスマートフォンさえ用意すればターゲットを変えることで何度も恐喝に利用することが可能だからです。
このように金銭を脅し取りやすいターゲットを選んだうえで、スマートフォンという何度も犯行に利用できる道具を用いるところに「スマホ当たり屋」の恐喝手口の特徴があるといえるでしょう。
「スマホ当たり屋」の恐喝被害に遭わない対策としては、スマホが壊れたなどを理由に金銭を要求された場合にはすぐさま警察に通報しましょう。
恐喝目的であれば、警察を呼ばれることは避けたいはずなので、そのまま逃げ去ることが十分考えられるからです。
最後に「スマホ当たり屋」に限らず恐喝被害でお悩み・お困りの方は遠慮なく当事務所にご相談ください。