不倫(浮気)においては、その関係が悪化・解消する状況に陥ると、納得のいかない相手方から「家族や職場にバラす」などと脅迫されたり、それだけにとどまらず金銭の恐喝や離婚や退職などの強要まで行われるケースが多く見受けられます。
そこで今回は、不倫(浮気)相手からの脅迫・恐喝・強要にいたる経緯やその手口、対応方法について、以下解説します。
脅迫・恐喝・強要にいたる経緯
前述のとおり、不倫(浮気)の関係が悪化したり、解消となる際に脅迫・恐喝・強要が行われるケースが多いといえます。
ではそもそも、どのようなことが原因となり、不倫(浮気)関係が悪化・解消するのでしょうか。以下説明します。
まず不倫(浮気)関係が悪化・解消する原因として、約束を破った・守らなかった場合です。
その最たる例として、「いついつまでに離婚するから」と約束したにもかかわらず離婚できていないときがあげられます。
他には、誕生日や記念日などにデートや旅行の約束をしたのに、約束が果たされなかったときもあげられるでしょう。
また不倫(浮気)関係が悪化・解消する原因として、家庭・仕事の事情など環境が変化したことに伴い、以前と同様に会ったり連絡を取れなかったりする場合もあります。
家庭の事情であるのは、配偶者が仕事を始めたり逆に辞めたりであったり、子どもの進学、引っ越しなどがあるでしょう。
一方、仕事の事情であるのは、転職・転勤であったり部署異動があるでしょう。
ただ、いずれの原因であるにせよ、そのことに不倫(浮気)相手が納得いかない場合にはマイナスの感情をもつことになります。
マイナスの感情というのは、「今までの時間を無駄にした」「人生を台無しにした」というようなものです。
そして、そのマイナスの感情を晴らす思いや、自らと同じように苦しめたいという考えなどから、脅迫・恐喝・強要という行動を選択する結果となります。
脅迫・恐喝・強要の具体的な手口
不倫(浮気)相手からの脅し文句としては、「家族や職場に不倫(浮気)していたことをバラす」というものがほとんどです。
そして脅迫だけでとどまることはまれで、「バラしてほしくなければ手切れ金や慰謝料など金銭を支払え」と恐喝してくるケースが多く見られます。
また、あわせて「離婚しろ」「会社を辞めろ」「引越しをしろ」など強要を行ってくるケースもあります。
この段階になると、不倫(浮気)相手からだけではなく、その親族や友人・知人を名乗る者から脅迫・恐喝・強要が行われることもあるでしょう。
脅迫・恐喝・強要を告げる手口としては様々で、実際に会って告げる場合もあれば、電話やメール・SNSなど通信手段を利用して告げる場合が挙げられます。
ここで対応を誤ると、実際に家族や職場に不倫(浮気)していたことを伝えられるところまで発展することもあります。
実際にみられたケースは、家族に対しては、自宅に手紙を送りつける、配偶者や子供がSNSをやっていれば直接メッセージを送る、掲示板やSNSなどネット上に書き込むというものです。
職場に対しては、同様に手紙を送り付ける、掲示板やSNSなどネット上に書き込むのほか、会社の問い合わせページに投稿するというものがあります。
なお伝える内容としては、はじめは不倫(浮気)をほのめかす程度のもので、実際に行動に出ることを見せつけ、恐喝・強要内容を実現させようとすることが多いです。
脅迫・恐喝・強要への対応方法
恐喝・強要までいかずとも脅迫がなされた段階で、自ら対応しようとせず弁護士に相談すべきです。
というのも前述のとおり、不倫(浮気)相手は感情が高ぶっている状況にあるなかで対応を誤ってしまうと、恐喝や強要に発展したり、実際に不倫(浮気)していたことを家族や職場にバラされかねないからです。
一方で恐喝や強要内容まで伝えられている段階であっても、もちろんそれに応じてはなりません。
金銭を支払ったり要求どおりの行動をとったとしても、その後重ねて要求されない保証は何もないからです。
むしろエスカレートして、より高額の金銭や無理な行動を要求してこられることが往々にしてあります。
ですので対応方法としては、自力で対応・解決しようとせず弁護士に相談すべきといえます。
そして脅迫・恐喝・強要の内容は証拠として保存しておくべきです。
恐怖心から消去したい気持ちはあるかと思いますが、弁護士が対応するにあたっては証拠が重要となるからです。
具体的には、実際に会ったり電話の場合には録音する、録音できないときにはその内容を早急に覚えている限りメモすることです。
メールやSNSの場合には、スクリーンショット等でも残しておきましょう。
なお身に危険を感じる際には、迷わず警察にも相談すべきです。
最後に不倫(浮気)相手から脅迫・恐喝・強要を受けた際には、遠慮なく当事務所にご相談ください。