恐喝や脅迫の被害を解決するためには、そもそも被害にあう原因や対処法・リスクを知っておく必要があります。
脅迫・恐喝被害にあう原因
脅迫・恐喝被害にあう原因として
- 法的に罰せられることではないが、周囲に知られると困るような行為の証拠を握られている
- 被害者自身が法律に反する行為を犯しており、その証拠を握られている
という2つのパターンがほとんどでしょう。
上のパターンの例でいえば、過去に隠して水商売をしていたことや変わった性癖を持っていることなどがあげられます。
下のパターンの例でいえば、民事でいえば不貞(不倫)、刑事でいえば捜査機関に発覚していない窃盗や横領などの犯罪などがあげられます。
そして、何かのきっかけでこのような証拠を加害者が入手したことが原因で、脅迫・恐喝が始まります。
脅迫・恐喝被害解決のためにやってはいけないこと
脅迫・恐喝被害にあった際に両方に共通する『やってはいけないこと』は
自力で解決しようとする
ことです。
これは、絶対に避けた方がいいでしょう。当事者同士で冷静に話し合いができることはまずありません。
それどころか、余計に状況が悪化する可能性があります。最悪の場合、自分の身に危険が及ぶこともあります。
ですので、気持ちはわかりますが自力で交渉したり解決を目指すことは全く推奨しません。
では、どうすればいいのでしょうか?
早急に弁護士に相談する
脅迫・恐喝、ともに刑法における処罰の対象になります。
ですので、警察に被害届を出したり刑事告訴することもできます。
しかし、脅迫・恐喝被害は、その被害内容の特殊性から警察よりもまず弁護士に相談することを推奨します。
なぜ警察よりも先に弁護士なのか
脅迫・恐喝被害において警察に捜査をしてもらうには、被害届を出すか刑事事件として告訴状を提出する必要があります。
(ともに親告罪ではないので、大規模・悪質な場合は、警察が自主的に捜査開始することはあります。)
『被害届』は、犯罪の被害者等が被害にあった事実を捜査機関に申告する届出であり、捜査の義務は生じません。
一方で
『告訴』は、犯罪の被害者等が捜査機関に犯罪事実を申告して訴追を求めることであり、捜査の義務が生じ処分を決定して告訴人に通知しなければなりません。
両者ともに本来は犯罪捜査規範により受理しなければならないにもかかわらず、警察は受理を拒むことがあります。
「えっ、そんな馬鹿な」と思うかもしれませんが、残念ながら事実です。
特に、告訴状に関しては「犯罪事実の申告にはあたらないから告訴として取り扱いません」などといって拒みます。
要は、捜査して犯罪だと確実に立証できるに足る証拠が揃ってると確認できる告訴状でないと受理されないのです。
また、告訴状が受理されたとしても、いつ捜査するかは警察次第ですので、すぐに捜査されるとは限らず、結果として迅速な解決につながらないことも十分あり得ます。
脅迫・恐喝被害と被害届や刑事告訴については、以下の記事もご参照ください。
たしかに捜査が開始されれば、加害者に対する任意の事情聴取や場合によっては逮捕・起訴によって、脅迫・恐喝被害から基本的には開放されるでしょう。
しかしながら、上記のように被害届にしろ告訴状にしろ確実に受理されるとは限らず、受理されたとしてもすぐに捜査がされる保証はどこにもないのです。
すなわち、一刻も早く脅迫・恐喝から解消されたいのに逆に時間がかかる可能性が大いにあるのです。
一方、弁護士は、依頼者の利益を最優先に考えて行動するので迅速に対応にします。
また、様々な経験をしているので、場合によっては被害届や告訴状を提出したほうがいいといった判断も可能です。
そして、その際に必要な書面作成もできます。
急がば回れ、というように警察に捜査してもらうにも、弁護士に相談してからのほうが早いというケースはよくあります。
以上が警察よりも先に弁護士に相談した方がいい大きな理由です。
リスクを理解しておく
脅迫・恐喝被害において、弁護士が対処したとしても完全に払拭できないリスクがあります。
そのリスクとは、
- 弱みの証拠を、全て回収すること
- 弱みをバラされるリスクを0にすること
です。
1点目は、仮に加害者が「証拠はこれで全部です。」といっても、それを証明する術がないからです。
特にデジタル化が主流の現代では複製など簡単に行えるので、やっかいといえます。
その意味で、「まだ証拠を持たれているかも」という不安を完全に取り除くことは難しいと言わざるをえません。
そのため、任意の交渉で合意書を締結する際には、秘密保持や口外禁止などの条項を盛り込みます。
くわえて、その条項に違反すると違約金が発生するとの条項も入れます。
そうすることで、加害者のリスク心理に基づく行動の抑制を行います。
それで基本的には、加害者は同じことを繰り返さず、依頼者は平穏な生活を取り戻せます。
ただし例外的に、加害者が何かのきっかけでその心理のたがが外れて暴走してしまうと、それを止める術は誰にもありません。
たとえば、免許取り消しになったら、車の運手はしてはいけないことだと普通は思い実行しません。
しかし、それを勝手にする行為は止めれません、ということです。
これが2点目のリスクということになります。
もちろん弁護士はそういったことにならないように解決をすすめていきますが、上記のような点があることは常に念頭においておく必要があります。
もっとも、解決したにもかかわらず蒸し返された場合には、当然アフターフォローはさせていただきます。
では、そのような点を踏まえて、弁護士はどのように解決に導いていくのでしょうか。
下記のページよりご確認ください。
→ 恐喝被害の特徴と対応
→ 脅迫被害の特徴と対応